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サイボーグVS忍者
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何人もの戦士がゴーストタウンに集められ、開催されるバトルロイヤル。開始直後から白熱した戦いが繰り広げられていた。
セイナは戦場で聞こえる音を聞きながら、敵を探して街を歩いていた。すると、
「おい」
声が聞こえてセイナは振り返る。そこに立っていたのは如何にも忍者というような格好の男。
「お前、参加者だよな?こんな街に一般人はいないはずだが、無益な殺生は好きでない故確認させてもらう」
男はセイナを見下ろしながら尋ねる。
「勿論参加者よ。あんたもでしょ?」
セイナは男を見上げて尋ねた。
「そうだ。俺はトウジャ。我が目的の為、死んでもらう」
トウジャと名乗った男はそう言うと両手を広げ、手裏剣を構える。
「私はセイナ。あんたの目的が何かは知らないけど、賞金は私が頂くわ!」
セイナが叫ぶと同時に彼女のマントがはためき、その背中から先端に砲のついたアームが何本も生えてきた。
「サイボーグか」
「古臭い奴は吹き飛べ!」
そして全てのアームから光線が放たれる。
だがトウジャは軽々と避け、手に持った手裏剣を投げてくる。
「甘いわ!」
しかしセイナは飛んできた手裏剣を全て撃ち落とした。
「なるほど、精密性も高いか。・・・遠距離は不利だな」
トウジャが刀を鞘から取り出す。
「ならば近付くまで」
「来い」
先に仕掛けたのはトウジャ。彼は目にも止まらぬ速さでセイナに迫る。
「!」
トウジャの速度を見て狙い撃ちは不可能と考えたセイナは、アームを一ヶ所に集めて極太の光線を撃ち放った。
「むっ!?」
トウジャはその攻撃に対して大きく横に跳んで避ける。
「ちっ!速い上に勘もいいとは厄介な忍者ね」
セイナは舌打ちをして呟くと、再びトウジャがセイナに向かって駆け出して来た。
「・・・近付けば勝てるとか思ってるの?」
するとセイナのアームが変形し、砲がブレードに変わる。
そしてその刃をトウジャ目掛けて振り下ろした。次の瞬間、
「!?」
セイナのブレードがバラバラに切り刻まれた。
トウジャが高速で刀を振り、ブレードを切ったのだ。
「一応超合金のブレードなんですけど!?」
「俺の刀は特別製だ」
驚くセイナに対し、トウジャは無表情のまま答える。
「次はこっちの番だ」
そう言ってトウジャは再びセイナに接近し、斬りかかる。
「ぐぅ!」
セイナは急いでアームを動かし、トウジャの斬撃を防ぐ。だが防御に使ったアームも切り落とされ、残るセイナのアームはあと4本。
セイナな急いで後方へ飛び退くが、トウジャは速度を落とさず接近してくる。
「くっ!近付くな!」
アームを砲に変形させ、光線を乱れ撃つ。爆煙が広がり、トウジャの姿が見えなくなった。
「ふぅ、ふぅ」
これで少し距離を取れたかと思ったその時、煙の中から手裏剣が飛んできた。
煙の中から投げたとは思えないほど手裏剣は正確にセイナの首へ真っ直ぐ飛んで行く。
「ぬぅっ!」
セイナは全力で体を反らし、手裏剣を回避する。
「どうなってる!何で見えるんだ!」
煙の中からトウジャが現れる。
「お前のようなテクノロジーに頼った奴等と俺は違う。戦闘に必要な技術、感覚、全て研ぎ澄ましている」
トウジャはそう言いながら再び刀を構えた。
(この男、強い!)
