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人食い花に転生しました ~復讐~~その人を食べる日まで~
森のお客様
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今日の森は、静かにざわめき、少し殺気立っています。
《逆人魚》は、せっせと走り回り、地面を這う《ウナギ猫》を食べようとする《羽ウサギ》を追い立てます。
追い立てられ、高く飛び過ぎた《羽ウサギ》は、《借金鳥》に突かれて地面に落ちます。
すると、《逆人魚》は《借金鳥》に光り物を渡します。そして、《羽ウサギ》をくわえてスキップしながらどこかへ行ってしまいました。
いつもと同じ日常です。
その時私は、《勇者》を【複製】して、たかってくる虫を、駆除していました。《勇者》は、おいしそうに虫を食べています。
「ひゅ、ひゅかひゃま……ふじょおあいあひあ」
全部食べてから話して欲しいのですが……せっかちな複製体です。
今思えば、《勇者》はあまり捕獲向きではないような気がしました。たしかに強いのですが……使う武器が斧なだけに、あまり切り刻んでしまうと、汁が飛び出て傷んでしまうという欠点があります。使い道は、やはり虫の駆除しかないようです。
遠くからパタパタと、何かが飛んでくる気配がありました。《フィオレ》です。
「しゅ~か~。お~は~よ~お~」
様子が変です。しかも、体の大きさが50センチから30センチぐらいに小さくなっています。
私は、《マリー》を【複製】して、話しかけます。
「元気がありませんね。それに、体も縮んでます。いったい何があったのですか?」
「北の森の花がね~、全滅しちゃってたの~。それより~、蜜ちょうだい、蜜~」
《フィオレ》は、いきなり私の口の中へと飛び込みます。そして、蜜をガブ飲みして、腹のところから出てきました。
「ん~! 生き返った~! 《シュカ》! ありがとう!」
体の大きさは40センチほどに回復したようです。そういえば、先程、少し気になることを言っていたので、聞いてみました。
「それで、北の森がどうしたのですか」
「そうそう、花が全滅……っていうか、全部焼かれてたの。私って、花の力で存在しているから、花がなくなると力の供給が断たれて小さくなっちゃうの。でも、死んだりしないから安心してね。花がいっぱいあるところならすぐに復活するから」
「原因はわかったのですか?」
「多分……人間。そのうちこっちにも来るかも」
「そうですか……わかりました。気をつけておきましょう」
────花を……。
まさか、狙いは……私?
私の存在がバレている!?
まさか……そんなことはないはず……可能性があるとすればアズールでしょうか……わざと私の正体を伝えて人間を集めている……。
ですが、今それを考えても仕方ありません。まだ、こちらで確認したわけではないのですから。
「じゃあねー。蜜ありがとー! 詳しいことがわかったらまたくるねー」
《フィオレ》は元気を取り戻して、パタパタと飛んで行きました。
小さくなったり、大きくなったり──まあ、私も体の大きさを変えられますが──妖精とは本当に不思議な生き物です。
時間はゆっくりと経過していきます。《借金鳥》の集団が森の上空を通過します。また、借金の回収でしょうか……とても忙しそうです。
突然、森のざわめきが収まりました。風がやみ、ピリピリとした緊張した空気が漂います。
『エマージェンシー! エネミーインサイト!』
声と共に、視界にマップが広がりました。北東の橋の付近から赤い点の集合体が森へ入ってきます。これはまさか……。
動物たちの点は、橋から遠ざかっていきます。そして、赤い点の集合体は、森の入り口で大きくなっていきます。
この点の集合体は──すでに、こちらに来ていましたか──人間の集団でした。まさか、私を狩るためにこれだけの人数を集めたのでしょうか……それだけ私は過大評価されている……これは少し、まずい状況です。
私は、【収縮】で植木鉢に入り、《魔法使い》を【複製】して魔法の【キエール】を使用します。そして、《魔法使い》に植木鉢を持たせ、様子を見に行きます。
森の入り口付近は、剣を装備した兵で埋め尽くされていました。兵たちは、たいまつのようなものを持ち、火種を移していました。
立派なフルプレートを装備した指揮官らしき男が、声を上げます。
「新兵諸君! 君たちに与えられた任務は、前回と同じ、《人食い花》の捕獲作戦だ! 必ず各小隊ごとにまとまって行動せよ!」
「「「はい!」」」
「《人食い花》を発見した小隊は、必ず『発光玉』で援軍を招集せよ。決して手柄を独り占めしようと思うな。それと、《人食い花》を見つけるまでは、花という花は全て焼き尽くせとの命令だ。一輪も残すな!」
「「「はい!」」」
「もし、焼き残しがあれば、その小隊は新兵訓練所送りだ! もう一度、地獄の特訓をしてもらうことになる! 以上だ!」
「「「はい!」」」
