18 / 133
第1章 禍福は糾える縄の如し
第15話 スナック茜(2)
しばらくすると数名の客が来店し、茜ママはその客のもとへ行った。
里緒奈と瑞希は、そんなことはお構いなしで祐希たちの前にどっしりと腰を据えて話し込んでいた。
「ところで6月のイベントって、またキャンプでしょ。
今年はどこへ行くのかな?」
怜奈が聞いた。
「明日奈さんが言ってたけど、長野県に新しくできたキャンプ場らしいわ…
小さな湖のほとりにあってオートキャンプもできるんだって…」
里緒奈が答えた。
「あ~、そうそう、明日奈さんキャンピングカー借りるって張り切ってたわよ」
瑞希が教えてくれた。
「え、キャンピングカー?」
「10人だし、どのみち2台になるから、1台はキャンピングカーにするんだって」
「10人て、僕もメンバーに入ってるんですか?」
「当たり前じゃない、え、入居説明の時に聞いてないの?」
「2ヶ月ごとに住人全員参加のイベントがあるって聞きましたが、内容までは聞いてません」
「え、明日奈さん、話してないんだ。
じゃあ、私が教えてあげるね」
怜奈が隔月イベントの年間スケジュールを教えてくれた。
2月 旅行(2泊)
4月 花見
6月 キャンプ(1泊)
8月 海水浴(1泊)
10月 ハロウィーン・パーティ
12月 クリスマス兼忘年会
「キャンピングカーって1泊2日借りたら、いくらかかるのかしら?」
瑞希が独り言のように呟いた。
「ネットで調べたら最低6万円はかかるみたいよ」
里緒奈がスマホを見ながら答えた。
「もう1台は私の車を出すとして、キャンプ場の入場料とかサイト代とか、食材費に飲み物代もかかるでしょ。
絶対会費で収まらないよね」
怜奈が心配そうに言った。
会費は管理費の中から毎月5千円が、イベント費用として自動的に積み立てされているそうだ。
しかし、そんな金額で収まるはずもなく、明日奈が自腹を切っていると言うのが、彼女たちの一致した意見だった。
「キャンピングカーで寝られるのは、確か6人までのはずだから、4人はテントで寝なきゃならないよね」
と怜奈が嫌そうな顔で言った。
「そっかー、テントで寝るの嫌だなぁ…」
瑞希が顔をしかめた。
「ねえ、祐希くん、キャンプってしたことある?」
里緒奈が言った。
「ありますよ、父がキャンプ好きだったので、毎年春から秋にかけて10泊はしてました」
「へ~、じゃあさ、テントとか建てれるよね」
「もちろん」
「やった~、これでテント建てる心配しなくていいね。
あたしテント建てるの苦手なのよ」
せっかく綺麗にしたネイルがボロボロになっちゃうし!
もう考えただけで萎えるわ」
「あんた、いつもそれね。
それなら、キャンプ前にネイルサロン行くのやめればいいじゃない」
瑞希がツッコミを入れた。
「そういうわけにいかないのよ!
いつどこで、出会いがあるか分からないから、女子力は常にMAXじゃなきゃ意味ないでしょ!」
里緒奈が不満そうに頬を膨らませた。
「でも、今年は祐希くんがいるから安心だね」
「やっぱり、こういう時に男子がいると心強いわ」
女子3人は、顔を見合わせ頷き合った。
「ねえねえ、祐希くん、焼き鳥食べたくない?」
怜奈が小腹が空いたと訴えた。
「え、焼き鳥?出前でも取るんですか?」
「何言ってるの?
表の看板見えなかった?」
スナック茜の隣は、茜ママの父親が経営している焼鳥屋で、注文すれば焼きたてを届けてくれるそうだ。
「あ~、あたしも食べた~い
つくねと砂肝と、あとは豚串がいいな~」
同じく小腹が空いたと里緒奈が訴えた。
「じゃあ、あたしが適当に注文してくるね」
怜奈が隣の店へ注文しにいった。
結局、その日は午前0時過ぎまで飲んだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
次の日(日曜日)、気が付くと祐希は自分のベッドで寝ていた。
昨日ハイボールを飲みすぎたせいか、頭がガンガンする。
完全に二日酔いだ。
何時だろう、と時計を見ると既に10時を回っていた。
シャワーでも浴びようと起き上がると、祐希の隣に全裸の女性が寝ていた。
それは里緒奈だった。
(えっ!なんでここに里緒奈さんが……)
祐希は里緒奈の裸を見ないように、タオルケットを掛けた。
祐希は二日酔いで回らない頭をフル回転させて、昨日の記憶を呼び戻そうとした。
しかし、何も思い出せない…
なんで里緒奈さんがここにいるんだ!?