セイナは冷や汗を流しながらアームを集結させる。
「まだやる気か」
「当たり前よ」
「足掻こうが、死ぬのみだぞ」
「あんたがね!」
セイナは再びアームを動かして極太光線を放つ。が、先程放った光線と同じものではなかっ た。
太い光線は途中で10の細い光線に分裂し、それぞれが様々な挙動を描いてトウジャを襲った。
「これは・・・!」
トウジャは驚愕しながらも素早く動き回って回避を試みる。しかし全ての光線を避けきれず、刀で弾き始めた。
「ちっ!」
「うおおぉ!!」
そして最後に1本の光線がトウジャの肩を貫いた。
「見たか!」
セイナは喜びの声を上げた。が、トウジャはストンと着地し、何事も無かったかのように立ち上がる。
トウジャの肩に、穴は空いていなかった。
「・・・は?」
「錯覚を利用した忍術の一つだ。全ては捌けないと思ってな。貴様の狙いがズレるようにした」
「くっ!」
セイナが再度分裂する光線を放とうとするが、放たれる前にアームの一つが爆発した。
「うわっ!」
「砲が限界みたいだな。煙を吹いているぞ?」
見ると、4本全てのアームがシューと音を立て白煙を上げていた。
「・・・しゃーなし!」
セイナがアームを全て体から切り離す。そして右手をトウジャの方へ突き出した。
「ん?」
セイナの腕が変形し、キャノン砲になる。
「なるほど、身体の方も改造しているのか・・・だが、先程まで使わなかったと言うことは、身体への負荷が大きいのか?」
「・・・さぁね」
トウジャの言う通りだ。身体変形での攻撃は最悪死に繋がる。が、
「どうせ殺られるなら使うわ」
「そう言うのをな、ヤケクソと言うんだ!」
トウジャが刀を構え、セイナ目掛けて突貫する。
「食らえぇえ!」
「ふん!」
セイナの右腕から砲撃が放たれる。真っ直ぐ飛んでいく光線を、トウジャは避けようとしない。そのまま光線がトウジャに直撃するかと思われたが、
「無駄だ!」
なんとトウジャは光線を切り裂き、そのままセイナに迫る。
「まだだ!」
すると今度はセイナの左腕が大砲に変わり、0距離で砲撃を撃ち込んだ。が、
「ぬぐっ!」
トウジャはその光線も、特性の刀で受け止めた。
「ぐぉおおおお!!」
「消し飛べぇええええ!!!」
トウジャの刀にヒビが入る。
セイナの肩が割れ、血と何かしらの液体が噴き出す。
「舐めるなクソガキぃ!!」
トウジャは、セイナの光線を弾き飛ばした。そして刀を大きく振り上げ、トドメの一撃を放つ。
「ぐっ」
が、その一撃が当たるより速く、セイナが自身のマントをトウジャへ投げた。
トウジャはマントを振り払い、セイナに刀を突き刺そうと踏み込んだ。
が、マントの向こうから現れたセイナは右足をトウジャの方へ突き出していた。トウジャは最悪の結果を想像した。
「!」
「バァカ!」
トウジャの想像通りセイナの足が砲に変形した。
そして灼熱の光線がトウジャに叩き込まれる。
「消し飛んでろコスプレ野郎が!」
セイナの光線はトウジャを押し飛ばし、ビルを幾つも貫いた後に大爆発した。
「はぁ」
セイナはバラバラになった右足と、ほぼ動かない両腕を見て息をついた。
バトルロイヤル トウジャVSセイナ
激戦の末セイナの勝利
残り23人
セイナは戦場で聞こえる音を聞きながら、敵を探して街を歩いていた。すると、
「おい」
声が聞こえてセイナは振り返る。そこに立っていたのは如何にも忍者というような格好の男。
「お前、参加者だよな?こんな街に一般人はいないはずだが、無益な殺生は好きでない故確認させてもらう」
男はセイナを見下ろしながら尋ねる。
「勿論参加者よ。あんたもでしょ?」
セイナは男を見上げて尋ねた。
「そうだ。俺はトウジャ。我が目的の為、死んでもらう」
トウジャと名乗った男はそう言うと両手を広げ、手裏剣を構える。
「私はセイナ。あんたの目的が何かは知らないけど、賞金は私が頂くわ!」
セイナが叫ぶと同時に彼女のマントがはためき、その背中から先端に砲のついたアームが何本も生えてきた。
「サイボーグか」
「古臭い奴は吹き飛べ!」
そして全てのアームから光線が放たれる。
だがトウジャは軽々と避け、手に持った手裏剣を投げてくる。
「甘いわ!」
しかしセイナは飛んできた手裏剣を全て撃ち落とした。
「なるほど、精密性も高いか。・・・遠距離は不利だな」
トウジャが刀を鞘から取り出す。
「ならば近付くまで」
「来い」
先に仕掛けたのはトウジャ。彼は目にも止まらぬ速さでセイナに迫る。
「!」
トウジャの速度を見て狙い撃ちは不可能と考えたセイナは、アームを一ヶ所に集めて極太の光線を撃ち放った。
「むっ!?」
トウジャはその攻撃に対して大きく横に跳んで避ける。
「ちっ!速い上に勘もいいとは厄介な忍者ね」
セイナは舌打ちをして呟くと、再びトウジャがセイナに向かって駆け出して来た。
「・・・近付けば勝てるとか思ってるの?」
するとセイナのアームが変形し、砲がブレードに変わる。
そしてその刃をトウジャ目掛けて振り下ろした。次の瞬間、
「!?」
セイナのブレードがバラバラに切り刻まれた。
トウジャが高速で刀を振り、ブレードを切ったのだ。
「一応超合金のブレードなんですけど!?」
「俺の刀は特別製だ」
驚くセイナに対し、トウジャは無表情のまま答える。
「次はこっちの番だ」
そう言ってトウジャは再びセイナに接近し、斬りかかる。
「ぐぅ!」
セイナは急いでアームを動かし、トウジャの斬撃を防ぐ。だが防御に使ったアームも切り落とされ、残るセイナのアームはあと4本。
セイナな急いで後方へ飛び退くが、トウジャは速度を落とさず接近してくる。
「くっ!近付くな!」
アームを砲に変形させ、光線を乱れ撃つ。爆煙が広がり、トウジャの姿が見えなくなった。
「ふぅ、ふぅ」
これで少し距離を取れたかと思ったその時、煙の中から手裏剣が飛んできた。
煙の中から投げたとは思えないほど手裏剣は正確にセイナの首へ真っ直ぐ飛んで行く。
「ぬぅっ!」
セイナは全力で体を反らし、手裏剣を回避する。
「どうなってる!何で見えるんだ!」
煙の中からトウジャが現れる。
「お前のようなテクノロジーに頼った奴等と俺は違う。戦闘に必要な技術、感覚、全て研ぎ澄ましている」
トウジャはそう言いながら再び刀を構えた。
(この男、強い!)
