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その頃、別の場所では?

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 「探しましたよ、。」

 
 北海道は某所。

 馬に飼葉を与えている男性に声をかける玲子さん?


 「やぁ君か、書類には署名捺印してくれたかな?」


 「あんななんて、細かく千切って猫のトイレに利用したわよ!」


 今頃はオウジか大和がションかけてるハズ?

 「君には済まないが、早く 孝作に戻りたくてね、分かって欲しい…。」


 この場所は孝作氏が学生の頃に下宿していた親族の酪農家の馬房。


 数年前に経営難で廃業しようとしていたが、孝作氏が出資して経営を続けている。

 つまり、この牧場の実質的な「社長」なのだ。 

 「斗真の結婚が決まりました、なら式に出てもらいますからね!」


 「そうか、桜木の大叔父もさぞ喜んだだろう?」


 「…桜木?


 いえ、斗真が結婚するのは、櫻川サクラガワの蘭子ちゃんよ?

 忘れたの?」



 「さ、サクラガワだと⁈

 何故だ?

 分家でも無い、下請け(会社)の娘だろ?

 何故だ?」

 「子供の頃、約束していたそうよ?

 『大人になったら、お嫁さんにしてね。』って、

 ソレに桜木のお嬢ワガママ姫サマは斗真よりも、今は、イケメン芸能人と熱愛中らしいわ。」
 


 はぁ~、本当に疲れた…


 姫乃が桜庭の家をに縁を切る事に成功して、自由になったのと同時にこの人孝作サンは姿を消した⁇


 記入した離婚届を残して?


 もっとも、行き先はで猫探偵サンが教えてくれたのだけど?


 「…あの馬鹿叔父め、約束を反故にしたな⁈」


 「ハァ~、馬鹿はアナタです!

 姫乃に誤りもせずに行方を眩ませるなんて、父親失格よ。」


 「…ん、何の事だ?」

 …何を言われているのか本当にわからないという顔をしている亭主に呆れたと言うか、腹が立つと言うか??


 「姫乃に京多クンを籠絡しろタラしこめと命令したでしょ!」

 「なっ!

 私がそんな事を言うと思うが⁈

  私はあの青年なら、姫乃の良き友人として…」

 「友人どこらか、今と成っては婚約者ですよ。

 もうラブラブで、羨ましいくらいよ。」


 「な、なんだどー⁈」


 「ブヒヒォーーン!」

 あまりの大声に、馬が驚く?

 すると、異変を感じて離れた場所にいた他の従業員が、


 「サクライさん、どうかしましたか?」

 と駆けつけてくれた。


 「…か、帰る…」


 「え、何ですか?」


 「東京に帰るぞー⁈」


 どうやら馬鹿亭主の思惑とは違う結果の様、

 フフ、ザマァ!
 
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