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素晴らしきキャンパスライフ〜勉強って大事?
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思ってたのと、違う!
イイ意味で!
(イイのかよ!)
古着屋としては、微妙なところだけど。
(どっちだよ!)
例のコスプレコンテストのおかげで、
今まで売れない服が売れたり、購入した古着を利用して「コスプレ衣装」にリメイクするお客さんのアドバイスをしたり、
そのまま衣装製作の依頼が来たりと、中々忙しい!
ただ、そのほとんどがお子様の「コスプレ衣装」なのだ!
ハロウィン以降、パーティーグッズのコスプレグッズが百均などでも販売しているけど、
みんな同じではつまらない!
ウチの子1番、only one!
みたいな意識高い系ママ様からの依頼殺到している?
可愛いから作っていて楽しいけど、こう言うのはお母さんが作ってあげるのが良い思い出になりそうだけどなぁ~?
『お姉様、こちらもお願いします。』
『ハイハ~イ!まーかせて!』
『お姉ちゃん様、オヤツの時間だお!…です。』
『ハァハァ、はーい!』
汚いモノを見る目で相棒を睨む洋海さん!
『アンタ、あの子達に「お姉様」とか強制発言るの⁉︎ そこまで病んでるとは。
はぁ~、マミに相談しないと!』
『こらー!人の妹を呼び捨てにしないでよ! それに強制してないから!皆んな自主的に呼んでくれたんだから、ね!ね!』
いや、後半怪しいぞ!
いつに無く賑やかな「わるぷるKiss」は注文を受けたコスプレ衣装の製作で、毎日がお祭り騒ぎの様。
新人スタッフの「蘭」「崇」「幹」は予想以上に優秀だった!
「幹」は鳥形ケモっ子、背中に小さな羽が有るけど飛べない。
けど、小鳥の囀りの様に愛らしい声と丁寧な話し方で接客をお願いしたら意外と向いてる様で、
又、色彩センスも良いのでお客さんとの会話が弾んで評判が良い。
「崇」は好奇心旺盛なお猿系ケモっ子、チビっ子と仲良くなる天才だ!
実はわるぷるで仕入れや販売が難しいのが「子供服」だったりする。
しかし、崇が来てから子供服の持ち込みが少しずつ増えてきた。
品数が増えるとお客さんも購買意欲を刺激され…いや、単純だけどお子様が崇に会いたいだけで、たまたま良い服が有るから買うみたいな流れが出来てきた。
「蘭」は細かい作業が好きな様だ、何とアライグマ系ケモっ子らしく綺麗好き!
…ただし切れると怖いらしい「気性の荒い」面が有るとか?
それと「元後輩」で今はコスプレイヤーの「ヒメヒメ」さんがお針子として手伝いに来ている。
(バイト代は出しますよ!)
『姫川、アンタお昼どうするの?私は三人とスピカに行くけど?』
『エビアンさんってば!「ヒメヒメ」って呼んで下さいませませ! って!私も連れっていて下さいよー!』
『うるせ、「エビアン」言うな。お前、見た目だけはイイから店番な!弁当買ってきてやるから。』
『ヒロさん、わたしには?』
『ノルマが終わったらな。』
ちなみにこの後五件程、コスプレ衣装の依頼が有りました。
『舞華ちゃん、私をお嫁さんにして~!』
『ハァ?私、百合じゃないよ?』
話しは前日まで戻るよ。
某安売り店のコスプレ衣装が、北の某国の工場で大量に作られて輸入されたモノなのに対して、
プロの職人さんが古着を巧みにリメイクしたコスプレ衣装とでは、初めから優劣は決まっていた!
ここで、予想外の事が起こってしまう。
「参加する事に意義がある!」
みたいな方々が百均の「なんちってコスプレグッズ」でお茶を濁したところに、「わるぷるKiss」のリメイク衣装を見て、
それぞれの状況が変わってしまった?
例えば、最初は記念品欲しさに参加したAくん5歳は百均のコスプレグッズと手持ちのオモチャをゴテゴテ付けた「なんちってコスプレ」で、
後から参加した仲良しのBくん5歳は「わるぷる製」、さながらテレビで見たヒーローの様にカッコイイ!
すると、
「こんなのカッコ悪い!Aくんもあのお店で変身するの!」
って成る訳ね。
別の話しでは、
クラスのジミ子ちゃんが、愛猫を模した猫耳コスプレで参加した。
同じクラスのお嬢様が、ジミ子ちゃんの愛猫を「産まれの卑しい雑種」と馬鹿にしたから!
お嬢様は高級な品種の猫を飼っている事を自慢していたので、
近所のお姉さんに相談したら
『任せるんだ、私たちに!
君とニャンコの良い所を引き出してあげるから!』
そもそも、雑種とか血統書とか人間の都合だからね。ネコの方からしての優劣は別のところに有る!
投票所に展示されたジミ子ちゃんのコスプレ写真が炎上モンってくらいに学校で話題になってしまった!
投票所で写真を見た同級生たちがこぞって、
『き、綺麗…コレ、本当にジミ子ちゃんなの?』
衣装のデザインは来間さん、縫製は恵理子さん、メイクはマミマミとコスプレ的には「delta end」的な仕上がりになってる、
『うそ、ジミ子の奴、こんなに美人なのかよ?』
沸き立つ男子たち?
