52 / 58
リンカ、お姉さんを頑張る! 前編
しおりを挟む
私の名はマーヤ、16歳の腕利き美人テイマーなの!
今日はお城でパーティーが行われるので、従魔の皆んなで警護をする事になってるの。
今日のパーティーは、第三王女の「ファム」の12歳の誕生日を祝う大切なパーティーなんだよ!
…ソコにふざけた真似をしてくれやがりました馬鹿者がいましたのよ‼︎
パーティーの日に王宮の宝を奪うって、予告状を出してきた浮かれたお馬鹿サンが!
最近、帝国や共和国を賑わしてる怪盗がいるらしいのだけど、そのお馬鹿サンが私の大切なお友達に、迷惑を掛けやがりまして、退治してやろうと自主的に警備する事に…
「マーヤ様、パーティーにお出に成るなら、ダンスの再レッスンを!」
なんて言われて、この数日は鬼のメイド長にダンスレッスンを受けた…
必要ないのに~!
モゥ~こうなったら絶対、怪盗を捕まえてやるんだから!
「リン、リンカ!
どこに居るの!」
「コ~コ~ダ~よっ!」
大型獣の様な黒猫に跨り、妹と遊んでいるのは、今年6歳になるお姉ちゃんのリンカ。
元々、この「魔の森」の魔獣たちを従えていた「黒猫ヨル」は、今ではスッカリ姉妹たちの良い遊び相手だ。
最初にマーヤが『デッカい猫さん』と呼んでしまった事で、
「じゃあ、アイツ猫な。」
とタケルが深く詮索しないので、村の人も今では敢えてアレが「ダークネスライガー」と呼ばれている魔獣だなんて言えないし、
こうして子供たちと遊んでいるトコロを見ると「大きな黒猫」にしか見えないのだ?
何かおかしいかしら?
十数年前のあの日、この森を探索していると、突然目の前にヨルが現れて、マーヤとタケルに強い興味を持ったらしく、そのまま付いて来てしまったのだ。
旅にも同行し、ほとんどマーヤのベッドとなっていたけど。
今は古巣のこの森の中で、リンカやオリエの良き遊び相手兼見守り役だ。
最近では、お城からルーちゃんを攫って来て、姉妹と遊ばせていたりと何か人間の様に考えて行動している様だけど、
「そろそろ、お城に行くから準備して!
王妃さまからの直々のお誘いなんだから。」
「は~い!」
実はルーちゃんのお姉さんがもうすぐ誕生日なので、お祝いに来て欲しいと頼まれた。
国交とか公的なものでは無く、親しい友達と「お誕生日会」をしたいとお願いされてしまったから。
コレはマーヤの影響が大きい。
あの子はお姫様たちと親しすぎる?
この森の地下にある遺跡の事は秘密なのに、微妙にバレてる様子?
以前、城下で大火事が有った時に従魔や機人たちに消化活動を手伝わせていたし、最近はココにお忍びで姫さまが遊びに来ている。
護衛付きで。
今、この村には不当な扱いを受けていたところを保護した元奴隷の人や、行き場を無くした放浪者を受け入れ、少しづつ開拓村を広げている。
稀に腕試しと言っては、旦那さまに挑んでくる若い剣士が居るけど、ぐーぱんで黙らせた。
…私が。
えっ、だって、カッコだけで鈍いんだよ、弱いんだよ?
つまらないセリフを並べて中々攻めて来ないから。
実戦経験無いの、丸わかりなんだモン。
何処でこの場所を知ったか知らないけど、
(予想はつくけど?)
だから、見込みの無さそうなのはコチラで引き受けて、多少使い物になりそうなら旦那に任せていたのね。
でも、おメガネに適う逸材は中々現れないみたいね。
その所為か旦那も、最近では暇つぶしに村の子供たちを相手に剣術指南なんてしているの。
まぁ、良いけど。
ドドドー!
ん、なんだ?
森の外と唯一出入り出来る林道を一台の荷馬車が駆けてくる?
馬を操っているのは?
「メイメイじゃない⁈
何年振りよ⁈」
「カンナさん、お久しぶりです!
旦那さんは居ますか?
緊急事態です!」
…メイメイ、あまり成長してないのね…
何処とは言えないけど…。
「どうしたの、そんな慌てて?」
「お、お客様を連れて来ました!」
「お客さ…ん?
あら、まぁ、可愛いお客さんだ事⁈」
荷馬車から出て来たのは、よく知っている顔だった。
でも、この子たちって、今ココにいて良いの?
