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第2章 光と陰
第45話 湖畔キャンプ
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6月のある土曜日、キャンプイベントが開催された。
やむを得ない理由がない限り、参加必須というシェアハウスの恒例行事だ。
住人たちは、レンタルした大型キャンピングカーと、明日奈が所有するミニバンの2台に分乗し、キャンプ場へ向かった。
当日の朝、近くの食品スーパー「フレッシュONE」で食材を買い込み、明日奈がネットで購入した各地の魚介類や食肉と一緒に車に積み込んだ。
目指すは長野県の「女神湖オートキャンプ場」だ。
このキャンプ場は、最近できたばかりの高規格キャンプ場で、湖の近くにあり、眺めも良く、電源とWi-fiも完備している。
しかも管理棟にはサウナ、シャワールーム、コインランドリー、温水洗浄便座付き水洗トイレ、売店、カフェバーまで併設されている。
シェアハウスからキャンプ場までは、高速を利用して約3時間30分かかる。
途中サービスエリアで休憩し、キャンプ場に到着したのは、12時30分過ぎだった。
キャンプ場に到着すると、駐車場からは白樺林と湖が見え、まるで絵画のように美しかった。
「うわぁ~、いい眺め~」
「湖、すっごく綺麗よ」
女子たちのテンションは美しい景色を見てバク上がりとなった。
湖は初夏の日差しを照り返し、さざ波がキラキラと輝いていた。
気温は24℃と快適そのものだ。
「このキャンプ場、湖岸じゃないけど湖が見えるから、景色はいいわね」
受付時間まで時間があったので、みんなは車の中で軽い昼食を取った。
受付時間になると明日奈が管理棟で受付を済ませ、オートサイトに車を移動させた。
予約した3サイトのうち、両端のサイトにキャンピングカーとミニバンを停めて風よけとした。
真ん中のサイトには、宴会用のタープを張ることにした。
「祐希くん、出番だよ~」
明日奈が祐希を呼んだ。
「はい、任せてください」
祐希は、宴会用のスクリーンタープと、宿泊用の2ルームテントの設営を明日奈から任された。
「私たちは、湖見てくるね」
怜奈、里緒奈、瑞希、朱音の年上女子グループは、湖の方に走って行った。
祐希が一人でスクリーンタープを張っていると……
「祐希さん、お手伝いします」
「祐希、私も手伝うよ」
左右から同時に声が聞こえた。
それは、さくらと未来だった。
「あ、ありがとう。
それじゃ、手伝ってもらおうかな……」
「はい」
2人は、声を揃えて言った。
(祐希と2人っきりになれると思ったのに……なんでさくらちゃんがいるのよ……)
未来は感情が表に出ないように作り笑顔で、祐希を手伝った。
「さくらさん、そっちのポール、もう少しこっちに……そう、ありがとう」
祐希が指示を出すと、さくらは嬉しそうに頷いた。
そのやり取りを見ていた未来の表情が曇った。
「祐希、こっちのペグはどこに打つの?」
未来は、2人の間に割って入るように、わざと大きな声で尋ねた。
さくらは、祐希が一人で大変そうだから、純粋な気持ちで手伝いに来ていた。
2人が手伝ってくれたおかげで、思ったよりも早くスクリーンタープが完成した。
「明日奈さん、タープ完成しました。
荷物入れてもいいですよ~」
タープを張り終えた祐希は、宿泊用の2ルームテントをミニバンが停めてあるサイトに張った。
その頃、明日奈はキャンピングカーの準備に取りかかった。
最初にテーブルに水平器を置き、「水平出し」作業を行った。
「琴葉ちゃん、ちょっと見ててくれる?」
そばにいた琴葉に声をかけ、ゆっくりとレベラーにタイヤを乗り上げて完璧な水平を確保した。
次に、サイト備え付けの電源ボックスから延長コードを引き、車体の外部電源ソケットへ接続した。
「これでエアコンも使えるわね」
最後に、ハンドルを回し、車体側面からサイドオーニングを引き出し、脚を立てて固定した。
快適なリビングスペースがあっという間に出現した。
「ふぅ、こんなものかしら。
これで今夜の寝床は完成ね」
明日奈は満足そうに微笑んだ。
