ある古書店販売員の日常。

猫寝 子猫

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その54 ゴシゴシ、お背中お流しいたします。(振りですか?)

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 人生初めての天然温泉、しかもの露天風呂だ。

 普段大人しいヒロ君もついつい叫んでしまう?

 「ヤッホー!」

 「いや、なんで温泉で「ヤッホー!」なんだよ?」

 初めての温泉にはしゃぐヒロ君に、
 冷静にツッコむいっくん。

 年齢的な立場が逆転してますよ?

 混浴では無いので、少し離れた場所に「女湯」が有るそうなので、今頃はしおりちゃんと理央さんも源泉掛け流しのモノホンの温泉を堪能してる頃だろう。


 「ソレにしても、子供だけで温泉に行くなんて、いっくん一輝君のおウチのヒトは何も言わなかったの?」

 「少し前に父さん達は、ココの旅館に来てるからな。

 心配するとしたら、移動手段だけだったと思うぞ?

 …知らんけど?」

 「僕の所は、しおりちゃんのお父さんが同伴なら、ギリ大丈夫みたいな所が有って、直前で新河のお姉さんが引率を引き受けてくれなかったら、ココに来れてなかったかも?」

 「その時はとしおりちゃんの2人っきりで、来れたのに、おじゃまなヤツめ。」

 「え~⁈
 仲間外れにしないでよ~!」

 
 一輝君いっくんの言わんとするトコロを分かっていないヒロ君、恋のライバルと見定めているのに友情を深めようとしているぼくっ子に調子を狂わされるいっくん。

 割と良いコンビだけどね?


 「ソレにしても、良い湯だな!
 なんか肌がツルツルして来たぞ!」

 「ボク、この温度だと少し熱いかな?」


 一部の層にしか喜ばれない少年たちの入浴シーンだが、この後女湯の方もちゃんと有るので待っててね?


 「なぁヒロ、あのって、普段やってる人?」

 お店でよく会うサングラスのお姉さん、ウチの姉とも随分と仲が良いみたいで、元々それほど友達がいない姉さんが、恋愛相談とかもしているらしいし、と言っても良いはず?


 姉は普段から鍛えているので、弟の自分から見ても、見事なプロポーションだ、
 お胸はデかいのは良いとして、腹筋が割れてるのは羨ましい!

 一応自分も姉ので鍛えてみたりする。

 そんな格闘家やアスリートの体では無く、理央お姉さんは普通にエロ…せ、セクシーボディーだ。

 偶に無防備にノーブラでお店に現れて、ジャージの下のダルダルなTシャツが時折、ツンってなってる事があるのだ⁈

 その度にシオタお姉さんが怒って指摘してるけどね?

 自分もかなり親しくなったつもりでいたけど、

 その割には、余り詳しくは聞いていない、職業とか、恋人がいるいないとか?

 偶にアダルトコーナーから降りて来た事が有るので、不思議に思ったけど、

 姉さんも、グラドル枠で試合のチラシとかアダルトコーナーに置かしてもらっているそうだから、趣味とかで無く、仕事で利用しているのかと予想しているけど?


 「ソレね、えっとね、ナイショだよ?」

 アレ?もしやヒロ君?


 「理央お姉さんはね…」


 「ふむふむ?」

 ソコへ?


 「お兄ちゃんたち、お背中流しに来たよー!」


 「アッ!ゆな⁈
 お前、どうして?」

 「えっと、あの子がゆなちゃん?

 えっ、ココ男湯だよー!」

 何故かにスク水着用で小学生女子が乱入して来た!

 「お兄ちゃんのお背中を洗って差し上げるのも妹のかと思いまして!」

 
 サプライズするつもりが、コッチが逆にサプライズされたぞ⁈

 「大丈夫です!

 アタシ、時々お客様のお背中を流してあげて大変好評なのです!」

 (主に女湯だけどね?)


 「ソレ、絶対マズいだろ、色々と!」


 「本当の兄妹なら、一緒にお風呂に入るくらい当たり前です!」


 「お前、なんだから慎めよな!」

 「いっくん、オオカミさん?」


 「アタシ、子供だからわかんないよ、!」



 不妊で悩む方に救いの手を差し伸べるお仕事してるのに?

 赤ちゃんの作り方がわからないハズ無いよな?





 「ねぇしおりん、なんか男湯の方騒がしくない?」

 「何と無く、ゆなちゃんの声もしますね?」


 「よし、覗くか!

 行くぞ、しおりん!」

 「やめて下さい。

 理央さんに覗かれたら、あの二人ではトラウマものです。

 ゆなちゃんくらいが丁度よいのです。」

 「…ソレもどうなん?」

 この子はこの子で変に達観してるところが有るのよね?


 多分、私がAV女優だと気づいてるし、ソレでいて普通の友達の様に付き合ってくれてる。

 思春期の女の子から見て、軽蔑されそうと思っていたのに、逆にグイグイ踏み込んでくるから、自分もついつい悪ふざけが過ぎてしまう。

 よし、やっぱり覗こう!

 可能なら、ちょびっとか⁈



 「理央さん、今もの凄く幸せそうな、ソレでいてかなり怖い顔してましたよ?」


 「いや、初モノを摘もうかと…

 ず、すいません、冗談だからその木製の手桶を振り被らないで!

 はしおりん
なのは分かってるから!」

 「だから、何で理央サンは余計な事を言うのですかねー!

 温泉の効能でその邪なココロをデトックスしてくださーいっ!」
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