乙女ゲームか悪役令嬢転生ラノベの世界に転生?したようだが…

琳太

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6章 女神祭に行こう

18話 ケルムに到着です。

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   ミートパイ(朝から肉と言うなかれ)サラダ、クラムチャウダーの朝食をとっているとウィルさんが

「トーナが購入した残りのミートパイやコッコ鳥のローストやロールパンをみなさんに差し上げてください」

   と言い出した。
   昨日格安串肉屋をメイビス神官さんがべた褒めしたらしい。

「施す事は簡単ですが、あえて少量の金銭を受け取る事で相手の気持ちを軽くするなど、なかなか…」

   とか言っていたそうな。別にそんな意図はなかったんですが。
   それを聞いたロッテ嬢が朝食を売ると言い出しました。
   こちらは十分な(余る程)食料があって目の前に空腹を抱える集団がいる。
   ロッテ嬢を見てウィルさんとトーナさんがため息を…あ、幸せ逃げちゃいますよ?

   ミートパイは人数分ないのでロールパンにコッコ鳥のローストを挟んだサンドを30人分程作る。
   足らないパンは私の作り置きを放出します。
   一人前100リムス。そして昔の駅弁売りか野球場の売り子さんのようにトレーに乗せて3人で売りに行く。

   あっという間に完売しました。おかしいな?20人ほどなのに余らない。まあいいか。
   コッコ鳥とパンの買値を引いた残金を売り上げとしていただきました。
   表向きウィルさんから買い取った食材でエルドール商会が商売をした、と言う形ですね。
   商業ギルドに所属している私達が売るのはなんの問題もありません、はい。


   とそんな事をしていると予定よりやや遅れて、でも昼前には何事も無く、無事ケルムに到着しました。
   いやあ、道中は平和でした。え?魔物の襲撃?そんなのはもうイベントにはなりませんよ。
   作業と言ってもいいですね。
   1人でバイコーンに乗れるようになったアレクス君とウリュ君がツァイトとドルトと共に蹴散らしてますよ。
   まあ、馬でなくレスさんの従魔ですから、レスさんが二頭に言い聞かせてくれているのでバイコーン達も乗り手の技量以上の無茶なことしないですからね。

   6時の開門時は昨日の閉門以後に到着した人達が並んでいたようだが私たちがついた頃には随分少なくなっていた。これからまた増えて行くんだろう。

   メイビス神官さんとはここでお別れ、警備兵に説明を終えたら神殿に行くそうです。

「一月程ここの神殿でおります。神殿にご用があればお声をかけてください。女神祭を楽しんでください」

   ウインクなんて、実は茶目っ気のある神官様でしたね。まあ無事到着してホッとしたのもあるのでしょう。

   検問で警備兵に僧兵崩れ達の悪事の説明と引き渡しはメイビス神官さんとレスさんが担当し、アレクス君はそちらに。
   私とウリュ君はロッテ嬢の護衛でウィルさんとトーナさんと宿に向かいます。
   ちゃんと速文使って予約とってあるから安心です。
   オーバーブッキングで宿がない!なんてありませんよ。ありませんったら。

   小洒落た街並みを眺めながら、進みます。人は多いですがこっちはグリフォンとバイコーン連れてるので皆さん避けてます。
   ロッテ嬢だけでなく、トーナさんもケルムは初めてと言う事であちこち眺めております。

   門から大通りに出るとまっすぐ正面に大きな建物、随分距離があるのにここからも見えるとは神殿でか。

   ケルムは神殿を中心に龍峰を背に半円状に街が広がり、放射線状に通りが作られている。
   私達が歩いているのは『正門通り』と呼ばれる大通りで宿屋街である。当然神殿に近付くに連れ高級だ。
   ウィルさんが選んだのはそこそこ高級そうだが貴族専用ではないお宿。
   まあお忍びで来て貴族専用宿に泊まったらいみないですもん。


   部屋はいわゆるスイートルームタイプ。居間から大きな主寝室と2つの寝室、バスルーム完備となっております。
   あれ?温泉は?
   私らもっと安い宿でいいんですが、ああ、離れては護衛の意味がない。そうですね。
   と言う事で主寝室はロッテ嬢とトーナさん。右の部屋をウィルさん達が使うので私達は左の部屋ですね。それぞれの部屋に預かっていた個人の荷物をインベントリから出して置いていきます。
   その他の荷物は居間の隅に積み上げましょう。
   レスさん達も戻って来ていないしお昼まで少しゆっくりしましょう。


   ティータイムに桃のコンポートとカスタードたっぷりの一口タルトと栗のミニパイをお出ししましょう。昼ごはん前ですから1人1つですよ、ロッテ嬢。




   お茶もすみ、昼食まで少し休むとロッテ嬢が寝室にさがった頃、レスさんが戻って来ました。

「彼らは盗賊扱い、と言うか完全に盗賊ですね。先に通ったもの達からも訴えが出ていたようで明日討伐隊が出る事になっていたそうです。まあそれでは逃げられてましたでしょうが。
   エルさん達は私と一緒に警備隊本所に来てください。盗賊の荷物の受け渡しが」

   あ、荷物全部持ってた。馬車に乗せ替えようと思ってたのに忘れてたよ。

   隣でアレクスがタルトを頬張っております。警備隊本所で時間かかったらお昼ご飯遅くなるからね。
   レイディ達は厩舎でお留守番で私とアレクス君とウリュ君とレスさんの4人で警備隊本所に行く事になりました。きっと遅くなるので昼食は別でとレスさんがウィルさんにお金を預かってました。






「君らは冒険者かね」

   ケルム警備隊第3隊は所謂警察機構な役割を担っているそうです。
   第1は要人警護。第2は神殿守備隊、第四は壁門守備隊だそうで、目の前のオッサンは第3警邏隊の隊長さん。
   一応冒険者ギルドカードを提示する。そしていきさつを話した。

「メルビル巡回神官様のおっしゃったとうりだな。奴らを取り押さえたのはそっちのお嬢か。通常盗賊のアジトを壊滅させた場合、盗賊の所持品などは戦利品として冒険者のものになるんだが…
   盗品などで持ち主が返却を求めているものもある。本来なら君達はこの要請を断っても罪にはならない」

「別に構いません、それがちゃんと正当な持ち主に帰るなら荷物はお渡ししますよ」

   私の言葉に隊長さんは器用に右の眉を上げる。

「そうか、では倉庫の方に持って来ていただけるかな」

「いいですよ、マジックバックに入ってますからすぐにお渡ししますよ」


   と言うわけで、係の人が荷物の目録を作りつつ順番に出して行く。うん、随分時間がかかっちゃいました。お昼ご飯遅くなりましたよ。
   ついでに係の人に美味しいお店の情報なんか聞いて帰りに昼食済ましましょう。
   その後は冒険者ギルドだな。


   
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