パーティーは始まった!
「なんだ、テイマーではないか?」
「なんだ、いたの?
…えっと、誰だったかしら?」
「ゆ、勇者候補筆頭のラインハルトだ‼︎」
「ば、馬鹿!
大声で喚かないでよ、仲間だと思われるでしょ!」
「な、何だと?
ぼっちテイマーが一人寂しくパーティーに参加しているから、可哀想で声をかけてやったのに⁈
何だ、その態度は⁇」
「…ぼっちじゃないモン、女王様に呼ばれて、エ、エスコート役を待ってるだけだモン… グスっ。」
「な、何故泣くのだ⁈
コレでは、私が泣かした様に思われるでは無いか!」
この時、マーヤがマジ泣きか、ワザと泣いたかはナイショね?
だって、「ぼっちぼっち」ってうるさいから、この人は?
「ラインハルト殿、私の連れに何か御用ですか?」
すると、人混みを掻き分けて、二人の側に近づいてくる少年が!
「あ、アル君!」
「ア、アルフレッド第三王子殿下⁈」
「ラインハルト殿、アナタほどの方がレディーを泣かすとは、何が有ったと言うのですか?」
「いえ、アルフレッド様、コレは旧知の仲の話しが盛り上がって、感極まった彼女がですね⁈」
「ア、アル君、わたし、あの人キライ。」
「すいません、マーヤ嬢。
パーティーにいらした方々に挨拶をしていたら、遅くなってしまいました。」
そう言うと、アル君はハンカチをマーヤに差し出した。
「ア、アル君だと?
お前、アルフレッド様に対して馴れ馴れしいぞ!」
「ラインハルト殿、私の婚約者候補にコレ以上の無礼は許しませんよ。」
「…アレ、その話、まだ続いてるの?」
「少なくとも、ボクは諦めていませんよ。」
最初会った頃は可愛い男の子だったのに、この二年でちょい逞しい少年に成長したアルフレッド第三王子。
第一、第二王子には公爵家、侯爵家のご令嬢が婚約者として公表されているけど、第三王子のアル君は候補が何人かいるそうで、まだ決まっていないそうだ。
私は侯爵家でアル君と同じ歳の「クラリス」ちゃんがお似合いだと思うけどな?
今日のパーティーには来ていないみたいだけど?
そっか、アイツ「ラインハルト」って名前だったね?
長いから「ライン」で良いや。
「お二人共、場所を変えませんか?
少し挨拶疲れをした様で…」
アル君は私たちをテラスに誘ったの、他に誰も近づかない様にして。
「マーヤ嬢、警備のご協力ありがとうございます。」
あらら、なるほど!
さっきのは、私がパーティーにいる事が警備で無い事をアピールする為なんだね?
「なんだ、お前も警備で来ているのか?」
「もって、ラインくんも?」
「コラ、勝手に縮めるな!」
「だって長いし?」
「ボクはマーヤさんに「アルくん」って呼ばれるの好きですよ。」
「アルフレッド様まで⁈」
今回、王宮に謎の予告状が届いたのね。
ただイタズラの可能性も有るので、大事にしない事になったのだけど。
「アル君、予告状は見たんだよね?
どんな内容だったの?」
「コラ、無闇に聞くな!」
「ライン君、そんなにガミガミ怒ると女の子に嫌われるよ。」
「そ、そうなのか?」
おやや?
まさか、気になる女の子でもいるのかな?
「別に構いませんよ。
こんな感じです。」
~平和ボケした王族へ
王宮にて、祝いの晩に貴殿らの大切にしている宝を頂きに参上する。
楽しみにしていろ。
怪盗アルセーヌの星より。
「…こんな感じです。
行間に無駄な形容詞が多いので、読み解くのに苦労しましたが。」
なんか色々混ざってない?
「宝って、何なのかな?」
「多分、祭事の時に使うティアラでは無いかと?」
お姫様がお誕生日の日にだけ、つける事を許される大きな宝石をはめ込まれた美しいティアラが有るんだって。
「間も無くティアラを付けた王女がお披露目される時間だ。
…その前に確認しますが、宝とはそのティアラで間違い有りませんか?」
ライン君が何か気になる様で、アル君に再度確認したけど?
「ラインハルト殿は何か思い当たるモノがお有りの様ですね?
