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人食い花に転生しました ~復讐~~その人を食べる日まで~
シーフの女
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森は今日も静かです。静かすぎてお腹が空きます。
それにしても……勇者御一行が来てから、かなりの日数が経っています。ですが、人間が森に入ってくる気配はありません。いったいこれはどういうことなのでしょうか……。
私は、《魔法使い》の鍛錬をしながら、ぼんやりとマップを眺めていました。
マップを大きくしたり、小さくしたりして遊んでいたら右上のほうに、森の切れ目を見つけました。ちょうど(捕獲領域)ギリギリの場所です。そこだけ川があり、橋がかかっています。その先に家らしい建物がいつくかありました。これは…………。
────人間の住む家です────
なぜ気が付かなかったのでしょう! もっと早く気が付いていれば……。私の(捕獲領域)は、人間の居住区に達していたのですね……。
久しぶりに、ごちそうにありつける気がしてきました。
私は【収縮】を使用し、小さくなりました。そして、《魔法使い》が持っている袋に土を詰め、その中に私の体を入れました。
これで、PTを使用せずに移動することができます。何事も節約です。
今日は、《魔法使い》に袋を持たせて、北東の居住区の様子を見に行くことにしました。もし、食べられそうだったら食事してくるつもりです。
森を抜けると、森を囲むように川が流れていました。ちょうど目の前にアーチ状の橋がかかっています。川の向こう岸は整地されており、赤い屋根の家が沢山ならんでいました。あの家の中に、人間が沢山いるのですね……とても、ドキドキします。
橋を渡ります。すると、橋の向こう側にロープと立札がありました。橋の入り口を封鎖しています。
私は立札に近付き、書いてある文字を読んでみました。
”
町の皆様へ
森の中はビッグベアーが出て大変危険です
許可なく立ち入らないでください
冒険者ギルド ギルド統括責任者 アレス・シュタイン
”
ああ……そうでしたか! こんなものが建てられていたのですね……。人間が森へ入ってこない理由がわかりました。
私は、この不愉快な設置物を《魔法使い》の【ファイヤー】で焼却しました。設置物は塵と化しました。
これで少しは、人間が森に入ってくるようになるでしょう。
一つの問題が解決したところで、私たちは居住区へ進みました。
おそらく人間たちは、私たちを見ても『魔法使いが植物を持って歩いている』としか見えないはずです。【収縮】を解除しなければ、ばれる心配はありません。
町の中を見渡します。民家が立ち並んでいます。人間たちは、忙しそうに歩いています。もうすぐお昼でしょうか……女の人間たちが食べ物を抱えて走っていました。
昼間は、人が多くて食事が難しいですね……。どこか、人気のないところがあるといいのですが、まだそこまで(捕獲領域)が広がっていませんので、今回は様子見ということでいいでしょう。
そういえば、(捕獲領域)のラインの外に出ると、いったいどうなるのでしょうか……。私は、そのラインの側で、物思いにふけりました。
「あれ、サラ? サラじゃないの? どうしたのこんなところで……」
私たちに人間の女が話しかけてきました。背が高く、軽装で涼しそうな恰好をした黒髪のショートヘアーの女です。どうやら、この複製体の知り合いのようです。ごまかして、森にでも引きずり込んでみることにします。
「どちらさま……でしたっけ」
「ひどい! その冗談はマジでやめて! 私、怒るよ!」
とりあえず、私では話を合わせそうにないので、複製体にこの場をごまかすように指令をだしました。
「ごめんねケイト。冗談よ冗談。それより……」
「それよりサラ、前に私の家に遊びに来るっていってたわよね、私、お酒用意して待ってたんだから」
話の主導権を取られてしまいました。この人間、ムカつきます。
「あー、そうだったわね。私、その時用事ができちゃって……」
「埋め合わせはきちんとしてもらおうかしらーねっ【チョロス】!」
ケイトは、急に右手を前に出し、手を握りしめました。その瞬間、私の見る景色は一変しました。
周りをよく見ると《魔法使い》が私の正面にいます。そして……私は、ケイトという人間に本体の入った袋をにぎられていました。
「へっへーん。私が《シーフ》ってこと忘れたの? なーんてね。 返して欲しければ私の家にきなさい。酒用意してまってるからさ、たまには付き合いなよ」
「ダメ! それは…………」
そういうと、《シーフ》は私の本体を持ったまま、《魔法使い》から離れていきました。
こ、これは…………この人間、《シーフ》のスキルを使ったのですね……。
