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第1章 仲間を見つけよう
第2話 初めての仲間
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大きな音に気がついた人々は、一斉にこちらを向いた。周囲がざわつく。そして体つきのいい冒険者風の男2人が俺の方へと近づいてくる。
「なんだ今の音は!」
「かなり大きかったな、何かあったか!」
男たちは、動揺してい立ち尽くしている俺に話しかけてきた。だが、動揺していて、とても返す言葉がない。そんな状況の俺に、きつい言葉を投げつけてくる。
「なんだ、お前、殺しか!」
「どこから来た! 変な服着やがって! こんなかわいい子、殺したのか!」
この状況をみれば、言い逃れは出来ない。
「い、いえ……そんなつもりじゃなかったんです……」
謝るしかなかった。だが、そんなものじゃ済まされない。少し背の高い男が、俺の胸倉をつかみ、軽く持ち上げた。どうやら、殴られるだけでは済まなそうだ。
──騙された……あんな骸骨の話なんて、聞くんじゃなかった。
その場にいた人々も俺に敵意を向けてくる。 本当に殺してしまったのか、仲間銃ってのは嘘だったのか、俺は軽はずみに銃を撃った事を後悔した。本来なら銃は人を殺す道具だ。なぜ気づかなかったんだろう。俺は、ここで、嫌悪と憎悪に飲み込まれ、引き裂かれようとも文句は言えない。
俺は覚悟した。それでも、一度死んでいる身だ。でも、痛いのは嫌だ、一瞬で終わらせてほしい。
胸倉をつかんだ男は、鍛え上げられた腕に力をこめ、殴りかかる。僕は、歯を食いしばった。
「待って! その人は私のご主人様。手を出すなら私が相手するわよ」
突然、声が聞こえた。僕は、その声を聞いた瞬間、絶望から解放された。なぜなら…………
──彼女は生きていた──
さっきまで倒れていた少女は、立ち上がって魔法の杖を構えていた。そればかりか、男達の前に立ち、俺を助けようとしている。まさか、この銃の効果は本物だったのか!
それを見た2人の男は、しらけた表情を見せ、ため息混じりに話す。
「なんだ、殺しじゃねえのか」
「内輪揉とか、紛らわしいぞ」
胸倉をつかんだ男はゆっくりと俺を下ろす。
「あ……お……お騒がせしました……」
俺は、周囲に頭を下げた。男たちはその場を立ち去る。住人達も、何事もなかったかのように、平常な生活に戻る。どうやら俺は、助かったようだ。
「なんか、ごめんね……あんな事したのに助けてもらっちゃって……」
赤面しながら、少女に頭を下げ、簡単にお礼を言った。
「いえ、ご主人様を守るのが……私の務めですから……」
少女も赤面しながら答える。さっきと今の態度は全く別物だ。
「ご主人様って俺の事?」
「そうです! ご主人様」彼女は笑顔で答えた。
彼女は、俺の事をご主人様扱いしている。まさか、この銃の効果なのか……俺は半信半疑で、最初の質問をもう一度繰り返した。
「どうして、泣いていたんだい?」
すると彼女は、意気消沈した面持ちで話す。
「実は今日、冒険者ギルドに登録に行く予定だったんですけど、道に迷って途方に暮れてたんです」
彼女は泣きながら俺の問いに答えてくれた。俺は無視されなかったことに、ほっと胸をなでおろしていた。銃の効果なのかは別として、少女との会話が成り立っていることに奇跡を感じた。
「冒険者ギルド?」
「そう、冒険者ギルド。ここで冒険者の登録すると、いろいろな仕事を請け負う事が出来るようになるし、スキルも身につけられるんです……」
彼女は涙を拭いて泣き止んだ。
「どうしても登録するの?」
「私は、もっと強くなりたいです。なので、どうしてもギルドに登録する必要があるんです。ご主人様はそんな私が嫌いですか……」
「いや……嫌も何も……」
「嫌なのですね……それも……2回も嫌って……念を押さなくても……」
──そういうわけじゃ、ないんだが……。
少女は、また涙目になった。周囲の視線が痛い。とりあえず、あまり泣かせるのも気が引けるので、少女の意を汲んであげる事にした。
「ふーん、強くなる為に、そこに行きたいんだね」
「はい、でもご主人様に迷惑をかけるわけには……いかないですよね」
彼女は不安そうな顔をしてこちらを見る。
「いや、そういうのは迷惑かけるとかの問題じゃない気がするが……とりあえず登録できるならそれに越したことはないんじゃないか」
「じゃあ、いいんですか、ありがとうございます! ご主人様!」
ちょっとだけ驚いた。こんな単純なやりとりでこんなに人に感謝されたのは初めてだ。だが、俺はそういうのに、まだ、慣れていない。少し、恥ずかしい。
「とりあえず、ご主人様って呼ばれると、ちょっと恥ずかしい。俺の名はタカシでいいよ」
「じゃあ、タカシ様?」
「んー、様付けるのは絶対?」
「できれば……」彼女は顔を赤らめながら、答える。
「ま、いいや。君は俺の仲間ってことでいいのかな。それと君の名前を教えて欲しいのだけど……」
「いや、仲間だなんて……滅相もないです! 私はメイデンといいます。そして、私は下僕です。奴隷です。好きなように命令して下さい!」
俺は、その言葉にちょっとだけ引いたが、こんなかわいい少女とお近づきになれるチャンスなんて、滅多にない事だ。従者のように振る舞う彼女を、俺は仲間として受け入れる事にした。
