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明日に惑う少女と悩める老竜
第2話 ため息
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純白に反して皺の多い封筒の表面には、ヘキサ・C・センリの名。
裏面には複雑な印が刻まれた朱色の封蝋。
他にサインらしきものは見当たらないが、誰が――いや、どこに所属する相手から送られてきた手紙かは、それだけで十分に分かる。分かってしまう。
特に、コウルズ学園と一度でも接点を持ったならば、知らぬ者はいない。
言葉で表せないこの印は、あらゆる種族を内包する世にあって、至高とまで評される叡智の宝庫「院」の教授しか持ち得ないものなのだから。
そんなご大層な手紙がヘキサに届いたのは、約一年前のこと。
あと一年を使ってこれからの行く末を決める、最初の日だった。
以来、ヘキサはなんとしてでも就職先を勝ち取ろうと、今日の今日まで粘ってきた。
全ては、「院」の教授の推薦で進学するという、他の生徒からしてみれば羨ましいことこの上ない話を蹴るために。
(せっかく、ウォーム先生がもぎ取ってくださった条件なのに……)
推薦状のことを相談した担任は、まず喜び、ヘキサが辞退を申し出るなり、驚き宥め、その意思が硬いと知ったなら、渋々ではあるが「院」にそれを伝えてくれた。
学園内とはいえ、今もって高位種族と呼ばれる者たちが多く教授職に就く「院」。そこへ、能力的にはオウルとそう変わらない種族の担任が意見するのは、規則では何ら問題なくとも、心情的には大変だったことだろう。上級課程の教師ならば、より能力差を実感できてしまうのだから、恐怖もひとしおだ。
そんな担任の苦労を経て提示された、「次年度までに就職が決まったなら、その時点で推薦を破棄する」という条件は、ヘキサにとってこれ以上ないチャンスとなる――はずだった。
蓋を開けてみれば、どこで知られてしまったのか、「「院」の教授に推薦された生徒」の肩書きがついて回り、雇ってくれないどころか、面接すら断られ続ける有り様。
時に、条件付きの返事を持ってきた担任を恨みかけもしたが、ヘキサとて上級課程の授業を受けてきた生徒。筋違いもいいところだと分かっている。
(……まあ、ウォーム先生も、本当はこのまま進学することを望まれているでしょうが)
自らの保身のためではなく、生徒の輝かしい未来のために。
「院」への進学は、それだけで将来を約束されたと言っても過言ではないのだ。
(でも……ああ、どうしたら)
それでも「院」への進学を拒むヘキサは、忌々しくも出自ゆえに破り捨てることさえ敵わない手紙を鞄へしまうと、鬱々とした気持ちで再び湖を見つめた。
暗澹としたこちらとは打って変わり、午後の陽を浴びて煌めく湖面の輝き。
そこにはかつて、オウルの王国があったという。
まだ世界がこんなに広く、多くの種族を抱えていなかった時代において、オウルは自分たちこそ種の頂点であると考えていた。――今を生きるヘキサにとっては、いたたまれないほど羞恥を感じる話だが。
この意識に変化が訪れたのは、彼らを脅かす邪竜が襲来して、後。
伝聞でしか存在が確認されていない勇者の出現により、辛くも危機を脱した彼らは、邪竜が各地に残した爪痕から高位の存在を思い知り、これによってその後に訪れる、他種族との邂逅に備えることができた。
これは、何が幸いになるか分からない例えとして、この地で用いられる話だが、湖となっていることからも分かるように、オウルの王国はとうの昔に滅んでいる。
数々の災厄を振り払えた彼らも、まさか、彼らにとって神にも等しい存在のちょっとした小競り合い、その流れ弾が当たった程度で、長かった歴史に幕が下ろされるとは思わなかったことだろう。
(古来より、高位種族に対してオウルは無力、なんですよね)
直接の祖先ではなくとも、種族における束の間の栄華を慰めに浮かべ、うっかり滅びまで辿ったなら、戻される現実に打ちひしがれる。
「はああああ……」
深いため息が漏れた。
――だが。
(…………え?)
