ある古書店販売員の日常。

猫寝 子猫

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その二十 おい、デートすっぞ! いやです。

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 それはいつも突然やって来やがる?

 「ちょい顔貸してデートすっぞ!」

 ヤサ禺れた常連客、理央さんだ。

 「いやです、ダメです、仕事中です。」



 いつもの部屋着ジャージとグラサン着用で来た理央さん。
 

 この間の映画鑑賞時は割とおしゃれサンだったのに。

 「営業妨害で古賀さんに連絡します。」

 「な、なんで宣伝部長古賀さんに連絡するのよ!」

 「呑み友なんで、あと理央さんが無茶したら連絡してくれと。」


 「…って事は、私の職業正体はバレてる訳だ?」


 「すいません、俺ネトゲはヤらないんで、理央さんのジョブはわかりませんけど?」

 「誰がオンラインゲームの話しをしているのよ⁈

 って、その様子じゃ、やっぱり気付いてるって事だよね。」


 その時、


 「さん、無事ですか! ダダダだ、大丈夫ですか?」

 「あ、マリさん?」

 「えっ?誰よ!」


 マリさん、こと「デスソースまる子」さん。

 本当の名前は「唐沢 陽毬ひまり」さん。

 (ポイントカードで分かった。)

 以前、女子プロレスのチラシを置かしオカシてもらえないか、頼みにきた新人女子レスラーさんだ!

 
 「今、ううう上で怪しい女の人に連れて行かれたって聞いて、さささ探しに来ました!」

 アキバさん、なんて説明を⁈

 まぁ、あながち間違って無いけど。
 

 「あ、ご心配無く、マリさん。

 大した事有りませんから。」

 「いえ、ここここんな時こそ、いいい以前のご恩を返す時なのです!」

 ロロロ、ロシア?

 んん、いや、マリさんの目がヤバい?

 テンパリ具合がデビュー戦と同じくらいだ?

 「何よ、ヤル気?

 私、空手の有段者なんだけど?」

 絶対嘘…とも言い切れないんだよな、わりとだし?

 何かやってたりするのか?

 「あ、理央さん、マリさんは女子プロレスラーですよ、新人だけど?」

 「ええっ⁈」


 「とにかく、二人とも落ち着いて下さい。ネコたちが怯えてますから。」


 俺たちは今、店の裏手に来ていた。

 他のお客さんの目も有るので、売り場をアキバさんにお願いして、理央さんを連れ出したまではのだが…

 よく休憩中に一服している場所なんだけど、野良猫とかが集まりやすいので、エサとかあげちゃったりしている場所だ。


 つまり「キュウちゃま」のお仲間のお食事処なのだ。

 既にご飯が貰えると思って近づいていた猫が、見知らぬを見て、後退りしている。

 「もう一度言います、ネコが怯えるので二人とも落ち着いてくれますか?

 出ないと、コチラにも考えが有ります。」

 「ね、ネコちゃん達、ごめんなさい!」

 「あっ!ズルい、自分だけ!
 私だけが悪者みたいじゃない⁈」

 「行動は悪者的でしたよ。」

 「仕方ないじゃない!」

 「ケケケケンカしないで!」


 「ナ~ァ?」

 「「あ、キュウ」ちゃま!」


 




 「え~、軽率でした。ごめんなさい。」

 「な~、な~?」

 「気持ちが込もってないと言っています。」

 「すごいです、ネコさん!猫さんの言葉が分かるんですね!

 さすがネコ森さんデス!」

 「そんな訳あるかぁ⁈」


 「ソレは兎も角、理央さんのお仕事をにわざわざ教える様な事は有りませんから。」

 「信じていいわね?」

 「俺がどうとかで無く、その内自然に分かる事だと思いますよ、ココで働いている以上…どう考えても。」



 「ソレならソレで良いの、でもアンタの口からバラされるのは、なんかイヤ!

 負けた気がするから…」

 勝ちとか負けとか、意味がわかりませんよ?

 「マリさんも、そう言う事なのでよろしく。」

 「はぁ?そう言う事なら協力しますけど?

 あの~、この方のお仕事って?」

 

 「…! マリさんの言葉を借りるなら「カラダとカラダのぶつかり合い」のお仕事ですよ。」


 「えっ⁈ この方もレス…じゃなくて…⁈」

 「何、なんなの?」

 マリさんの顔がデスソース色になるのを見て理央サンが心配しだした?


 どうにかこうにか、話しが付いたのだけど、


 ソレからしばらくして、

 「やっぱり、マリっぺは「タイ●ーマスク」とか「キン●マン」とか愛読するの?」

 「あ、私あんまり漫画とか読まなかったんですけど、さんに可愛いネコさんの漫画を何点か勧められたら、な、な、に涙が止まらなくなっちゃって~!」
 
 「ど、どう言う事⁇」

 「あぁ、多分「みか●絵日記」のおじいさんとのお別れシーンだと思います。

 丁度、アニメのエンディングのCDが有ったんで、ソレとセットで貸してあげたんですよ。」


 「ソレ、絶対ワザとだろ!」


 号泣するマリさんに、ハンカチを貸してあげる理央さん。

 アレから随分と仲良くなった様で、店で会うといつもこんな調子だ。



 ちなみに二人共、成人しているのでコーナーへの入場は問題ない?



 「ネコさん、お二人にコミックコーナーで盛り上がってくれる様に言ってください、も混ざりたいです!」

 「チミしおりんは仕事をしろ!」








 ちなみに理央さんはの学友では無いからね。

 念の為。
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