「メイデンか……よし、じゃあ冒険者ギルドへいこう」
そういうと、メイデンは嬉しそうな顔をして、「ありがとうございます!」と、深く感謝した。
「なんだ今の音は!」
「かなり大きかったな、何かあったか!」
男たちは、動揺してい立ち尽くしている俺に話しかけてきた。だが、動揺していて、とても返す言葉がない。そんな状況の俺に、きつい言葉を投げつけてくる。
「なんだ、お前、殺しか!」
「どこから来た! 変な服着やがって! こんなかわいい子、殺したのか!」
この状況をみれば、言い逃れは出来ない。
「い、いえ……そんなつもりじゃなかったんです……」
謝るしかなかった。だが、そんなものじゃ済まされない。少し背の高い男が、俺の胸倉をつかみ、軽く持ち上げた。どうやら、殴られるだけでは済まなそうだ。
──騙された……あんな骸骨の話なんて、聞くんじゃなかった。
その場にいた人々も俺に敵意を向けてくる。 本当に殺してしまったのか、仲間銃ってのは嘘だったのか、俺は軽はずみに銃を撃った事を後悔した。本来なら銃は人を殺す道具だ。なぜ気づかなかったんだろう。俺は、ここで、嫌悪と憎悪に飲み込まれ、引き裂かれようとも文句は言えない。
俺は覚悟した。それでも、一度死んでいる身だ。でも、痛いのは嫌だ、一瞬で終わらせてほしい。
胸倉をつかんだ男は、鍛え上げられた腕に力をこめ、殴りかかる。僕は、歯を食いしばった。
「待って! その人は私のご主人様。手を出すなら私が相手するわよ」
突然、声が聞こえた。僕は、その声を聞いた瞬間、絶望から解放された。なぜなら…………
──彼女は生きていた──
さっきまで倒れていた少女は、立ち上がって魔法の杖を構えていた。そればかりか、男達の前に立ち、俺を助けようとしている。まさか、この銃の効果は本物だったのか!
それを見た2人の男は、しらけた表情を見せ、ため息混じりに話す。
「なんだ、殺しじゃねえのか」
「内輪揉とか、紛らわしいぞ」
胸倉をつかんだ男はゆっくりと俺を下ろす。
「あ……お……お騒がせしました……」
俺は、周囲に頭を下げた。男たちはその場を立ち去る。住人達も、何事もなかったかのように、平常な生活に戻る。どうやら俺は、助かったようだ。
「なんか、ごめんね……あんな事したのに助けてもらっちゃって……」
赤面しながら、少女に頭を下げ、簡単にお礼を言った。
「いえ、ご主人様を守るのが……私の務めですから……」
少女も赤面しながら答える。さっきと今の態度は全く別物だ。
「ご主人様って俺の事?」
「そうです! ご主人様」彼女は笑顔で答えた。
彼女は、俺の事をご主人様扱いしている。まさか、この銃の効果なのか……俺は半信半疑で、最初の質問をもう一度繰り返した。
「どうして、泣いていたんだい?」
すると彼女は、意気消沈した面持ちで話す。
「実は今日、冒険者ギルドに登録に行く予定だったんですけど、道に迷って途方に暮れてたんです」
彼女は泣きながら俺の問いに答えてくれた。俺は無視されなかったことに、ほっと胸をなでおろしていた。銃の効果なのかは別として、少女との会話が成り立っていることに奇跡を感じた。
「冒険者ギルド?」
「そう、冒険者ギルド。ここで冒険者の登録すると、いろいろな仕事を請け負う事が出来るようになるし、スキルも身につけられるんです……」
彼女は涙を拭いて泣き止んだ。
「どうしても登録するの?」
「私は、もっと強くなりたいです。なので、どうしてもギルドに登録する必要があるんです。ご主人様はそんな私が嫌いですか……」
「いや……嫌も何も……」
「嫌なのですね……それも……2回も嫌って……念を押さなくても……」
──そういうわけじゃ、ないんだが……。
少女は、また涙目になった。周囲の視線が痛い。とりあえず、あまり泣かせるのも気が引けるので、少女の意を汲んであげる事にした。
「ふーん、強くなる為に、そこに行きたいんだね」
「はい、でもご主人様に迷惑をかけるわけには……いかないですよね」
彼女は不安そうな顔をしてこちらを見る。
「いや、そういうのは迷惑かけるとかの問題じゃない気がするが……とりあえず登録できるならそれに越したことはないんじゃないか」
「じゃあ、いいんですか、ありがとうございます! ご主人様!」
ちょっとだけ驚いた。こんな単純なやりとりでこんなに人に感謝されたのは初めてだ。だが、俺はそういうのに、まだ、慣れていない。少し、恥ずかしい。
「とりあえず、ご主人様って呼ばれると、ちょっと恥ずかしい。俺の名はタカシでいいよ」
「じゃあ、タカシ様?」
「んー、様付けるのは絶対?」
「できれば……」彼女は顔を赤らめながら、答える。
「ま、いいや。君は俺の仲間ってことでいいのかな。それと君の名前を教えて欲しいのだけど……」
「いや、仲間だなんて……滅相もないです! 私はメイデンといいます。そして、私は下僕です。奴隷です。好きなように命令して下さい!」
俺は、その言葉にちょっとだけ引いたが、こんなかわいい少女とお近づきになれるチャンスなんて、滅多にない事だ。従者のように振る舞う彼女を、俺は仲間として受け入れる事にした。
「メイデンか……よし、じゃあ冒険者ギルドへいこう」
そういうと、メイデンは嬉しそうな顔をして、「ありがとうございます!」と、深く感謝した。
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