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3章 ウェイシア王国に来ました
1話 ダンジョンの街
しおりを挟む10時過ぎにイチニを出発したがお昼には国境についてしまった。グリフォン連れは目立つのでレイディには飛んでってもらうことにした。
よく考えたら追っ手が来るかもしれなかったのでイチニの冒険者ギルドで行き先を告げたのは不味かったかも知れない。
父が連れ戻しに来てどこかのヒヒジジイの後妻とかに…よくあるネタだよね。うん、逃げよう。そうだ、髪色替えとこう、奇抜路線はやめて明るめの栗色、瞳はグレーで地味目配色、こんなところか。腰にブロードソードと後ろにグルカナイフ、荷物はマジックバックに背負い袋で歩いて来ました感を出す。
国境の検問は冒険者ギルドカードで入国税免除、あとウェイシア王国は領ごとの入領税はない。入領税は民を安易に移動させない為のものでオルフェリアに比べ各々の領土が広すぎてウェイシアは移動が困難。それと国中に多くのダンジョンを有する為ダンジョン関係の税収が国を潤しているので農民一人当たりの税が安く暮らしやすいのだろう。オルフェリアが暮らしにくいというわけではない。魔獣、魔物から民を守る為領兵やお抱え騎士達は日夜頑張っているのだ。ウェイシア王国はその辺りは冒険者に依頼する。だからかどうかは知らないが冒険者ギルド本部はウェイシア王都にある。
ウェイシア王国はダンジョンが関係するのか解らないが魔物の生息する地域が少ない。たまにスタンピード起こしてダンジョンから溢れでることもあるがそこは冒険者の出番、兵は対魔物より対帝国配備なのだ。ウェイシアの北にあるガガート帝国、ここは常に領地拡大を狙い周辺国とイザコザを起こしている。帝国の西の国々は帝国に対抗する為連合国家になったほどだ。ウェイシア王国とオルフェリア、南のリュミエール神皇国は三国同盟を結び帝国に対抗している。
世界情勢知識もバッチリだね。さてそろそろレイディ呼びますか。街道から脇の森に入る、街道が見えなくなったあたりで《サモン》発動。
魔方陣が光った。
『御主人~お待たせなのヨ』
なぜか角兎を咥えて現れたレイディ、ちょうどいいからお昼にしよう。咥えていた獲物を解体してからレイディに返す、追加で角猪肉もたしておく。最近ずっと一緒のせいか、解体後のほうが美味しいことに気付いたレイディ。おとなしく待っている。そりゃ骨や毛皮のない身だけのほうが絶対食べやすいし、肉の味もダイレクト。だがたまには内臓や骨も食べさせないと食の偏りは不健康ですからね。
ゆっくり狩をしつつ街道沿いを行く。夕方にはにはダンジョンの街エオカに着くかな。クロード辺境伯爵領には4っつのダンジョンがありその中央に位置する街がエオカで交易の街、冒険者の街でもある。エオカからそれぞれのダンジョン【四季】【迷宮】【魔窟】【試練】へ辻馬車も出ている。
【四季】のダンジョンは春夏秋冬の階層があり季節の素材が取れる。特に最初の春階層はダンジョンの中でも低レベルでまずはここからが基本。
【迷宮】のダンジョンは文字どおり中は迷路のようになっている。ここはトラップが多いが宝箱があるので掘り出し物狙いの冒険者が多い。
【魔窟】のダンジョンは魔物が多い。魔石やドロップ品目当ての冒険者が潜るようだ。
【試練】のダンジョンは階層を進む毎に魔物が強くなる。腕試しというか『試練の何回層までクリアした』と冒険者の力量の証明になっている。
城壁に囲まれた街エオカが見えてきた。なんとか日暮れ前に着いてよかったけど門の前は結構な行列だな。かなり手前で着地してレイディを歩かせる。さすがダンジョンの街、冒険者が多く、従魔を連れている人が他にもいるので、驚かれはしてもイチニのようにビビる人は少ない。
『御主人、あれ食べていいなのヨ?』
冒険者が連れているシルバーウルフを見てレイディが言う、あ、ビクンと震えたシルバーウルフの毛が立った。
『ダメ、人といる魔獣は従魔なの、手出したらお仕置きして帰らせるからね』
周りに聞こえないよう念話で会話。レイディは振り向いてイヤイヤをする。
『食べない、あたち食べないなのヨ』
ヨシヨシ、イイコイイコしておく、レイディはスリスリしたそうだが背後に乗っているので位置的に無理だからこっちから抱きついてスリスリしておく、ん?何か視線が、まあいっか。
そろそろ門が近いのでレイディから降りて手綱をひく。手綱と言っても首元のハーネスに着いてて轡も馬銜もないんだけどな。
「冒険者か、カードを提示願おう。そのグリフォンは従魔か、なら五万メルが必要だ。従魔の説明はいるか?必要なければ奥の奴に金を渡して従魔の首輪を受け取ってくれ」
門兵も多少仰け反ったが慣れた対応だったのでサクッと進む。従魔の首輪を受け渡して来た兵士に厩舎のある宿でオススメはないかたずねると、従魔専用に預かってくれる厩舎があると、冒険者ギルドの経営でギルドハウスに隣接しているそうだ。さすが冒険者の街、そこへ行こう。
「グ、グリフォンですか、1日2回の餌込みで1000メル、餌なしで500メルですっ」
おお、ちゃんと大型従魔の料金表もあった。じゃあ餌なしで契約する。宿はギルド経営の冒険者専用の宿があるらしいのでそこに行く。ギルドハウスの裏手、いわゆるアパートな感じ。
1階に酒場件食堂と銭湯のような風呂、共同トイレ。2階から5階までが部屋。2階はベッド等の家具付き個室で1日1000メル、3階は小さな家具なし個室で1日500メル、4階は家具なし大部屋800メル、5階は家具なし広め大部屋で1日1000メル。4、5階はチームでシェアするようだ。4階で三、四人、5階で五、六人で分けるとかなり安くなる。大部屋は厩舎より安い計算になる。
まあ冒険者なんて夜寝に来るくらいだし食事と風呂は別料金だしね。ここでいいか、2階の家具付き個室にしよう。魔道オーブンのせいで持ち金かなり減ったがこれくらいは大丈夫。
結構広いかな、八畳くらいのへ部屋にベッド、壁には作り付けのクローゼット。窓側の壁には作り付けのカウンターテーブル。かなり広いから魔道オーブンとコンロ置いて料理もできる。洗面スペースもあって排水可能だ。水は無いから裏の井戸で汲んでくるみたいだけど魔法があるからオッケーだ。
夕食作ってもいいけど邪魔くさいから下で食べよう。レイディにも角猪肉もってってあげるか。
ギルドの食堂は味より量!って感じ。定食は一食200から500メルでお安い。2、300メルの定食がよく出るようだ。うん、もう来ないな私。今ひとつお口にあいませんでした。
さて、明日は情報収集兼ねて街をぶらつくので今日はお風呂に入って寝ることにしよう。銭湯?
行きませんよ、お部屋で昨日買った桶風呂に入ります。
なんちゃってマップ其の2【大陸地図】
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