異世界転生譚 師匠と呼ばないで! 娘に求婚する男たちをど突き回したら勇者候補の師匠呼ばわりされていた? なら弟子は娘の幼馴染だけで結構デス⁈

猫寝 子猫

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リンカ、お姉さんを頑張る! 前編

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 私の名はマーヤ、16歳の腕利きテイマーなの!

 今日はお城でパーティーが行われるので、従魔の皆んなで警護をする事になってるの。

 今日のパーティーは、第三王女の「ファム」の12歳の誕生日を祝う大切なパーティーなんだよ!



 …ソコにふざけた真似をしてくれやがりました馬鹿者がいましたのよ‼︎

 
 パーティーの日に王宮の宝を奪うって、予告状を出してきた浮かれたお馬鹿サンが!


 最近、帝国や共和国を賑わしてる怪盗がいるらしいのだけど、そのお馬鹿サンが私の大切なお友達に、迷惑を掛けやがりまして、退治してやろうと自主的に警備する事に…


 「マーヤ様、パーティーにお出に成るなら、の再レッスンを!」

 なんて言われて、この数日は鬼のメイド長にダンスレッスンを受けた…

 必要ないのに~!

 モゥ~こうなったら絶対、怪盗を捕まえてやるんだから!






 「リン、リンカ!

 どこに居るの!」


 「コ~コ~ダ~よっ!」

 大型獣の様な黒猫ヨルに跨り、オリエと遊んでいるのは、今年6歳になるのリンカ。

 元々、この「魔の森」の魔獣たちを従えていた「黒猫ヨル」は、今ではスッカリ姉妹たちの良い遊び相手だ。

 最初にマーヤが『デッカい猫さん』と呼んでしまった事で、

 「じゃあ、アイツ猫な。」

 とタケルが深く詮索しないので、村の人も今ではアレが「ダークネスライガー」と呼ばれている魔獣だなんて言えないし、
 こうして子供たちと遊んでいるトコロを見ると「大きな黒猫」にしか見えないのだ?


 何かおかしいかしら?

 十数年前のあの日、この森を探索していると、突然目の前にヨルが現れて、マーヤとタケルに強い興味を持ったらしく、そのまま付いて来てしまったのだ。

 旅にも同行し、ほとんどマーヤのベッドとなっていたけど。

 今は古巣のこの森の中で、リンカやオリエの良き遊び相手兼見守り役だ。

 最近では、お城からルーちゃん第四王女を攫って来て、姉妹と遊ばせていたりと何か人間の様に考えて行動している様だけど、


 「そろそろ、お城に行くから準備して!

 王妃さまからののお誘いなんだから。」

 「は~い!」

 実はルーちゃんのお姉さんがもうすぐ誕生日なので、お祝いに来て欲しいと頼まれた。

 国交とか公的なものでは無く、親しい友達と「お誕生日会」をしたいとお願いされてしまったから。

 コレはマーヤの影響が大きい。

 あの子はお姫様たちと親しすぎる?

 この森の地下にある遺跡の事は秘密なのに、微妙にバレてる様子?


 以前、城下で大火事が有った時に従魔友達機人ファイタスたちに消化活動を手伝わせていたし、最近はココ魔の森にお忍びで姫さまが遊びに来ている。

 護衛付きで。


 今、この村には不当な扱いを受けていたところを保護した元奴隷の人や、行き場を無くした放浪者を受け入れ、少しづつ開拓村を広げている。

 稀にと言っては、旦那さまタケルに挑んでくる若い剣士が居るけど、ぐーぱんで黙らせた。


 …カンナが。


 えっ、だって、カッコだけで鈍いんだよ、弱いんだよ?

 つまらないセリフを並べて中々攻めて来ないから。

 実戦経験無いの、丸わかりなんだモン。
 
 何処でこの場所を知ったか知らないけど、

 (予想はつくけど?)
 

 だから、見込みの無さそうなのはコチラで引き受けて、多少使い物になりそうなら旦那に任せていたのね。


 でも、おメガネに適う逸材は中々現れないみたいね。



 その所為か旦那も、最近では暇つぶしに村の子供たちを相手に剣術指南なんてしているの。
 


 まぁ、良いけど。



 ドドドー!


 ん、なんだ?

 森の外と唯一出入り出来る林道を一台の荷馬車が駆けてくる?

 馬を操っているのは?

 「メイメイじゃない⁈

 何年振りよ⁈」

 「カンナさん、お久しぶりです!

 旦那タケルさんは居ますか?

 緊急事態です!」


 …メイメイ、あまり成長してないのね…

 何処とは言えないけど…。


 「どうしたの、そんな慌てて?」 
 
 「お、お客様を連れて来ました!」

 「お客さ…ん?

 あら、まぁ、可愛いお客さんだ事⁈」 

 荷馬車から出て来たのは、よく知っている顔だった。

 でも、この子って、今ココにいて良いの?







 パーティーは始まった!

 「なんだ、テイマーではないか?」

 「なんだ、いたの?


 …えっと、誰だったかしら?」


 「ゆ、勇者のラインハルトだ‼︎」

 「ば、馬鹿!

 大声で喚かないでよ、仲間だと思われるでしょ!」

 「な、何だと?

 ぼっちテイマーが一人寂しくパーティーに参加しているから、可哀想で声をかけてやったのに⁈

 何だ、その態度は⁇」

 「…ぼっちじゃないモン、女王様に呼ばれて、エ、エスコート役を待ってるだけだモン…     グスっ。」

 「な、何故泣くのだ⁈

 コレでは、私が泣かした様に思われるでは無いか!」



 この時、マーヤがマジ泣きか、ワザと泣いたかはナイショね?

 だって、「ぼっちぼっち」ってうるさいから、この人は?