ひょっとして……あの話の流れで、やっちゃったのか!?
焦りから頭を掻きむしっていると里緒奈が目を覚ました。
「あ、祐希くん、おはよー」
里緒奈はタオルケットを手で押さえながら、ベッドの上に起き上がった。
「お、おはようございます。
な、なんで里緒奈さんがここで寝てるんですか?」
「えっ、あれ、祐希くん昨日のこと覚えてないの?…
あんなに激しかったのにぃ」
自分はホントに里緒奈とエッチしてしまったのか?
祐希は思い出そうとしたが、全く記憶がない。
祐希のパニクってる様子を見ながら里緒奈はニヤついていた。
「ふふ、冗談よ。
祐希くんとエッチなんてしてないから…」
「ほ、ホントですか…」
「うん、祐希くんに筆下ろししてあげようと思って部屋に来たら、祐希くんイビキかいて寝てるんだもの…
それ見たら私まで眠くなって、部屋に戻るの面倒くさかったから、そのまま祐希くんの隣に寝たのよ…
したいなら、今からでも、しよっか?」
祐希は、悪戯っぽく笑う里緒奈がなぜか可愛いと思えた。
その時、祐希のお腹がグーッと鳴り、2人で大笑いした。
「お腹減ったね、ご飯食べに行こっか…」
里緒奈は、起き上がると祐希に背を向け、パンティとブラジャーを付けた。
祐希は目のやり場に困り、里緒奈と反対の方を向いた。
「あたし、下着つけてると締め付けられて寝られないんだよね~、だから寝る時はいつも裸なの」
里緒奈は、祐希の視線など気にもせず平然と服を着た。
「ほら、祐希くんもお腹減ってるんでしょ、ご飯食べに行こ」
里緒奈はニッコリと笑った。
里緒奈と瑞希は、そんなことはお構いなしで祐希たちの前にどっしりと腰を据えて話し込んでいた。
「ところで6月のイベントって、またキャンプでしょ。
今年はどこへ行くのかな?」
怜奈が聞いた。
「明日奈さんが言ってたけど、長野県に新しくできたキャンプ場らしいわ…
小さな湖のほとりにあってオートキャンプもできるんだって…」
里緒奈が答えた。
「あ~、そうそう、明日奈さんキャンピングカー借りるって張り切ってたわよ」
瑞希が教えてくれた。
「え、キャンピングカー?」
「10人だし、どのみち2台になるから、1台はキャンピングカーにするんだって」
「10人て、僕もメンバーに入ってるんですか?」
「当たり前じゃない、え、入居説明の時に聞いてないの?」
「2ヶ月ごとに住人全員参加のイベントがあるって聞きましたが、内容までは聞いてません」
「え、明日奈さん、話してないんだ。
じゃあ、私が教えてあげるね」
怜奈が隔月イベントの年間スケジュールを教えてくれた。
2月 旅行(2泊)
4月 花見
6月 キャンプ(1泊)
8月 海水浴(1泊)
10月 ハロウィーン・パーティ
12月 クリスマス兼忘年会
「キャンピングカーって1泊2日借りたら、いくらかかるのかしら?」
瑞希が独り言のように呟いた。
「ネットで調べたら最低6万円はかかるみたいよ」
里緒奈がスマホを見ながら答えた。
「もう1台は私の車を出すとして、キャンプ場の入場料とかサイト代とか、食材費に飲み物代もかかるでしょ。
絶対会費で収まらないよね」
怜奈が心配そうに言った。
会費は管理費の中から毎月5千円が、イベント費用として自動的に積み立てされているそうだ。
しかし、そんな金額で収まるはずもなく、明日奈が自腹を切っていると言うのが、彼女たちの一致した意見だった。
「キャンピングカーで寝られるのは、確か6人までのはずだから、4人はテントで寝なきゃならないよね」
と怜奈が嫌そうな顔で言った。
「そっかー、テントで寝るの嫌だなぁ…」
瑞希が顔をしかめた。
「ねえ、祐希くん、キャンプってしたことある?」
里緒奈が言った。
「ありますよ、父がキャンプ好きだったので、毎年春から秋にかけて10泊はしてました」
「へ~、じゃあさ、テントとか建てれるよね」
「もちろん」
「やった~、これでテント建てる心配しなくていいね。
あたしテント建てるの苦手なのよ」
せっかく綺麗にしたネイルがボロボロになっちゃうし!