それはそうとして……私は……。
────(捕獲領域)の外に連れ去られてしまいました……。
それにしても……勇者御一行が来てから、かなりの日数が経っています。ですが、人間が森に入ってくる気配はありません。いったいこれはどういうことなのでしょうか……。
私は、《魔法使い》の鍛錬をしながら、ぼんやりとマップを眺めていました。
マップを大きくしたり、小さくしたりして遊んでいたら右上のほうに、森の切れ目を見つけました。ちょうど(捕獲領域)ギリギリの場所です。そこだけ川があり、橋がかかっています。その先に家らしい建物がいつくかありました。これは…………。
────人間の住む家です────
なぜ気が付かなかったのでしょう! もっと早く気が付いていれば……。私の(捕獲領域)は、人間の居住区に達していたのですね……。
久しぶりに、ごちそうにありつける気がしてきました。
私は【収縮】を使用し、小さくなりました。そして、《魔法使い》が持っている袋に土を詰め、その中に私の体を入れました。
これで、PTを使用せずに移動することができます。何事も節約です。
今日は、《魔法使い》に袋を持たせて、北東の居住区の様子を見に行くことにしました。もし、食べられそうだったら食事してくるつもりです。
森を抜けると、森を囲むように川が流れていました。ちょうど目の前にアーチ状の橋がかかっています。川の向こう岸は整地されており、赤い屋根の家が沢山ならんでいました。あの家の中に、人間が沢山いるのですね……とても、ドキドキします。
橋を渡ります。すると、橋の向こう側にロープと立札がありました。橋の入り口を封鎖しています。
私は立札に近付き、書いてある文字を読んでみました。
”
町の皆様へ
森の中はビッグベアーが出て大変危険です
許可なく立ち入らないでください
冒険者ギルド ギルド統括責任者 アレス・シュタイン
”
ああ……そうでしたか! こんなものが建てられていたのですね……。人間が森へ入ってこない理由がわかりました。
私は、この不愉快な設置物を《魔法使い》の【ファイヤー】で焼却しました。設置物は塵と化しました。
これで少しは、人間が森に入ってくるようになるでしょう。
一つの問題が解決したところで、私たちは居住区へ進みました。
おそらく人間たちは、私たちを見ても『魔法使いが植物を持って歩いている』としか見えないはずです。【収縮】を解除しなければ、ばれる心配はありません。
町の中を見渡します。民家が立ち並んでいます。人間たちは、忙しそうに歩いています。もうすぐお昼でしょうか……女の人間たちが食べ物を抱えて走っていました。
昼間は、人が多くて食事が難しいですね……。どこか、人気のないところがあるといいのですが、まだそこまで(捕獲領域)が広がっていませんので、今回は様子見ということでいいでしょう。
そういえば、(捕獲領域)のラインの外に出ると、いったいどうなるのでしょうか……。私は、そのラインの側で、物思いにふけりました。
「あれ、サラ? サラじゃないの? どうしたのこんなところで……」
私たちに人間の女が話しかけてきました。背が高く、軽装で涼しそうな恰好をした黒髪のショートヘアーの女です。どうやら、この複製体の知り合いのようです。ごまかして、森にでも引きずり込んでみることにします。
「どちらさま……でしたっけ」
「ひどい! その冗談はマジでやめて! 私、怒るよ!」
とりあえず、私では話を合わせそうにないので、複製体にこの場をごまかすように指令をだしました。
「ごめんねケイト。冗談よ冗談。それより……」
「それよりサラ、前に私の家に遊びに来るっていってたわよね、私、お酒用意して待ってたんだから」
話の主導権を取られてしまいました。この人間、ムカつきます。
「あー、そうだったわね。私、その時用事ができちゃって……」
「埋め合わせはきちんとしてもらおうかしらーねっ【チョロス】!」
ケイトは、急に右手を前に出し、手を握りしめました。その瞬間、私の見る景色は一変しました。
周りをよく見ると《魔法使い》が私の正面にいます。そして……私は、ケイトという人間に本体の入った袋をにぎられていました。
「へっへーん。私が《シーフ》ってこと忘れたの? なーんてね。 返して欲しければ私の家にきなさい。酒用意してまってるからさ、たまには付き合いなよ」
「ダメ! それは…………」
そういうと、《シーフ》は私の本体を持ったまま、《魔法使い》から離れていきました。
こ、これは…………この人間、《シーフ》のスキルを使ったのですね……。
それはそうとして……私は……。
────(捕獲領域)の外に連れ去られてしまいました……。
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