乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

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6章 女神祭に行こう

5話 まだ2日目ですがヘタリました

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   トーナさんは男爵令嬢だけあってもともと乗馬は出来たので、昨日1日でレスさんからバイコーンの扱い(と言ってもほぼレスさんが念話で指示している)のでツァイトとドルトに荷物を分けてそれぞれ乗った。3頭の中で一番体格のいいアルトにロッテ嬢とウィルさんが乗っている。

   スタートこそゆっくりだったがトーナさんに問題がないとわかりスピードをあげたのだが…

「お尻が痛いです。
   脚がガクガクします。
   舌噛んじゃいました。
   手に力が入らなくて掴まれない。
   気分が悪いの、酔ったのかしら。
   疲れたの、休憩してちょうだい」

   それだけ喋れれば十分だと思うんですがね。

   もともとお昼は寄れる村もないので昨日泊まった宿でお弁当を用意してもらっていたのだが、予定地より随分手前で昼休憩となった。
   ただロッテ嬢は食欲がなく、今もシート代わりの毛皮を木陰に敷き休んでいる。今日は速度をあげるつもりだったのでドレスではなくズボン姿、いいとこのお坊ちゃんスタイルである。

「困りましたねえ」

   言葉ほどに困った様子のないウィルさん。こうなる事は分かっていたのだが、思ったより早かった。

「ヒールポーション飲んでみます?多少はマシになると思いますよ」

「ヒールポーションですか?、しかしここで使ってしまっていざという時に無くなっては困りますし」

   トーナさんがウリュ君が差し出した桶の水で布を絞りロッテ嬢の額に載せながら悩ましげに言う。
   そんなトーナさんににっこり商人スマイル。

「私達、商会として商人ギルドに登録してる商人でもあるんです。ちょっと使用期限の短いヒールポーションがあるので1本300メルでいかがです?」

   商業ギルドカードをトーナさんに見せる。同じようにウリュ君がウィルさんに、アレクス君がレスさんに商業ギルドカードを見せる。

「『エルドール商会・会頭』ですか?」

   ウィルさんが商会名をみて何か思い出したようだ。

「最近商業ギルドから上がって来た報告書に、ダンジョントレントやゴーレムの素材を大量に卸した商会が確か『エルドール商会』だった…」

   あれ、ウィルさんって領地運営にも携わっているのかな。

「ご存知でしたか?エドワードギルドマスターに頼まれて多めに卸しましたから」

「エドワードって?」
「エド爺って呼んでくれって言ってたマちゅターでちゅよ、アレクちゅ」
「ああ、商業ギルドの爺ちゃんか」

   2人の会話にレスさんが苦笑してる。

「にしても、随分安いわ、普通街で購入すると倍の600はするのに」

   にっこり微笑みながら今度は冒険者ギルドカードの裏をトーナさんに見せる。

「そこは先ほども言いましたが、使用期限が短い為です。それにエルドール商会は薬草採取などの材料集めから調合迄全て自分達でやれますので薬師ギルドより元手がかかってません」

   冒険者ギルドカードの裏のジョブは

   剣士・槍士・狩人・獣使い・召喚師・魔術師・薬師・魔法薬師・釣り師・料理人・行商人

   薬師、魔法薬師を入れててよかった。

   ちなみにウリュ君の表示が

   弓士・棒術士・狩人・魔術師・薬師・行商人

   アレクス君はシルバーカードになった時再チェックを受けてないので裏のジョブ変更してないから薬師は載せてない。まあまだ星1個だろうと思う。

「なんかエル姉、商売するときの笑顔って怪しくないか?」
「オネーちゃんはアレクちゅのちゅくったポーちょンを頑張って売ってくれてるんでちゅよ、感ちゃちないと」
「うっ…うん」

   …聴こえてるって、アレクス君、オネーさん悲しいよ。

   試しにロッテ嬢にヒールポーションを一口、(量としては4分の1本分ってとこかな)を飲ませる。

「なんだか楽になりましたわ。
   お尻も脚も痛みがとれたみたいな…
   気分もいいわ。
   トーナ、お腹が空いたの、食べるものをちょうだい。
   あら、これは意外に美味しいですわ。」

   ロッテ節が復活しました…

   水筒にアレクス君謹製ポーションを3本とちょい分入れる。これでアレクス君が初回に作ったヒールポーションは売り切った。2度目に作った分は通常効果なので普通に使える。
   ウィルさんから貰った900メルをアレクス君に渡す。

「うー、うー…オ、オレツボ洗って来る」

   なぜか真っ赤になってアレクス君は壷を持って走って行く。ちょっと離れたところで魔法で水を出している。なぜそんなに離れたところで?


   壷を藁タワシでゴシゴシこするアレクス君にレスさんが近付いていく。

「すごいね、アレクス君は。魔法も使えるし、調薬も出来るんだ」

「オレよりウリュの方がどっちも上手いんだ。全部エル姉が教えてくれてるんだけど、ウリュに全然かなわない」

「それでも、君の歳でそこまで出来るなんて、小さな頃から家庭教師を付けて学んでいる貴族の令嬢令息より優ってると思うな」

   アレクス君は振り返りレスさんを見上げる。

「そう、かな?」

「そうだよ」

「へへへっ、ありがと、レスさん」

   アレクス君は立ち上がって壷の中の水を捨てると、走って戻って来た。

「エル姉!洗った!」

   なんだか楽しそうなアレクス君。レスさんとどんな話しをしたのだろう。

「へへへ」
「変なアレクちゅ」
「なんだよ~、別に変じゃねーよ」

   楽しそうな2人にほっこりする私をロッテ嬢が見ていた。

「冒険者って楽しそう」
「お嬢様!」

   トーナさんが思わず叫んでしまった。このパターンは「冒険者になって見たいですわ」と繋がるパターンなのだ。

「さあ、出発しますよ、予定より遅れているのですから」

   ナイスタイミングでウィルさんが割って入った。トーナさんはロッテ嬢に喋る暇を与えず出発準備を急ぐのだった。



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