セイナは冷や汗を流しながらアームを集結させる。
「まだやる気か」
「当たり前よ」
「足掻こうが、死ぬのみだぞ」
「あんたがね!」
セイナは再びアームを動かして極太光線を放つ。が、先程放った光線と同じものではなかっ た。
太い光線は途中で10の細い光線に分裂し、それぞれが様々な挙動を描いてトウジャを襲った。
「これは・・・!」
トウジャは驚愕しながらも素早く動き回って回避を試みる。しかし全ての光線を避けきれず、刀で弾き始めた。
「ちっ!」
「うおおぉ!!」
そして最後に1本の光線がトウジャの肩を貫いた。
「見たか!」
セイナは喜びの声を上げた。が、トウジャはストンと着地し、何事も無かったかのように立ち上がる。
トウジャの肩に、穴は空いていなかった。
「・・・は?」
「錯覚を利用した忍術の一つだ。全ては捌けないと思ってな。貴様の狙いがズレるようにした」
「くっ!」
セイナが再度分裂する光線を放とうとするが、放たれる前にアームの一つが爆発した。
「うわっ!」
「砲が限界みたいだな。煙を吹いているぞ?」
見ると、4本全てのアームがシューと音を立て白煙を上げていた。
「・・・しゃーなし!」
セイナがアームを全て体から切り離す。そして右手をトウジャの方へ突き出した。
「ん?」
セイナの腕が変形し、キャノン砲になる。
「なるほど、身体の方も改造しているのか・・・だが、先程まで使わなかったと言うことは、身体への負荷が大きいのか?」
「・・・さぁね」
トウジャの言う通りだ。身体変形での攻撃は最悪死に繋がる。が、
「どうせ殺られるなら使うわ」
「そう言うのをな、ヤケクソと言うんだ!」
トウジャが刀を構え、セイナ目掛けて突貫する。
「食らえぇえ!」
「ふん!」
セイナの右腕から砲撃が放たれる。真っ直ぐ飛んでいく光線を、トウジャは避けようとしない。そのまま光線がトウジャに直撃するかと思われたが、
「無駄だ!」
なんとトウジャは光線を切り裂き、そのままセイナに迫る。
「まだだ!」
すると今度はセイナの左腕が大砲に変わり、0距離で砲撃を撃ち込んだ。が、
「ぬぐっ!」
トウジャはその光線も、特性の刀で受け止めた。
「ぐぉおおおお!!」
「消し飛べぇええええ!!!」
トウジャの刀にヒビが入る。
セイナの肩が割れ、血と何かしらの液体が噴き出す。
「舐めるなクソガキぃ!!」
トウジャは、セイナの光線を弾き飛ばした。そして刀を大きく振り上げ、トドメの一撃を放つ。
「ぐっ」
が、その一撃が当たるより速く、セイナが自身のマントをトウジャへ投げた。
トウジャはマントを振り払い、セイナに刀を突き刺そうと踏み込んだ。
が、マントの向こうから現れたセイナは右足をトウジャの方へ突き出していた。トウジャは最悪の結果を想像した。
「!」
「バァカ!」
トウジャの想像通りセイナの足が砲に変形した。
そして灼熱の光線がトウジャに叩き込まれる。
「消し飛んでろコスプレ野郎が!」
セイナの光線はトウジャを押し飛ばし、ビルを幾つも貫いた後に大爆発した。
「はぁ」
セイナはバラバラになった右足と、ほぼ動かない両腕を見て息をついた。
バトルロイヤル トウジャVSセイナ
激戦の末セイナの勝利
残り23人
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