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人食い花に転生しました ~復讐~~その人を食べる日まで~
神木
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目の前の視界は、粉々に砕け散り、私は闇に飲まれました。
…………。
…………静かです。暗闇の中に、ただ、私の意識がある。不思議な感覚です。まるで、目を閉じて考えるだけの生き物になった感じです。
…………。
──「《シュカ》……あなたは、人間ですか?」
声が聞こえてきました。
…………。
──「もう一度、問います。あなたは人間ですか?」
…………。
私は、その問いに答えました。
「人食い花です」
…………。
──「本当にそうでしょうか、あなたの思考と感情は人間そのものです」
私は、問い返しました。
「あなたは、何者ですか?」
──「私は、この地を収める神木《ドリアーダ》です」
「神木?」
──「あなたは人間の身でありながら、植物に身を宿し、世界樹への接続を試みようとした。そうですね」
「私は確かに植物に身を宿した人間です。ですが、今は人を食べる植物です……それに世界樹へは接続を試みたわけではありません……」
──「言い訳ですか……。私はあなたのことを完全に信用しているわけではないのです。なので、世界樹への接続を私が阻害しました。今あなたがつながっているのは私です」
「世界樹……ではないのですか?」
──「あなたのようなものに世界樹へと接続する資格はありません。ですが……もし、私の言う通りに動いてくれるのなら、復活と、世界樹へと接続の許可を与えましょう。もちろん、私を通してですが……」
まさか、私を復活と世界樹の接続をエサに手玉に取ろうというのでしょうか……。
…………。
「目的は……なんですか」
──「この地の浄化です。この地を荒らす者たちへの鉄槌です。こうして森に立ち入り、森を汚す人間を浄化するのです」
「浄化……つまり……消す、ということですか」
──「そうです。ただし、あなたは記憶と感情に呪いがかけられています。世界樹の力を浴びれば、その呪いは浄化され、元の人間にもどることでしょう。もしそうなったときに、同族に対して裁きを実行できるのでしょうか?」
「私の記憶と感情……? 世界樹の力による呪いの浄化?」
──「つまり、心を縛る呪いです」
…………。
《ドリアーダ》の言っている意味はわかりました。私を試しているようです。
「私は、人間に恨みがあります。だから、人間を食べています。おそらく、心が戻ったとしても、私は人間を恨み続けます。それに、もう同族などではありません」
──「そうですか……その心構え、見定めさせていただきます。覚悟はいいですか」
呪い……はたして、そんなものが私にかけられているのでしょうか……ですが、たとえそのようなものがあったとしても私の目的は変わりません。
私の答えは一つです。
…………「はい」
私は、ゆっくりと返事をしました。これで、復活できるのでしょうか…………。
──「いいでしょう! 世界樹の力、あなたに託します!」
闇のなかに、ぼんやりとした青色の光が現れました。何か力のようなものを感じます。それを感じた瞬間、思考の波が押し寄せてきました。
「なぜ人間を食べた!」「この人殺し!」「私はもう人間じゃない」「人間じゃなければ食べていいのか」「私は人間は嫌いだ」「何の罪もない人間を食べやがって」「私は、何の罪もないのに人間に殺された」「エルフも食べただろ!」「亜人も食べた!」「植物なら何をしてもいいのか!」「私は人食い花だ。人食い花が人間を食べて何が悪い!」「お腹がすいたら人間でも生き物を殺して食べるだろう!」「人間と動物は違う!」「命は平等だ!」「ただの殺人鬼だ!」「鬼……ですか……」「罪を償え!」「一生苦しめ!」「罰をお与えください」「鬼……」「人類の敵」「敵……」「私は…………」……………………。
人間の心は、正当化しているだけだと私に向かってつぶやきます。たしかに、私の心は人間です。ですが、私はもう、人間ではありません。そして、私は人間の敵です。
人食い花の《シュカ》です。
人間はただの食べ物です。
そこに、善悪はありません。ただ、狩るのみです……。
私の中に駆け巡った思考は、私の心を引き裂こうとしました。ですが、人間への敵対心のほうが勝ったようです。もう、私は人間であることを捨てています。