さすが勇者候補… 」
「姫サマそのモノが宝って事、有りませんか?」
「タケルさん、姫サマたちをお連れしました!」
あのメイメイがここまで緊張しているのは、お姫様が3人いらした事なのね?
そのウチの一人がリンカやヨルの所に駆け寄って、キャッキャッと喜んでいる。
「オウ、待ってたよ。」
丁度畑からタケルたちが戻ってきた。
収穫したばかりの野菜や果実を持って。
どうやら今日の来訪の事は知らせれていたみたい?
私、聞いてないよ?
「カンナ、コレで誕生祝いのご馳走を作ってくれ、皆んなも手伝うんだぞ。」
「「ハァーイ!」」
娘たちが元気に答えた。
すると荷馬車から降りて来た女の子の1人が、タケルの側に近づいて挨拶をする。
「お初にお目にかかります、クラリッサ ビスマルクです。」
「ビスマルク侯爵、ご自慢のご令嬢がこんな辺境まで良く来たね。」
ビスマルク侯爵…
あぁ、あのイケメンさんかぁ?
懐かしい。
「…こ、コチラに「白狼のタオ」様はいらっしゃいますか?
ワタクシ、大ファンなんです!」
「タオなら居ないよ、オレに一人息子を預けて、冥府魔導の旅に出ちまったさ。」
「では、いつ頃お戻りで?」
「路銀が無くなれば帰ってくるかも?」
タオはあの冒険の旅で出会えたラグル師匠の同門の剣士で、師匠の遠縁で弟みたいな存在なの。
自力で同族のお嫁さんを見つけて、お子さんも授かったのに奥さんが病気で亡くなったら、また放浪の旅に出ちゃって…
多分、奥さんを偲ぶ旅なんだよね。
一人息子の「ガイ」君はウチの娘たちとも仲良くしてくれているけど、やっぱり男の子だ。
ウチの旦那から「キタシロ流」の武術を教わっている事の方が楽しいみたい。
「まぁ大したモテナシはしないから、勝手に楽しんでくれ。」
もぅー、お姫様たちになんてテキトーな⁈
(後半に続く)
今日はお城でパーティーが行われるので、従魔の皆んなで警護をする事になってるの。
今日のパーティーは、第三王女の「ファム」の12歳の誕生日を祝う大切なパーティーなんだよ!
…ソコにふざけた真似をしてくれやがりました馬鹿者がいましたのよ‼︎
パーティーの日に王宮の宝を奪うって、予告状を出してきた浮かれたお馬鹿サンが!
最近、帝国や共和国を賑わしてる怪盗がいるらしいのだけど、そのお馬鹿サンが私の大切なお友達に、迷惑を掛けやがりまして、退治してやろうと自主的に警備する事に…
「マーヤ様、パーティーにお出に成るなら、ダンスの再レッスンを!」
なんて言われて、この数日は鬼のメイド長にダンスレッスンを受けた…
必要ないのに~!
モゥ~こうなったら絶対、怪盗を捕まえてやるんだから!
「リン、リンカ!
どこに居るの!」
「コ~コ~ダ~よっ!」
大型獣の様な黒猫に跨り、妹と遊んでいるのは、今年6歳になるお姉ちゃんのリンカ。
元々、この「魔の森」の魔獣たちを従えていた「黒猫ヨル」は、今ではスッカリ姉妹たちの良い遊び相手だ。
最初にマーヤが『デッカい猫さん』と呼んでしまった事で、
「じゃあ、アイツ猫な。」
とタケルが深く詮索しないので、村の人も今では敢えてアレが「ダークネスライガー」と呼ばれている魔獣だなんて言えないし、
こうして子供たちと遊んでいるトコロを見ると「大きな黒猫」にしか見えないのだ?
何かおかしいかしら?
十数年前のあの日、この森を探索していると、突然目の前にヨルが現れて、マーヤとタケルに強い興味を持ったらしく、そのまま付いて来てしまったのだ。
旅にも同行し、ほとんどマーヤのベッドとなっていたけど。
今は古巣のこの森の中で、リンカやオリエの良き遊び相手兼見守り役だ。
最近では、お城からルーちゃんを攫って来て、姉妹と遊ばせていたりと何か人間の様に考えて行動している様だけど、
「そろそろ、お城に行くから準備して!
王妃さまからの直々のお誘いなんだから。」
「は~い!」
実はルーちゃんのお姉さんがもうすぐ誕生日なので、お祝いに来て欲しいと頼まれた。
国交とか公的なものでは無く、親しい友達と「お誕生日会」をしたいとお願いされてしまったから。
コレはマーヤの影響が大きい。
あの子はお姫様たちと親しすぎる?
