猫カフェは探偵事務所ではありません。〜女子高生店長の奮闘記〜それ別の階デスネ!?

猫寝 子猫

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いらっしゃいませ!ようこそ『森の猫さま』へ。

探しものはネコですか?〜お客様は可愛いに限りたい。

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 『さて、キミの気持ちもわからない訳でも無いでもなくない。』

 わかんないよ!

 『だとしてもだ!

 このまま戦地に赴くのは彼女にとって、ダメージが!

 取り返しがつかない事態に成也もしれん!』 

 既に十六夜が善戦している!

 今以上コレ以上の戦力投入は必要なのか? 
  
 『お願いします!私、この服が着たいです。舞姉さま!』

 『ダメよ、ダメダメ!落ち着いて、二葉ちゃん。

 アレは「エロ可愛い」とかじゃない、ただ「エロい」だけよ!そもそも「エロ」が付く時点でアウトですから。
 私と私の親友の大切な妹に「闇落ち」な属性は皆無なのです。

 それから!貴女も「姉」なら「妹」の何たるかをちゃんと「姉」目線で見て下さい。これ「R18」な目線では無いデスか?店長さん。』  
 古着屋「わるぷるKiss」の店長さんは後輩ちゃんのお姉さんだったよ。 
 『大丈夫!まーかせて、店長ちゃん!ギリギリのラインを攻めてみただけ、素材がいいから悪目立ちゃったけどネッと!』ダメじゃん!
 その自信作は二葉ちゃんの慎ましい天使の丘に、何と!小さいながらも「谷間」を生み出した「奇跡のコスチューム」だった。パットマシマシでは無く、服そのものがバストアップの効果を果たしている。またボディーラインも胸が普段より大きく見える様にデザインされているが決して二葉ちゃんの身体に負担を掛けない素材を使用している。まさに神の身技だ、けども、ただエロい、細かい描写出来ないよ、なので 
 『let'sチェンジで。』 
 『何を言うの!妹の晴れ舞台に!最高な冥鎧を用意していたのに!』そっちかよ!せめて乙女座の金ピカ聖衣なら…あっ!もしかして! 

 『チョット、イイデスカ?店長さん。』
 『何よ!店長ちゃん。反抗反論は受け付け無くってよ!』ノリノリだなぁ。 この人も。
 『チョットお耳に入れたら痛いことが。』なんだそれ? 
 『何、何か引かれるワードが有るから聞くけど、本当に痛いのは無しよ!』
 『あの子、実はある財閥のお嬢様で、ゴニョゴニョ、なので亡くなったお父さんから「娘たちを託す」みたいな、ゴニョゴニョ、あの子お兄ちゃんだぁい好きッ子で、ゴニョゴニョ、あの本当は有るんでしょ?白き衣が!』 

 『えっ何?その裏設定?あの子、「背伸びしたい大胆J S美少女」としか言って無かったし、美少女ちゃんも採寸する時のリサーチで「新しい自分」を探します的な事言ってたのよ?完全なミスリードね!15、いえ10分頂戴!本当のエロ可愛いを見せて上げるわ!』だから!エロ要らないって言ってますよねー!




 『ネコですか?』
 『えぇ、彼女はネコはどうしたかって聞いたそうで、話しをした婦警も見つからないと話したら、それっきり黙ってしまい、今は身許引受人の所にいるんですがね。』ん?