目の前に光が差し込んできました。炎上する森の光景が私の目に移りました。
────復活です。
…………。
…………静かです。暗闇の中に、ただ、私の意識がある。不思議な感覚です。まるで、目を閉じて考えるだけの生き物になった感じです。
…………。
──「《シュカ》……あなたは、人間ですか?」
声が聞こえてきました。
…………。
──「もう一度、問います。あなたは人間ですか?」
…………。
私は、その問いに答えました。
「人食い花です」
…………。
──「本当にそうでしょうか、あなたの思考と感情は人間そのものです」
私は、問い返しました。
「あなたは、何者ですか?」
──「私は、この地を収める神木《ドリアーダ》です」
「神木?」
──「あなたは人間の身でありながら、植物に身を宿し、世界樹への接続を試みようとした。そうですね」
「私は確かに植物に身を宿した人間です。ですが、今は人を食べる植物です……それに世界樹へは接続を試みたわけではありません……」
──「言い訳ですか……。私はあなたのことを完全に信用しているわけではないのです。なので、世界樹への接続を私が阻害しました。今あなたがつながっているのは私です」
「世界樹……ではないのですか?」
──「あなたのようなものに世界樹へと接続する資格はありません。ですが……もし、私の言う通りに動いてくれるのなら、復活と、世界樹へと接続の許可を与えましょう。もちろん、私を通してですが……」
まさか、私を復活と世界樹の接続をエサに手玉に取ろうというのでしょうか……。
…………。
「目的は……なんですか」
──「この地の浄化です。この地を荒らす者たちへの鉄槌です。こうして森に立ち入り、森を汚す人間を浄化するのです」
「浄化……つまり……消す、ということですか」
──「そうです。ただし、あなたは記憶と感情に呪いがかけられています。世界樹の力を浴びれば、その呪いは浄化され、元の人間にもどることでしょう。もしそうなったときに、同族に対して裁きを実行できるのでしょうか?」
「私の記憶と感情……? 世界樹の力による呪いの浄化?」
──「つまり、心を縛る呪いです」
…………。
《ドリアーダ》の言っている意味はわかりました。私を試しているようです。
「私は、人間に恨みがあります。だから、人間を食べています。おそらく、心が戻ったとしても、私は人間を恨み続けます。それに、もう同族などではありません」
──「そうですか……その心構え、見定めさせていただきます。覚悟はいいですか」
呪い……はたして、そんなものが私にかけられているのでしょうか……ですが、たとえそのようなものがあったとしても私の目的は変わりません。
私の答えは一つです。
…………「はい」
私は、ゆっくりと返事をしました。これで、復活できるのでしょうか…………。
──「いいでしょう! 世界樹の力、あなたに託します!」
闇のなかに、ぼんやりとした青色の光が現れました。何か力のようなものを感じます。それを感じた瞬間、思考の波が押し寄せてきました。
「なぜ人間を食べた!」「この人殺し!」「私はもう人間じゃない」「人間じゃなければ食べていいのか」「私は人間は嫌いだ」「何の罪もない人間を食べやがって」「私は、何の罪もないのに人間に殺された」「エルフも食べただろ!」「亜人も食べた!」「植物なら何をしてもいいのか!」「私は人食い花だ。人食い花が人間を食べて何が悪い!」「お腹がすいたら人間でも生き物を殺して食べるだろう!」「人間と動物は違う!」「命は平等だ!」「ただの殺人鬼だ!」「鬼……ですか……」「罪を償え!」「一生苦しめ!」「罰をお与えください」「鬼……」「人類の敵」「敵……」「私は…………」……………………。
人間の心は、正当化しているだけだと私に向かってつぶやきます。たしかに、私の心は人間です。ですが、私はもう、人間ではありません。そして、私は人間の敵です。
人食い花の《シュカ》です。
人間はただの食べ物です。
そこに、善悪はありません。ただ、狩るのみです……。
私の中に駆け巡った思考は、私の心を引き裂こうとしました。ですが、人間への敵対心のほうが勝ったようです。もう、私は人間であることを捨てています。
目の前に光が差し込んできました。炎上する森の光景が私の目に移りました。
────復活です。
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