【R18】人食い花に転生しました ~復讐~~その人を食べる日まで~

マイきぃ

文字の大きさ
17 / 63
人食い花に転生しました ~復讐~~その人を食べる日まで~

濃霧……盤上の戦闘 後編

しおりを挟む
 生成した村人『ボウガン部隊』の残りの3人は、長期戦の末、《魔法使い》に撃破されました。そして、TPは、残り1000ポイントしかありません。

 結局、『ボウガン部隊』の中で《魔法使い》にダメージを与えられたのは《おじいさん》だけでした。他の3人は、有効射程距離内でも、矢が当たりません……使い物になりません……。練度が足りなかったようです。

 私は、マップを見ながら《魔法使い》の500メートル以内に入らないように移動を続けます。無駄に【移動】でTPを消費してしまいました。

 対策を考えなければいけません…………そうです《勇者》を使えばいいのだと思います。ですけど……彼女の魔法で《勇者》が偽物とバレる可能性も否定できません。

 いったいどうすれば…………。

 私はマップを見て、作戦を考えながら待機していました。《魔法使い》がこちらに近付きそうになった場合には、《逆人魚》を索敵範囲500メートルぎりぎりの場所に配置して《魔法使い》を逆方向に誘導します。うまく射程外に逃げながら誘導すれば、《逆人魚》は消失せずに済み、TPを温存できます。

 索敵魔法を使ってくる間隔も大体わかりました。一度使うと、最低3分は索敵魔法を使わないようです。このことから、索敵魔法のクールタイムを3分と見ることにしました。

 この条件で考えられる作戦は、『《魔法使い》が索敵魔法を使った瞬間、索敵範囲外から【複製】した《勇者》を走らせ、次の索敵魔法を使う前に《魔法使い》の視界に入る』これが理想的だと、私は考えました。

 重要なのは、《勇者》の姿が《魔法使い》に認識されること。そうすれば……あとは抱きつくなりして《魔法使い》のMP回復ポーションを奪取し、罠にハメることができるわけです。

 ですが……実際にフルプレートの《勇者》を、この足場の悪い森で500メートルを3分で走らせるには、ちょっと無理があるような気がします。平地ならどうにかなりそうな気はしますが……微妙です。でも、ここはやってみるしかなさそうです……。

 私は《勇者》を【複製】しました。《魔法使い》の索敵範囲ギリギリに配置し、次の索敵魔法で走らせます。

 魔法が放たれました。《魔法使い》を中心に波紋が広がります。そして……波紋が消えました。

 私は、すぐに《勇者》を《魔法使い》に向かって走らせました。

《勇者》は一直線に《魔法使い》に向かって物凄い勢いで走ります。

 さすがは勇者です! 足場の悪い森をフルプレート装備で100メートル30秒を切りました。この分なら余裕です!

 ────と、思ったのですが、《勇者》は250メートル進むと動かなくなってしまいました。一体何が……!

 時間は過ぎていきます。250メートル地点で残り一分です……絶望的です。

 残る方法は……。

 一時撤退……これはうまくありません。逃げても索敵範囲につかまります。

 大声で呼ぶ……うまくいく可能性もありますが……警戒されていればやはり、索敵されて撃破される可能性も……。

 【複製】リストをあきらめる……これしかないでしょう……。普通に倒して食べてしまった方がいいかもしれません。

 そろそろ時間です……。

 …………。

 4分が経過……。

 …………。

 5分が経過……。

 おかしいです。《魔法使い》は索敵魔法を使ってきません。いったいどうしたのでしょう……。

 …………。

 ふと、私は周囲を見渡しました。霧が晴れています……。見通しが良くなっていました。

《魔法使い》は視界が確保できたので索敵魔法を使う必要がなくなった……と、そう考えてもいいのでしょうか……。

 ──安心はできません。私は即座に【収縮】を使い、《勇者》の所に行きました。

《シュカ》(HP4600/4600:TP583/2300)