『何よ!私だって!』
変なライバル心を燃やすお嬢様!
みたいな、
何故か一度写真を撮っている参加者が衣装の作り直しを申請して参加し直すと言う事態に成りつつあるのね。
始まりは猫カフェのコスプレ撮影会。
欲を出した商店街のお偉いさんが、駅前商店街の町おこしイベントにしてしまった辺りから、
思わぬ所でヒエラルキーを形成してたり、大小の派閥で下剋上を起こしていたりと、すでにコチラの思惑すら超えて盛り上がっている。
『これ、定期的にヤルのかしらん?』
だとしても、
『色々見直していかないと、私が死ぬ!絶対に死ぬ!』
(まぁ、それなりに身入りは多いけどね!)
なんとか今日のノルマを終えて愛する家族の居る我が家に到着した。
『たっだいまー!』
一人暮らしを考えた事も有るけど、今の家族との生活を手離す事なんて出来るわけが無い!
可愛い妹たちと最近家族に加わった子猫!
実母が亡くなってから父親とギクシャクしていた少女時代、そんな時に友達に「コミケ」に誘われた!
その前からアニメとか漫画は好きだったけど、これだけの人が集まって何かを表現する事に正直驚き感動したした。
まぁ、今の規模に比べたら国と町ぐらいの違いが有るけど。
すっかりオタな趣味に目覚めた自分がハマってしまってのが、後の職業に影響する「コスプレ」だ。
漫画やアニメの登場人物に成り切る為に取った行動は、
演劇部に入部と手芸部との掛け持ちだった。
この時知り合った友達の中には現在人気声優や漫画家もいる。
この趣味のおかげで義妹とは、かなり濃い姉妹になれたと思う。
この居心地の良い場所を出て行くとか無いなぁ~、
『おね~ちゃ、おかえり~!』
『お姉様、おかえりだお…です。』
……え?
『ただいま、 崇チン、なんでいるの?』
『美由紀ちゃまから、ご夕飯にご招待されました…です。』モジモジ
『スゥねえたん、みぅきとニャウちゃんの「お友だち」なの!』
『商店街に美由紀とお買い物に行った時に貴女のお店に寄ったら、スゥちゃんと美由紀が仲良くなってね。
それで美由紀が晩御飯をお姉ちゃんと食べたいって言うので、ご招待したのよ。』
今、妹と幼妹とケモっ子が入浴中、自分は母と夕食の後片付けをしながら、今日の経緯を聞いていた。
『それにしても、スゥちゃん良い子ね。美由紀もあんなに懐いて。 今までご苦労されてたって、まみに聞いたけど。』
『そうだね、だからこそチカラに成りたいと思っていたのに、私が助けられちゃたみたい。』
『……ん、 ねぇ、ここはイイからアナタもお風呂入ってきなさいな。今日も忙しかったんじゃない?』
おや、気を使われたかな?
ん?
『 …母さん、もしかして…匂う?』
『恵理は服に移るといけないからって、あまりお化粧しないでしょ、仕事の時は?
お店にシャワーとか有るんでしょ?』
『面目無いです。』
ウチは一般家庭だから少女二人も入れば湯船はいっぱい!かろうじて幼児ひとりがギリOK?
でも、魅惑で至福な空間に
無理クリ凸入浴したのよ。
妹の成長や従業員の可能性を確認し、堪能しました私は再び台所にいってビールでも飲もうと思いきや、
『アレレ。お父さん、帰ってたの?』
台所で一人寂しく夕飯を食べてる父の「プレミアムビール」を盗み呑んだ。
『こら、はしたない!』
『怒らない、怒らない。お酌してあげるから。』
冷蔵庫から新しくビールを用意し、グラスももう一人分用意した。
『娘のお酌で美味さ倍増でしょ! んで、私のもよろしく。』
『まったく、今日は「お客さん」がいらっしゃるのに。見っともない。』
お客?それって?
『お前の店で働いているお嬢さんだ。
まだお若いのに大変な御苦労をされてきたそうじゃないか?
学校とか、どうなんだ?
定時制高校に通っているなら、ちゃんと時間も考えてあげないといけないぞ。』
父も苦学生だったらしく、この辺の話題に涙脆い。
『え~と、まだその辺の深い事情は聞いてないのよ。あの子達が自分から話してくれるまで無理に聞かないと北代さんと決めてるから。』って事にしてある。
策士だよね、あの方は。
『子猫をいただいた方だな、この町内では有名人らしいな?
一度お会いして、ちゃんとご挨拶しょうと思うんだが…。』
それなら、
『なら、今度の休みでもお伺いしてみたら。
地下の「古本屋」に。お父さんも「本好き」でしょ?』
この日、崇ちゃんが我が家にお泊まりした。
マミと崇、真ん中に美由紀を挟んで、川の字で寝る様子は尊く、平和の象徴の様!