 ちなみに「サトウ」氏は、詐欺容疑で持ってかれた。ついてない、このタイミングで店に来るとは可哀想に。
  
 『身許引き受けてるのってまさか、離婚した母親ですか?』 
 『ご存知だったんですか?』 
 過去の経緯を簡単に説明する事にした。

 『彼女、子供の頃に下級生のウチの娘に嫌がらせをしていた事が有りまして、庇ってくれた幼馴染が怪我してしまったんですよ。』お巡りさんは知っていたかもしれない。母親に聞いているかも?
 『何故こんな事になったのか、先生も交えて親達で話し合った事が有りまして。ただし懇談の場に父親は現れませんでしたが。
 幼い頃の面影で直ぐにあの時の娘だと気づいて、でも彼女は私の事、覚えていなかったようですが。
 その後、しばらくして離婚されたと聞きました。』離婚の理由も知っている、噂で聞いたモノと直接ご本人から聞いた事情とが。
 『先程の男は父親の命令で北代さんを脅したと思いますか?』 
 『どうでしょうか?実は午前中に父親が現れて、「被害届を取り下げろ」と。』  あとはネコの事を話すだけか。  
 『でも、何故、北代さんなんですかね?上の羽柴さんでなくて?』
 『わざとでは?怒らせた事実が必要で、とか?』でも、なんか引っかかっている。モヤモヤする。
 『いや、さすがですなー。』お巡りさんがニンマリしている、自分も同意見ですと言いたげに。
 『そこに弁護士を名乗る男が現れて、ですか。以前もやってそうですなぁ。』なら何故殴りかかった?それも芝居だったのか? これ、言っておいた方いいか?

 『あとネコですね?知りませんか?』『知ってますよ。その子じゃないかな?』
 俺の視線の先、彼女がいる。胸に子猫を抱いて。
 お巡りさん、息を呑む。 
 『貴女が「ネコ」を保護してくださったのですね。』

 『やぁ「猫の女神さま」の御降臨だ。』三条先生が、噂を広めた一人が話しだした。 
 『ネコの粗相のアトより、血が滲んだ方が話しとしてはドラマチックだろ。』この人は、分かって無い。
 『ネコにとっては、生きるか死ぬかの事態だったよ!で、やっぱり寄生虫かい?』 過去の経験からの予想。
 『それもだけど、今はこんなに元気よ。ほら!』 
 『ミャー!』みんなの顔が綻ぶ。 
 『あの~、北代さん、こちらの女性は?』お巡りさん、てっきり知ってるモノだと思ってましたよ。 
 
 『妹の「羽柴 新名」ですよ。上の喫茶店のマドンナらしいですよ?』 
 三条先生をはじめ、シモや商店街振興組合会長など、おじさま常連客は新名目当てで通ってる。あくまで特製オムライスが目当てと言いはるけどね。

 『兄さん、やめて下さい、揶揄うのは。其れより、すみませんでした。
 お巡りさんがこの子を探しているなんて思わなかったんです。』 
 『いや、その子猫が助かったのなら良かったですよ。ただ確認したい事がありましたので…。』 そら来た。
 『その子猫に生体チップは有りませんよ。残念ながらね!
 おそらく自宅で産まれた子猫を捨てたか、野良ネコが産み捨てたか?    
 実はこの子猫くらいの子たちがそこの公園で保護されてたんで、同腹が何匹がいるかと思っていたんですよ。』 
 『あの~お気付きでしたか?
 我々が何を捜査してるかを?』 

 『ウチに名探偵と見た目だけ少女探偵団がいまして、すいません。もしかしてお巡りさんの邪魔してました?』
 華と七神の二番目には後でキツく事情聴取だけど、ネコ可愛さに行き過ぎ行動なので大目に見て、知り得た情報はお巡りさんにスライド提供しよう。
 警察への協力は国民の勤めだからね。七神の一番目を呼んである、探偵団が入手した不振な「チラシ」等を持って。


 『あの、この子猫はどうなるのですか?』心配する新名。その胸元で安心した顔の子猫。

 『それはこの後の、来客次第かな?』そう、本当に待っていた来客はこれから来るのだから。





 古着屋「わるぷるKiss」の衣装協力の下、新生コスチュームが仕上がった。
 『インナーはそのまま使えるのよ。後は「ネコ」「天使」「花嫁」のコンボで攻めてみました。コンセプトは「子猫の女神さま(見習い)」!』盛り過ぎかと思いきや!
 『どうでしょう?舞姉様。変では無いですか?』キラッと♡ 
 変な汗かいてるのは私の方かも、 
 超マジ天使な妹ちゃんがいる!
 ここにいない華ちゃんの為に、スマホを構える私!何よ、店長さん、やれば出来る子じゃないデスか! 
 右耳がシロ、左が茶のネコ耳カチューシャと美しい黒髪で三毛猫を表現?
 背中にちっちゃい天使の羽、胸元はレースのリボンで隠してたまにチラッと谷間が見えるかも、
 白いレースの衣装がウェディングな純心さを醸すも、店長は生足は見せたいとこだわり、私はわたしたち姉だけが知っている可愛いヒップラインは完全死守したいので、ミニスカとスパッツの組み合わせはやめて、モコっとしたホットパンツに変更した。

