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ワラえない人形。
しおりを挟むある朝、ポストに【藁人形】が投函されていたそうだ。
下手くそな字で、
【高坂 孝次郎】
と書かれた薄汚れた和紙の様なモノが、胸辺りの所にマチ針で名札の様に固定されていたそうだ?
「オレが最初にみつけて、父に知らせました。
父宛てだと思ったんで、一応。」
手紙じゃねぇだろ?
孝次郎サンは直ぐに警察を呼んだそうた、【脅迫罪】だと言って?
犯人は直ぐにわかったそうだ?
融資を打ち切られた町工場の社長らしい?
「親父、〇〇銀行の支店長なんですよ。」
え、マジ?
初耳なんですけど?
「でもおかしいんですよ、その町工場と父の銀行とはなんの取引もしていないんです。
だから恨まれるなんて事はないはずなんですけど?」
…なぬ?
「警察が調べて、凄い真実がわかりました。
その工場に融資の話しをしていたのは、父の前にそこの支店長をしていた人物で、どうも何かやらかして左遷させられたらしくて
…
あ、えっと、
そもそも銀行が【融資】していたのではなくて、その元支店長を通して闇金の様なトコロが銀行と偽って金を貸していたらしいんですよ?」
…ソレって、普通に犯罪だよね?
「また随分とややこしい事してたね?」
「その元支店長ですが、銀行の金を使い込んだらしくて、闇金から借りて補填していたらしいです。」
ナニに使ってたのかな?
「…その事バラされたく無ければ…って悪い事の片棒担いじゃったのかな?
でもさ、そう言う場合のお金って返済しなくても良いんじゃない?
詳しいは知らないけど?」
「…そもそも【焼け石に水】だったみたいで、融資がどうこう言う以前に仕事が無かったみたいですね、さらに【暴力団】と付き合いがあるとか噂されて…。」
「暴力団?」
「闇金から金を借りて、返さなくても平気だからって事で変な噂が立ったらしいですね?
その所為でさらに仕事が回ってこないらしくて、倒産する事に…」
「もうぐっちゃぐちゃぐちゃだな?
で、逆恨みで藁人形を投函されたのか?
恨むなら、その元支店長だろ?」
「…その元支店長、既に銀行から訴えられてて、今は警察で取り調べ中みたいで…」
「…なぁ、藁人形をポストに入れたのって、ホントにその社長なの?」
「えっ、何でですか?」
「…マチ針ってのが、なんか女性的なんだよな?
普通は五寸釘だと思うんだ、藁人形ならさ?」
「えっと、ポストに入れたトコロは見てませんが、その日の早朝に新聞配達員がウチのそばに居た社長を目撃しているそうです。」
「…じゃあ、そう言うことなんだね?
ソレで、何か【呪い】の効果が出たのかな?」
「…ソレが、最近オヤジが酒を飲み始めまして?」
…はぁ?
「えっと、ソレの何が?」
「親父は下戸なんですよ!
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ソレがこのところ、晩酌で【越乃寒梅】とか燗にして呑んでるんですよ!」
…ソレ、体質が変わっただけだろ?
「それだけ?」
「…あとはお袋に
『今度、温泉旅行でも行かないか?』
って言ったそうです!」
「…良い事だね、羨ましい。
俺たちも歳を取ったら、夫婦でのんびり温泉…」
「有りえません!
今まで仕事一筋の人が、夫婦で旅行だなんて⁈
まだ不倫していたって方が信じられますよ!」
…なんか面倒に成ってきたな?
「心境の変化かも知れないよ、他人の失敗や逆恨みされたりして、今までの在り方を見つめ直したんだじゃないのかな?」
「だからって、あそこまで人が変わるモノかと…」
人がかわるねぇ?
ん、ならば!
「なぁシンちゃん、それなら今度親父さんと飲みに行かないか?
美味いおでん屋があるんだ。」
「えっ!
あぁ、いいですね、聞いてみますよ!」
丑三つ時に人知れず藁人形に五寸釘で神社などの木に怨みを込めて打ち付ける…
ってのが、よく知られてる藁人形の呪いなんだが?
相手にお前は呪われていると知らしめる事で怖がらせて、精神的に追い詰めて苦しめるのも【呪い】なのかも知れない?
…そだ?
「なぁしんちゃん?」
「はい、何ですか?」
「なんでこんな話しを俺に?」
「はぁ、あのですね、エリさんがお義兄さんはこの手の話しに詳しいからと?」
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