ふと見ると、瀬奈がキャンピングカーの前で椅子に座って読書していた。
「瀬奈ちゃん、悪いんだけど里緒奈ちゃんたち、呼んで来てくれる。
遊んでないで、少しは手伝えって。
手伝わないと晩ごはんは抜きだぞって、私がそう言ってたよって……」
「は~い、呼んできま~す」
シェアハウスでは滅多に見ないレアキャラの瀬奈は、年上住人たちを呼びに行った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
設営が一段落したところで、今夜の寝床の割り振りを決めることとなった。
明日奈はメンバー全員を集めて話し始めた。
「今日、みんなが寝る場所を決めたいと思います。
定員はキャンピングカーが6人、テントが4人よ。
オーナー特権で、私はキャンピングカーに寝せてもらいます。
なので、キャンピングカーに寝られるのは、後5人。
祐希くんには、管理人としてテントでボディーガード役をお願いします」
「はい、分かりました」
「なので、残りの8人で、どちらに寝るか決めるよ。
じゃあ、キャンピングカー5人、テント3人の希望者を募ります。
希望が被ったら、公平にじゃんけんで決めるけどいいかな?」
明日奈が全員を見回したが、異論は無さそうだ。
「キャンピングカーで寝たい人、手を挙げて!」
その声に、怜奈、里緒奈、瑞希、朱音、瀬奈の5人が手を挙げた。
「あら、ちょうど5人ね。他の人はテントでいいのね。
じゃあ、この5人はキャンピングカーで決定!」
「やった~!」
「これで安心して眠れるね」
キャンピングカー宿泊組から、歓声が上がった。
「未来、さくら、琴葉の3人はテントで大丈夫?」
明日奈が気づかってくれた。
「はい、大丈夫です」
「問題ないです」
琴葉と未来が言った。
「たぶん、大丈夫です」
さくらは、初めて泊まるテントと寝袋という環境で、眠れるかどうか心配だった。
「祐希、女子と同じテントだからって、襲ったら承知しないよ」
里緒奈が冗談とも本気とも取れる調子で言った。
「そんなこと、しませんよ……」
「テント組の女子……
もし祐希に襲われたら、大声で助けを呼ぶんだよ」
里緒奈の言葉は、辛辣だった。
やむを得ない理由がない限り、参加必須というシェアハウスの恒例行事だ。
住人たちは、レンタルした大型キャンピングカーと、明日奈が所有するミニバンの2台に分乗し、キャンプ場へ向かった。
当日の朝、近くの食品スーパー「フレッシュONE」で食材を買い込み、明日奈がネットで購入した各地の魚介類や食肉と一緒に車に積み込んだ。
目指すは長野県の「女神湖オートキャンプ場」だ。
このキャンプ場は、最近できたばかりの高規格キャンプ場で、湖の近くにあり、眺めも良く、電源とWi-fiも完備している。
しかも管理棟にはサウナ、シャワールーム、コインランドリー、温水洗浄便座付き水洗トイレ、売店、カフェバーまで併設されている。
シェアハウスからキャンプ場までは、高速を利用して約3時間30分かかる。
途中サービスエリアで休憩し、キャンプ場に到着したのは、12時30分過ぎだった。
キャンプ場に到着すると、駐車場からは白樺林と湖が見え、まるで絵画のように美しかった。
「うわぁ~、いい眺め~」
「湖、すっごく綺麗よ」
女子たちのテンションは美しい景色を見てバク上がりとなった。
湖は初夏の日差しを照り返し、さざ波がキラキラと輝いていた。
気温は24℃と快適そのものだ。
「このキャンプ場、湖岸じゃないけど湖が見えるから、景色はいいわね」
受付時間まで時間があったので、みんなは車の中で軽い昼食を取った。
受付時間になると明日奈が管理棟で受付を済ませ、オートサイトに車を移動させた。
予約した3サイトのうち、両端のサイトにキャンピングカーとミニバンを停めて風よけとした。
真ん中のサイトには、宴会用のタープを張ることにした。
「祐希くん、出番だよ~」
明日奈が祐希を呼んだ。
「はい、任せてください」
祐希は、宴会用のスクリーンタープと、宿泊用の2ルームテントの設営を明日奈から任された。
「私たちは、湖見てくるね」
怜奈、里緒奈、瑞希、朱音の年上女子グループは、湖の方に走って行った。
