【R18】異世界リゾートライフ《第2部》~カイトの異世界ハーレムライフ~

永遠光(とわのひかり)

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第23章 淫紋の宝珠編

第361話 聖女アウレリア救出作戦

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 盗賊の騎馬頭ナンデヤネンは、ほくそ笑んでいた。
 もう少しでアジトに到着するからだ。
 アジトに着けば、すぐに馬車から女を引きずり出し、自分の部屋へ連れて行って朝までたっぷりと可愛がろうと思っていたのだ。
 あんな上玉の女をモノにできるチャンスは滅多にあるもんじゃない。
 今夜はあんな事やこんな事をして女をヒーヒー言わせようと考えていた。

 その時、ナンデヤネンの2mほど前方で、パリンと言うガラス瓶が割れる音がした。
 なぜガラス瓶が降ってきたのか不思議に思い、空を見上げたが何もない。
 足元で砕けたガラス瓶には何も入っていなかった。
 空瓶か?
 馬から降りてガラスの破片を拾いあげようとした瞬間、ナンデヤネンは睡魔に襲われた。
 あらがえないほどの猛烈な睡魔だ。
 ガラス瓶は周囲10か所で破裂し、首領かしらのゴクドーを始め馬車の中の人質、盗賊の手下全員がその場で眠りに落ちた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 オレたちは飛行船から『気化睡眠ポーション』10本を順に投下した。
 着弾精度を上げるため飛行船の高度を地上30mまで降下させ、低速で移動しながら狙いを定めて1本ずつ投下していったのだ。

 おもりを付けたガラスの小瓶は、加速度が加わり地面に衝突し、破裂すると中の液体が一瞬で気化した。
 その成分を吸い込んだ人間には猛烈な睡魔が襲い、数秒で眠りに落ちると言う代物である。
 気化睡眠ポーションの効果が及ぶ範囲は、風向きにも依るが半径15m、地上10mほどだ。

 睡眠作用は気化してから約10分で消え、睡眠の持続効果は約6時間になるように成分を調整してあるのだ。
 馬に乗っていた盗賊は、馬上でそのまま寝てしまったが、『気化睡眠ポーション』は馬にも効果があり、馬も地面に崩れ落ちるように寝てしまうので多くの者が少なからず怪我をした。
 『気化睡眠ポーション』の効果は絶大で、投下開始から3分ほどで盗賊全員が眠りに落ちた。

 飛行船を地上ギリギリの高さで停泊させ、第2の秘密兵器『結束バンド』で盗賊共の手足を縛っていった。
 オレたちは『気化睡眠ポーション』用の解毒ポーションを服用しているので眠くならないのだ。
 ちなみに『結束バンド』とは、配線などを結束するための樹脂製のバンドのことを指す。
 バンドの片端に歯状のノッチがついており、これに反対側の端を通して結束するが、一度ロックすると逆には戻らず、緩まない。
 結束したら元に戻らないという性質を利用して、オレは拘束具の代用品として活用しているのだ。

 8人が分担し盗賊124人の手足を縛るのに、約20分かかったが一人残らず拘束することができた。
 後は、馬車に乗っている人質12人の開放であるが、全員眠らせてしまったので、一人ひとり馬車から担いで下ろし飛行船に乗せた。
 幸いなことに飛行船『空飛ぶベルーガ号』には6つの個室がある。
 部屋には14名分のベッドがあり、睡眠スペースを確保できるのだ。
 ステラや女戦士ヴァルキュリー全員が協力して、人質となっていた12人全員を各部屋のベッドへ寝かせた。

「カイト様、この女性が『聖女の指輪』の持ち主です」
 一人の少女の指に黄金色こがねいろに光り輝く『聖女の指輪』をセレスティーナが見せてくれた。
 その少女は聖職者の服装であったが、その容姿の美しさにオレは目を奪われた。

「綺麗な少女ですね、清楚で可憐で、まるで聖女のようです」
 セレスティーナが素直な感想を述べた。

「うん、ホントに美しいな」
 人質12名をベッドへ寝かせて、これで一件落着かと思えばあらず。
 盗賊共を官憲に引き渡さなければならないが、どこへ通報すればよいのだろう…

 女性12人は全員聖職者の服装であるが、どこから来てどこへ向かっていたのか彼女たちが目を覚ますまで分からないのだ。
 男性は一人もいないので、恐らく別の場所で襲撃されて殺されたと見るべきであろう。
 そちらのケアもせねばなるまい。

「カイト様、一つ気がかりなことがあります」

「何だ、セレスティーナ言ってみろ」

「はい、盗賊たちはアジトを目指していたと思われますが、アジトにも見張りの盗賊が残っているのではないでしょうか?」

「なるほど…、その可能性は高いな」

「そちらの盗賊も制圧しておかなければ、仲間の帰りが遅いからと様子を見に来て、縛られている仲間を発見し、結束バンドを切断し開放する可能性があります」

「流石はセレスティーナ、そこまでは考えが及ばなかったよ」
 セレスティーナはオレに褒められて柄にもなく照れていた。

「じゃあ、盗賊のアジトを見つけるとしよう」

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 オレたちは飛行船を離陸させ、盗賊が向かっていたアジトへ続くと思われる細い道を辿り始めた。
 約2kmほど進んだ先にアジトらしい砦を見つけた。
 外観はうまくカムフラージュされているが、生体探知レーダーを使えば一目瞭然だ。
 砦の中には赤い点が28個、青い点が36個、白い点が15個あった。

