10 / 133
第1章 禍福は糾える縄の如し
第7話 星城大学
星城大学は情報システムとAI研究において国内トップクラスの大学である。
祐希はこの大学のAI情報システムコースを専攻している。
このコースは、情報システム全般と、AIを情報システム分野に活用する技術を学ぶコースだ。
現在のAIの世界では、LLM(大規模言語モデル)が主流だ。
LLMは、文章の生成や言語翻訳の他、情報システムのプログラムコードを生成できる。
今日は「プロンプト・エンジニアリング」の授業で、祐希とコジケンは講師の話に熱心に耳を傾けていた。
講師の吉永教授は国内におけるAI応用研究の第一人者である。
黒縁の眼鏡を掛け、白髭を蓄えた吉永教授は、ワイルドな風貌とは裏腹に優しい口調で学生に語りかけた。
「……というわけで、AIの能力を最大限に引き出すには、君たちの『指示力』
つまりプロンプトの質が不可欠なのです」
教授の言葉に、祐希は深く頷いた。
将来、システム開発に携わりたいと考えている祐希にとって、この授業は必須スキルだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
授業を終えた祐希とコジケンは学内のカフェテリアに向かっていた。
「祐希、吉永教授の話、分かりやすかったな」
「ああ、生成AIの性能を最大限に引き出すには、プロンプトの質が重要だっていうことが良く理解できたよ」
「そうだな、実際に試してみて、プロンプト一つでAIの出力が全く違うのに驚いたよ」
「だから、適切な指示が大事なんだってな」
「どんな言葉で、どんな順番で指示したらいいのか、色々試行錯誤するのは楽しいな」
「うん、特にシステム開発では、プロンプトの質がコード生成、デバッグ、コードレビューの質に影響してくるから、なおさら重要だな」
日本の少子高齢化により、プログラマー不足が深刻化する状況で、生成AIにプログラムを記述させ、生産性を上げる研究が盛んに行われている。
生成AIに的確な指示を出さなければ、目的のプログラムは生成できないのだ。
祐希は、将来AIを活用したシステム開発に携わりたいと考えている。
そのために『プロンプト・エンジニアリング』は、祐希にとって必須のスキルなのだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
星城大学のカフェテリアは和食、洋食、中華、イタリアン、うどん、そば、カフェ、ファストフードなど……
36の店舗が軒を並べ、中央部分に座席が配置された最大800人収容の巨大なスペースである。
昼時ということもあり、ホール内は学生たちでごった返し、話し声と食器などの音が響き渡っていた。
カレーのスパイスや出汁の香りが入り混じり、食欲を刺激する。
祐希とコジケンは、トレーに昼食を載せ、近場の席に座った。
「コジケン、今日もサバ味噌定食かよ」
「祐希、ここのサバ味噌、絶品なんだぞ。
鯖の旨味とピリ辛味噌の絶妙な味わい、それにDHAとEPAも摂取できるしな。
ほら、一口食ってみろ」
「俺はカレーに集中したいから、遠慮しとく」
「何だよ、お前だって毎日カレーじゃん」
「カレーは国民食だから、毎日でもいいんだよ」
祐希は無類のカレー好きだ。
「何が国民食だよ……まったく……
ところで祐希、新しい部屋はどんな感じだ?」
「そうだなあ……、新しいし、広くて、綺麗……かな」
「それって最高じゃん。
そのシェアハウス、お前の義姉さんがオーナーだよな。
家賃安くしてくれたか?」
「ああ、身内割引で契約手数料は無料。
家賃は共益費込みで7万を5万にしてくれたよ」
「ふ~ん、そりゃあ安いなぁ。
住人は女子もいるんだろ?」
「い、いるけど……」
「何人いるんだ?」
「8人……、かな」
「は、8人もいるのか…
おい、その中に可愛い子、いるんだろ!」
コジケンの目がキラリと光った。
「そうだな~、年上もいるから可愛いっていう括りには当てはまらないかも知れないけど……
みんな美人だと思うよ」
「それって最高じゃん。
で、男は何人だ?」
「今のところ、僕一人」
「えっ、何だよそれ、男1人に女子8人って……、ハーレムじゃん」
コジケンは祐希と同じ『彼女いない歴=年齢』の由緒正しき童貞男子なので、いつも女に飢えているのだ。
「コジケン、お前は女の本性見たことないから、そんなこと言えるんだ」
祐希は昨夜、年上女子2人から受けた容赦ない質問攻めを思い出した。
「祐希……、そのシェアハウス、部屋空いてるか?」
「今は、満室だな」
「そっか~、そうだよなあ……、そんないいところ空いてるはずないよなぁ……」
コジケンは一人で納得していた。
「じゃあさ、今度、お前んち遊び行っていいか?」
「住人以外は男子立入禁止だから、無理だな……」
「え~、なんか方法は無いのかよ~」
「残念ながら……ないな」
「そんな殺生な」
コジケンは頭を抱え、涙を飲んだ。
祐希はこの大学のAI情報システムコースを専攻している。
このコースは、情報システム全般と、AIを情報システム分野に活用する技術を学ぶコースだ。
現在のAIの世界では、LLM(大規模言語モデル)が主流だ。
LLMは、文章の生成や言語翻訳の他、情報システムのプログラムコードを生成できる。
今日は「プロンプト・エンジニアリング」の授業で、祐希とコジケンは講師の話に熱心に耳を傾けていた。
講師の吉永教授は国内におけるAI応用研究の第一人者である。
