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6章 女神祭に行こう

2話 ご無沙汰しています

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 2017.03.14修正!
エオカはクロード辺境伯領都ではありませんでした。書き直してます。
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   やってきました、高級住宅街。エオカの西エリアは貴族やお金持ちの住む高級住宅街なので今迄来たことは無かった。
   ここエオカはクロード辺境伯の依子であるカーチス子爵家が治めている。
 特にカーチス子爵邸は外壁から続く高い城壁に囲まれたお城の様だ。有事の際は砦と言うか逃げ込む様になっているとか。

   で、今私達が立っているのは子爵邸ではなく、西通りにある高級宿屋の前です。ここに呼び出されまして、きちっとした服装の受付に名前を告げると2階の部屋に案内された。

   呼びかけに応えドアを開けたのはウィリアムさん、私を見て一瞬目を見開くも直ぐにドアを開けて招き入れた。

「あ、えーっとエルさん。どうぞおかけください」

「お久しぶりです、ウィリアムさん、こちらがチーム『金色の翼』のメンバーです」

「アレクス、剣士です」
「ウリュ、魔法弓ち、でちゅ」

   右手をお腹の前に添え、左手を横に、右足を少し引いたお辞儀、綺麗にできました。2人ににっこり笑顔をむける。
   ママンの『世間を学べ』というののアドバイスから、礼儀作法もちょっとお勉強に入れてみました。これからいろんな所へ行っていろんな人に会うのだから、最低限の礼儀作法作法は必要でしょう。

「ウィリアム=カーチスと言います。よろしく。」

   ウィリアムさんも礼を返す。そしてソファに座ると話し始める。

「すみません、髪の色が変わっておられたので。ギルドからは桃色髪の女性とうかがってましたし」

   あ、それはママンとごっちゃにしたのかも。前にウィリアムさん達と会った時はママンの髪色真似てピンクにしてたし。


「チームを組んでいるとギルドマスターからお聴きしましたが、失礼ですがこの様な少年とは思いませんでした」

   少年、そっちか。獣人、とは言わなかったのでひとまずクリアーだ。もしウィリアムさんが獣人を忌避するならこの話は無し、のつもりでした。年齢は事実だからね、これは仕方ない。

「2人ともDランク冒険者ですし、四季ダンジョン春階層程度なら2人で余裕でいける実力はありますよ。キラーグリズリーも倒したし」

   驚くウィリアムさんににっこり営業スマイルで返す。

「では、今回の護衛依頼についてですが、リュミエール神皇国の大地母神神殿往復になります」

「お嬢様が女神祭に行きたいと?」

「はは、お見通しですか、そうです。でどうしても騎獣でと、言われまして…」

   ウィリアムさんは非常に面目なさげに頭を掻く。

「神殿行きに回せる騎獣はあまりなく、私ともう1人の騎士の二頭のバイコーンで、しかもお嬢様とメイドを1人連れ二人乗りで移動します。これではいざという時の護衛が不足します、そこでエルさんのことを思い出しまして」

   グリフォンなら余裕でついていける、というかグリフォンの方が速いけど。

「冒険者に依頼を出すにも知人の方が良いと思った次第です、しかしチームですか」

「レイディなら3人乗せても余裕で飛行できますから、二人乗りのバイコーンより速いと思いますよ、上空からの護衛なら余裕です」

「そうですか、宿泊、食事代は此方持ちで、報酬は1日1万メルと言う条件でこの依頼受けていただけますか」

   食い扶持が増えた分はいいんだね。

「あと、向こうで自由時間もらえますか、私達も祭りを見てみたいので」

「それは大丈夫です、自由な日を作りましょう。旅程は片道7から10日をみています。向こうで3日の宿泊、行きの日数が短ければ宿泊日を延ばすことになります。合計20日間の行程ですね」

   私はウリュ君とアレクス君を見ると2人は揃って頷いた。

「ではその依頼、お受けします」

   ウィリアムさんはホッとした顔をした。

「ありがとうございます、お嬢様の我儘にお付き合いいただくことになりますが」

   ウィリアムさんはちらりと二人を見ると、苦笑する。

「多少無遠慮なところがありますから、お二人には歳も近い分遠慮がないかもしれません」

   あのお嬢様のことだ。色々想像がつく。うん、アレクス君達は極力近付けない方向でいきましょう。

「では細かいところを詰めましょう」

   ウィリアムさんはクロード辺境伯領の大まかな地図を出す。

「ここからはリーダーの仕事だし、顔合わせは済んだから2人は帰っていいよ。なんなら東の森に狩に行ってもいいし、行くならレイディ連れてったげてね」

「うん、わかった」
「僕たち、これでちつれいちまちゅ」

   2人は頭を下げて部屋を出て行った。見送りながら

「ウリュ君、ですか、なんだか彼の方が年高く感じますね」

   う、アレクス君の方が精神的に幼く感じると言うよりウリュ君の方が実年齢よりしっかりしてるんですよ。さしすせその所為でそうはとられないことが多いですが。

「どちらも年齢に見合わない場を潜ってきてますから」

   この世界、16歳で成人と見なされ、飲酒や結婚なども可能だが、実質独り立ちの年齢は18歳、高位貴族などは20歳超えてようやくと言う感じだ。

   貴族なら10歳や14歳は親の脛を齧っていても普通なのだが、平民などはそう言う訳にいかないから大人になるのは貴族の方が遅い。そう言う私も親の脛齧り年齢脱してません。ママンの手のひらで転がされてる感満載です。

  
   では旅程の詳細詰めましょうね。



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