この森の地下にある遺跡の事は秘密なのに、微妙にバレてる様子?
以前、城下で大火事が有った時に従魔や機人たちに消化活動を手伝わせていたし、最近はココにお忍びで姫さまが遊びに来ている。
護衛付きで。
今、この村には不当な扱いを受けていたところを保護した元奴隷の人や、行き場を無くした放浪者を受け入れ、少しづつ開拓村を広げている。
稀に腕試しと言っては、旦那さまに挑んでくる若い剣士が居るけど、ぐーぱんで黙らせた。
…私が。
えっ、だって、カッコだけで鈍いんだよ、弱いんだよ?
つまらないセリフを並べて中々攻めて来ないから。
実戦経験無いの、丸わかりなんだモン。
何処でこの場所を知ったか知らないけど、
(予想はつくけど?)
だから、見込みの無さそうなのはコチラで引き受けて、多少使い物になりそうなら旦那に任せていたのね。
でも、おメガネに適う逸材は中々現れないみたいね。
その所為か旦那も、最近では暇つぶしに村の子供たちを相手に剣術指南なんてしているの。
まぁ、良いけど。
ドドドー!
ん、なんだ?
森の外と唯一出入り出来る林道を一台の荷馬車が駆けてくる?
馬を操っているのは?
「メイメイじゃない⁈
何年振りよ⁈」
「カンナさん、お久しぶりです!
旦那さんは居ますか?
緊急事態です!」
…メイメイ、あまり成長してないのね…
何処とは言えないけど…。
「どうしたの、そんな慌てて?」
「お、お客様を連れて来ました!」
「お客さ…ん?
あら、まぁ、可愛いお客さんだ事⁈」
荷馬車から出て来たのは、よく知っている顔だった。
でも、この子たちって、今ココにいて良いの?
パーティーは始まった!
「なんだ、テイマーではないか?」
「なんだ、いたの?
…えっと、誰だったかしら?」
「ゆ、勇者候補筆頭のラインハルトだ‼︎」
「ば、馬鹿!
大声で喚かないでよ、仲間だと思われるでしょ!」
「な、何だと?
ぼっちテイマーが一人寂しくパーティーに参加しているから、可哀想で声をかけてやったのに⁈
何だ、その態度は⁇」
「…ぼっちじゃないモン、女王様に呼ばれて、エ、エスコート役を待ってるだけだモン… グスっ。」
「な、何故泣くのだ⁈
コレでは、私が泣かした様に思われるでは無いか!」
この時、マーヤがマジ泣きか、ワザと泣いたかはナイショね?
だって、「ぼっちぼっち」ってうるさいから、この人は?
「ラインハルト殿、私の連れに何か御用ですか?」
すると、人混みを掻き分けて、二人の側に近づいてくる少年が!
「あ、アル君!」
「ア、アルフレッド第三王子殿下⁈」
「ラインハルト殿、アナタほどの方がレディーを泣かすとは、何が有ったと言うのですか?」
「いえ、アルフレッド様、コレは旧知の仲の話しが盛り上がって、感極まった彼女がですね⁈」
「ア、アル君、わたし、あの人キライ。」
「すいません、マーヤ嬢。
パーティーにいらした方々に挨拶をしていたら、遅くなってしまいました。」
そう言うと、アル君はハンカチをマーヤに差し出した。
「ア、アル君だと?
お前、アルフレッド様に対して馴れ馴れしいぞ!」
「ラインハルト殿、私の婚約者候補にコレ以上の無礼は許しませんよ。」
「…アレ、その話、まだ続いてるの?」
「少なくとも、ボクは諦めていませんよ。」
最初会った頃は可愛い男の子だったのに、この二年でちょい逞しい少年に成長したアルフレッド第三王子。
第一、第二王子には公爵家、侯爵家のご令嬢が婚約者として公表されているけど、第三王子のアル君は候補が何人かいるそうで、まだ決まっていないそうだ。
私は侯爵家でアル君と同じ歳の「クラリス」ちゃんがお似合いだと思うけどな?
今日のパーティーには来ていないみたいだけど?
そっか、アイツ「ラインハルト」って名前だったね?
長いから「ライン」で良いや。
「お二人共、場所を変えませんか?