 無茶な注文にアンバランスなデザインにならないか心配したが、ここの店長さん、素晴らしい出来栄えで作り直した。

 元々、記念撮影用のkids用ウェディングドレスとかコスプレ衣装の素材が有ったらしい。

 『素晴らしいです!店長さ…ん!?』 

 『舞華ネェ、これ、キツくて動きにくいゾ!』  

 静かだからいないと思ってたらロシアッ子、いたよ?

 『リリちゃん、ダメ!動かないで!パンツ見えちゃうから!』浴衣?和服?和風メイドかも?なんだけど、ちゃんと着れてないのか、それともソレが仕様なのか、乙女として見せられない状態です。

 またあの店長は! 

 『ちがーう!今回は無実でーす!あの子が自然にあの状態に!』
 『もう~!タダでさえ発育いいから、リリちゃん隠して隠して。』
 『ん、発 育  ?てヘペロ  普通の小学生高学年用じゃあ、ダメかな?』

 『ダメ、私のお古、同じ歳の頃の服、入らなくて…。』

 『ごめん、あの子予定外だから、ん?でも今、インスピレーションが!ピンチにパンツじゃない、チャンスに変える時!』



 『ケンちゃん、これ全部もらうわ!いくらになる?』

 『金額より重さが心配だよ?台車使うか?』

 値段はまけても良いが三条先生の腰が心配だ。

 『45冊か、よし、大負けして五千、いや千円でいい。』
 『ハハ、太っ腹だな?で、代わりに何をさせる気だい?』 
 
 何か嬉しそうに期待した顔だ。
 
 『そんなんじゃ無いけど、なぁ三条先生は猫とか何か飼ってたかい?』

 『何も。そうゆう事は許さない家だったんだよ。
 まぁその反動がコレだよ。何だい、猫でも貰ってくれとか言うのかい?』

 満更イヤでは無さそうだ。 
 既にお巡りさんたちは次の場所に向かっている。そこで解決すると良いが。 

 『実は私もあの子猫が心配だったんだよ、私だけじゃない、あの時あの場にいた常連客は。』

 『人様の猫さまを勝手にやれないよ、いくら何でも。』

 『何だ、貰い手はもう居るのかい?』

 『実はな……     少し前になるけど……。』

 