『ニャ~。』
『おぉ、ニャーちゃん。どうした、美由紀と寝ないのかい?』
近づいてきた子猫を父が抱き上げる。
「ニャーちゃん」
美由紀が付けた子猫の名前。
もう、この名前でしか返事しないので決定になりました。
『お父さんはお前たちの為なら、まだまだ頑張れるぞ。』と言いつつ、子猫に頬ずりしている。(キモくない、キモくないよ。)
すっかり子猫にやられちまった五十代だが、お互い再婚だけども歳下の嫁としっかり美由紀を授かったのだから抜け目無い。
『いや~、私もこの光景が見れるなら、徹夜で仕事しても苦にならないかも?』
社畜時代には無い達成感や充実感が有る。
居間に布団を並べて寝ている三人を、父と起こさない様に隣室から覗いている。
ちなみに、先ほどわるぷるに残っているケモっ子二人に崇のお泊まりの件を伝えてびっくり!
『はい、承りました。今コチラに副店長とヒメヒメさんがお泊まり下さるそうなのでお伝えしますね。』と幹の心躍る声がそう告げた?
なんだろ、「仲間はずれ感」がするよ?
いいんだ、いいんだ。
コチラはコチラで幸せだからね!
『それで良いのか、お前は?』
『え?別に。私には可愛い二人の妹と子猫がいるモン!
ソレに最近では弟子入りした従業員たちとの仕事も楽しいから充実してるしね!』
すると、やれやれとでも言いたそうに父が溜息をつく。
『その様子では、「結婚」なんて無理そうだな?
マミに先を越されない様に「仕事以外」の「恋人」でも早く作ったらどうだ?』
『父さん、それ「モラハラ」いや「セクハラ」かな?
ナニよ、「孫の顔が見たい」みたいな事デスか?
孫みたいな美由紀がいながら、まだ欲しがりますか?』
確かによく「可愛いお孫さんですね。」と言われるけど。
『娘の子はまた別なんだよ!』
『 …って、昨晩そんな事が有ってね。
近場で婚活しようかと思いまして。
舞華ちゃん、お姉さんをもらってくれない?』
こう言う場合は舞斗お兄ちゃんじゃないの?
『何で私?
ってか、恵理子さんって「美人」じゃないですか!(色々残念だけども。)
今までお付き合いした男性とかいないのです?』
舞華だよ!
ケモっ子達の様子やコスの製作状況とか見に来たら、
恵理子さんに告られた?
で、思わず聞いちゃった。
あ?ウッカリ聞いてしまったけど、大丈夫かな?大失恋して男性が駄目になるパターンとか?
『だって舞華ちゃん、可愛いし、猫カフェの店長だし、グイグイ引っ張ってくれそうだし、「コネ」も多いし、優良物件じゃない。
ソレにお付き合いって?
そうね~?
いた様な、いない様な?基本的に私、喪女だし?』
などと言いつつ、
『舞華店長ちゃん、そのバカにも「婚約者」ってのも居るには居たんだわ。まだ有効かは分からないけど。』
『アー、アー!知りません!聞こえませーん!』
そ、そこ詳しく!洋海サン!
某大学の一室で、出された茶を啜る俺、舞斗っス。
『あのね、あのね!お姉さんね⁉︎
鈴木さんの証言から似顔絵を作成したら、偶々学内にソックリな学生がいたので、調べておいたよ!舞斗くん‼︎』
『ありがとうございます!』
蛇の道はヘビーそうなので、
現在その趣味に詳しそうな人を紹介してもらうもりで、
鈴木サンにお願いしたところ、こんな事になった。
尾北さんを困らせてる男性、サイリュームを使っての「オタ芸」や怪しい挙動などから、「オタク」なのは分かっていた。
もしかして、何処かの「イベント」で見かけて、素性がわかるかもしれないぐらいの期待だったのに!
「何故、彼女の前でサイリュームを振り回す?」
その訳が知りたい。
出来れば本人に直に聞きたい、その訳を!
『自分もまさか、同じ大学の学生とは思わないから、後輩達から直ぐ連絡が来て驚いたよ。』
「森猫」で見る鈴木さんとは随分違った感じだ。裏方の体育会系男子では無く、知的な学生っぽい。
『私も驚き!まさか鈴木パイセンがこんな「イケメン高校生」の友達がいるなんて? 驚愕の「肉体改造」は君の影響かな?
ん?
舞斗くん!』
『さぁ、さっぱりわかりません?』
なんかグイグイ来ますよ、このお姉さん?見た目「小動物」っぽいのに?…でもお胸は大きめかな? なんかのアニメキャラみたいな?
『その辺にしたまえ!』
「トシさん」が場を鎮める。
『我々は近い将来、後輩となるかもしれない若人の頼みを聞き、その結果を本日伝えるのではなかったのか!』
ん~、サングラスに整った顔立ち、二十五歳くらいかな?
武術とか興味無いかな?
ん?「未来の後輩」って?
『で、わかった事を舞斗くんに教えてくれ。お礼は僕の方で……』
『いえ、鈴木さん、金銭的な事は「ウチのスポンサー」が払いますから?』
元は華からの提案だから、そちらは任せて良いはずだ。
『そんな無粋な話しは後でいい。』
『そだね!お金の問題じゃ無いのよ!』
小鳥遊さんも何やら同調している?何だろ?
『調査の結果、本校の二年で経済学部の「野中 登」と言う学生だそうだ。
サークルは「現代芸能普及調査研究会」に所属していた。
少し前に除籍されたそうだ。』
色んなサークルが有るのな?
何をするサークルなんだろ?
