ある古書店販売員の日常。

猫寝 子猫

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 「本日は今人気の美人レスラーの「ひまりん」こと「唐沢 陽毬」さんのにお邪魔してま~す!」

 お昼の帯番組で芸能人やスポーツ選手などの有名人のお宅訪問をするコーナーを胃が重くなる想いで見ている。


 お気楽なレポーターが呑気に紹介を始めようとして、玄関の扉を開けるなり、

 「きょえぇ~⁈」

 と驚き、腰を抜かす⁈


 「いらっしゃ~い!」

 中で待ち構えていたのは、間違いなく「ひまりん」のご家族なのだか、諸所の事情で顔出しNGなので、ひまりん以外は皆んな「マスクマン」だったのだ。

 「このマスク、お姉ちゃんのお手製デスっ!」

 「ハァハァ、いや、驚いた!

 危なく腰抜かして座りションしてしまうところでしたよ!」


 ちなみに事前に伝えてあったはずだそうだが…

 「いや~、立派なお宅ですねー!」

 「一度は借金のカタに取られましたが、家族皆んなで頑張って取り返した家です、コレで三世帯同居も可能です。」


 
 そう言うとTVカメラにVサインを決めるひまりんパパ!

 まだ実物にお会いした事はないので、緊張した。

 結構のエピソードを明るく言えるのは、ソレを見事に克服した証拠だろう。


 「あんな事、言ってますよ、リクさん?」

 「聞こえない、聞こえない!

 まだ、ココロの準備が出来てません!」


 安下宿のの部屋で、何故かジャージ姿で体育座りしている陽毬さん。

 膝を抱えて、テレビをみている様が拗ねた子供みたいで可愛いけれでも?


 しかも、ジャージの上着は脱いで、よく見ると俺がその辺に脱いで置いといたTシャツを着ている。

 サイズ的にムネの辺りがどうしてもピチピチだけど?

 これだから女の子はカラダを許すと、ベッタリになるから、気をつけて



 アレから時々、俺の下宿にお邪魔することが当たり前になりつつあるの陽毬さん。

 「そうそう、さっきのおばあちゃんからお菓子もらったんですよ、二人で食べてねって。」


 「ソレは良かったですね。」


 おそらく女の子が今テレビに映っている「腹筋割れてる系女子」だとは下宿のおばあちゃんはわからないだろう。

 すっぴんだし、ジャージだし?


 「将来的にはにもアスリートや格闘家に成ってもサポートできる設備を追加出来る様にリホームしますよ!」

 テレビの中でひまりんパパが何か恐ろしい事を言っているんだけど?

 いや、あくまでパパさんの夢のお話しだよね?

 「そうそう、この間お父さんがお母さんにをプレゼントしたいって言ってたんですよ!
 ここまで来るのに随分と苦労をかけたからって。」

 「素敵なお父さんだね、でも行くならじゃない観光地の温泉に行くべきだよ。

 温泉まんじゅうが美味しかったり、射的やスマートボールの小屋があったり、秘宝館で子宝キャンディー買わされたり?」

 「…子宝ですか?

 なら、次は絶対「妹」が良いです、
 しおりちゃんみたいな可愛い子が!」

 「流石に産まれていきなり状態じゃないよな?」


 今更だけど、陽毬さんは今まで所属する団体の寄宿舎で先輩と同期のメンバーとで地獄の特訓の様な毎日を送っていたけど、新人も大勢加入した事もあり、寄宿舎を卒業する事になった。

 部屋数も限られているからね。

 現在はパートナーのキョンさんと寄宿舎の近くのマンションにルームシェアして後輩指導にも力を入れているとか。

 その割には良くこの部屋に遊びに来ているよな?

 息抜きだそうだ。

 なら古本屋に行きなさいよ!

 しおりんもニャンコもグラサンもいるだろ?


 おばあちゃんもおばあちゃんだ⁈

 俺のって事でほいほい中に入れてしまうのだから⁈


 この下宿の大家で俺の祖父の従兄妹に当たるそうで、ここも大昔は素泊まりの民宿みたいな事もしていたらしいけど、おばあちゃんが嫁に来た時に学生向けの下宿にしたそうだ。

 オヤジもココで学生生活を送り、お袋と出会ったそうだが。


 
 

 「そういえば、お父さんがだから先方にご挨拶したいって言ってましだけど、どうしましょう、リクさん?」



 「…えっ?

 何が?」

 挨拶…先方…お父さん?

 「ですから、ウチの父がリクさんのご実家にですね、…その…ご挨拶をと…へへへ、テヘペロみたいな?」
 

 アレ?

 「ナゼ?

 オレノジッカガ温泉旅館ダトシッテマスカ?

 いや、その前に何故そんな事に?」


 まさか親子さんにが出来たとか話しているのか?

 まだ、陽毬さんとはのに?
 

 言っておくけど、あのデートの時以降、俺は陽毬さんに手を出してないからな!



 「陽毬さん、どう言う事かな?」

 「あの、あのね!

 いっくんが喋っちゃたんです!

 !」


 「へ?


 お店で会うと、メッチャ睨まれてるんだけど?

 アレって、

 『お前なんかにお姉ちゃんを渡さないゾっ!』って弟あるあるじゃないの?」


 「あはは、あの子「お兄ちゃん」欲しいみたいで…ダメでしたよね?」


 俺、だから弟とか欲しいとは思わないけど、今度お店で会ったら優しくしてあげとくか。


 いや、流されるな!

 「陽毬さん、キミにはとても感謝してるよ。
 あんな事までしてもらって。
 でも未だ結婚とか付き合うとか、まだそこまで俺の気持ちが固まってないんだ。」


 「私は待てますよ、別に、エ、エッチな事がしたい訳では無くてですね、

 今もこうして一緒に過ごせるだけで幸せです!

 なんなら私がリクさんの事、いくんでリクさんは学業とバイトに頑張って下されば…  ウザいですか?」

 「そんな事はないケド、微妙にヒモ生活だよね?」

 この人はなんでそこまで俺なんかが良いんだ?


 「えっと、ソレと私はいつでもくれても構わないので…
 この下着付けてないから…その、あの、

 そそられたりしませんか?」

 ソレで膝を抱えていたのか?

 ノーブラなの隠す為に?

 「もっと自分を大事にして下さい!

 俺じゃない人間に襲われたらどうするんですか!

 お嫁に行けなくなりますよ!」

 「私、レスラーなんで、大抵の相手なら返り討ちです。

 リクさん限定で私、か弱い女の子でいられるんですヨ!」


 出逢った時に比べると、随分と度胸がついたと言うか、精神的に強くなった様だけど?


 「リクさん、このままだとお嫁さん候補がたくさんいるのに成人するまで結婚しないと言って、未来から各との子供達が会いにくるラノベ主人公みたいな事になりますよ!」


 「や、やめて!

 色々怒られてそうだから!

 ソレにって、そんなの何処にいるのさ?」

 「しずちゃんシオタさんにキスされましたよね?

 本人に聞いてますから。

 ソレと候補なら、しおりちゃんや理央さんも…ソレにさんだって?」


 「後半は絶対無い!」


 あと、この下におばあちゃんがいるのにエッチな事はしないから!

 いや、おばあちゃんもグルなのか⁈

 たまの休みにココロもカラダも休まらないな?
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