結果的には愛してる

栢野すばる

文字の大きさ
3 / 9

3

 ――っ、ふ……なるほど……これが女の感じる快楽か……
 閉じ合わされた襞の間にたくましい茎をねじ込みながら、オディロンは小さく唇を舐めた。
 圧倒的な違和感に身体をこじ開けられる。
 だが、その痛みは不快ではない。女を抱く時に散々味わった淫らな熱と同じような何かを伴っている。
「あ、あ、陛下……だめ……」
 鉄の棒のような硬度を誇るレイノルドのそれは、優しげな顔には似合わぬ立派な逸物だった。
 そのことも、オディロンに不思議な満足感を与えていた。
 オディロンは小さく息を吐きながら、痛みを無視してずぶずぶと身体を沈めた。
 反り返る肉茎の半ばまでを飲み込みながら、オディロンは組み伏せている男に尋ねた。
「……ふふ、どうだ、良いか? おなごの身体は初めてなのであろう?」
 まあ、自分も女になるのは初めてなのだが。
 半ば皮肉な気持ちで尋ねると、レイノルドはかすれた声で答えた。
「へ、陛下、お許しを……動かれると……出てしまいます……ッ」
 きらめく緑の目に涙をため、薄い引き締まった胸を上下させながら、レイノルドがいやいやと首を振る。
 オディロンの目には、その仕草はひどく子供じみて可愛らしく見えた。
「気にせずとも良い。お前から搾り取るためにしていることだ」
 下腹部の甘い疼きをやり過ごしながら、オディロンはゆっくりと柔らかな襞の間に肉茎を咥えこんでいく。
「……っ、ふ……」
 意図せずして小さな声が漏れてしまった。その声に、レイノルドの肉茎がひくんと反応した。
「へ、へいか……こんなお見苦しい……ああ、申し訳……っ」
 涙声のレイノルドにのしかかったまま、オディロンはついに根本まで彼のものを飲み込んだ。
 熱い塊で体の中を貫かれるのは、初めての感触だった。
 だが、悪くはない。
 ――動いてみるか……
 疼痛と、むず痒さと、その二つを凌駕するどろりとした官能が、オディロンの身体を突き動かし始めた。
 猛々しい雄を食んだまま、オディロンは華奢な身体をゆっくりと上下させる。
 ぐちゅぐちゅという淫らな音が、広い寝室に響き渡った。
 その音が、オディロンの下腹にわだかまった異様な熱をますます燃え立たせる。
「どうだ、童貞、感想を申してみよ」
 結合部を見せつけるように足を開き、オディロンは己の唇を舐めた。
「そ、そのような……陛下……いけません……ああっ……」
 レイノルドの白い肌にはうっすらと汗が浮いている。
 苦しげに胸を上下させ、顔をしかめていやいやと首を振る様子が、オディロンの嗜虐心に火をつけた。
 色が変わるほどに強く敷布をつかむ指をそっと外させ、レイノルドのしなやかな指に己の細い指を絡めた。
「おなごを抱く時は、こうして手を握って睦言の一つも囁いてやるものだ」
 オディロンはぬるつく花襞で、じらすように剛直を責め立てながら囁いた。
「あ、あ……陛下……へい、かぁ……」
 レイノルドの腰が浮き上がり、痩せた背中が反りかえる。
 オディロンの豊かな乳房のあいだに、汗が一滴流れる。
 身体の中で硬く反り返る感触が、オディロンに得も言われぬ甘美な痺れを与えた。
「良い。なかなか上手だ。もっと奥を突け……」
 あられもない音を立てて脈動する肉茎を擦り上げ、オディロンは喉声で呟く。
 気づけば、自分の方こそ、夢中になって男の体を貪っていた。
 貫かれる部分がひくひくと痙攣し、とめどなく蜜が溢れ出す。
「……っ、おい、童貞、いくときは思い切り、いけ。半端に我慢すると苦しいぞ?」
 オディロンはそう告げ、剛直を根本まで飲み込んだ後、硬い毛に覆われた恥骨同士をぐりぐりとこすり合わせた。
「あ、ああっ、陛下、陛下……申し、わけ……ッ」
 不意にオディロンの手を振りほどき、レイノルドがその細腰をガシリと掴んだ。
「ん……っ……」
 びくり、とひときわ大きく下腹がうねる。オディロンの薔薇色の唇から、短い息が漏れ出す。
 最奥を突き上げるそれが、オディロンの胎内で熱い飛沫を散らした。
 どくどくと音を立てんばかりに注がれるそれが、オディロンの蜜道を伝って滴り落ちるのがわかった。
「ん?」
 ふいにくらりと目眩がし、次の瞬間、僅かに世界が明るくなったような気がした。
 同時に、微かな羞恥心を覚えて、オディロンは剥き出しの乳房をそっと片手で覆う。
 白濁と愛液にまみれたまま、二人は見つめ合った。
「へ、陛下……あの……」
 何故だろう。妙に落ち着かない心地だった。
「この私が自ら抜いてやったのだ。やり方をしっかり覚えておけよ、童貞」
 言いながら、オディロンは容赦なく結合を解く。ずるりと抜け落ちる感覚が、例えようもない甘い疼きを生じさせた。
 身体が離れた瞬間、レイノルドが小さな声をあげた。
 オディロンは微かに頬を染めたまま、彼から目を背ける。
 ――私は……女に……なったのだな。
 何の違和感もなく、その事実を受け止めることが出来た。
 この身体は、この身体は、女のものだ。だからこそ、男の視線に肌を晒すことに恥じらいを覚えるのだ……
 オディロンは瞑目した。
 女体化の禁呪は、完成したのだ。

あなたにおすすめの小説

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

橘若頭と怖がり姫

真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。 その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。 高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。

お久しぶりです旦那様。そろそろ離婚ですか?

奏千歌
恋愛
[イヌネコ] 「奥様、旦那様がお見えです」 「はい?」 ベッドの上でゴロゴロしながら猫と戯れていると、侍女が部屋を訪れて告げたことだった。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

田舎の幼馴染に囲い込まれた

兎角
恋愛
25.10/21 殴り書きの続き更新 都会に飛び出した田舎娘が渋々帰郷した田舎のムチムチ幼馴染に囲い込まれてズブズブになる予定 ※殴り書きなので改行などない状態です…そのうち直します。