『調査の結果からすると、よく周りと揉めていたらしい。
「オタク」とは、さながらアクの強い性格とは言え、同じ趣旨の者がいなかった様だ。』
すっかり語り部となった「トシちゃん」さん。
文系かな?
『それでも最初のウチは、サークルの結束を深める為に、
老舗の「メイド喫茶」などを探索しては、毎回語り合っていた様な、言い争っていた様な? そんな様子らしい。』
ひよりさんが、俺だけにお茶菓子を出してくれた。
『舞斗くんは彼女いるの? 私とかタイプじゃない?』
まさかの「肉食系女子」なのかな?
身長は舞華より低い、ちょいぽちゃっとした小柄な「可愛い系」のお姉さん、と言うよりクラスに居そうな「世話好き同級生」って感じだ。
特に嫌いでは無いし、明るい女性は好きだけど?
『舞斗くんは「可愛い男の子」の友達が多いよ。さすがのひよりくんも不戦敗かな?』
す、鈴木さんっ!
ナニ言ってますの?!
『鈴木さん、誤解が生まれるのでその辺にしてください。』
『えーーーーー?!
舞斗くんリアルにそっちの人なの? アレ、アレレ!もしかして、猫カフェの「可愛い男の娘」は舞斗くんの彼氏?じゃない彼女?』
『ほら、既に誤解してますよ。別の意味で助かりましたが。』
誰の事を言っているのやら?
『ひより君、いい加減にしたまえ⁉︎ 話しが進まないだろう!』
他の人たちも生暖かい目で見守っている。
いつもの事なのかもしれない。
『すいませ~ん!代表~! 余りにも舞斗くんが「逸材」過ぎて、妄想が暴走して、消耗したのでもう通常に戻りました。』
『うむ、よろしい。……ところで舞斗くん、少しだけ質問を許してくれないか? 君に個人的に聞きたい事が有るのだが?』
サングラスでわからないが鋭い視線を感じた!
やはりトシちゃんサンは只者では無さそうだ?
『はい!中3の時に盗んだ単車で走り出した近隣の族をイカ殴りしたのは自分デスっ!』
親にも話した事無いのにトシちゃんサンに見抜かれたか?
俺の過酷な過去が⁉︎
『…何やら武勇伝が有りそうとは思っていたが、そうじゃなくてね?』
『はぁ?では好きなアニメは「ガンバの大冒険」です。最近では「妹が可愛い」作品を見て、主人公の兄にダメ出しをするのがテンプレートに成りつつ有りますっ!』
『私もそれ好きー!』
『舞斗くん、無双中すまないがそうではなくて、私が聞きたいのは「君の高校卒業後の進路」だ。差し支えなければ聞いても宜しいか?』
『はい、海外に武者修行に行きます。日本以外の「武術」を会得したいので、香港、ブラジル、父の知り合いを訪ねながら色々世界を見たいっス!』
『……それはフカしまくった明日では無くて、本当の事なのかね? お父上のお知り合いとか?』
『実は以前、ある事で頭にきた連中をケチョンケチョンして、なんと言うか「ヤンチャが過ぎて」関係各社に多大なご迷惑をかけた事が有りまして、父の古くからの「知り合い」にお説教代わりに絞られたんですよ。』
『う、うむ。それで?』
『精神修行やもっと世の中を学ぶ意味でも「ロサンゼルス」に来ないか?って言われてまして、そしたら「他の人」からもお誘いが来たので。 今はまだ無事に卒業出来る様に行動中っス!』
『ご両親、特にお父上は何と言っておられたのかな?』
『はぁ~、子猫抱いて「行け行け!」って爆笑してました。』
『一度お会いしたいな、その「お父上」に!』
『なら、「羽柴ビル」の地下に有る「古本屋」にでも行ってみて下さい。
猫のお土産に出汁取った後の「煮干」とか持って行けば喜ばれますよ。』
『どこだい、そこは? 神田?お茶の水? って、「猫」?』
ガチャ!
『だ、ダダ、代表! いた!居ました! 「野中」が居ました!食堂で食事しているのを「ブーさん」が見張ってます!』
そこに別の学生がやって来た、学園内で例の学生が現れたらしい。
『よし、行こうか!舞斗くん! 彼を救いに!詳しい話しは事が終わった後だ!』
『かしこまりっス!』
『舞斗くん、私、パスポート用意した方がいい?』
『気が早いぞ!ひより君!』
なんだか「ネコ部の大学版」みたいだな?
大学行かないけど?
『ニャー、ニャニャニャ。』
『どしたの?虎ちゃん。急に甘えて来て?』
その頃、「森猫」では、一部の女性客から絶大な人気の店員、
「森川 真琴」と「高城 ゆたか」が揃踏み‼︎
二人を見て耽美な世界に迷い込む腐女子、
子猫を抱いてるゆたかや、虎丸が足に絡んでる真琴が、お客様には「猫の国から来た王子さま」にしか見えてない⁉︎
『チッ!腐ってやがるっス!まだ早すぎたっスよ!この後で「ネコ耳執事」登場なのに!』
既に、店内でも「ケモ耳コスプレ」を随時導入している!
来てくれた小学生以下のお子さんには紙製ネコ耳サンバイザーをプレゼント中だ!