 赤い点は恐らく盗賊の残党で留守番を任されているのであろう。
 青い点は砦の奥の方に固まっているので、恐らく牢に入れられている捕虜であろう。
 問題は白い点である。
 敵意は無さそうであるが、砦の中を自由に歩き回っているようで、盗賊の食事を作ったり掃除や洗濯など身の回りの世話をしている女たちであろうと分析した。

 飛行船『空飛ぶベルーガ号』の新機能であるが、生体探知レーダーを詳細モードにして、画面表示された点を個別にタッチすると、その人物の簡単なステータス情報が参照できるのである。
 氏名、年齢、性別、職業、所属国、犯罪歴など10項目のステータス情報が画面に表示されるのだ。
 それを見ると白い点は比較的年齢が高い女性であり、盗賊の世話が仕事と判明し、敵意が無いことが分かった。

「残っている盗賊28名だが、制圧できそうか?」
 対人戦闘のプロであるステラやセレスティーナをはじめ7名の護衛たちと相談した結果、スターライトソードのステルスモードを使って侵入すれば、ほぼノーリスクで制圧できると言う結論に達した。

「よし、それじゃあ二手に分かれて砦の前後から盗賊共を制圧しよう」

「分かりました、班分けはどうしますか?」

「そうだな…」
 オレは考えた末、下記のように班分けした。
 1班 ステラ、リリーナ、フェリン、アンジェリーナ
 2班 カイト、セレスティーナ、レクシア、ジュリアーナ
 1班は砦の正面から侵入し、派手に戦闘を仕掛け揺さぶるグループだ。
 2班は砦の裏口から侵入し、盗賊の背後を突くグループだ。

 ステラを始め、各人が対人戦闘(剣・槍・弓・近接戦)において達人級の腕前を持ち、実戦経験も豊富であるが、念の為ステルスモードのまま侵入することとした。
 ちなみにステルスモード中は他からは見えないが、ステルスモードがオンであれば、お互いがどこにいるか感知できる仕組みとなっていた。

 作戦を最終確認し、オレたちはスターライトソードのステルスモードをオンにしたまま飛行船を地上2mで静止させ、地面に飛び降りた。
 そこから二手に分かれ、正面と裏口に配置完了するまで待機した。

 作戦決行に当たり、すっかりお馴染みとなったイヤホンマイク型小型無線機をメンバー全員と飛行船に残るジェスティーナに装備させた。
 インカムの進化版で、耳孔にセットすると骨伝導で音声が伝わり、中央部に穴が空いているので普通の音も違和感なく聞こえるという優れものだ。
 通信距離は最長10kmなので、よほどのことがない限り通信できるだろう。
 ジェスティーナたち船内待機組には、外の見張り役を依頼した。

「こちらステラ、1班配置に付きました」

「こちらカイト、2班も配置に付いた。
 ステラ、作戦を開始してくれ」

「了解しました」

 それから数秒後、凄まじい爆音と共に正面入口が吹き飛んだ。
 ステラらしい派手な戦闘開始の合図だ。

「な、何事だ!」
 砦の留守を預かる盗賊たちは慌てふためき、武器を片手に音の方向を目指した。
 しかし、そこに人影が見当たらず、吹き飛んだ正面入口の鉄扉が無残にひしゃげ、転がっているだけであった。

 何が起きたのか理解できず、その場で首を捻る盗賊たちに再び激しい爆風が襲った。
 盗賊たちは全員吹き飛び壁に叩きつけられ気を失った。
 その殆どが手足や首などを骨折し、中には絶命する者もいた。

「おいおいステラ、ここでその技を使うか?」

「カイト様、これでも手加減したんですが…」

 ステラは魔法剣の奥義『爆雷波ばくらいは』を使い、正面入口付近に出てきた約20人の盗賊に食らわせたのだ。
 一瞬にして決着は付き、残っていた盗賊を一人ひとり倒し、作戦開始から僅か5分で砦を制圧した。
 オレたちは盗賊28名全員の捕縛を確認し、ステルスモードを解除した。

 砦の中を一部屋ずつ確認して行くと、部屋の隅で怯える女性たちを発見した。
 盗賊の身の回りの世話をしている女たちだ。

 砦の地下には牢獄があり、3つの牢に分けられて女性たちが監禁されていた。
 どの女性も怯えており、オレ達が盗賊を討伐し、捕虜を解放しに来たのだと知らせると女性たちから歓喜の声が上がった。
 中には抱き合って喜んだり、涙を流す者もいた。

 砦に残っていた盗賊の内、生存している者は結束バンドで手足を縛り、女性たちが監禁されていた地下牢に放り込んだ。
 一方、解放した女性たちは人数が多いので、国境警備隊が来るまで砦の中で待機するように命じた。
 また、盗賊の身の回りの世話をしていた女性たちにも事情を話し、国境警備隊が到着するまで待機するよう命じた。
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