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二
爆終
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あり得ないほどの威力を持つ一撃がぶつかり合い、周囲の全てを焼き、刻み、切り裂きながら爆発した。
観戦用の鳥型召喚獣はバランスを崩して吹き飛ばされ、観戦者達はザワザワと騒ぎだした。
モニターには爆煙しか映っていなかったが、空から何かが落下して来て、地面に突き刺さった。観戦者全員がそれに注目する。
落下物の正体は『嚇』。そしてその刀の柄を握るジャックの右腕。
皆がそれに気付いた頃にようやく爆煙が薄まり、三人が現れる。
ガイルとチカのHPは10を切っており、地面に仰向けになって倒れている。そしてジャックは、吹き飛ばされた右腕の傷口を眺めていた。
「・・・ふむ」
傷口を見て、今度は二人を見る。
「はぁっはぁっはぁっはぁっ!!」
「ゲホッ!ゲフッ!ゲホッゲホッ!」
二人ももう限界のようだ。
「・・・これ以上の続行は俺にも利がないな」
ジャックはそう呟くと、空を飛ぶ召喚鳥に向かって声を上げた。
「俺の敗けで構わない!大会は御開きだ!」
それを観戦席で聞いたニホンバレメンバーがマイクのスイッチをONにして口を開く。
『終ーーー了ーーーー!!!!』
会場中にその声とゴングの音が鳴り響く。
『優勝者は!!!ガイル&チカチームゥゥゥウウウウ!!!!』
観戦席からは距離があるはずだが、歓声が会場を包み込んだ。
「はぁ、はぁ、フゥ」
ガイルはゆっくり立ち上がると、歩き去ろうとするジャックに声を掛けた。
「諦めねぇぞ。必ずお前を越えてやる」
「・・・そうか。励むといい」
「ん!私だって諦めてないからな!」
チカも急いで立ち上がり、叫んだ。
「・・・あぁ、覚えておこう。二年前のことも思い出せたしな」
「ハッ、そうかよ」
ジャックは『嚇』を拾うと観戦席にも寄らずに去って行った。
その後も三人の戦いは続いたらしいが、どうなったかは誰も知らないという。長い歴史を持つゲーム史に残る、とあるプレイヤー達の御話。
観戦用の鳥型召喚獣はバランスを崩して吹き飛ばされ、観戦者達はザワザワと騒ぎだした。
モニターには爆煙しか映っていなかったが、空から何かが落下して来て、地面に突き刺さった。観戦者全員がそれに注目する。
落下物の正体は『嚇』。そしてその刀の柄を握るジャックの右腕。
皆がそれに気付いた頃にようやく爆煙が薄まり、三人が現れる。
ガイルとチカのHPは10を切っており、地面に仰向けになって倒れている。そしてジャックは、吹き飛ばされた右腕の傷口を眺めていた。
「・・・ふむ」
傷口を見て、今度は二人を見る。
「はぁっはぁっはぁっはぁっ!!」
「ゲホッ!ゲフッ!ゲホッゲホッ!」
二人ももう限界のようだ。
「・・・これ以上の続行は俺にも利がないな」
ジャックはそう呟くと、空を飛ぶ召喚鳥に向かって声を上げた。
「俺の敗けで構わない!大会は御開きだ!」
それを観戦席で聞いたニホンバレメンバーがマイクのスイッチをONにして口を開く。
『終ーーー了ーーーー!!!!』
会場中にその声とゴングの音が鳴り響く。
『優勝者は!!!ガイル&チカチームゥゥゥウウウウ!!!!』
観戦席からは距離があるはずだが、歓声が会場を包み込んだ。
「はぁ、はぁ、フゥ」
ガイルはゆっくり立ち上がると、歩き去ろうとするジャックに声を掛けた。
「諦めねぇぞ。必ずお前を越えてやる」
「・・・そうか。励むといい」
「ん!私だって諦めてないからな!」
チカも急いで立ち上がり、叫んだ。
「・・・あぁ、覚えておこう。二年前のことも思い出せたしな」
「ハッ、そうかよ」
ジャックは『嚇』を拾うと観戦席にも寄らずに去って行った。
その後も三人の戦いは続いたらしいが、どうなったかは誰も知らないという。長い歴史を持つゲーム史に残る、とあるプレイヤー達の御話。
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