『フフ!「森猫」の完全勝利っス!』
イイ意味で!
(イイのかよ!)
古着屋としては、微妙なところだけど。
(どっちだよ!)
例のコスプレコンテストのおかげで、
今まで売れない服が売れたり、購入した古着を利用して「コスプレ衣装」にリメイクするお客さんのアドバイスをしたり、
そのまま衣装製作の依頼が来たりと、中々忙しい!
ただ、そのほとんどがお子様の「コスプレ衣装」なのだ!
ハロウィン以降、パーティーグッズのコスプレグッズが百均などでも販売しているけど、
みんな同じではつまらない!
ウチの子1番、only one!
みたいな意識高い系ママ様からの依頼殺到している?
可愛いから作っていて楽しいけど、こう言うのはお母さんが作ってあげるのが良い思い出になりそうだけどなぁ~?
『お姉様、こちらもお願いします。』
『ハイハ~イ!まーかせて!』
『お姉ちゃん様、オヤツの時間だお!…です。』
『ハァハァ、はーい!』
汚いモノを見る目で相棒を睨む洋海さん!
『アンタ、あの子達に「お姉様」とか強制発言るの⁉︎ そこまで病んでるとは。
はぁ~、マミに相談しないと!』
『こらー!人の妹を呼び捨てにしないでよ! それに強制してないから!皆んな自主的に呼んでくれたんだから、ね!ね!』
いや、後半怪しいぞ!
いつに無く賑やかな「わるぷるKiss」は注文を受けたコスプレ衣装の製作で、毎日がお祭り騒ぎの様。
新人スタッフの「蘭」「崇」「幹」は予想以上に優秀だった!
「幹」は鳥形ケモっ子、背中に小さな羽が有るけど飛べない。
けど、小鳥の囀りの様に愛らしい声と丁寧な話し方で接客をお願いしたら意外と向いてる様で、
又、色彩センスも良いのでお客さんとの会話が弾んで評判が良い。
「崇」は好奇心旺盛なお猿系ケモっ子、チビっ子と仲良くなる天才だ!
実はわるぷるで仕入れや販売が難しいのが「子供服」だったりする。
しかし、崇が来てから子供服の持ち込みが少しずつ増えてきた。
品数が増えるとお客さんも購買意欲を刺激され…いや、単純だけどお子様が崇に会いたいだけで、たまたま良い服が有るから買うみたいな流れが出来てきた。
「蘭」は細かい作業が好きな様だ、何とアライグマ系ケモっ子らしく綺麗好き!
…ただし切れると怖いらしい「気性の荒い」面が有るとか?
それと「元後輩」で今はコスプレイヤーの「ヒメヒメ」さんがお針子として手伝いに来ている。
(バイト代は出しますよ!)
『姫川、アンタお昼どうするの?私は三人とスピカに行くけど?』
『エビアンさんってば!「ヒメヒメ」って呼んで下さいませませ! って!私も連れっていて下さいよー!』
『うるせ、「エビアン」言うな。お前、見た目だけはイイから店番な!弁当買ってきてやるから。』
『ヒロさん、わたしには?』
『ノルマが終わったらな。』
ちなみにこの後五件程、コスプレ衣装の依頼が有りました。
『舞華ちゃん、私をお嫁さんにして~!』
『ハァ?私、百合じゃないよ?』
話しは前日まで戻るよ。
某安売り店のコスプレ衣装が、北の某国の工場で大量に作られて輸入されたモノなのに対して、
プロの職人さんが古着を巧みにリメイクしたコスプレ衣装とでは、初めから優劣は決まっていた!
ここで、予想外の事が起こってしまう。
「参加する事に意義がある!」
みたいな方々が百均の「なんちってコスプレグッズ」でお茶を濁したところに、「わるぷるKiss」のリメイク衣装を見て、
それぞれの状況が変わってしまった?
例えば、最初は記念品欲しさに参加したAくん5歳は百均のコスプレグッズと手持ちのオモチャをゴテゴテ付けた「なんちってコスプレ」で、
後から参加した仲良しのBくん5歳は「わるぷる製」、さながらテレビで見たヒーローの様にカッコイイ!
すると、
「こんなのカッコ悪い!Aくんもあのお店で変身するの!」
って成る訳ね。
別の話しでは、
クラスのジミ子ちゃんが、愛猫を模した猫耳コスプレで参加した。
同じクラスのお嬢様が、ジミ子ちゃんの愛猫を「産まれの卑しい雑種」と馬鹿にしたから!
お嬢様は高級な品種の猫を飼っている事を自慢していたので、
近所のお姉さんに相談したら
『任せるんだ、私たちに!
君とニャンコの良い所を引き出してあげるから!』
そもそも、雑種とか血統書とか人間の都合だからね。ネコの方からしての優劣は別のところに有る!
投票所に展示されたジミ子ちゃんのコスプレ写真が炎上モンってくらいに学校で話題になってしまった!
投票所で写真を見た同級生たちがこぞって、
『き、綺麗…コレ、本当にジミ子ちゃんなの?』
衣装のデザインは来間さん、縫製は恵理子さん、メイクはマミマミとコスプレ的には「delta end」的な仕上がりになってる、
『うそ、ジミ子の奴、こんなに美人なのかよ?』
沸き立つ男子たち?