もう考えただけで萎えるわ」
「あんた、いつもそれね。
それなら、キャンプ前にネイルサロン行くのやめればいいじゃない」
瑞希がツッコミを入れた。
「そういうわけにいかないのよ!
いつどこで、出会いがあるか分からないから、女子力は常にMAXじゃなきゃ意味ないでしょ!」
里緒奈が不満そうに頬を膨らませた。
「でも、今年は祐希くんがいるから安心だね」
「やっぱり、こういう時に男子がいると心強いわ」
女子3人は、顔を見合わせ頷き合った。
「ねえねえ、祐希くん、焼き鳥食べたくない?」
怜奈が小腹が空いたと訴えた。
「え、焼き鳥?出前でも取るんですか?」
「何言ってるの?
表の看板見えなかった?」
スナック茜の隣は、茜ママの父親が経営している焼鳥屋で、注文すれば焼きたてを届けてくれるそうだ。
「あ~、あたしも食べた~い
つくねと砂肝と、あとは豚串がいいな~」
同じく小腹が空いたと里緒奈が訴えた。
「じゃあ、あたしが適当に注文してくるね」
怜奈が隣の店へ注文しにいった。
結局、その日は午前0時過ぎまで飲んだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
次の日(日曜日)、気が付くと祐希は自分のベッドで寝ていた。
昨日ハイボールを飲みすぎたせいか、頭がガンガンする。
完全に二日酔いだ。
何時だろう、と時計を見ると既に10時を回っていた。
シャワーでも浴びようと起き上がると、祐希の隣に全裸の女性が寝ていた。
それは里緒奈だった。
(えっ!なんでここに里緒奈さんが……)
祐希は里緒奈の裸を見ないように、タオルケットを掛けた。
祐希は二日酔いで回らない頭をフル回転させて、昨日の記憶を呼び戻そうとした。
しかし、何も思い出せない…
なんで里緒奈さんがここにいるんだ!?
ひょっとして……あの話の流れで、やっちゃったのか!?
焦りから頭を掻きむしっていると里緒奈が目を覚ました。
「あ、祐希くん、おはよー」
里緒奈はタオルケットを手で押さえながら、ベッドの上に起き上がった。
「お、おはようございます。
な、なんで里緒奈さんがここで寝てるんですか?」
「えっ、あれ、祐希くん昨日のこと覚えてないの?…
あんなに激しかったのにぃ」
自分はホントに里緒奈とエッチしてしまったのか?
祐希は思い出そうとしたが、全く記憶がない。
祐希のパニクってる様子を見ながら里緒奈はニヤついていた。
「ふふ、冗談よ。
祐希くんとエッチなんてしてないから…」
「ほ、ホントですか…」
「うん、祐希くんに筆下ろししてあげようと思って部屋に来たら、祐希くんイビキかいて寝てるんだもの…
それ見たら私まで眠くなって、部屋に戻るの面倒くさかったから、そのまま祐希くんの隣に寝たのよ…
したいなら、今からでも、しよっか?」
祐希は、悪戯っぽく笑う里緒奈がなぜか可愛いと思えた。
その時、祐希のお腹がグーッと鳴り、2人で大笑いした。
「お腹減ったね、ご飯食べに行こっか…」
里緒奈は、起き上がると祐希に背を向け、パンティとブラジャーを付けた。
祐希は目のやり場に困り、里緒奈と反対の方を向いた。
「あたし、下着つけてると締め付けられて寝られないんだよね~、だから寝る時はいつも裸なの」
里緒奈は、祐希の視線など気にもせず平然と服を着た。
「ほら、祐希くんもお腹減ってるんでしょ、ご飯食べに行こ」
里緒奈はニッコリと笑った。
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
マカロニ
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった
くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。
血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。
夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。
「……涼介くん」
薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。
逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。
夜、来て。
その一言が——涼介の、全部を壊した。
甘くて、苦しくて、止まれない。
これは、ある夏の、秘密の話。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件
こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。
・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。
・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。
・物静かで儚げな美術部員。
・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。
・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。
拓海の生活はどうなるのか!?