 華が店内を覗いている男の子に気付いたのは、「猫の女神さま」のうわさ話が広まる少し前、あの件の翌日の夕方だった。
 この猫カフェは子供だけでは入店出来ないルールになっている。
 猫見たさに覗くなんて可愛いなんて思って様子を見ていたが、どこか違う。何を必死になって探しているように見えて、心配になり声を掛けていた。
 『こんにちは、何か御用ですか?お客様。』子供に話し掛ける時は腰を低く、目線を合わせてから。
 男の子、小学校低学年だと思う。チョット驚いた顔が可愛いって思える自分はショタコンなのかも、と思いながら話し掛けた。
 『ごめんね、このお店は大人の人と一緒じゃないと入れないの。』すると男の子が、泣きそうな顔をグッと堪えて華の顔を見て、 
 『ごめんなさい、お姉ちゃん。あのね、僕、猫を探してるんだ、「僕の猫」さん、ここにいませんか?』 
 華の思考は止まった!何かがトップギアらしい。男の子の手を取り、店内に入る。 
 『お姉ちゃんの名前は「ハナ」、ぼくの名前は?』あっ、ここで手を消毒してね! 
 『ダイチ、大森 大地だよ。お姉ちゃん。』商店街に大森青果店って有るけど、今はいい。まずはダイチくんのネコさんだ!
 店内を見て回る、途中でメイにぶ厚い抱擁を受けて、ダイチくんの表情が明るくなったが触れ合いスペースには、ダイチくんが探しているネコはいなかった。再び表情を曇らせる男の子に、お姉ちゃんパワー、アップして、 
 『ココから先は秘密基地だから、ナイショにしてね!』 stuff onlyと書かれた部屋と入る。ここはネコたちの休憩室。さらに奥がココで暮らす猫たちの個室兼ベッドルームになる。 
 『ココにいる子はお昼寝中だから静かにね。』カフェにいる猫はココで全部になる。
 『ミャーミャー。』起こしてしまっか?「きなこ」が近付いたその時! 
 『チャコ!』ダイチくんが叫んだ、しかしすぐ暗い表情に戻ってしまった。 
 『チャコとすごく似てるの、でもね
チャコは耳にギザギザは無いから。』 
 きなこの耳の傷はおそらくカラスに襲われた時の傷だと思う。
 涙が出てくるのを我慢しているダイチくんと自分、慰めている様にきなこがダイチくんの手に戯れる。思わずきなこを抱きしめてしまうダイチくん。 
 『ねぇ、ダイチくんはどうしてココに、「チャコ」を探しに来たの?
 お姉ちゃんに教えてくれないかな?』 
 『おばあちゃんに聞いたの。このお店は捨てられたり、イジメられたりした猫や迷子の猫を助けてくれて、新しい飼い主さんを探してくれるお店だって、だからチャコがいたら大変だから。』
 ダイチくんのおばあちゃんがどう説明して、ダイチくんがソレをどう解釈したか、そしてどんな気持ちでココに来たのか、華自身も例えようの無い気持ちに耐えきれない。

 『ダイチくんの「チャコ」、お姉ちゃんが絶対見つけてあげるよ。』 
 
 『本当!でも…』
 
 『大丈夫!だってお姉ちゃん、名探偵…の助手だから!』 


 『その日、華がリビングで俺に土下座したんだよ。「お知恵を貸してください、お父様。」って、アイツは有能過ぎて情報が集まりすぎ。足元の正解を見つける前に安全策を選択したのさ。』
 こんな時、全国のお父さんはどうするのか教えて欲しい。
 『褒めていいのか、笑っていいのか、突っ込んで良いのか分からないので、七神の二番目も正座させてた。』


 『七神(警備、護衛)の情報網を使って?』 
 『不審者情報からペットの盗難とか調べました。』 (七)
 『十六夜(戦闘、暗●)の起動力を駆使して?』 
 『十六夜ちゃん、可愛いから聞き込みすると皆さん協力的に教えてくれて。』 (華)
 『山王院(本丸)の名前で何かしたな?』 
 『二葉にハッキングしてもらい、色々調べるつもりでしたが、未遂です。』 (華)
 『ん?ハッキング?必要無いだろ、二葉なら普通に山王院のメインにアクセス出来るぞ。』
 『えっ、私出来ないけど?私用では。』 
 『前に不正アクセスはいけない事だし、ハッキングとか面倒くさいから爺さんにお願いしたんだと。直に、時々爺さんとタブレットでリモート会話してるぞ。』
 『あの祖父がですか?二葉には関心ないと思ってましたが?』 
 『とんでもない!お前たちの他に、孫って数人いるけど、二葉だけだろ?お爺ちゃん扱いしてるのは。だから何気に甘いんだよ。あのビルフランさまは!』 
 『二葉は物心ついた時にはココに居ましたから祖父を恐れていないんです。孫も私より下は二葉だけだし。』  
 『それはいい、今回なんだよ。ネコ一匹探すのに企業一つ潰す気かい?某社の株価下がってない?』 
 『実は譲渡会を中止した会場予定地がアル企業に関係してまして、色々調べてたら藪から蛇が出まして。』 (七)
 『そら、heavyだね!じゃないよ?アレだろ、お前たちが調べて回るから投資家が何か勘繰って動いたんだろ!十六夜にどこお使い行かせたの?』
 『行かせたと言うか、自主的に行ってくれたみたいで、多分、権藤さんの所だと思います。あの人、舞斗や十六夜ちゃんによくご飯奢ってくれるし、道場でも可愛いがってくれるとか?』 (七)