『何よ!私だって!』
変なライバル心を燃やすお嬢様!
みたいな、
何故か一度写真を撮っている参加者が衣装の作り直しを申請して参加し直すと言う事態に成りつつあるのね。
始まりは猫カフェのコスプレ撮影会。
欲を出した商店街のお偉いさんが、駅前商店街の町おこしイベントにしてしまった辺りから、
思わぬ所でヒエラルキーを形成してたり、大小の派閥で下剋上を起こしていたりと、すでにコチラの思惑すら超えて盛り上がっている。
『これ、定期的にヤルのかしらん?』
だとしても、
『色々見直していかないと、私が死ぬ!絶対に死ぬ!』
(まぁ、それなりに身入りは多いけどね!)
なんとか今日のノルマを終えて愛する家族の居る我が家に到着した。
『たっだいまー!』
一人暮らしを考えた事も有るけど、今の家族との生活を手離す事なんて出来るわけが無い!
可愛い妹たちと最近家族に加わった子猫!
実母が亡くなってから父親とギクシャクしていた少女時代、そんな時に友達に「コミケ」に誘われた!
その前からアニメとか漫画は好きだったけど、これだけの人が集まって何かを表現する事に正直驚き感動したした。
まぁ、今の規模に比べたら国と町ぐらいの違いが有るけど。
すっかりオタな趣味に目覚めた自分がハマってしまってのが、後の職業に影響する「コスプレ」だ。
漫画やアニメの登場人物に成り切る為に取った行動は、
演劇部に入部と手芸部との掛け持ちだった。
この時知り合った友達の中には現在人気声優や漫画家もいる。
この趣味のおかげで義妹とは、かなり濃い姉妹になれたと思う。
この居心地の良い場所を出て行くとか無いなぁ~、
『おね~ちゃ、おかえり~!』
『お姉様、おかえりだお…です。』
……え?
『ただいま、 崇チン、なんでいるの?』
『美由紀ちゃまから、ご夕飯にご招待されました…です。』モジモジ
『スゥねえたん、みぅきとニャウちゃんの「お友だち」なの!』
『商店街に美由紀とお買い物に行った時に貴女のお店に寄ったら、スゥちゃんと美由紀が仲良くなってね。
それで美由紀が晩御飯をお姉ちゃんと食べたいって言うので、ご招待したのよ。』
今、妹と幼妹とケモっ子が入浴中、自分は母と夕食の後片付けをしながら、今日の経緯を聞いていた。
『それにしても、スゥちゃん良い子ね。美由紀もあんなに懐いて。 今までご苦労されてたって、まみに聞いたけど。』
『そうだね、だからこそチカラに成りたいと思っていたのに、私が助けられちゃたみたい。』
『……ん、 ねぇ、ここはイイからアナタもお風呂入ってきなさいな。今日も忙しかったんじゃない?』
おや、気を使われたかな?
ん?
『 …母さん、もしかして…匂う?』
『恵理は服に移るといけないからって、あまりお化粧しないでしょ、仕事の時は?
お店にシャワーとか有るんでしょ?』
『面目無いです。』
ウチは一般家庭だから少女二人も入れば湯船はいっぱい!かろうじて幼児ひとりがギリOK?
でも、魅惑で至福な空間に
無理クリ凸入浴したのよ。
妹の成長や従業員の可能性を確認し、堪能しました私は再び台所にいってビールでも飲もうと思いきや、
『アレレ。お父さん、帰ってたの?』
台所で一人寂しく夕飯を食べてる父の「プレミアムビール」を盗み呑んだ。
『こら、はしたない!』
『怒らない、怒らない。お酌してあげるから。』
冷蔵庫から新しくビールを用意し、グラスももう一人分用意した。
『娘のお酌で美味さ倍増でしょ! んで、私のもよろしく。』
『まったく、今日は「お客さん」がいらっしゃるのに。見っともない。』
お客?それって?
『お前の店で働いているお嬢さんだ。
まだお若いのに大変な御苦労をされてきたそうじゃないか?
学校とか、どうなんだ?
定時制高校に通っているなら、ちゃんと時間も考えてあげないといけないぞ。』
父も苦学生だったらしく、この辺の話題に涙脆い。
『え~と、まだその辺の深い事情は聞いてないのよ。あの子達が自分から話してくれるまで無理に聞かないと北代さんと決めてるから。』って事にしてある。
策士だよね、あの方は。
『子猫をいただいた方だな、この町内では有名人らしいな?
一度お会いして、ちゃんとご挨拶しょうと思うんだが…。』
それなら、
『なら、今度の休みでもお伺いしてみたら。
地下の「古本屋」に。お父さんも「本好き」でしょ?』
この日、崇ちゃんが我が家にお泊まりした。
マミと崇、真ん中に美由紀を挟んで、川の字で寝る様子は尊く、平和の象徴の様!
