ある古書店販売員の日常。

猫寝 子猫

文字の大きさ
56 / 82

52.725ですか?  ヘェ〜?

しおりを挟む
 「これ、返品したいんだけどさぁ?」

 「アレ、見れませんでした?」


 例のにハマったお客様の一人が、そのソフトを持って返品を希望してきた?


 「いや、観れるんだけどもしたい、じゃなくてさぁ~。」

 毎回、妙なイントネーションがある時は要注意なお客様なので、よ~く話しを聞いて対応するべし。


 「ナニか問題有りましたら、言って下さってかまいませんよ、ソレでに置いて見てるんデスから。」

 このお客様はと、俺自身がお店の業務に支障が出るくらいに付きっきりで相手をしないといけなくなるので、早々に片付ける作を取った。


 「いやね、女の子は綺麗なんだけどさぁ~、やるべき事ヤッてないんだよなぁ~?」


 (ヤってない?)

 「モノを拝見しますね。

 キスも有りませんし、返金しますよ。」


 コレで済んでくれれば左程問題ない…

 のだが、

 「いやぁ~、悪いなぁ~。

 ボクも初めからあんなみたいな内容なら、購入しなかったんだけどねぇ~。」


 ちなみに、各ソフトには#値札シール____#の真下に「18禁」「成人向け」等のシールが貼られているし、件のソフトも「全年齢」と貼られているし、性描写が有るソフトとは、分けて置いていたのだけど?


 「値札シールの下に内容が分かる様に「全年齢」とか「成人向け」とか貼って有るんですけどね。」


 気が付きませんでしたか?

 とは言わないでおいた。

 内容をした事には触れずに…


「アレ、そうだったんだねぇ~?
 気が付かないから、もっとでっかいシール、貼った方が良いよ!

 他のヒトもこんなモン、買わない様にさぁ~!」

 
 つまらないか…

 このソフトの内容は1人のレイヤーさんがコス衣装4、5着を着替えて噴水前や、公園の花壇の前、貸スタジオなど、様々な場所でしているモノを、おそらくで音響だのカット割だの編集したのだと思う。

 ラストはネットでも流行っていた「お願い、〇ーり〇」の完コピダンスでシメて、俺的には中々楽しめたけどなぁ~。


 批評に関してはナニも答えずに、淡々と処理をした。


 「ではこちら、お返しです。」

 そのくらいの常識はあったか、レシートは保管してくれていたので、作業は楽だった。

 噂での店で迷惑かけたんだから何か寄越せ的な事を言った事が有るらしいので、気をつけていたのだけど、さすがに学習したらしく、特にナニも無かった…んだけど、

 「いやぁ~、お店も大変だよねぇ~?

 付き合いとはいえ、そんな売れないも、販売しないといけないとかさぁ~?」


 「いや、商売ですから。」

 どちらとも言える様に曖昧に答えた。

 早よ帰れや。

 なんか嫌な予感がするから?


 実はこのソフト、結構売れてるのだ、のファンがいるのかもね?


 「…別にに買って貰わなくても、構いませんけど!」

 「はぁ~ん?」

 予感、当たったよ?

 前回、古着屋で会った時より美人さんに見えるのは、前回が相当修羅場だった所為かな?

 今日は肌艶もよくて、お化粧のノリもよろしいみたいだ?

 「やぁ、デスね、ご苦労様です、さん。」


 「いえ、次いでですから。
 それでコチラが追加分の20枚です。」

 このソフトを作ったレイヤーさんの追加分を届けてくれた。

 確かコス衣装はこの方が作ったとか?

 妹さんは一部で有名なコスプレイヤーさんだ!


 先も触れた様に、分けて販売していたのだ。

 「成人向け」は四階ので、「全年齢」は三階のコミック・メディアコーナーで販売していたのだけど。


 「小森さん、あの、アダルトコーナーでも販売しているのですか?」

 「いいえ、四階のアイドルさんのライブディスク辺りに置いて有りますが。」

 つまり、そう言う事、あのお客様の勘違い購入での返品なのだ。

 (おそらく、あっちこっちで似た様なトラブルを起こしてるだろう?)


 「そうですか、なら…

 あら?」

 既にクレーマーのお客は姿を消していた?

 部が悪いと判断したのか、美人のお姉さんの迫力に蹴落とされたか、そそくさと帰った様だ。

 出来ればコレに懲りて、大人しくして欲しい。


 「ごめんなさいね、余計な事言って。

 営業妨害かしら?
 あのお客さん、もう来なくなるかも?」

 「さぁ、どうですかね?」

 陽毬さんとデートの時に立ち寄った古着屋の店長さん、お互い名刺交換して、情報交換していたのだ。

 お姉さんの古着屋では、コス衣装の受注もしているので、販促の意味でも妹さんのコスプレ活動布教用にディスクを販売している。

 なので仕入れ担当の俺に直接渡したいからと、まで運んでくれたそうだ。


 本当に申し訳ない!



 「…で、ちなみに小森さんのおススメのご一品はどれデスか?

 やっぱりコスプレ凌辱とか、NTR系、いやさんがパワフルな方だから逆に幼女モノ…」

 何故か目を輝かせて質問してきた?

 「アダチさん?

 怒りますよ?」




 「す、すいません!

 つ、つい悪ノリしてしまいました!

 小森さんは彼女さん一筋ですもんね!

 なら、この系かな?

 この女優さん、気持ち彼女さんに似てませんか?」


 「追加分置いたら、とっとと帰ってください!」

 相手によって、対応を変える、接客には必要なスキルかもな?



 ちなみにアダチさんが選んだDVD、女優さんが陽毬さんと、お胸とお尻のサイズが同じだった!

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち

ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。 クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。 それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。 そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決! その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

おじさん、女子高生になる

一宮 沙耶
大衆娯楽
だれからも振り向いてもらえないおじさん。 それが女子高生に向けて若返っていく。 そして政治闘争に巻き込まれていく。 その結末は?

処理中です...