ある古書店販売員の日常。

猫寝 子猫

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其の六十壱 二回目をした。

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 「あ、あれ、前にいたじゃないのね?」

 「先代より受け継ぎました、今後ともご贔屓に。」

 イケメンのおでん屋サンに驚いている陽毬。

 「前より格段に美味くなってるから。」

 「本当?

 なら、大根とはんぺんとウィンナー巻き下さいな。」

 「俺、ゲソ巻きとタコ。」


 いつもおでんの屋台にを誘った。


 ココなら変に気を使わずにると思ったからだ。


 その内、「ゆな」も連れて来ても良いだろうし。


 「ソレでどうかな、の様子は?」


 「へへへぇ~、いっくんがすっかりしてるの!

 私も可愛いが出来て嬉しいけど、中々一緒の時間が作れなくって。」

 「試合忙しいのに悪かったな?」




 実はなんと、

 ゆなは唐沢サンちの養女になった⁈


 実際にはかなり前から、話しは進んでいたらしい?

 「母さんがね、「コレものお陰かしら。」って、楽しそうに言うのよ。

 たしかに温泉様々よね!

 私も、早く行かないと!」

 「俺としては、しばらくは「二人でイチャイチャする」のもアリだと思うのだが?」


 「ハ、ハイ、そうですね!

 でも、リクの赤ちゃんも欲しいデス!」

 「今仕事プロレスを辞める訳にはイカないだろ?」

 
 「どんな形であれ、レスリングは続けますよ。

 育休取っても、後輩育成でも、だってレスリングが私とリクを引き合わせてくれたんだもん!」


 だってさ、もう俺の降参って事でイイだろ?


 さて、ゆなの養子縁組の件だけど一番の大きな理由は、ゆなの保護者である「お松さん」の強い希望があったからだ。

 旅館狭い世界を飛び出して、もっと多くの事を知って欲しい。

 その裏には、いずれ刑務所を出所するゆなの実父から遠ざける為だ。

 俺が知らない内に陽毬のご両親は旅館俺の実家に湯治に行っては、俺の両親やお松さんと親交を深めていた様だ。

 特にゆなの事はお互い共通事項でその生い立ちに何か力になりたいと考えていた様。

 お松さんもこの年末を終えたら、現役を退き温泉地で静かな余生を過ごすのだとか?

 ゆなには自分の心配などせず、子供らしく育って欲しいと陽毬のご両親に預ける事に。


 今は「唐沢 ゆな」として、元気いっぱいで学校に通っている!

 時々店にも顔を出している、勿論には立ち入り禁止なのだが…

 「でもね、なんかひまりんより、理央ちゃんやありすちゃんタレント友達とよく遊んでいるみたいで、少し心配なの?」

 「知ってる、アイツら小学生ゆなに、「婦人病女性のお悩み」とか相談しているんだ、コレじゃ何の為に東京に来たのか?」

 「た、多分ソレだけじゃないよ!
 女の子らしいの話しとかかもしれないし、私はそういうのウトいし、助かってる事もあるんだよ!」

 何か必死に弁解する彼女陽毬サン、可愛い。


 とても先程まで、強敵「ケモミミマスクレディー」をマットに沈めて来たとは思えない可愛さだ。

 まぁグラサン理央やしおりんに言わせると、ソレは俺の前だけだそうだ。


 
 「…よろしければ、によく合うが有るのですが、如何ですか?」

 「えっ、だ、大丈夫かな?

 …潰れたら、送ってね?」

 「ハイよ、でも多分大丈夫だと思うぞ。」

 以前のだけで、特に美味い訳でないとは違うのだ!


 「いただきます… えっ、美味しい!」

 「なっ、だろ?

 大将、オレはヒヤで。」






 

 「お、お邪魔しま~す。」

 「ナニを今更、初めて来る訳でもないだろ。」


 はしなかったが、美味いので飲み過ぎてしまい、俺の部屋で軽く酔いをさます事になった。


 「そうなんだけどけど、ソコはだお。」

 語尾が怪しくなってるな?

 

 最近は試合以外にも、バラエティ番組にも呼ばれて、初めて会った時よりたくましくなってるとは思う。

 精神的にね!

 「…あのあの、リク…さん?」

 …ん、今更さん付け?


 「ん、何? あ、コーヒー砂糖入れたっけ?」

 「…3つください…じゃなくて!」


 「ミルクだな?大丈夫、切らしてないから。」 

 「ソレもお願い…じゃないモン!」


 「何なん?」

 いや、大体予想はしていたけど?


 「クリスマス、空いてるかな?」

 「…夜なら空いてるけど?」


 昼間は多分古本屋が大変な事になってるから、閉店まで予定がいっぱいだ。

 「私も昼間はが有って、その後なら空いてるから!」


 「そっか、初めてだな、クリスマスを迎えるのって。」

 「うん、だから絶対で過ごしたい!」


 「分かった、必ず空けるから、どっかイイ場所探し… 」

 「私が探します、だから大丈夫!」


 「本当か?」

 「ホント、ホント!」


 何か考えがある様だし、ココは可愛い彼女サンに任せてみますか。


 「分かった、じゃあ頼むよ。」


 「うん、任せて!」

 「ソレはソレとして…  」

 「えっ、キャッ♡」


 俺は陽毬にキスして、押し倒した…。



 純米酒とおでんの匂い、
 
 唇はやたら甘かった。
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