 「ラインハルト殿、私の連れに何か御用ですか?」

 すると、人混みを掻き分けて、二人の側に近づいてくるが!

 
 「あ、アル君!」

 「ア、アルフレッド王子殿下⁈」


 「ラインハルト殿、アナタほどの方がレディーを泣かすとは、何が有ったと言うのですか?」

 「いえ、アルフレッド様、コレは旧知の仲の話しが盛り上がって、感極まった彼女がですね⁈」


 「ア、アル君、わたし、あの人キライ。」


 「すいません、マーヤ嬢。

 パーティーにいらした方々に挨拶をしていたら、遅くなってしまいました。」
 
 そう言うと、はハンカチをマーヤに差し出した。

 「ア、アル君だと?

 お前、アルフレッド様に対して馴れ馴れしいぞ!」

 「ラインハルト殿、私の婚約者にコレ以上の無礼は許しませんよ。」


 「…アレ、その話、まだ続いてるの?」

 「少なくとも、は諦めていませんよ。」


 最初会った頃は可愛いだったのに、この二年でちょい逞しいに成長したアルフレッド第三王子。

 第一、第二王子には公爵家、侯爵家のご令嬢が婚約者として公表されているけど、第三王子のアル君は候補が何人かいるそうで、まだ決まっていないそうだ。


 私は侯爵家でアル君と同じ歳の「クラリス」ちゃんがお似合いだと思うけどな?
 

 今日のパーティーには来ていないみたいだけど?



 そっか、アイツ「ラインハルト」って名前だったね?

 長いから「ライン」で良いや。

 「お二人共、場所を変えませんか?

 少し挨拶疲れをした様で…」

 アル君は私たちをテラスに誘ったの、他に誰も近づかない様にして。


 「マーヤ嬢、警備のご協力ありがとうございます。」


 あらら、なるほど!

 さっきのは、私がパーティーにいる事が警備で無い事をアピールする為なんだね?


 「なんだ、お前も警備で来ているのか?」

 「もって、くんも?」

 「コラ、勝手に縮めるな!」

 「だって長いし?」

 「はマーヤさんに「アルくん」って呼ばれるの好きですよ。」

 「アルフレッド様まで⁈」




 今回、王宮に謎の予告状が届いたのね。

 ただの可能性も有るので、大事にしない事になったのだけど。
 

 「アル君、予告状は見たんだよね?

 どんな内容だったの?」

 「コラ、無闇に聞くな!」

 「ライン君、そんなにガミガミ怒ると女の子に嫌われるよ。」

 「そ、そうなのか?」


 おやや?

 まさか、気になる女の子でもいるのかな?


 「別に構いませんよ。

 こんな感じです。」


 ~平和ボケした王族へ


 王宮にて、祝いの晩に貴殿らの大切にしているを頂きに参上する。


 楽しみにしていろ。

 怪盗アルセーヌの星より。


 「…こんな感じです。

 行間に無駄な形容詞が多いので、読み解くのに苦労しましたが。」



 なんか色々混ざってない?

 「宝って、何なのかな?」


 「多分、祭事の時に使うティアラでは無いかと?」 


 お姫様がお誕生日の日にだけ、つける事を許される大きな宝石をはめ込まれた美しいティアラが有るんだって。

 「間も無くティアラを付けた王女がお披露目される時間だ。

 …その前に確認しますが、宝とはそのティアラで間違い有りませんか?」

 ライン君が何か気になる様で、アル君に再度確認したけど?


 「ラインハルト殿は何か思い当たるモノがお有りの様ですね?

 さすが勇者候補…  」


 「姫サマそのモノが宝って事、有りませんか?」





 「タケルさん、姫サマをお連れしました!」


 あのメイメイがここまで緊張しているのは、お姫様が3いらした事なのね?

 そのウチの一人がリンカやヨルの所に駆け寄って、キャッキャッと喜んでいる。

 「オウ、待ってたよ。」


 丁度畑からタケルたちが戻ってきた。

 収穫したばかりの野菜や果実を持って。

 どうやら今日の来訪の事は知らせれていたみたい?

 私、聞いてないよ?

 「カンナ、コレでのご馳走を作ってくれ、皆んなも手伝うんだぞ。」


 「「ハァーイ!」」

 たちが元気に答えた。

 すると荷馬車から降りて来た女の子の1人が、タケルの側に近づいて挨拶をする。



 「お初にお目にかかります、クラリッサ ビスマルクです。」


 「ビスマルク侯爵、ご自慢のご令嬢がこんな辺境まで良く来たね。」

 ビスマルク侯爵…

 あぁ、あのイケメンさんかぁ?

 懐かしい。





 「…こ、コチラに「白狼のタオ」様はいらっしゃいますか?

 ワタクシ、大ファンなんです!」

 「タオなら居ないよ、オレに一人息子を預けて、冥府魔導の旅に出ちまったさ。」

 「では、いつ頃お戻りで?」

 「路銀が無くなれば帰ってくるかも?」

 

 タオは冒険の旅で出会えたラグル師匠の同門の剣士で、師匠の遠縁で弟みたいな存在なの。


 自力で同族のお嫁さんを見つけて、お子さんも授かったのに奥さんが病気で亡くなったら、また放浪の旅に出ちゃって…


 多分、奥さんを偲ぶ旅なんだよね。


 一人息子の「ガイ」君はウチの娘たちとも仲良くしてくれているけど、やっぱり男の子だ。

 ウチの旦那タケルから「キタシロ流」の武術を教わっている事の方が楽しいみたい。



 「まぁ大したモテナシはから、勝手に楽しんでくれ。」


 もぅー、お姫様たちになんてテキトーな⁈




 (後半に続く)
 
 
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