タイミングこそ合ってはいるが、それはヘキサの声ではなかった。
ヘキサよりも遥かに低い、男の声。
この公園に着いた時、先客は誰もいなかったはずだ。
もちろん、誰にでも開かれた公園ならば、ヘキサが物思いに耽っている内に訪れた者がいてもおかしくはない。
おかしくはないが――それにしては距離が近い。
種族単位で言えば、オウルの能力は平均よりやや下。しかし、仮にもコウルズの上級課程を卒業した者が、ここまで接近されて全く気づかないはずはない。
相手との能力差が、それこそ一生徒と「院」の教授並に開いていない限り。
「!!」
自身の想像に戦き、大袈裟な動きで身体ごと左隣を向く。
まさか、期限を待たずに「院」の教授が迎えに来たのではないか。
(そんなはずは……)
あり得ない。
断言できても緊張の解けないヘキサは、そこで捉えた人物を注視する。
茶色のスーツに白いワイシャツ、襟元には琥珀の飾りに臙脂の紐を通したループタイ。オールバックの髪と口髭は緑がかった灰色で、浮かない顔で湖を見つめる瞳は黄緑。皺を刻んだ影を帯びる肌は老いを感じさせるものの、憂う顔立ちは弱気の中に精悍さが垣間見える。
一見するとオウルと思しき容姿の老紳士。
だが、視認しても気配のない男からは、同族には感じ得ない異質さがあった。
一方で、ヘキサが目的、という風にも見えない。欄干に両肘をつき、頭を抱えて苦悩する姿は、あのため息の持ち主に相応しいが。
「あ、あのぉ……?」
警戒はそのままに声を掛ける。ともすれば、教授でなくとも高位種族である可能性は高いのだが、声を掛けずにいられないほどの悲壮感が男にはあった。
ヘキサが続く言葉に迷えば、勢いよく顔を上げた男がこちらを見て驚く。
「え? あ? っと、これは申し訳ない。先客がいたとは露知らず」
欄干から離れ、姿勢を正した男の背丈は、ヘキサより頭一個分は高い。自然と仰ぐ格好になるわけだが、威圧感がないのは男が気恥ずかしそうに頭を掻いているためか。
男のこの様子に、ヘキサは四白眼をぱちくりさせた。
謝罪の内容から、彼が「院」の教授である可能性は限りなく低くなった。反面、男と違い気配を隠していないヘキサの隣まで来ておきながら、こちらに全く気づいていなかったことに驚く。
何をそんなに悩んでいるのか。
純粋な興味というよりも、高位と思しき存在の、自分以上に切羽詰まった悩みとは何なのか、些かひねくれた好奇心が湧いてきた。あるいはそれは、どれだけ考えても解決の糸口さえ見えない現実から、少しでも逃避しようという試みだったのかもしれない。
気づけばヘキサは男へ尋ねていた。
「何かお困りのようですが、どうかされましたか? 私は見た目通りのオウルですが、この制服の通りコウルズの出ですので、多少は力になれると思います。たとえ私がダメでも、先生方にお繋ぎすることもできますが」
「はあ」
一息に語ったのが悪かったのか、胸に手を当て自身の紹介をするヘキサに対し、男の反応は薄い。頭に置いた手はそのままに、ポカンとした表情を浮かべている。
これを踏まえ、自分の行動を顧みたヘキサは、慌てて両手を振った。
「あ、もちろん押しつけでもないので、もし良ければ、という話で……すみません」
最終的に頭を下げるしかなくなるヘキサ。
「ああ、いえ。こちらこそ」
つられるようにして、何故か男も申し訳なさそうに頭を下げてきた。
「せっかくお声掛けいただいたのに、上手く返事をできず申し訳ない。……そう、ですね。事はもう、私一人の問題ではなくなっているのを忘れておりました」
一人納得して頷く男の様子に、詳しいことは分からないが、自分の声掛けで何かの糸口を見つけられたのだと、ヘキサは何ともなしにほっとした――のも束の間。
「実は、本当にお恥ずかしい限りなのですが、もうすぐ世界が滅んでしまうのですよ」
「…………は?」
「いえ、正確には、私が滅ぼしてしまうのですが」
「ええっと……?」