これが、《フィオレ》の言っていた北の森の事件の正体なのでしょうか……。
《逆人魚》は、せっせと走り回り、地面を這う《ウナギ猫》を食べようとする《羽ウサギ》を追い立てます。
追い立てられ、高く飛び過ぎた《羽ウサギ》は、《借金鳥》に突かれて地面に落ちます。
すると、《逆人魚》は《借金鳥》に光り物を渡します。そして、《羽ウサギ》をくわえてスキップしながらどこかへ行ってしまいました。
いつもと同じ日常です。
その時私は、《勇者》を【複製】して、たかってくる虫を、駆除していました。《勇者》は、おいしそうに虫を食べています。
「ひゅ、ひゅかひゃま……ふじょおあいあひあ」
全部食べてから話して欲しいのですが……せっかちな複製体です。
今思えば、《勇者》はあまり捕獲向きではないような気がしました。たしかに強いのですが……使う武器が斧なだけに、あまり切り刻んでしまうと、汁が飛び出て傷んでしまうという欠点があります。使い道は、やはり虫の駆除しかないようです。
遠くからパタパタと、何かが飛んでくる気配がありました。《フィオレ》です。
「しゅ~か~。お~は~よ~お~」
様子が変です。しかも、体の大きさが50センチから30センチぐらいに小さくなっています。
私は、《マリー》を【複製】して、話しかけます。
「元気がありませんね。それに、体も縮んでます。いったい何があったのですか?」
「北の森の花がね~、全滅しちゃってたの~。それより~、蜜ちょうだい、蜜~」
《フィオレ》は、いきなり私の口の中へと飛び込みます。そして、蜜をガブ飲みして、腹のところから出てきました。
「ん~! 生き返った~! 《シュカ》! ありがとう!」
体の大きさは40センチほどに回復したようです。そういえば、先程、少し気になることを言っていたので、聞いてみました。
「それで、北の森がどうしたのですか」
「そうそう、花が全滅……っていうか、全部焼かれてたの。私って、花の力で存在しているから、花がなくなると力の供給が断たれて小さくなっちゃうの。でも、死んだりしないから安心してね。花がいっぱいあるところならすぐに復活するから」
「原因はわかったのですか?」
「多分……人間。そのうちこっちにも来るかも」
「そうですか……わかりました。気をつけておきましょう」
────花を……。
まさか、狙いは……私?
私の存在がバレている!?
まさか……そんなことはないはず……可能性があるとすればアズールでしょうか……わざと私の正体を伝えて人間を集めている……。
ですが、今それを考えても仕方ありません。まだ、こちらで確認したわけではないのですから。
「じゃあねー。蜜ありがとー! 詳しいことがわかったらまたくるねー」
《フィオレ》は元気を取り戻して、パタパタと飛んで行きました。
小さくなったり、大きくなったり──まあ、私も体の大きさを変えられますが──妖精とは本当に不思議な生き物です。
時間はゆっくりと経過していきます。《借金鳥》の集団が森の上空を通過します。また、借金の回収でしょうか……とても忙しそうです。
突然、森のざわめきが収まりました。風がやみ、ピリピリとした緊張した空気が漂います。
『エマージェンシー! エネミーインサイト!』
声と共に、視界にマップが広がりました。北東の橋の付近から赤い点の集合体が森へ入ってきます。これはまさか……。
動物たちの点は、橋から遠ざかっていきます。そして、赤い点の集合体は、森の入り口で大きくなっていきます。
この点の集合体は──すでに、こちらに来ていましたか──人間の集団でした。まさか、私を狩るためにこれだけの人数を集めたのでしょうか……それだけ私は過大評価されている……これは少し、まずい状況です。
私は、【収縮】で植木鉢に入り、《魔法使い》を【複製】して魔法の【キエール】を使用します。そして、《魔法使い》に植木鉢を持たせ、様子を見に行きます。
森の入り口付近は、剣を装備した兵で埋め尽くされていました。兵たちは、たいまつのようなものを持ち、火種を移していました。
立派なフルプレートを装備した指揮官らしき男が、声を上げます。
「新兵諸君! 君たちに与えられた任務は、前回と同じ、《人食い花》の捕獲作戦だ! 必ず各小隊ごとにまとまって行動せよ!」
「「「はい!」」」
「《人食い花》を発見した小隊は、必ず『発光玉』で援軍を招集せよ。決して手柄を独り占めしようと思うな。それと、《人食い花》を見つけるまでは、花という花は全て焼き尽くせとの命令だ。一輪も残すな!」
「「「はい!」」」
「もし、焼き残しがあれば、その小隊は新兵訓練所送りだ! もう一度、地獄の特訓をしてもらうことになる! 以上だ!」
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これが、《フィオレ》の言っていた北の森の事件の正体なのでしょうか……。
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