恋愛経験ゼロの俺が、一目惚れした天使にストーカーと勘違いされた挙句、男女比1対9のハーレム・シェアハウスで一緒に住むことになった話

永遠光(とわのひかり)

文字の大きさ
9 / 133
第1章 禍福は糾える縄の如し

第6話 美女たちの洗礼

 祐希はラウンジ中央のソファに座ると、さっそく3人の美女に囲まれ、質問攻めにされることになった。
 主に質問の矢を放ってくるのは、里緒奈と朱音である。

「出身はどこなの?」と里緒奈が尋ねた。
「札幌です」

未来みくちゃんと祐希くんは、どんな関係なの?」
 と朱音が続く。

「幼馴染です。
 小さい頃は家が隣で、よく遊んでました」

「へぇー。じゃあ、彼女はいる?」
 悪戯っぽく笑う里緒奈のストレートな質問に、祐希は思わずピザを喉に詰まらせそうになった。

「えっ、い、いないです……」
 祐希が答えると、少し離れた場所から「へぇー」という声が聞こえた気がした。
 ネットテレビの恋愛リアリティショーを見ながらも、聞き耳を立てている他の5人の視線が背中に突き刺さる。

「じゃあさ、好きな女性のタイプは?」
 朱音が身を乗り出してくる。

「ん~、価値観が近くて趣味が合う人、かな」
 と祐希は答え、思わずさくらの方を見た。

 朱音はニヤリと笑い、さくらの方を見た。
「なるほどね~、さくらちゃんみたいな子がタイプなんだ!
  祐希くんって、分かりやすいなぁ」
 名指しされたさくらは、びくっと肩を揺らし、慌てて顔を伏せた。

 質問はさらにエスカレートしていく。
「今までの経験人数は?」と里緒奈が切り込んできた。

「えっ! そ、それって、答えないとダメですか?」

「んー、しょうがないなぁ。
 じゃあ質問を変えるね。今まで付き合った女性の数は?」

「ぜ、ゼロです……」

「え、そうなの? ってことは童貞か~。
 21歳で童貞は貴重かもね…」
 まんまと彼女たちの誘導尋問に引っ掛かってしまった。

「いい大学に通ってるし、これだけハイスペックな物件、なかなか見つからないと思うんだけどなぁ」
 朱音が面白そうに祐希を品定めした。

「ねえ、童貞ってことは…
 溜まったら、自分で処理するの?」
 里緒奈が追い打ちをかけた。

「そ、それはノーコメントでお願いします……」
 さすがに「はい」とは言えず、祐希の顔は耳まで真っ赤になった。

「そっか~、男って大変よねぇ。
 何なら、私が処理してあげよっか?」
 里緒奈は艶っぽく微笑み、Gカップはあろうかという胸の谷間をわざと見せつけた。

「け、結構です」
 さすがにその場に居た堪れなくなり、祐希は大急ぎで食事を終えた。

「実家に電話しなきゃならないので、そろそろ部屋に戻ります、ご馳走様でした」
 祐希は逃げるようにその場を立ち去った。

「ちょっと、あんた達、あまり祐希くんをイジメちゃ駄目よ」
 里緒奈と朱音をたしなめたのは、黙ってやり取りを聞いていた天野瑞希(23歳)だった。
 このシェアハウスで2番目に年長のOL美女だ。

「は~い」

 その夜、祐希は一目惚れした少女が自分の部屋の上に住んでいるという事実に、目が冴えてなかなか寝付けなかった。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 次の日、祐希が目覚めるとすでに8時を回っていた。
 慌てて身支度をしてラウンジへ出ると、ちょうどさくらが2階から降りて来たところだった。

「おはようございます」
 祐希が緊張しながら挨拶した。

「おはようございます」
 さくらも緊張気味に挨拶してくれた。

「昨日はストーカーと勘違いしてごめんなさい」
 さくらは深々と頭を下げた。

「いえいえ、勘違いさせた僕も悪いんで気にしないで下さい」

「あの~、篠宮さん…
 私の方が年下なので敬語は止めて下さい」

「あ、そうだね。
 出来るだけ普通に喋るよう頑張るよ」

「はい、お願いします」
 そう言ってさくらはニッコリと笑った。
 朝の陽射しを背に受けたその笑顔は、直視できないほど眩しかった。
 透き通るような肌に、ふわりと揺れるストレートヘア。
 朝の眩しい光の中で、完璧な容姿で微笑むさくらを見て、祐希は「マジ天使」と思った。

「もしかして、今までもストーカー被害に遭ってるっての?」

「そうなんです。
 ほぼ毎週誰かに後を付けられてて、怖いんです」

(毎週だって……?)
 こんなスリムな子が、そんな頻度で恐怖に晒されているなんて。
 いくら魅力的だからといって、相手を怖がらせていい理由にはならない。
 祐希の胸に、静かな憤りが湧いた。

 こんな清楚で天使みたいな美少女がいたら、思わず後を付けたくなるのは男として分からなくもない。
 でもそれがエスカレートすれば、やはりそれは犯罪だ。

「あの、授業に遅れそうなので失礼します」
 さくらは頭を下げると、そそくさと玄関を出て行った。

 祐希は手早くトイレと洗顔を済ませた。
 洗面所でメイクする女性たちを見て、ここは自分以外全員女性なのだと改めて思い知らされた。

 シェアハウスでの生活は、祐希の想像を超えるものだった。
 今まで友達と言えば男ばかりで、女子と付き合ったこともない祐希にとって、別世界の出来事のように感じられた。

 ラウンジには、女性特有の甘い香りが漂っていた。
 朝は洗面所の占有率が高く、かち合うことも多い。
 念入りにメイクする意識高めの女子が多い証拠だろう。

「祐希くん、お早う」
「祐希さん、おはようございます」
 などとみんな挨拶してくれる。
 今までと全く違った環境での生活が、いよいよ始まった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。 ​「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」 ​「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」 ​「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

マカロニ
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件

こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。 ・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。 ・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。 ・物静かで儚げな美術部員。 ・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。 ・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。 拓海の生活はどうなるのか!?