 『権藤のとっさんは総会屋の用心棒なんよ。餌付けされてるな?』





 『ふははは、権藤って、たまに上で特製オムライス大盛りで三回おかわりする、ムキムキマンだろ?』
 『あの人も色々有るんだ。事故で亡くなったお子さん、生きてれば舞斗くらいだ。』 
 『ふ~ん、あの人がねー。で、さっき警察に渡したモノが重要な情報かね?』
 『おっかね~から、お巡りさんに丸投げしたよ。詳しいことは、忘れた。で、何か不味い事になったら三条先生、弁護お願いします。』 
 『ソレも丸投げか?割りに合わんな~。』




 『舞華ネェ!凄いぞ!忍者だ!くノ一だ!』
 乱れた和服から女忍者を連想し、上手くありモノでネコ耳メイド忍者を完成させた。二葉の衣装に比べると、シンプルだけどね。あの店長、只者じゃない。リリちゃん可愛いマジ可愛い。

 『舞華ネェ、準備出来た!お手伝いするよ!』リリちゃんも、二葉ちゃんもstand by ok!
 『二葉ちゃんはお客様を誘導しながら列整理、リリちゃんはこのチラシを配って。』物販コーナーが混み出したので急遽地下一階の空いているスペースを借りて特設物販コーナーを開店!
 二人にはお客さんの誘導をお手伝いしてもらう。なんと譲渡会の打ち合わせで来ていたボランティアの方も協力してくれた。しかも他のボランティアさんもTVを見て駆けつけてくれた。
 活動資金を増やす為のオリジナル猫グッズを持って!?
 ここ最近、イベントごとに飢えてたから、みんな盛り上がりが……怖い。
  


 『なんだ?この行列は?』
 『あ、お父さん、ごめんなさい!お店に入り切れないから蒼叔父様がココ使って良いって。』お巡りさんが帰った後で良かった。そうだ! 
 『舞華!チョット来なさい。』 
   『はい、ん。』 ん?

 『なんで目を閉じて頬を突き出す?』口も、ん~って結んでる。
 『え、あっ!お父さん右利きだから右じゃなくて、左頬を。』えっと、

 『何でお父さんが舞華にビンタする流れなんだ?』 
 『お父さん、時には厳しく叱る事も愛だと思うの!』ときどきおバカだよな?ウチの子達。俺の育て方は間違いだらけなのだろう?
  『こんなのは叱る事では有りません。』でも?

 『で、なんでこうなった?』あっ?
 『それ、私のセリフなのに!』
 『そうか、ごめん、ごめん。舞華や、「きなこ」連れて来てくれるか。』そろそろ来る頃か。
 『分かったけど、何で?』 
 『姉妹一緒に「新しい家族」が迎えに来るからさ。』


 『あら、お父様!見て下さいませ、このコス!素敵でしょ!ね、お父様。』………あれ?二葉が?

 『パパ殿!リリも、リリも!カッコいいの!』……リリ坊が?

 『あれ、お父さ~ん?大丈夫?』 
「二葉がプ●ンセスフォームでリリが陽炎●銀?」ここは晴海か有明か?

 『お父さん、やっぱり、ん~。』
 『なんでおでこを出して、デコピン待ちなんだ?』 
 『流石にコレは私も不味いかと?』
 『お前も「ガング●ール」とか「●レイス」、軍服でも可だ!それとも蜘蛛かカエルの着ぐるみでも着るか?』 
 『いや~、さすがに今すぐには用意出来ないのでは? ははは、残念。』 

    『あるよ!』えっ! 



