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そして、一年が経過した。
――我が国の女達よ、気軽に『産めよ増やせよ』などと言って済まぬ。出産痛い。めちゃくちゃ痛い。死ぬかと思った。二、三人生んだらもう休め、に変更する。
オディールは、産み落としたばかりの我が子を抱いて背中をポンポンと叩いた。
「にゃぅぅ……」
父親譲りの金の髪の赤子が、モゾモゾと動いた。
生後五日。名前はまだないが、可愛くて仕方がない。
――あの、悪夢の中の『禁人』とやらも、金の髪だったな。私が見たものが、何だったのかは分からぬが……。
腕の中の我が子を見つめ、オディールはしみじみと思う。
そう思いながらも、生まれたての新生児の愛らしさは格別だ。オディールは丸いおでこにキスをして、優しい声で語りかけた。
「可愛いのぉ……どれ、母様にニッコリしてくれ」
「うにゃ……にゃうぅ……」
一応笑ってくれた。オディールは笑顔で、可愛い息子の顔を覗き込む。
――目は……普通だな……今のところは。
レイノルドの両親曰く、彼の家系には、ごくまれにしかこのような金髪の子は産まれないらしい。
そして、金髪の子は、大概が『幻を見て、強い力を持つ子供』らしいのだ。
『オディロン陛下……いえ、オディール様のお生みになった私どもの孫も、恐らくはレイノルドと同じ、魔力の強い子かと存じます』
レイノルドの父は、なんとも言いがたい顔でそう言った。
無理もない。
息子の嫁はこの前まで四十代の国王だったのだ。
微妙な気持ちになるだろう。
だが孫の可愛さだけはどうしようもないらしく、赤子を抱きしめて頬ずりして帰っていった。
『お互い、魔蟲狩りの道具として作られんだ。道具のままでいられれば楽だったのに。何故俺に執着した……許さない』
自分そっくりの顔の女の言葉を思い出す。
魔蟲とは何だろう。
狩る、ということは、動物か何かなのだろうか。だが、名前がまがまがしい。おそらくは、化け物の類いではないだろうか。
――わしの推論が正しければ、おりじなる……が諸悪の根源で、こぴー、がその子供達、なのかな?
オディールは、レイノルドに考えるのを止めろ、と言い付けた。
だが、オディール自身は考えずにいられない。
その時、赤子がふにゃふにゃと声を上げた。そして、むずがって泣き出す。オディールは笑って赤子をあやしながら言った。
「あまり大声で泣くと、お化けの蜘蛛が出てきて食べられちゃうのだぞ?」
オディールも、昔乳母にこうやってなだめられたものだ。
他愛ないおとぎ話の一環で……。
だが、オディールの言葉が終わるやいなや、赤子がぎくりと身体を強ばらせた。無垢な乳児の動作ではない。まるで、母の話を理解したかのような動きだった。
未熟な母は、驚愕のあまり我が子を抱きしめた。
「どどどどど、どうした! 誰ぞ! おらぬか! 赤子がおかしいのだが!」
赤子の奇妙な動きに動転し、オディールは大声で侍女や医師を呼んだ。
たちまち足音が聞こえ、駆け込んできた人々がオディールの腕から赤子を抱き取る。
「若様、よしよし、いかがなされました?」
医師にあやされた刹那、硬直していた赤子が、ほぎゃほぎゃと泣き出した。
――な、何だ、今のは……お化けの蜘蛛の話が……怖かったのか……?
オディロンはおろおろと我が子を案じつつ、『お化けの蜘蛛』の話を反芻する。
『昔、この世界には、人間をぺろりと食べてしまうお化けの蜘蛛がいた。
その蜘蛛は、全部、強い戦士に封じられた。
だからもう、出てこない。悪い子がいない限り、たぶん、きっと、出てこない』
それが昔話の全てだったはずだ。
――うーん……いったい何が?
腕組みをするオディロンに、医者が笑顔で言った。
「奥様、若様はお元気です。しゃっくりでもなさったのかも……それで驚かれたのでしょう」
「ああ、そうか、済まぬな、騒いでしまって……」
オディールは愛想笑いを浮かべて、赤子を抱きしめた。
――蜘蛛、という言葉に反応したのかな。でも赤ちゃんで試すのは怖いからやめよう。アレが帰ってきたら試そう。オヤジの方でも同じ反応は返って来るだろうか?