言葉通り、恥ずかしそうに笑いながら告げられた、物騒。
のどかな昼間の青空を背景とするには、あまりにもそぐわない内容に、今度はヘキサの方が呆気に取られてしまった。
裏面には複雑な印が刻まれた朱色の封蝋。
他にサインらしきものは見当たらないが、誰が――いや、どこに所属する相手から送られてきた手紙かは、それだけで十分に分かる。分かってしまう。
特に、コウルズ学園と一度でも接点を持ったならば、知らぬ者はいない。
言葉で表せないこの印は、あらゆる種族を内包する世にあって、至高とまで評される叡智の宝庫「院」の教授しか持ち得ないものなのだから。
そんなご大層な手紙がヘキサに届いたのは、約一年前のこと。
あと一年を使ってこれからの行く末を決める、最初の日だった。
以来、ヘキサはなんとしてでも就職先を勝ち取ろうと、今日の今日まで粘ってきた。
全ては、「院」の教授の推薦で進学するという、他の生徒からしてみれば羨ましいことこの上ない話を蹴るために。
(せっかく、ウォーム先生がもぎ取ってくださった条件なのに……)
推薦状のことを相談した担任は、まず喜び、ヘキサが辞退を申し出るなり、驚き宥め、その意思が硬いと知ったなら、渋々ではあるが「院」にそれを伝えてくれた。
学園内とはいえ、今もって高位種族と呼ばれる者たちが多く教授職に就く「院」。そこへ、能力的にはオウルとそう変わらない種族の担任が意見するのは、規則では何ら問題なくとも、心情的には大変だったことだろう。上級課程の教師ならば、より能力差を実感できてしまうのだから、恐怖もひとしおだ。
そんな担任の苦労を経て提示された、「次年度までに就職が決まったなら、その時点で推薦を破棄する」という条件は、ヘキサにとってこれ以上ないチャンスとなる――はずだった。
蓋を開けてみれば、どこで知られてしまったのか、「「院」の教授に推薦された生徒」の肩書きがついて回り、雇ってくれないどころか、面接すら断られ続ける有り様。
時に、条件付きの返事を持ってきた担任を恨みかけもしたが、ヘキサとて上級課程の授業を受けてきた生徒。筋違いもいいところだと分かっている。
(……まあ、ウォーム先生も、本当はこのまま進学することを望まれているでしょうが)
自らの保身のためではなく、生徒の輝かしい未来のために。
「院」への進学は、それだけで将来を約束されたと言っても過言ではないのだ。
(でも……ああ、どうしたら)
それでも「院」への進学を拒むヘキサは、忌々しくも出自ゆえに破り捨てることさえ敵わない手紙を鞄へしまうと、鬱々とした気持ちで再び湖を見つめた。
暗澹としたこちらとは打って変わり、午後の陽を浴びて煌めく湖面の輝き。
そこにはかつて、オウルの王国があったという。
まだ世界がこんなに広く、多くの種族を抱えていなかった時代において、オウルは自分たちこそ種の頂点であると考えていた。――今を生きるヘキサにとっては、いたたまれないほど羞恥を感じる話だが。
この意識に変化が訪れたのは、彼らを脅かす邪竜が襲来して、後。
伝聞でしか存在が確認されていない勇者の出現により、辛くも危機を脱した彼らは、邪竜が各地に残した爪痕から高位の存在を思い知り、これによってその後に訪れる、他種族との邂逅に備えることができた。
これは、何が幸いになるか分からない例えとして、この地で用いられる話だが、湖となっていることからも分かるように、オウルの王国はとうの昔に滅んでいる。
数々の災厄を振り払えた彼らも、まさか、彼らにとって神にも等しい存在のちょっとした小競り合い、その流れ弾が当たった程度で、長かった歴史に幕が下ろされるとは思わなかったことだろう。
(古来より、高位種族に対してオウルは無力、なんですよね)
直接の祖先ではなくとも、種族における束の間の栄華を慰めに浮かべ、うっかり滅びまで辿ったなら、戻される現実に打ちひしがれる。
「はああああ……」
深いため息が漏れた。
――だが。
(…………え?)