 『何か賑やかね?後で見てみる、ダイちゃん?』 
 『来たぜ、大将!おっと弁護士先生も居るのかい?』
 『あぁ、野暮用でな。オーイ、ケンちゃん、お待ちかねのお客様だ!』

 『しーっ。今は静かに。ダイチ君だね、そーとっ、コッチにおいで。』
 『おじさんがお姉ちゃんが言ってた「名探偵」なの?』子供の夢は壊してはならない。なので、 
 『迷子の猫専門なんだ。たまに悪の組織とケンカもする。』

 宅配の段ボール箱に古い毛布を敷いて、二匹の子猫が仲良く寝息を立ててる。ほぼそっくりな毛色と毛並み、一応遺伝子鑑定して貰っているが、きなこが保護された公園と、ダイチ君がチャコを見つけて、隠して飼っていた「秘密基地」は同じ公園だった。時期も一致する。 
 そんな推察より二匹を会わせたら即喜んで戯れあった。 

 『おじさん、この子、きなこだよね。チャコとこんなにそっくりで仲良しなのはもしかして?』 
 チャコが見つけて嬉しくて、興奮気味なダイチ君でも気付いてくれた。
 『うむ、ダイチ君。良い感してるね!探偵の素質有るぞ、お姉ちゃんより。そう二匹は姉妹だよ。』
 『あら、このネコちゃん、あの時の子よね?』 
 『本当か?それにしても本当に仲良く寝てるな。……なぁどうだろう、大将。二匹ともウチの子にならないかい?』 良かった、俺からでなく、お爺ちゃんから言ってくれて。 
 『ありがとう、お爺ちゃん!』  
 
 『探偵のおじさんもありがとう!すごいね、日本一の名探偵だ。』フラグかな?回収せねば! 
 『ふふぅん、ヒュ~♪、チッ、チッ、チッ。おじさんもそこそこ出来る「迷探偵」だが、日本じゃあ二番さ!』キョトンとしてるダイチ君が、パッと表情を輝かせた! 
 『じゃあやっぱり、お姉ちゃんが1番なんだね!』あれ?「1番は誰?」って聞いて欲しかったな。でも子供の夢は壊さない。でも、おばあちゃんが、
 『あのね、ダイちゃん。この建物の1番上にはもう1人、名探偵さんがいるの。「日本で1番ハンサムな名探偵」さんが。』何だ、アイツ。守備範囲広いな。

 きなこは里親の問い合わせがいくつか有るが皆さん、事情を話せば分かってくれるだろう。この件はこれでよし。

 
 『ケーブルTV鶴亀のチーフディレクターで、下白岩と申します。この度は当方のADが悪ノリし、おたく様に大変なご迷惑を掛けました事、深くお詫びします。』
 とても品の良い女性上司が謝罪して来た。悪ノリしたのはウチの娘や「後輩」も同じなので、 
 『お互い、苦労している様ですね?後輩の育成には。心中お察しします。』 すると、目の前の女性がうるうる涙目になった。 
 『お分かりいただけますか?さすが
北代先輩、お会い出来て光栄であります!』俺、どこかで軍属したかな?
 『私、先輩が部長をして居られた「地史文学部」に在籍していました。』あ、後輩なのね。 
 『あと「映像製作研究部」と「化学部」にも非公認ですが所属してまさた。』あぁ~ヤバ、この子、黒歴史の継承者だ!さっきの評価を過剰修正!

 『あと古着屋の店長も後輩なんですよ。奥様の。』
  『舞台研?軽自車部?まさかの空…。』 
 『舞台研究発表部です。まさかのは知りませんでした。』
 

 猫カフェを中心に今日の商店街は活気が有った!この人の流れを無駄には出来無い。惣菜屋では「フランクフルト」や「アメリカンドッグ」、「唐揚げ串」など店頭で販売、それに触発されて果物屋で割り箸にパイナップルやプレシャスメロンなど刺し、氷で冷やしなが販売してる。見た目涼しくて美味そうだ。他の店も何か工夫してお客を集めていた。
 特に商店街でイベントをしている訳じゃないが、活気に満ちていた。 
 ただ悪ノリする者が現れた。
 「カメコ」だ。ナニを撮影したいかなど聞くまでもない!
 奴等は商店街の救世主たちを狙って、        
   狩られた。    誰に?    
 二葉を守護する「山王院ドーベルマン部隊」精鋭7匹。
 リリの友達「地域ネコ」勇士10数匹。
 そして、ソレらを指揮していたのは……。


