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その二十三 探し物が見つからない?
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マリさんがコスプレ衣装のお直しを引き受けてくれて、理央サンが色々準備してくれると言いだし、
「衣装だけ有っても、足元がローファーじゃカッコ付かないでしょ? ソレっぽいブーツ見つけて来るから!」っと、やけにノリノリの理央サンだが、大丈夫なのか?
人がアナタの秘密を守る為に苦労したのに?
まぁお披露目は暫く先なので、成り行き任せだな?
「すいません、この本を探してるんだけど有りますか?」
コミックコーナーで、スマホの画像を頼りに漫画本を探しに来たお客様が来店された。
「ご来店、ありがとうございます!
ソレではそちらの画像を拝見してもよろしいですか?」
会社帰りのOLさんかな?
シオタさんがスマホの画像を見て、ある事に気が付いた?
「お客様、この作品、電子書籍ですね?
もしかして、紙物では出版していないかもしれませんよ?」
「えっ?そうなの?」
「コレ、このサイトに投稿している作品だと思いますよ?」
マンガアプリなんてモノが当たり前に有るご時世で、もう紙の本は先細りの運命なのかも…?
「そうなの?
この続きが見たかったんだけど、いちいち課金すると止まらなくなるから?
で、普通の本屋でも無いのかな?」
お客様は今ひとつ理解していない様で、シオタさんは最初から頑張って説明した。
どうにかこうにか理解してもらって、
「この作家さん、何冊がコミックスを出してますね?
在庫のあるものだけ、ご案内出来ますがどうしますか?」
「ソレ、面白かったら買うかも?」
「ではしばらくお待ち下さい。」
多分、買わないだろうなぁ?
おそらく、私が本を探しに売り場に行ったら、すぐ帰ってしまうかも?
ちょい挙動不審気味なお客に、何か心配になり、内線電話でヘルプを頼んだ。
来てくれたのは、オオタさんだった。
「アレ、シオタさん一人だけなの?
今日、しおりんは?」
「特別なキャットフードが今日発売なんだって?
なので1時間、遅れて出勤だって連絡が有ったわ。」
「さすが店長の娘さんですね、アバウト過ぎて憧れますよ。」
「レジ中、お願いします。」
「ハイハイ。」
シオタさんが売り場から三冊程同じ作家のコミックを探してきた。
出版社はバラバラだけど、間違い無く先程スマホにマンガ作品を投稿していた作家さんだ。
「お待たせしました、こちらになります。」
「…えっ、嘘?
全然、絵が違うじゃない?」
ペンネームは間違い無く同じだし、比べるとやや違うかもしれない、
おそらくコミック化している過去作は原稿用紙に「ペン」で描いているモノ、
マンガサイトに投稿している作品は「ペンタブレット」で製作したモノだと思われる。
確かに「タッチ」が変わった様に見えるけど、
そこまで変わっているかと、言えば微妙なところだと思う。
自分がマンガ慣れしているので、作家さんが「タッチ」を変えたりする事に慣れてしまったのかも知れない。
「ねぇアンタ、同じ名前で別の漫画家の本を売りつけようとしてるんでしょ?」
「は? いえ、そんな事は有りませんが…」
「ねぇちょっと酷くない?そんな事、わからないと馬鹿にしているんでしょ!」
急にキレ始めた女性客に困っていると?
「お客様、そのマンガアプリにその作家さんの情報が乗ってたりしませんか?
それこそ、その作家さんの過去作品とかも、そのアプリで読めたりしませんか?」
様子を見ていたオオタさんが助け舟を出してくれた。
「そんな訳無いでしょ!
…えっ?」
どうやら、旧作もアプリで読める様で、急に黙り込んでしまった女性。
「そのアプリってコレですよねー、ホラ、この作家さんの作品の一覧にこのコミック有りますよ、お客様?」
自分のスマホで同じマンガアプリを探してくれた様で…
「…!」
お客さんはつまらない顔で黙って帰ってしまった。
「あ~ぁ、誤りもしないわ?」
「コラ、そんな事言わないの!」
オオタさんがいて助かったけど何とも気まずい。
「途中で気がついたんっスけど、今の女、同級生ですワ、高校の時の。」
「えっ、そうなの?
えっ、知り合い?」
「まぁ、そうなんだけど、あの様子だとオレの事は気付いてない…って言うか、当時から眼中無かったんだと思いますよ?」
確かにクラス全員と友達とかありえないだろうから、気づかれない事も有るだろうけど、ちょい悲しくないか?
「高校生の時は茶髪にして、ギャルって感じだったのに、ツルんでた一人が援交してたのがバレて退学になったり、真面目な同級生に可愛いからって因縁つけたとかで停学になったとかで、その頃からあんな感じでしたからね?」
「後半はギャル関係無いよね?」
オオタさんは大学生、今の人は学生って感じじゃなかったから、お勤めしているのかもしれない?
今は髪は黒くて、肌も焼いていない。
生活を改めて、真面目に生きているんだ…って、感じでは無かったけど?
「なんか、危険を感じたら「出禁」にして貰えばよくないですか?」
「アブないかな?」
とにかく、この事は店長に報告しているので、暫く様子見だって?