魔蟲。
蟲。
……蜘蛛。
オディールは眉をひそめる。何か、関係があるのだろうか。
「ただいまオディール。体調はどうですか?」
仕事から帰ってきたレイノルドを、オディールは優しくねぎらった。
「まあ良好。お前もお疲れ」
「赤ちゃんは?」
「元気だぞ。早く名前を考えてくれ。お前が付けるんだろう?」
オディールの言葉に頷き、レイノルドがしなやかな手をそっと差し伸べる。
「名前も、ですが、まずは今から回復魔法をかけますね。産後は消耗していますから……」
「やっぱり止めないか? お前の魔法は確かに効くけど、また中年のオヤジに逆戻りしたら目も当てられない気がして……わしが男になったら、誰が赤ちゃんに乳をやればいいんだと思うと……なんか……」
「毎日かけてるけど大丈夫でしょう? 最近は僕の魔法もおかしくならないので」
確かに。
レイノルドの魔法が大コケしたのは、オディロン王を女の子にしたあの時だけだ。それ以外にも些細な失敗はあるようだが、本人がドジだから……で済む程度だと聞いている。
「……ふん……まあいい。やれ」
ぐっすり眠っている赤子を抱いたまま、オディールは肩をすくめる。
――赤ちゃんも寝てるし、試してみるか?
鼻歌交じりに魔法をかけてくれる美しい夫に、オディールはぼそりと言った。
「お化けの蜘蛛」
言い終えると同時に、レイノルドがぴたり……と動きを止めた。
赤子を抱いたまま、オディールは様子を伺う。
この宮殿はほとんど蜘蛛などいない。だから、レイノルドと蜘蛛の話などしたことはなかったけれど……。
身動きしなかった夫が、ゆっくりと顔を上げた。
微笑んでいる。何もなかったのか、とほっとしたオディールに、レイノルドが静かな声で告げた。
「魔蟲が出たら、僕が葬ります。僕は下位コピーなので、オリジナルの血統は薄いのですが、まだそのくらいの力はあります」
「お前、何を」
オディールは、ごくりと息を呑む。レイノルドは穏やかな笑みを浮かべて、当たり前のように言った。
「早く、コピーの誰かがオリジナル・イヴを探して、生殖できるといいですね。僕のお嫁さんはオディールなので、他のコピーが……イヴを探してくれれば」
「さっきから何を言っているのだ?」
血の気の引いた顔でオディールは尋ねた。
レイノルドが、ん? という顔で、不思議そうに首をかしげる。
「……そういえば、何を言っているのでしょう? 魔蟲……対策、プログラムが起動して……共有記憶から、情報を取り出せたのでしょうか?」
ぼんやりとレイノルドが答え、我に返ったように赤子に手を伸ばした。
――こいつ、自分の意思で喋っておらぬのか?
眉をひそめた
「ふふっ、よく寝てる」
その顔は、可愛い我が子を授かったばかりの、優しく若い父親の顔。いつものレイノルドのものだった。
「おい、オリジナルって何だ?」
「……えっ? おりじ……? 何の話ですか?」
赤子の小さな手を撫でていたレイノルドが、不思議そうに問い返してくる。
やはり、おかしい。オディールは意を決して、もう一度先ほどの『言葉』を口にした。
「『お化けの蜘蛛が出る』……オリジナル・イヴ……とは何だ?」
レイノルドが、赤子から手を離して視線を彷徨わせ、再び静かな声で答えた。
「禁人の本体、雌の方……です。貴方と同じ顔の、神の討伐兵器の、片割れ……僕達は、コピー、人の腹から生まれた、人と禁人の血を引く、劣化複製……です」
「お化けの蜘蛛とは」
「敵。人間を滅ぼすための、生体……。だけど卵は凍結魔法で……あと百年は……目覚めない、はず……だから僕達は……イヴを探して……いつか、強い……禁人を……生むよう、プログラムされて……でも僕は、イヴに会う前に、発情抑制が解除されて、貴方を……。……? うぅ……眠い……」
――人間を……滅ぼす生体? おい、冗談だと言え、そうだよな? な?