 『今回、ケーブルTVの生放送だけでなく、AD自らツイートし、情報拡散した為、不謹慎な写真を撮ろうとアマチュアカメラマンが集まり、しかもその中に未成年に強制猥褻の容疑で手配中の人物がいたとか?
 本当にすいませんでした。』
 
 偶然にもお巡りさんが、帰る際に商店街の賑わいを見て、こんな時に事故事件が起こり易い。そう感じたのでこの地区の交番や署の生活安全課に声をかけてくれたらしい。
 また、商店街でも混雑事故を防ぐ為に有志でパトロールしてくれた。 
 結果、犬猫隊に追い回され、不審人物として職質され、手配書と完全に一致して連行された。 

 『エサがよかったんだろ、怪我の功名だよ。ソレにマナー違反していたのは一部だから。』
 『いえ、やはり配慮が足りないのは否めません。今後も指導を怠らぬ様努めていきます。』

 物販が完売した後の空きスペースを利用して、十六夜や二葉たちのプチ撮影会がおこなわれた。
 カフェに来たお客さんから一緒に写真を撮って欲しいとお願いされたのがいつの間にかこうなった。
 一応、TV鶴亀のスタッフが責任を感じ、仕切ってくれてる。
 夕焼け放送が流れる頃には商店街の人の流れも落ち着いて来た。

 『逮捕者が出たのは、今は公にしないでくれ。折角の門出が台無しになる。後日警察の発表待ちで。』
 『それはもちろん!わたしも楽しい放送で締めくくりたいので!』
 さすがは地域を大切にする、ケーブルTV。 
 その日の地域のニュースでプチ撮影会の様子が放送された。 
 その後、あの三人娘をご当地アイドルとして起用出来ないか?打診が有ったが保留中だ。 


 『何か濃い一日だった。』もうクタクタである。

 でも、まだ解決してない事が何件か有る。俺余り、賢く無いから誰かに丸投げしたい、そうゆー訳にもいかないが。 
 あと、最後の「来客」がそろそろ来る。 

 『お父さん、お待たせ。』優斗がいつもの「アレ」を持って来た。 
 『昼間、騒がしかったから来ないかもな?』優斗が店の奥にしまってある餌皿を古本屋の前に並べて始めた。 
 『あ、そろそろですか?ご一緒してイイですか?』警備室から女性警備員の「十六夜 古町」さんがソワソワしながらやって来た。 
 お解り頂けただろうか?
 「十六夜 灯火」ちゃんの妹さん、見かけ通りの二十歳のお姉さん、縁故採用です。姉妹逆に見えるけどね。 

 『コマちゃん、今日はもう上がりかい?騒がして悪かったね。』 
 『可愛い姉が見れて感激です。眼は死んでる魚の様でしたけど。』


 『ブニャ~。』『にゃ~。』『……。』夕日が沈みかけた頃、何処からか、地域猫たちが集まり出した。
 優斗が魚介系出汁が評判のラーメン屋でもらった「アレ」、出汁を取りきった「アゴ」や「煮干し」を皿に盛る、大喜びで食べ出した。 
 『皆んな、今日はありがとう~ね!』 
 『ん、優斗、何か有ったのか?』 
 『ちょっとね、そう言えば、お姉ちゃんがコスプレしていたみたいだよ?』
 『マジ?見たくないな。何着たの?』

 『パティシエ服。誰も気づいてくれないけどね。』 

 『あ、お姉ちゃん!お疲れ様。』
 『おっと!びっくりした。乙、舞華。命萌え尽きたか?』
 
 『私、猫になりたい。ココロのにくきゅうが萎れてる。』
 『だから、カエルにしとけば、ケロケロりん。』   
  
 また明日、 後片付けまだあるし 



 『私、明日涼子さんに会ってくるね。』 
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