黒縁の眼鏡を掛け、白髭を蓄えた吉永教授は、ワイルドな風貌とは裏腹に優しい口調で学生に語りかけた。
「……というわけで、AIの能力を最大限に引き出すには、君たちの『指示力』
つまりプロンプトの質が不可欠なのです」
教授の言葉に、祐希は深く頷いた。
将来、システム開発に携わりたいと考えている祐希にとって、この授業は必須スキルだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
授業を終えた祐希とコジケンは学内のカフェテリアに向かっていた。
「祐希、吉永教授の話、分かりやすかったな」
「ああ、生成AIの性能を最大限に引き出すには、プロンプトの質が重要だっていうことが良く理解できたよ」
「そうだな、実際に試してみて、プロンプト一つでAIの出力が全く違うのに驚いたよ」
「だから、適切な指示が大事なんだってな」
「どんな言葉で、どんな順番で指示したらいいのか、色々試行錯誤するのは楽しいな」
「うん、特にシステム開発では、プロンプトの質がコード生成、デバッグ、コードレビューの質に影響してくるから、なおさら重要だな」
日本の少子高齢化により、プログラマー不足が深刻化する状況で、生成AIにプログラムを記述させ、生産性を上げる研究が盛んに行われている。
生成AIに的確な指示を出さなければ、目的のプログラムは生成できないのだ。
祐希は、将来AIを活用したシステム開発に携わりたいと考えている。
そのために『プロンプト・エンジニアリング』は、祐希にとって必須のスキルなのだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
星城大学のカフェテリアは和食、洋食、中華、イタリアン、うどん、そば、カフェ、ファストフードなど……
36の店舗が軒を並べ、中央部分に座席が配置された最大800人収容の巨大なスペースである。
昼時ということもあり、ホール内は学生たちでごった返し、話し声と食器などの音が響き渡っていた。
カレーのスパイスや出汁の香りが入り混じり、食欲を刺激する。
祐希とコジケンは、トレーに昼食を載せ、近場の席に座った。
「コジケン、今日もサバ味噌定食かよ」
「祐希、ここのサバ味噌、絶品なんだぞ。
鯖の旨味とピリ辛味噌の絶妙な味わい、それにDHAとEPAも摂取できるしな。
ほら、一口食ってみろ」
「俺はカレーに集中したいから、遠慮しとく」
「何だよ、お前だって毎日カレーじゃん」
「カレーは国民食だから、毎日でもいいんだよ」
祐希は無類のカレー好きだ。
「何が国民食だよ……まったく……
ところで祐希、新しい部屋はどんな感じだ?」
「そうだなあ……、新しいし、広くて、綺麗……かな」
「それって最高じゃん。
そのシェアハウス、お前の義姉さんがオーナーだよな。
家賃安くしてくれたか?」
「ああ、身内割引で契約手数料は無料。
家賃は共益費込みで7万を5万にしてくれたよ」
「ふ~ん、そりゃあ安いなぁ。
住人は女子もいるんだろ?」
「い、いるけど……」
「何人いるんだ?」
「8人……、かな」
「は、8人もいるのか…
おい、その中に可愛い子、いるんだろ!」
コジケンの目がキラリと光った。
「そうだな~、年上もいるから可愛いっていう括りには当てはまらないかも知れないけど……
みんな美人だと思うよ」
「それって最高じゃん。
で、男は何人だ?」
「今のところ、僕一人」
「えっ、何だよそれ、男1人に女子8人って……、ハーレムじゃん」
コジケンは祐希と同じ『彼女いない歴=年齢』の由緒正しき童貞男子なので、いつも女に飢えているのだ。
「コジケン、お前は女の本性見たことないから、そんなこと言えるんだ」
祐希は昨夜、年上女子2人から受けた容赦ない質問攻めを思い出した。
「祐希……、そのシェアハウス、部屋空いてるか?」
「今は、満室だな」
「そっか~、そうだよなあ……、そんないいところ空いてるはずないよなぁ……」
コジケンは一人で納得していた。
「じゃあさ、今度、お前んち遊び行っていいか?」
「住人以外は男子立入禁止だから、無理だな……」
「え~、なんか方法は無いのかよ~」
「残念ながら……ないな」
「そんな殺生な」
コジケンは頭を抱え、涙を飲んだ。
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
マカロニ
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった
くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。
血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。
夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。
「……涼介くん」
薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。
逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。
夜、来て。
その一言が——涼介の、全部を壊した。
甘くて、苦しくて、止まれない。
これは、ある夏の、秘密の話。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?