《勇者》の所に着きました。勇者は、大きな木の根の段差に引っかかっていました。このマップでは段差が分かりづらいです……高さがわかる線みたいなものが欲しいところです。

 とにかく私は、引っかかっている《勇者》を救助して《魔法使い》の元へと連れて行きました。

 偶然を装って、近づかせます。

「アラン……いったいどこへ消えてしまったのよ…………」

「サ、サラか?」

《勇者》は《魔法使い》の前にヒョコっと現れます。

「アラン! 無事なの!」

「ああ。それより……肩、貸してもらえないか」

「どこか、怪我でもしているの? わかったわ。つかまりなさい」

《魔法使い》が《勇者》に肩を貸した瞬間、《勇者》は《魔法使い》の死角からMP回復ポーションの入った袋を奪取しました。作戦成功です!

「いったい、何があるの……この森……」

「ここには……罠があるんだ」

「ええ、あったわ。私もそれにやられるところだった。それより、何かいるのよ……この森」

「ああ……何かいる……すぐ近くに……」

「すぐ近く? あれ……ちょっとアラン……魔族の力が感じられない……何があったの?」

【ヒトバサミ】を《魔法使い》のすぐ後ろに配置しました。《勇者》は《魔法使い》を抱えて、そこにめがけて、倒れ込みます。

《シュカ》(HP4600/4600:TP483/2300)

「危ない、サラ!」

「キャッ! 何!」

「罠だ!」

【ヒトバサミ】を作動させました。《魔法使い》が挟み込まれます。

「クッ……あなた……本当にアランなの? 魔族の力がないのはどうして?」

「ああ……いいんだ、それはもう……。俺は《シュカ》様の配下になったんだ」

「《シュカ》様? 一体どういうことよ……私たちは、封印した邪神を仕留めるために、魔族の血まで飲んで強くなったはずよ……」

「いいんだよ……それより、君も《シュカ》様のお役に立てるんだよ。これほど素晴らしいことはないぜ」

「いったい何なのよ、《シュカ》様って!」

【毒の霧】【茨の篭】を使います。『ダイナミックコンボ』です。

「いやああああぁぁぁぁ!」

《魔法使い》は身動きが取れなくなり、毒と棘の攻撃を受けます。《魔法使い》の体力がどんどん低下します。

《『エルフ』魔法使い》(HP200/2580:MP1300/2580)

「【エクスチェンジ】!」

《魔法使い》が叫びました。HPが回復し、MPが減ります。予定通りです。

《『エルフ』魔法使い》(HP1200/2580:MP300/2580)

「トラップ破壊の詠唱をしないと……ポーションは……あれ……何で……何でないのよ……」

「サラ、これのことかい」

《勇者》はMP回復ポーションの入った袋を見せびらかします。

「返してよ! 私を……どうするつもり……こんな……」

《『エルフ』魔法使い》(HP100/2580:MP300/2580)

《魔法使い》は、何もできずにHPを失っていきました…………頃合いです。私は【収縮】を解除します。そして、《魔法使い》の目の前で獰猛な《人食い花》の姿を晒しました。

「なに……この……植物の……化け物は……」

 い・た・だ・き…………

「【ファイヤーサイクロン】!」

《『エルフ』魔法使い》(HP100/2580:MP0/2580)

 突然の出来事でした。《魔法使い》は最後の力を振り絞って攻撃してきました。

《シュカ》(HP2600/4600:TP2283/2300)

 炎の渦が、私の体を焼きます。かなりのダメージを受け、同時にTPは回復しました。

 本当に危なかったです。ですが、私の体は炎に弱いことがわかりました。収穫です。

 では、改めて…………。

「いやああああぁぁぁぁ!」

 い・た・だ・き・ま・す!

 ────パクッ。


《魔法使い》の『エルフ』……。人間よりおいしいとはいえません……《まずい健康食》以下です。ですが、魔族の味がソースのように絡みついて、旨味があります。まあ、あまり好んで食べれるものではないですね…………はやく人間が食べたいです……。


【エナジークリスタル数 x 77】
しおりを挟む
感想 42

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

処理中です...