タイミングこそ合ってはいるが、それはヘキサの声ではなかった。
ヘキサよりも遥かに低い、男の声。
この公園に着いた時、先客は誰もいなかったはずだ。
もちろん、誰にでも開かれた公園ならば、ヘキサが物思いに耽っている内に訪れた者がいてもおかしくはない。
おかしくはないが――それにしては距離が近い。
種族単位で言えば、オウルの能力は平均よりやや下。しかし、仮にもコウルズの上級課程を卒業した者が、ここまで接近されて全く気づかないはずはない。
相手との能力差が、それこそ一生徒と「院」の教授並に開いていない限り。
「!!」
自身の想像に戦き、大袈裟な動きで身体ごと左隣を向く。
まさか、期限を待たずに「院」の教授が迎えに来たのではないか。
(そんなはずは……)
あり得ない。
断言できても緊張の解けないヘキサは、そこで捉えた人物を注視する。
茶色のスーツに白いワイシャツ、襟元には琥珀の飾りに臙脂の紐を通したループタイ。オールバックの髪と口髭は緑がかった灰色で、浮かない顔で湖を見つめる瞳は黄緑。皺を刻んだ影を帯びる肌は老いを感じさせるものの、憂う顔立ちは弱気の中に精悍さが垣間見える。
一見するとオウルと思しき容姿の老紳士。
だが、視認しても気配のない男からは、同族には感じ得ない異質さがあった。
一方で、ヘキサが目的、という風にも見えない。欄干に両肘をつき、頭を抱えて苦悩する姿は、あのため息の持ち主に相応しいが。
「あ、あのぉ……?」
警戒はそのままに声を掛ける。ともすれば、教授でなくとも高位種族である可能性は高いのだが、声を掛けずにいられないほどの悲壮感が男にはあった。
ヘキサが続く言葉に迷えば、勢いよく顔を上げた男がこちらを見て驚く。
「え? あ? っと、これは申し訳ない。先客がいたとは露知らず」
欄干から離れ、姿勢を正した男の背丈は、ヘキサより頭一個分は高い。自然と仰ぐ格好になるわけだが、威圧感がないのは男が気恥ずかしそうに頭を掻いているためか。
男のこの様子に、ヘキサは四白眼をぱちくりさせた。
謝罪の内容から、彼が「院」の教授である可能性は限りなく低くなった。反面、男と違い気配を隠していないヘキサの隣まで来ておきながら、こちらに全く気づいていなかったことに驚く。
何をそんなに悩んでいるのか。
純粋な興味というよりも、高位と思しき存在の、自分以上に切羽詰まった悩みとは何なのか、些かひねくれた好奇心が湧いてきた。あるいはそれは、どれだけ考えても解決の糸口さえ見えない現実から、少しでも逃避しようという試みだったのかもしれない。
気づけばヘキサは男へ尋ねていた。
「何かお困りのようですが、どうかされましたか? 私は見た目通りのオウルですが、この制服の通りコウルズの出ですので、多少は力になれると思います。たとえ私がダメでも、先生方にお繋ぎすることもできますが」
「はあ」
一息に語ったのが悪かったのか、胸に手を当て自身の紹介をするヘキサに対し、男の反応は薄い。頭に置いた手はそのままに、ポカンとした表情を浮かべている。
これを踏まえ、自分の行動を顧みたヘキサは、慌てて両手を振った。
「あ、もちろん押しつけでもないので、もし良ければ、という話で……すみません」
最終的に頭を下げるしかなくなるヘキサ。
「ああ、いえ。こちらこそ」
つられるようにして、何故か男も申し訳なさそうに頭を下げてきた。
「せっかくお声掛けいただいたのに、上手く返事をできず申し訳ない。……そう、ですね。事はもう、私一人の問題ではなくなっているのを忘れておりました」
一人納得して頷く男の様子に、詳しいことは分からないが、自分の声掛けで何かの糸口を見つけられたのだと、ヘキサは何ともなしにほっとした――のも束の間。
「実は、本当にお恥ずかしい限りなのですが、もうすぐ世界が滅んでしまうのですよ」
「…………は?」
「いえ、正確には、私が滅ぼしてしまうのですが」
「ええっと……?」
言葉通り、恥ずかしそうに笑いながら告げられた、物騒。
のどかな昼間の青空を背景とするには、あまりにもそぐわない内容に、今度はヘキサの方が呆気に取られてしまった。
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