祐希が一人でスクリーンタープを張っていると……
「祐希さん、お手伝いします」
「祐希、私も手伝うよ」
左右から同時に声が聞こえた。
それは、さくらと未来だった。
「あ、ありがとう。
それじゃ、手伝ってもらおうかな……」
「はい」
2人は、声を揃えて言った。
(祐希と2人っきりになれると思ったのに……なんでさくらちゃんがいるのよ……)
未来は感情が表に出ないように作り笑顔で、祐希を手伝った。
「さくらさん、そっちのポール、もう少しこっちに……そう、ありがとう」
祐希が指示を出すと、さくらは嬉しそうに頷いた。
そのやり取りを見ていた未来の表情が曇った。
「祐希、こっちのペグはどこに打つの?」
未来は、2人の間に割って入るように、わざと大きな声で尋ねた。
さくらは、祐希が一人で大変そうだから、純粋な気持ちで手伝いに来ていた。
2人が手伝ってくれたおかげで、思ったよりも早くスクリーンタープが完成した。
「明日奈さん、タープ完成しました。
荷物入れてもいいですよ~」
タープを張り終えた祐希は、宿泊用の2ルームテントをミニバンが停めてあるサイトに張った。
その頃、明日奈はキャンピングカーの準備に取りかかった。
最初にテーブルに水平器を置き、「水平出し」作業を行った。
「琴葉ちゃん、ちょっと見ててくれる?」
そばにいた琴葉に声をかけ、ゆっくりとレベラーにタイヤを乗り上げて完璧な水平を確保した。
次に、サイト備え付けの電源ボックスから延長コードを引き、車体の外部電源ソケットへ接続した。
「これでエアコンも使えるわね」
最後に、ハンドルを回し、車体側面からサイドオーニングを引き出し、脚を立てて固定した。
快適なリビングスペースがあっという間に出現した。
「ふぅ、こんなものかしら。
これで今夜の寝床は完成ね」
明日奈は満足そうに微笑んだ。
ふと見ると、瀬奈がキャンピングカーの前で椅子に座って読書していた。
「瀬奈ちゃん、悪いんだけど里緒奈ちゃんたち、呼んで来てくれる。
遊んでないで、少しは手伝えって。
手伝わないと晩ごはんは抜きだぞって、私がそう言ってたよって……」
「は~い、呼んできま~す」
シェアハウスでは滅多に見ないレアキャラの瀬奈は、年上住人たちを呼びに行った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
設営が一段落したところで、今夜の寝床の割り振りを決めることとなった。
明日奈はメンバー全員を集めて話し始めた。
「今日、みんなが寝る場所を決めたいと思います。
定員はキャンピングカーが6人、テントが4人よ。
オーナー特権で、私はキャンピングカーに寝せてもらいます。
なので、キャンピングカーに寝られるのは、後5人。
祐希くんには、管理人としてテントでボディーガード役をお願いします」
「はい、分かりました」
「なので、残りの8人で、どちらに寝るか決めるよ。
じゃあ、キャンピングカー5人、テント3人の希望者を募ります。
希望が被ったら、公平にじゃんけんで決めるけどいいかな?」
明日奈が全員を見回したが、異論は無さそうだ。
「キャンピングカーで寝たい人、手を挙げて!」
その声に、怜奈、里緒奈、瑞希、朱音、瀬奈の5人が手を挙げた。
「あら、ちょうど5人ね。他の人はテントでいいのね。
じゃあ、この5人はキャンピングカーで決定!」
「やった~!」
「これで安心して眠れるね」
キャンピングカー宿泊組から、歓声が上がった。
「未来、さくら、琴葉の3人はテントで大丈夫?」
明日奈が気づかってくれた。
「はい、大丈夫です」
「問題ないです」
琴葉と未来が言った。
「たぶん、大丈夫です」
さくらは、初めて泊まるテントと寝袋という環境で、眠れるかどうか心配だった。
「祐希、女子と同じテントだからって、襲ったら承知しないよ」
里緒奈が冗談とも本気とも取れる調子で言った。
「そんなこと、しませんよ……」
「テント組の女子……
もし祐希に襲われたら、大声で助けを呼ぶんだよ」
里緒奈の言葉は、辛辣だった。
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