何事も無ければいいね?
「衣装だけ有っても、足元がローファーじゃカッコ付かないでしょ? ソレっぽいブーツ見つけて来るから!」っと、やけにノリノリの理央サンだが、大丈夫なのか?
人がアナタの秘密を守る為に苦労したのに?
まぁお披露目は暫く先なので、成り行き任せだな?
「すいません、この本を探してるんだけど有りますか?」
コミックコーナーで、スマホの画像を頼りに漫画本を探しに来たお客様が来店された。
「ご来店、ありがとうございます!
ソレではそちらの画像を拝見してもよろしいですか?」
会社帰りのOLさんかな?
シオタさんがスマホの画像を見て、ある事に気が付いた?
「お客様、この作品、電子書籍ですね?
もしかして、紙物では出版していないかもしれませんよ?」
「えっ?そうなの?」
「コレ、このサイトに投稿している作品だと思いますよ?」
マンガアプリなんてモノが当たり前に有るご時世で、もう紙の本は先細りの運命なのかも…?
「そうなの?
この続きが見たかったんだけど、いちいち課金すると止まらなくなるから?
で、普通の本屋でも無いのかな?」
お客様は今ひとつ理解していない様で、シオタさんは最初から頑張って説明した。
どうにかこうにか理解してもらって、
「この作家さん、何冊がコミックスを出してますね?
在庫のあるものだけ、ご案内出来ますがどうしますか?」
「ソレ、面白かったら買うかも?」
「ではしばらくお待ち下さい。」
多分、買わないだろうなぁ?
おそらく、私が本を探しに売り場に行ったら、すぐ帰ってしまうかも?
ちょい挙動不審気味なお客に、何か心配になり、内線電話でヘルプを頼んだ。
来てくれたのは、オオタさんだった。
「アレ、シオタさん一人だけなの?
今日、しおりんは?」
「特別なキャットフードが今日発売なんだって?
なので1時間、遅れて出勤だって連絡が有ったわ。」
「さすが店長の娘さんですね、アバウト過ぎて憧れますよ。」
「レジ中、お願いします。」
「ハイハイ。」
シオタさんが売り場から三冊程同じ作家のコミックを探してきた。
出版社はバラバラだけど、間違い無く先程スマホにマンガ作品を投稿していた作家さんだ。
「お待たせしました、こちらになります。」
「…えっ、嘘?
全然、絵が違うじゃない?」
ペンネームは間違い無く同じだし、比べるとやや違うかもしれない、
おそらくコミック化している過去作は原稿用紙に「ペン」で描いているモノ、
マンガサイトに投稿している作品は「ペンタブレット」で製作したモノだと思われる。
確かに「タッチ」が変わった様に見えるけど、
そこまで変わっているかと、言えば微妙なところだと思う。
自分がマンガ慣れしているので、作家さんが「タッチ」を変えたりする事に慣れてしまったのかも知れない。
「ねぇアンタ、同じ名前で別の漫画家の本を売りつけようとしてるんでしょ?」
「は? いえ、そんな事は有りませんが…」
「ねぇちょっと酷くない?そんな事、わからないと馬鹿にしているんでしょ!」
急にキレ始めた女性客に困っていると?
「お客様、そのマンガアプリにその作家さんの情報が乗ってたりしませんか?
それこそ、その作家さんの過去作品とかも、そのアプリで読めたりしませんか?」
様子を見ていたオオタさんが助け舟を出してくれた。
「そんな訳無いでしょ!
…えっ?」
どうやら、旧作もアプリで読める様で、急に黙り込んでしまった女性。
「そのアプリってコレですよねー、ホラ、この作家さんの作品の一覧にこのコミック有りますよ、お客様?」
自分のスマホで同じマンガアプリを探してくれた様で…
「…!」
お客さんはつまらない顔で黙って帰ってしまった。
「あ~ぁ、誤りもしないわ?」
「コラ、そんな事言わないの!」
オオタさんがいて助かったけど何とも気まずい。
「途中で気がついたんっスけど、今の女、同級生ですワ、高校の時の。」
「えっ、そうなの?
えっ、知り合い?」
「まぁ、そうなんだけど、あの様子だとオレの事は気付いてない…って言うか、当時から眼中無かったんだと思いますよ?」
確かにクラス全員と友達とかありえないだろうから、気づかれない事も有るだろうけど、ちょい悲しくないか?
「高校生の時は茶髪にして、ギャルって感じだったのに、ツルんでた一人が援交してたのがバレて退学になったり、真面目な同級生に可愛いからって因縁つけたとかで停学になったとかで、その頃からあんな感じでしたからね?」
「後半はギャル関係無いよね?」
オオタさんは大学生、今の人は学生って感じじゃなかったから、お勤めしているのかもしれない?
今は髪は黒くて、肌も焼いていない。
生活を改めて、真面目に生きているんだ…って、感じでは無かったけど?
「なんか、危険を感じたら「出禁」にして貰えばよくないですか?」
「アブないかな?」
とにかく、この事は店長に報告しているので、暫く様子見だって?
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