心の中で茶化しつつも、妙に真に迫った言葉に、薄ら寒い思いがする。
「ふん、そうか。寝る前に風呂で身を清めて参れ、赤ちゃんに埃がついたら困るからっ!」
変な汗が滲んできたが、オディールは落ち着いたフリをして答えた。
レイノルドは目を擦り、素直に頷いた。
「はい。貴方も早く休んでくださいね。夜泣きしたら僕もあやさなきゃ。ふふっ、大変だけど可愛いですね」
その声は、いつものレイノルドのものだった。
――魔蟲……か。化け物……そんなものが過去にいた形跡がないか、真面目に調べねばならんな……。
何だか薄ら寒い気持ちで、オディールは思う。のんきに平和な母親をやっている余裕は、もしかしたらないのかもしれない、と思った。
――我が国の女達よ、気軽に『産めよ増やせよ』などと言って済まぬ。出産痛い。めちゃくちゃ痛い。死ぬかと思った。二、三人生んだらもう休め、に変更する。
オディールは、産み落としたばかりの我が子を抱いて背中をポンポンと叩いた。
「にゃぅぅ……」
父親譲りの金の髪の赤子が、モゾモゾと動いた。
生後五日。名前はまだないが、可愛くて仕方がない。
――あの、悪夢の中の『禁人』とやらも、金の髪だったな。私が見たものが、何だったのかは分からぬが……。
腕の中の我が子を見つめ、オディールはしみじみと思う。
そう思いながらも、生まれたての新生児の愛らしさは格別だ。オディールは丸いおでこにキスをして、優しい声で語りかけた。
「可愛いのぉ……どれ、母様にニッコリしてくれ」
「うにゃ……にゃうぅ……」
一応笑ってくれた。オディールは笑顔で、可愛い息子の顔を覗き込む。
――目は……普通だな……今のところは。
レイノルドの両親曰く、彼の家系には、ごくまれにしかこのような金髪の子は産まれないらしい。
そして、金髪の子は、大概が『幻を見て、強い力を持つ子供』らしいのだ。
『オディロン陛下……いえ、オディール様のお生みになった私どもの孫も、恐らくはレイノルドと同じ、魔力の強い子かと存じます』
レイノルドの父は、なんとも言いがたい顔でそう言った。
無理もない。
息子の嫁はこの前まで四十代の国王だったのだ。
微妙な気持ちになるだろう。
だが孫の可愛さだけはどうしようもないらしく、赤子を抱きしめて頬ずりして帰っていった。
『お互い、魔蟲狩りの道具として作られんだ。道具のままでいられれば楽だったのに。何故俺に執着した……許さない』
自分そっくりの顔の女の言葉を思い出す。
魔蟲とは何だろう。
狩る、ということは、動物か何かなのだろうか。だが、名前がまがまがしい。おそらくは、化け物の類いではないだろうか。
――わしの推論が正しければ、おりじなる……が諸悪の根源で、こぴー、がその子供達、なのかな?
オディールは、レイノルドに考えるのを止めろ、と言い付けた。
だが、オディール自身は考えずにいられない。
その時、赤子がふにゃふにゃと声を上げた。そして、むずがって泣き出す。オディールは笑って赤子をあやしながら言った。
「あまり大声で泣くと、お化けの蜘蛛が出てきて食べられちゃうのだぞ?」
オディールも、昔乳母にこうやってなだめられたものだ。
他愛ないおとぎ話の一環で……。
だが、オディールの言葉が終わるやいなや、赤子がぎくりと身体を強ばらせた。無垢な乳児の動作ではない。まるで、母の話を理解したかのような動きだった。
未熟な母は、驚愕のあまり我が子を抱きしめた。
「どどどどど、どうした! 誰ぞ! おらぬか! 赤子がおかしいのだが!」
赤子の奇妙な動きに動転し、オディールは大声で侍女や医師を呼んだ。
たちまち足音が聞こえ、駆け込んできた人々がオディールの腕から赤子を抱き取る。
「若様、よしよし、いかがなされました?」
医師にあやされた刹那、硬直していた赤子が、ほぎゃほぎゃと泣き出した。
――な、何だ、今のは……お化けの蜘蛛の話が……怖かったのか……?
オディロンはおろおろと我が子を案じつつ、『お化けの蜘蛛』の話を反芻する。
『昔、この世界には、人間をぺろりと食べてしまうお化けの蜘蛛がいた。
その蜘蛛は、全部、強い戦士に封じられた。
だからもう、出てこない。悪い子がいない限り、たぶん、きっと、出てこない』
それが昔話の全てだったはずだ。
――うーん……いったい何が?
腕組みをするオディロンに、医者が笑顔で言った。
「奥様、若様はお元気です。しゃっくりでもなさったのかも……それで驚かれたのでしょう」
「ああ、そうか、済まぬな、騒いでしまって……」
オディールは愛想笑いを浮かべて、赤子を抱きしめた。
――蜘蛛、という言葉に反応したのかな。でも赤ちゃんで試すのは怖いからやめよう。アレが帰ってきたら試そう。オヤジの方でも同じ反応は返って来るだろうか?