『ニャ~。』
『おぉ、ニャーちゃん。どうした、美由紀と寝ないのかい?』
近づいてきた子猫を父が抱き上げる。
「ニャーちゃん」
美由紀が付けた子猫の名前。
もう、この名前でしか返事しないので決定になりました。
『お父さんはお前たちの為なら、まだまだ頑張れるぞ。』と言いつつ、子猫に頬ずりしている。(キモくない、キモくないよ。)
すっかり子猫にやられちまった五十代だが、お互い再婚だけども歳下の嫁としっかり美由紀を授かったのだから抜け目無い。
『いや~、私もこの光景が見れるなら、徹夜で仕事しても苦にならないかも?』
社畜時代には無い達成感や充実感が有る。
居間に布団を並べて寝ている三人を、父と起こさない様に隣室から覗いている。
ちなみに、先ほどわるぷるに残っているケモっ子二人に崇のお泊まりの件を伝えてびっくり!
『はい、承りました。今コチラに副店長とヒメヒメさんがお泊まり下さるそうなのでお伝えしますね。』と幹の心躍る声がそう告げた?
なんだろ、「仲間はずれ感」がするよ?
いいんだ、いいんだ。
コチラはコチラで幸せだからね!
『それで良いのか、お前は?』
『え?別に。私には可愛い二人の妹と子猫がいるモン!
ソレに最近では弟子入りした従業員たちとの仕事も楽しいから充実してるしね!』
すると、やれやれとでも言いたそうに父が溜息をつく。
『その様子では、「結婚」なんて無理そうだな?
マミに先を越されない様に「仕事以外」の「恋人」でも早く作ったらどうだ?』
『父さん、それ「モラハラ」いや「セクハラ」かな?
ナニよ、「孫の顔が見たい」みたいな事デスか?
孫みたいな美由紀がいながら、まだ欲しがりますか?』
確かによく「可愛いお孫さんですね。」と言われるけど。
『娘の子はまた別なんだよ!』
『 …って、昨晩そんな事が有ってね。
近場で婚活しようかと思いまして。
舞華ちゃん、お姉さんをもらってくれない?』
こう言う場合は舞斗お兄ちゃんじゃないの?
『何で私?
ってか、恵理子さんって「美人」じゃないですか!(色々残念だけども。)
今までお付き合いした男性とかいないのです?』
舞華だよ!
ケモっ子達の様子やコスの製作状況とか見に来たら、
恵理子さんに告られた?
で、思わず聞いちゃった。
あ?ウッカリ聞いてしまったけど、大丈夫かな?大失恋して男性が駄目になるパターンとか?
『だって舞華ちゃん、可愛いし、猫カフェの店長だし、グイグイ引っ張ってくれそうだし、「コネ」も多いし、優良物件じゃない。
ソレにお付き合いって?
そうね~?
いた様な、いない様な?基本的に私、喪女だし?』
などと言いつつ、
『舞華店長ちゃん、そのバカにも「婚約者」ってのも居るには居たんだわ。まだ有効かは分からないけど。』
『アー、アー!知りません!聞こえませーん!』
そ、そこ詳しく!洋海サン!
某大学の一室で、出された茶を啜る俺、舞斗っス。
『あのね、あのね!お姉さんね⁉︎
鈴木さんの証言から似顔絵を作成したら、偶々学内にソックリな学生がいたので、調べておいたよ!舞斗くん‼︎』
『ありがとうございます!』
蛇の道はヘビーそうなので、
現在その趣味に詳しそうな人を紹介してもらうもりで、
鈴木サンにお願いしたところ、こんな事になった。
尾北さんを困らせてる男性、サイリュームを使っての「オタ芸」や怪しい挙動などから、「オタク」なのは分かっていた。
もしかして、何処かの「イベント」で見かけて、素性がわかるかもしれないぐらいの期待だったのに!
「何故、彼女の前でサイリュームを振り回す?」
その訳が知りたい。
出来れば本人に直に聞きたい、その訳を!
『自分もまさか、同じ大学の学生とは思わないから、後輩達から直ぐ連絡が来て驚いたよ。』
「森猫」で見る鈴木さんとは随分違った感じだ。裏方の体育会系男子では無く、知的な学生っぽい。
『私も驚き!まさか鈴木パイセンがこんな「イケメン高校生」の友達がいるなんて? 驚愕の「肉体改造」は君の影響かな?
ん?
舞斗くん!』
『さぁ、さっぱりわかりません?』
なんかグイグイ来ますよ、このお姉さん?見た目「小動物」っぽいのに?…でもお胸は大きめかな? なんかのアニメキャラみたいな?
『その辺にしたまえ!』
「トシさん」が場を鎮める。
『我々は近い将来、後輩となるかもしれない若人の頼みを聞き、その結果を本日伝えるのではなかったのか!』
ん~、サングラスに整った顔立ち、二十五歳くらいかな?
武術とか興味無いかな?
ん?「未来の後輩」って?
『で、わかった事を舞斗くんに教えてくれ。お礼は僕の方で……』
『いえ、鈴木さん、金銭的な事は「ウチのスポンサー」が払いますから?』
元は華からの提案だから、そちらは任せて良いはずだ。
『そんな無粋な話しは後でいい。』
『そだね!お金の問題じゃ無いのよ!』
小鳥遊さんも何やら同調している?何だろ?
『調査の結果、本校の二年で経済学部の「野中 登」と言う学生だそうだ。
サークルは「現代芸能普及調査研究会」に所属していた。
少し前に除籍されたそうだ。』
色んなサークルが有るのな?
何をするサークルなんだろ?
