恋愛経験ゼロの俺が、一目惚れした天使にストーカーと勘違いされた挙句、男女比1対9のハーレム・シェアハウスで一緒に住むことになった話

永遠光(とわのひかり)

文字の大きさ
48 / 133
第2章 光と陰

第45話 湖畔キャンプ

 6月のある土曜日、キャンプイベントが開催された。
 やむを得ない理由がない限り、参加必須というシェアハウスの恒例行事だ。

 住人たちは、レンタルした大型キャンピングカーと、明日奈が所有するミニバンの2台に分乗し、キャンプ場へ向かった。

 当日の朝、近くの食品スーパー「フレッシュONE」で食材を買い込み、明日奈がネットで購入した各地の魚介類や食肉と一緒に車に積み込んだ。

 目指すは長野県の「女神湖オートキャンプ場」だ。
 このキャンプ場は、最近できたばかりの高規格キャンプ場で、湖の近くにあり、眺めも良く、電源とWi-fiも完備している。
 しかも管理棟にはサウナ、シャワールーム、コインランドリー、温水洗浄便座付き水洗トイレ、売店、カフェバーまで併設されている。

 シェアハウスからキャンプ場までは、高速を利用して約3時間30分かかる。
 途中サービスエリアで休憩し、キャンプ場に到着したのは、12時30分過ぎだった。

 キャンプ場に到着すると、駐車場からは白樺林と湖が見え、まるで絵画のように美しかった。
「うわぁ~、いい眺め~」
「湖、すっごく綺麗よ」

 女子たちのテンションは美しい景色を見てバク上がりとなった。
 湖は初夏の日差しを照り返し、さざ波がキラキラと輝いていた。
 気温は24℃と快適そのものだ。

「このキャンプ場、湖岸じゃないけど湖が見えるから、景色はいいわね」
 受付時間まで時間があったので、みんなは車の中で軽い昼食を取った。
 受付時間になると明日奈が管理棟で受付を済ませ、オートサイトに車を移動させた。

 予約した3サイトのうち、両端のサイトにキャンピングカーとミニバンを停めて風よけとした。
 真ん中のサイトには、宴会用のタープを張ることにした。

「祐希くん、出番だよ~」
 明日奈が祐希を呼んだ。

「はい、任せてください」
 祐希は、宴会用のスクリーンタープと、宿泊用の2ルームテントの設営を明日奈から任された。

「私たちは、湖見てくるね」
 怜奈、里緒奈、瑞希、朱音の年上女子グループは、湖の方に走って行った。

 祐希が一人でスクリーンタープを張っていると……
「祐希さん、お手伝いします」
「祐希、私も手伝うよ」
 左右から同時に声が聞こえた。
 それは、さくらと未来だった。

「あ、ありがとう。
 それじゃ、手伝ってもらおうかな……」

「はい」
 2人は、声を揃えて言った。

 (祐希と2人っきりになれると思ったのに……なんでさくらちゃんがいるのよ……)
 未来は感情が表に出ないように作り笑顔で、祐希を手伝った。

「さくらさん、そっちのポール、もう少しこっちに……そう、ありがとう」
 祐希が指示を出すと、さくらは嬉しそうに頷いた。

 そのやり取りを見ていた未来の表情が曇った。
「祐希、こっちのペグはどこに打つの?」 
 未来は、2人の間に割って入るように、わざと大きな声で尋ねた。

 さくらは、祐希が一人で大変そうだから、純粋な気持ちで手伝いに来ていた。
 2人が手伝ってくれたおかげで、思ったよりも早くスクリーンタープが完成した。

「明日奈さん、タープ完成しました。
 荷物入れてもいいですよ~」

 タープを張り終えた祐希は、宿泊用の2ルームテントをミニバンが停めてあるサイトに張った。

 その頃、明日奈はキャンピングカーの準備に取りかかった。
 最初にテーブルに水平器を置き、「水平出し」作業を行った。

「琴葉ちゃん、ちょっと見ててくれる?」
 そばにいた琴葉に声をかけ、ゆっくりとレベラーにタイヤを乗り上げて完璧な水平を確保した。

 次に、サイト備え付けの電源ボックスから延長コードを引き、車体の外部電源ソケットへ接続した。
「これでエアコンも使えるわね」

 最後に、ハンドルを回し、車体側面からサイドオーニングを引き出し、脚を立てて固定した。
 快適なリビングスペースがあっという間に出現した。

「ふぅ、こんなものかしら。
 これで今夜の寝床は完成ね」
 明日奈は満足そうに微笑んだ。

 ふと見ると、瀬奈がキャンピングカーの前で椅子に座って読書していた。
「瀬奈ちゃん、悪いんだけど里緒奈ちゃんたち、呼んで来てくれる。
 遊んでないで、少しは手伝えって。
 手伝わないと晩ごはんは抜きだぞって、私がそう言ってたよって……」

「は~い、呼んできま~す」
 シェアハウスでは滅多に見ないレアキャラの瀬奈は、年上住人たちを呼びに行った。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 設営が一段落したところで、今夜の寝床の割り振りを決めることとなった。
 明日奈はメンバー全員を集めて話し始めた。
「今日、みんなが寝る場所を決めたいと思います。
 定員はキャンピングカーが6人、テントが4人よ。
 オーナー特権で、私はキャンピングカーに寝せてもらいます。
 なので、キャンピングカーに寝られるのは、後5人。
 祐希くんには、管理人としてテントでボディーガード役をお願いします」 

「はい、分かりました」

「なので、残りの8人で、どちらに寝るか決めるよ。
 じゃあ、キャンピングカー5人、テント3人の希望者を募ります。
 希望が被ったら、公平にじゃんけんで決めるけどいいかな?」
 明日奈が全員を見回したが、異論は無さそうだ。

「キャンピングカーで寝たい人、手を挙げて!」
 その声に、怜奈、里緒奈、瑞希、朱音、瀬奈の5人が手を挙げた。

「あら、ちょうど5人ね。他の人はテントでいいのね。
 じゃあ、この5人はキャンピングカーで決定!」

「やった~!」
「これで安心して眠れるね」
 キャンピングカー宿泊組から、歓声が上がった。

「未来、さくら、琴葉の3人はテントで大丈夫?」
 明日奈が気づかってくれた。

「はい、大丈夫です」
「問題ないです」
 琴葉と未来が言った。

「たぶん、大丈夫です」
 さくらは、初めて泊まるテントと寝袋という環境で、眠れるかどうか心配だった。

「祐希、女子と同じテントだからって、襲ったら承知しないよ」
 里緒奈が冗談とも本気とも取れる調子で言った。

「そんなこと、しませんよ……」

「テント組の女子……
 もし祐希に襲われたら、大声で助けを呼ぶんだよ」
 里緒奈の言葉は、辛辣だった。
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』

まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。 朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。 「ご主人様の笑顔が見たいんです」 その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。 全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!? 甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。 ​「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」 ​「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」 ​「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」

クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について

マカロニ
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。 かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。 しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。 現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。 その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。 「今日から私、あなたのメイドになります!」 なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!? 謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける! カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

俺は陰キャだったはずなのに……なぜか学園内でモテ期が到来した件

こうたろ
青春
友人も恋人も居ないボッチ学生だった山田拓海が何故かモテだしてしまう。 ・学園一の美人で、男女問わず憧れの的。 ・陸上部のエースで、明るく活発なスポーツ女子。 ・物静かで儚げな美術部員。 ・アメリカから来た金髪碧眼でハイテンションな留学生。 ・幼稚園から中学まで毎朝一緒に登校していた幼馴染。 拓海の生活はどうなるのか!?