魔蟲。
蟲。
……蜘蛛。
オディールは眉をひそめる。何か、関係があるのだろうか。
「ただいまオディール。体調はどうですか?」
仕事から帰ってきたレイノルドを、オディールは優しくねぎらった。
「まあ良好。お前もお疲れ」
「赤ちゃんは?」
「元気だぞ。早く名前を考えてくれ。お前が付けるんだろう?」
オディールの言葉に頷き、レイノルドがしなやかな手をそっと差し伸べる。
「名前も、ですが、まずは今から回復魔法をかけますね。産後は消耗していますから……」
「やっぱり止めないか? お前の魔法は確かに効くけど、また中年のオヤジに逆戻りしたら目も当てられない気がして……わしが男になったら、誰が赤ちゃんに乳をやればいいんだと思うと……なんか……」
「毎日かけてるけど大丈夫でしょう? 最近は僕の魔法もおかしくならないので」
確かに。
レイノルドの魔法が大コケしたのは、オディロン王を女の子にしたあの時だけだ。それ以外にも些細な失敗はあるようだが、本人がドジだから……で済む程度だと聞いている。
「……ふん……まあいい。やれ」
ぐっすり眠っている赤子を抱いたまま、オディールは肩をすくめる。
――赤ちゃんも寝てるし、試してみるか?
鼻歌交じりに魔法をかけてくれる美しい夫に、オディールはぼそりと言った。
「お化けの蜘蛛」
言い終えると同時に、レイノルドがぴたり……と動きを止めた。
赤子を抱いたまま、オディールは様子を伺う。
この宮殿はほとんど蜘蛛などいない。だから、レイノルドと蜘蛛の話などしたことはなかったけれど……。
身動きしなかった夫が、ゆっくりと顔を上げた。
微笑んでいる。何もなかったのか、とほっとしたオディールに、レイノルドが静かな声で告げた。
「魔蟲が出たら、僕が葬ります。僕は下位コピーなので、オリジナルの血統は薄いのですが、まだそのくらいの力はあります」
「お前、何を」
オディールは、ごくりと息を呑む。レイノルドは穏やかな笑みを浮かべて、当たり前のように言った。
「早く、コピーの誰かがオリジナル・イヴを探して、生殖できるといいですね。僕のお嫁さんはオディールなので、他のコピーが……イヴを探してくれれば」
「さっきから何を言っているのだ?」
血の気の引いた顔でオディールは尋ねた。
レイノルドが、ん? という顔で、不思議そうに首をかしげる。
「……そういえば、何を言っているのでしょう? 魔蟲……対策、プログラムが起動して……共有記憶から、情報を取り出せたのでしょうか?」
ぼんやりとレイノルドが答え、我に返ったように赤子に手を伸ばした。
――こいつ、自分の意思で喋っておらぬのか?
眉をひそめた
「ふふっ、よく寝てる」
その顔は、可愛い我が子を授かったばかりの、優しく若い父親の顔。いつものレイノルドのものだった。
「おい、オリジナルって何だ?」
「……えっ? おりじ……? 何の話ですか?」
赤子の小さな手を撫でていたレイノルドが、不思議そうに問い返してくる。
やはり、おかしい。オディールは意を決して、もう一度先ほどの『言葉』を口にした。
「『お化けの蜘蛛が出る』……オリジナル・イヴ……とは何だ?」
レイノルドが、赤子から手を離して視線を彷徨わせ、再び静かな声で答えた。
「禁人の本体、雌の方……です。貴方と同じ顔の、神の討伐兵器の、片割れ……僕達は、コピー、人の腹から生まれた、人と禁人の血を引く、劣化複製……です」
「お化けの蜘蛛とは」
「敵。人間を滅ぼすための、生体……。だけど卵は凍結魔法で……あと百年は……目覚めない、はず……だから僕達は……イヴを探して……いつか、強い……禁人を……生むよう、プログラムされて……でも僕は、イヴに会う前に、発情抑制が解除されて、貴方を……。……? うぅ……眠い……」
――人間を……滅ぼす生体? おい、冗談だと言え、そうだよな? な?
心の中で茶化しつつも、妙に真に迫った言葉に、薄ら寒い思いがする。
「ふん、そうか。寝る前に風呂で身を清めて参れ、赤ちゃんに埃がついたら困るからっ!」
変な汗が滲んできたが、オディールは落ち着いたフリをして答えた。
レイノルドは目を擦り、素直に頷いた。
「はい。貴方も早く休んでくださいね。夜泣きしたら僕もあやさなきゃ。ふふっ、大変だけど可愛いですね」
その声は、いつものレイノルドのものだった。
――魔蟲……か。化け物……そんなものが過去にいた形跡がないか、真面目に調べねばならんな……。
何だか薄ら寒い気持ちで、オディールは思う。のんきに平和な母親をやっている余裕は、もしかしたらないのかもしれない、と思った。
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