『調査の結果からすると、よく周りと揉めていたらしい。
「オタク」とは、さながらアクの強い性格とは言え、同じ趣旨の者がいなかった様だ。』
すっかり語り部となった「トシちゃん」さん。
文系かな?
『それでも最初のウチは、サークルの結束を深める為に、
老舗の「メイド喫茶」などを探索しては、毎回語り合っていた様な、言い争っていた様な? そんな様子らしい。』
ひよりさんが、俺だけにお茶菓子を出してくれた。
『舞斗くんは彼女いるの? 私とかタイプじゃない?』
まさかの「肉食系女子」なのかな?
身長は舞華より低い、ちょいぽちゃっとした小柄な「可愛い系」のお姉さん、と言うよりクラスに居そうな「世話好き同級生」って感じだ。
特に嫌いでは無いし、明るい女性は好きだけど?
『舞斗くんは「可愛い男の子」の友達が多いよ。さすがのひよりくんも不戦敗かな?』
す、鈴木さんっ!
ナニ言ってますの?!
『鈴木さん、誤解が生まれるのでその辺にしてください。』
『えーーーーー?!
舞斗くんリアルにそっちの人なの? アレ、アレレ!もしかして、猫カフェの「可愛い男の娘」は舞斗くんの彼氏?じゃない彼女?』
『ほら、既に誤解してますよ。別の意味で助かりましたが。』
誰の事を言っているのやら?
『ひより君、いい加減にしたまえ⁉︎ 話しが進まないだろう!』
他の人たちも生暖かい目で見守っている。
いつもの事なのかもしれない。
『すいませ~ん!代表~! 余りにも舞斗くんが「逸材」過ぎて、妄想が暴走して、消耗したのでもう通常に戻りました。』
『うむ、よろしい。……ところで舞斗くん、少しだけ質問を許してくれないか? 君に個人的に聞きたい事が有るのだが?』
サングラスでわからないが鋭い視線を感じた!
やはりトシちゃんサンは只者では無さそうだ?
『はい!中3の時に盗んだ単車で走り出した近隣の族をイカ殴りしたのは自分デスっ!』
親にも話した事無いのにトシちゃんサンに見抜かれたか?
俺の過酷な過去が⁉︎
『…何やら武勇伝が有りそうとは思っていたが、そうじゃなくてね?』
『はぁ?では好きなアニメは「ガンバの大冒険」です。最近では「妹が可愛い」作品を見て、主人公の兄にダメ出しをするのがテンプレートに成りつつ有りますっ!』
『私もそれ好きー!』
『舞斗くん、無双中すまないがそうではなくて、私が聞きたいのは「君の高校卒業後の進路」だ。差し支えなければ聞いても宜しいか?』
『はい、海外に武者修行に行きます。日本以外の「武術」を会得したいので、香港、ブラジル、父の知り合いを訪ねながら色々世界を見たいっス!』
『……それはフカしまくった明日では無くて、本当の事なのかね? お父上のお知り合いとか?』
『実は以前、ある事で頭にきた連中をケチョンケチョンして、なんと言うか「ヤンチャが過ぎて」関係各社に多大なご迷惑をかけた事が有りまして、父の古くからの「知り合い」にお説教代わりに絞られたんですよ。』
『う、うむ。それで?』
『精神修行やもっと世の中を学ぶ意味でも「ロサンゼルス」に来ないか?って言われてまして、そしたら「他の人」からもお誘いが来たので。 今はまだ無事に卒業出来る様に行動中っス!』
『ご両親、特にお父上は何と言っておられたのかな?』
『はぁ~、子猫抱いて「行け行け!」って爆笑してました。』
『一度お会いしたいな、その「お父上」に!』
『なら、「羽柴ビル」の地下に有る「古本屋」にでも行ってみて下さい。
猫のお土産に出汁取った後の「煮干」とか持って行けば喜ばれますよ。』
『どこだい、そこは? 神田?お茶の水? って、「猫」?』
ガチャ!
『だ、ダダ、代表! いた!居ました! 「野中」が居ました!食堂で食事しているのを「ブーさん」が見張ってます!』
そこに別の学生がやって来た、学園内で例の学生が現れたらしい。
『よし、行こうか!舞斗くん! 彼を救いに!詳しい話しは事が終わった後だ!』
『かしこまりっス!』
『舞斗くん、私、パスポート用意した方がいい?』
『気が早いぞ!ひより君!』
なんだか「ネコ部の大学版」みたいだな?
大学行かないけど?
『ニャー、ニャニャニャ。』
『どしたの?虎ちゃん。急に甘えて来て?』
その頃、「森猫」では、一部の女性客から絶大な人気の店員、
「森川 真琴」と「高城 ゆたか」が揃踏み‼︎
二人を見て耽美な世界に迷い込む腐女子、
子猫を抱いてるゆたかや、虎丸が足に絡んでる真琴が、お客様には「猫の国から来た王子さま」にしか見えてない⁉︎
『チッ!腐ってやがるっス!まだ早すぎたっスよ!この後で「ネコ耳執事」登場なのに!』
既に、店内でも「ケモ耳コスプレ」を随時導入している!
来てくれた小学生以下のお子さんには紙製ネコ耳サンバイザーをプレゼント中だ!
『フフ!「森猫」の完全勝利っス!』
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