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第5章 目的を達成しよう
叶えたい願い
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「タカシさん、まさか!」
メイデンに、非難の目を向けられた。
「勇者になれば、願いを叶えてくれるんですよね」
メイデンが俺を睨む。《まさか、仲間を売るんですか……見損ないましたよ!》とでも言いたげな目を俺に向けてくる。
「なんじゃ……言ってみろ」
「そうですね……願いは……」
──俺が勇者になることができ、なおかつ、ソエル討伐を避ける方法……それは──
「拒否権を頂きます」
「拒否権……じゃと!」
「願い……叶えてくれるのですよね国王」
「そうじゃが、それは……」
「俺は冒険者です。流れ者です。自由を求めて冒険者になりました。それが叶わないなら……この国にいる意味がありません。辺境の地で質素に暮らします」
「自由のために……拒否権が欲しいのじゃな」
「はい」
…………
俺と国王は沈黙した。しばらくして、国王が口を開く。
「面白い、勇者が拒否権か! 実に面白い!」
国王は、軽く拍手をしながら、喜んでいた。
「いいじゃろう、その条件、わしが認めよう」
国王は、俺の意見を受け入れてくれたようだ。
「国王様! よろしいのですか!」
隣にいた文官が、不満そうな顔をして声をあげた。
「じゃあ、タカシ。そなたを勇者と任命する。異論はないな」
「はい、承りました。では早速ですが、拒否権を行使します」
「なんじゃと?」
「先ほどの愚者ソエル討伐の件、拒否します」
メイデンに、非難の目を向けられた。
「勇者になれば、願いを叶えてくれるんですよね」
メイデンが俺を睨む。《まさか、仲間を売るんですか……見損ないましたよ!》とでも言いたげな目を俺に向けてくる。
「なんじゃ……言ってみろ」
「そうですね……願いは……」
──俺が勇者になることができ、なおかつ、ソエル討伐を避ける方法……それは──
「拒否権を頂きます」
「拒否権……じゃと!」
「願い……叶えてくれるのですよね国王」
「そうじゃが、それは……」
「俺は冒険者です。流れ者です。自由を求めて冒険者になりました。それが叶わないなら……この国にいる意味がありません。辺境の地で質素に暮らします」
「自由のために……拒否権が欲しいのじゃな」
「はい」
…………
俺と国王は沈黙した。しばらくして、国王が口を開く。
「面白い、勇者が拒否権か! 実に面白い!」
国王は、軽く拍手をしながら、喜んでいた。
「いいじゃろう、その条件、わしが認めよう」
国王は、俺の意見を受け入れてくれたようだ。
「国王様! よろしいのですか!」
隣にいた文官が、不満そうな顔をして声をあげた。
「じゃあ、タカシ。そなたを勇者と任命する。異論はないな」
「はい、承りました。では早速ですが、拒否権を行使します」
「なんじゃと?」
「先ほどの愚者ソエル討伐の件、拒否します」
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