チートスマホで異世界攻略

マイきぃ

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第一話 転生する

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 ──スマホ──。
 それは、今の社会にとって、なくてはならないツールだ。

 よく、異世界に転生した時に所持するスマホがすごく万能だと耳にする。
 たしかに、スマホは便利だ。画面は小さいながらもインターネットで情報を漁り放題、動画も見放題、ゲームし放題。
 だが、異世界でも、同様に使えるのだろうか。そして、チートハーレム俺つえーし放題なのだろうか。

 疑問に思った僕は、それを調べる為に、大型トラックに体当たりをした。

 どうしてこんな簡単に命を投げ出すことができたかって──そんなの決まってる。この現実世界に希望を見いだせなかったからだ。

***

 気がつくと、僕は次元の狭間にいた。雲の上のような場所である。
 まさか、本当に来れるとは思わなかった。どうやら僕は運がいい。

 ここにこれたということは、次に来るのは女神だ。
 女神は、思ったより早く僕の目の前に現れた。おまけに美人。

「23歳サラリーマンで人生に目標を失った童貞のそこのあなた。おめでとうございます。あなたは異世界へ転生する権利を得ることができました。なので、あなたはこれから異世界へ転生して魔王を倒してきてください」

 女神は、用件だけをさっさと話す。どうしてそんな権利が得られたのかは定かではないが、余計な展開が無いので良しとする。

 せっかくなので、こちらか交渉を持ち掛ける。
「あの、一ついいですか?」
「はい、なんでしょう」
「チートを【異世界スマホ所持】にしてもらいたいのですが」
「えっと……そんなものでいいのですか?」
「はい。とっても便利だと聞いています」
「確かに便利ですけども……これに関しては、転生初期は扱うことはできません。なので、勇者として覚醒する15歳の時に、プレゼントとしてお渡しいたしますね。その代わりといっては何ですが、きちんと魔王を倒してもらいます。いいですか?」
「えと、テンプレですね……わかりました。じゃ、お願いします」

 交渉は成立した。早速、女神の作り出した魔法陣の上に乗る。

「選ばれし魂よ、加護の世界の希望となり、天命を全うせよ!」

 女神が呪文を唱える。その瞬間、光に吸い込まれ、意識を失った。

 こうして僕は異世界へと転生した。
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