少し挨拶疲れをした様で…」
アル君は私たちをテラスに誘ったの、他に誰も近づかない様にして。
「マーヤ嬢、警備のご協力ありがとうございます。」
あらら、なるほど!
さっきのは、私がパーティーにいる事が警備で無い事をアピールする為なんだね?
「なんだ、お前も警備で来ているのか?」
「もって、ラインくんも?」
「コラ、勝手に縮めるな!」
「だって長いし?」
「ボクはマーヤさんに「アルくん」って呼ばれるの好きですよ。」
「アルフレッド様まで⁈」
今回、王宮に謎の予告状が届いたのね。
ただイタズラの可能性も有るので、大事にしない事になったのだけど。
「アル君、予告状は見たんだよね?
どんな内容だったの?」
「コラ、無闇に聞くな!」
「ライン君、そんなにガミガミ怒ると女の子に嫌われるよ。」
「そ、そうなのか?」
おやや?
まさか、気になる女の子でもいるのかな?
「別に構いませんよ。
こんな感じです。」
~平和ボケした王族へ
王宮にて、祝いの晩に貴殿らの大切にしている宝を頂きに参上する。
楽しみにしていろ。
怪盗アルセーヌの星より。
「…こんな感じです。
行間に無駄な形容詞が多いので、読み解くのに苦労しましたが。」
なんか色々混ざってない?
「宝って、何なのかな?」
「多分、祭事の時に使うティアラでは無いかと?」
お姫様がお誕生日の日にだけ、つける事を許される大きな宝石をはめ込まれた美しいティアラが有るんだって。
「間も無くティアラを付けた王女がお披露目される時間だ。
…その前に確認しますが、宝とはそのティアラで間違い有りませんか?」
ライン君が何か気になる様で、アル君に再度確認したけど?
「ラインハルト殿は何か思い当たるモノがお有りの様ですね?
さすが勇者候補… 」
「姫サマそのモノが宝って事、有りませんか?」
「タケルさん、姫サマたちをお連れしました!」
あのメイメイがここまで緊張しているのは、お姫様が3人いらした事なのね?
そのウチの一人がリンカやヨルの所に駆け寄って、キャッキャッと喜んでいる。
「オウ、待ってたよ。」
丁度畑からタケルたちが戻ってきた。
収穫したばかりの野菜や果実を持って。
どうやら今日の来訪の事は知らせれていたみたい?
私、聞いてないよ?
「カンナ、コレで誕生祝いのご馳走を作ってくれ、皆んなも手伝うんだぞ。」
「「ハァーイ!」」
娘たちが元気に答えた。
すると荷馬車から降りて来た女の子の1人が、タケルの側に近づいて挨拶をする。
「お初にお目にかかります、クラリッサ ビスマルクです。」
「ビスマルク侯爵、ご自慢のご令嬢がこんな辺境まで良く来たね。」
ビスマルク侯爵…
あぁ、あのイケメンさんかぁ?
懐かしい。
「…こ、コチラに「白狼のタオ」様はいらっしゃいますか?
ワタクシ、大ファンなんです!」
「タオなら居ないよ、オレに一人息子を預けて、冥府魔導の旅に出ちまったさ。」
「では、いつ頃お戻りで?」
「路銀が無くなれば帰ってくるかも?」
タオはあの冒険の旅で出会えたラグル師匠の同門の剣士で、師匠の遠縁で弟みたいな存在なの。
自力で同族のお嫁さんを見つけて、お子さんも授かったのに奥さんが病気で亡くなったら、また放浪の旅に出ちゃって…
多分、奥さんを偲ぶ旅なんだよね。
一人息子の「ガイ」君はウチの娘たちとも仲良くしてくれているけど、やっぱり男の子だ。
ウチの旦那から「キタシロ流」の武術を教わっている事の方が楽しいみたい。
「まぁ大したモテナシはしないから、勝手に楽しんでくれ。」
もぅー、お姫様たちになんてテキトーな⁈
(後半に続く)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜
リョウ
ファンタジー
僕は十年程闘病の末、あの世に。
そこで出会った神様に手違いで寿命が縮められたという説明をされ、地球で幸せな転生をする事になった…が何故か異世界転生してしまう。なんでだ?
幸い優しい両親と、兄と姉に囲まれ事なきを得たのだが、兄達が優秀で僕はいずれ家を出てかなきゃいけないみたい。そんな空気を読んだ僕は将来の為努力をしはじめるのだが……。
※画像はAI作成しました。
※現在毎日2話投稿。11時と19時にしております。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる