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第2章
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鼻水をかんであげると、ようやくルルムは落ち着きを取り戻す。
「ありがとう・・・ございますぅ・・・」
「俺も寂しいから。ルルムの気持ちはわかるよ」
「はい・・・。ですが・・・」
ここでルルムは大きな胸を張って、宙に羽ばたきながらサムズアップする。
「マスターを独り占めできるので・・・これはこれでグーですぅ!!」
とんでもなく切り替えの早いサキュバスだった。
「それでマスター! これからどーしましょう?」
「ひとまず帰れる準備だけはやっておこうって思う」
「がーーん!! やっぱりマスターもルルムの前からいなくなってしまうんですかぁぁ……ぐすん・・・」
「大丈夫。ルルムのことを見捨てたまま帰ったりはしないから」
「うぅっ~~!! さすがマスターですぅぅ~~! ありがとうございますぅぅ~~!!」
ルルムにべったりと抱きつかれながらゲントはひそかに思う。
(たぶんルルムは過去の記憶を思い出せないんだ)
自分がどうしてあんな場所にいたのか。
また、なぜ魔剣の姿だったのか。
この問題を解決してあげない限り、もとの世界へ帰ることはできないとゲントは考えていた。
「マスターがルルムを救ってくれたように、今度はルルムが恩返しする番ですねっ♪」
勢いよく宙で一回転すると、ルルムは「精一杯お手伝いさせていただきます~!」とぺこりとお辞儀した。
「うん。よろしくね」
こうして。
2人のこれからの方針が決まるのだった。
***
はじめての町を見てまわり、ゲントはルルムとともに感動していた。
「すごい活気ですねぇ! ルルム楽しくなってきちゃいましたっ~♪」
(そうそう。こういうのが異世界だよ)
アニメやラノベで見ていた町がそのまま目の前にあるから感慨もひとしおだ。
(女神さまの話だと、異世界へ最初に転移した人が体験談として持ち帰って流行らせたって話だけど・・・再現度高すぎだよな)
思わず笑ってしまうほど、ザ・異世界の光景がそこに広がっている。
自分が今、その世界の中にいるというのはなんとも不思議な気分だ、とゲントは思った。
ちょうど仕事がはじまる時間なのか、町は徐々に人が集まってきて賑わいをみせる。
また、少し歩いてみてわかったことがあった。
どうやらここは、テラスタル領という領地の中にある町らしい。
丁寧にも近隣の地図まで看板には記されていた。
「なるほどぉ~! ロザリアは王都と6つの領から成り立ってるんですね~☆」
「そうみたいだね」
==================================
【火の国ロザリア】
人口・・・850万人
広さ・・・東西80k、南北70k
○王都
ロザリア城が鎮座する一国の中心地。
○ディンルー領
ロザリアで一番広大な領地を占有する。
[ダンジョン]
『レギヤド竜炎城』など
○テラスタル領
温暖な気候で農作物が豊かに育つ。
[領都]
エコーズ
[ダンジョン]
『フルゥーヴ伝承洞』など
○ハッサム領
寒冷な高山地帯にある積層型の町が多い。
[ダンジョン]
『グランストン断罪場』など
○オレキア領
国内取引の中継領として栄える。
[領都]
コンロイ
[ダンジョン]
『幻影飛魔天』など
○エンペルト領
商業によって急速に発展してきた。
[領都]
ロゲス
[町]
パダピリなど
[ダンジョン]
『淵森の廃砦』など
○サーフゴー領
教会本部などの実務施設が集まっている。
[ダンジョン]
『クラニオ噴山』など
==================================
その看板を見て、ゲントはフェルンから聞いた話を思い出す。
(たしかそれぞれの領には、独自の法律があるんだったよな)
また、各領によって発動禁止となっている新約魔導書も異なるという話だ。
なお魔法を人に対して直接使用することはどの領でも法律によって禁じられており、違反者は領主によって裁かれることになる。
(まあ、俺はそもそも魔法が使えないから。関係ないわけだけど)
ただ、注意するに越したことはないとゲントは思う。
領主の裁量ひとつで裁かれてしまうなんてことも、ぜんぜんあり得るからだ。
ここは異世界フィフネル。
もといた日本とは、法律もまったく違うということを改めてゲントは認識する。
が、ルルムはまるで気にしていない様子で。
「なんかこーゆう地図見るだけでわくわくしますっ♪」
嬉しそうにしっぽをふりふりと振っている。
たしかにその気持ちはゲントにも理解できた。
今だとスマホなんかですぐにゲームの攻略情報なんかがわかるが、昔は違ったよなとゲントは思う。
どこにどんな町があるのか。
これからどんな世界が広がっているのか。
わからないからこそ面白かったのだ。
「えーっと・・・。ここはエコーズって町なのか」
テラスタル領にはいくつか町があるらしいのだが、運のいいことにここはどうやら領都だったようだ。
町の中心には大きな川が流れており、東には広大な牧草地が広がっている。
南には山々が連なり、自然豊かな土地で、エコーズの人々は生活を送っているようだった。
(ずいぶんと気持ちのいい町だな)
精肉店、鮮魚店、青果店、理髪店、大食堂、宿屋、道具屋、ポーション店。
基本的な店はひととおり揃っているようである。
酒場なんかはまだ午前中だというのにすでに営業している。
大柄の若い男たちがエール片手に楽しそうに談笑しながら呑んでいた。
魔法学院や図書館もエコーズには存在し、そのほかにも教会なんてものもあった。
フェルンに聞いた話によれば、この異世界の宗教は現在ふたつの宗派に分かれているようだ。
グラディウスを唯一神として崇めるグラディウス正教が主流で、その派生としてクロノを英雄神として崇めるクロノ聖公会が生まれたらしい。
2種類の教会が町にそれぞれ存在するのはそんな経緯があってのことなのだろう。
(けど、武器屋、防具屋、鍛冶屋とか・・・。ゲームだと定番の店は見当たらないな)
どうやら剣などの武器は、旧時代の道具というのが人々の認識らしい。
それだけ魔法が今の時代では身近なのだろうとゲントは思った。
「ありがとう・・・ございますぅ・・・」
「俺も寂しいから。ルルムの気持ちはわかるよ」
「はい・・・。ですが・・・」
ここでルルムは大きな胸を張って、宙に羽ばたきながらサムズアップする。
「マスターを独り占めできるので・・・これはこれでグーですぅ!!」
とんでもなく切り替えの早いサキュバスだった。
「それでマスター! これからどーしましょう?」
「ひとまず帰れる準備だけはやっておこうって思う」
「がーーん!! やっぱりマスターもルルムの前からいなくなってしまうんですかぁぁ……ぐすん・・・」
「大丈夫。ルルムのことを見捨てたまま帰ったりはしないから」
「うぅっ~~!! さすがマスターですぅぅ~~! ありがとうございますぅぅ~~!!」
ルルムにべったりと抱きつかれながらゲントはひそかに思う。
(たぶんルルムは過去の記憶を思い出せないんだ)
自分がどうしてあんな場所にいたのか。
また、なぜ魔剣の姿だったのか。
この問題を解決してあげない限り、もとの世界へ帰ることはできないとゲントは考えていた。
「マスターがルルムを救ってくれたように、今度はルルムが恩返しする番ですねっ♪」
勢いよく宙で一回転すると、ルルムは「精一杯お手伝いさせていただきます~!」とぺこりとお辞儀した。
「うん。よろしくね」
こうして。
2人のこれからの方針が決まるのだった。
***
はじめての町を見てまわり、ゲントはルルムとともに感動していた。
「すごい活気ですねぇ! ルルム楽しくなってきちゃいましたっ~♪」
(そうそう。こういうのが異世界だよ)
アニメやラノベで見ていた町がそのまま目の前にあるから感慨もひとしおだ。
(女神さまの話だと、異世界へ最初に転移した人が体験談として持ち帰って流行らせたって話だけど・・・再現度高すぎだよな)
思わず笑ってしまうほど、ザ・異世界の光景がそこに広がっている。
自分が今、その世界の中にいるというのはなんとも不思議な気分だ、とゲントは思った。
ちょうど仕事がはじまる時間なのか、町は徐々に人が集まってきて賑わいをみせる。
また、少し歩いてみてわかったことがあった。
どうやらここは、テラスタル領という領地の中にある町らしい。
丁寧にも近隣の地図まで看板には記されていた。
「なるほどぉ~! ロザリアは王都と6つの領から成り立ってるんですね~☆」
「そうみたいだね」
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【火の国ロザリア】
人口・・・850万人
広さ・・・東西80k、南北70k
○王都
ロザリア城が鎮座する一国の中心地。
○ディンルー領
ロザリアで一番広大な領地を占有する。
[ダンジョン]
『レギヤド竜炎城』など
○テラスタル領
温暖な気候で農作物が豊かに育つ。
[領都]
エコーズ
[ダンジョン]
『フルゥーヴ伝承洞』など
○ハッサム領
寒冷な高山地帯にある積層型の町が多い。
[ダンジョン]
『グランストン断罪場』など
○オレキア領
国内取引の中継領として栄える。
[領都]
コンロイ
[ダンジョン]
『幻影飛魔天』など
○エンペルト領
商業によって急速に発展してきた。
[領都]
ロゲス
[町]
パダピリなど
[ダンジョン]
『淵森の廃砦』など
○サーフゴー領
教会本部などの実務施設が集まっている。
[ダンジョン]
『クラニオ噴山』など
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その看板を見て、ゲントはフェルンから聞いた話を思い出す。
(たしかそれぞれの領には、独自の法律があるんだったよな)
また、各領によって発動禁止となっている新約魔導書も異なるという話だ。
なお魔法を人に対して直接使用することはどの領でも法律によって禁じられており、違反者は領主によって裁かれることになる。
(まあ、俺はそもそも魔法が使えないから。関係ないわけだけど)
ただ、注意するに越したことはないとゲントは思う。
領主の裁量ひとつで裁かれてしまうなんてことも、ぜんぜんあり得るからだ。
ここは異世界フィフネル。
もといた日本とは、法律もまったく違うということを改めてゲントは認識する。
が、ルルムはまるで気にしていない様子で。
「なんかこーゆう地図見るだけでわくわくしますっ♪」
嬉しそうにしっぽをふりふりと振っている。
たしかにその気持ちはゲントにも理解できた。
今だとスマホなんかですぐにゲームの攻略情報なんかがわかるが、昔は違ったよなとゲントは思う。
どこにどんな町があるのか。
これからどんな世界が広がっているのか。
わからないからこそ面白かったのだ。
「えーっと・・・。ここはエコーズって町なのか」
テラスタル領にはいくつか町があるらしいのだが、運のいいことにここはどうやら領都だったようだ。
町の中心には大きな川が流れており、東には広大な牧草地が広がっている。
南には山々が連なり、自然豊かな土地で、エコーズの人々は生活を送っているようだった。
(ずいぶんと気持ちのいい町だな)
精肉店、鮮魚店、青果店、理髪店、大食堂、宿屋、道具屋、ポーション店。
基本的な店はひととおり揃っているようである。
酒場なんかはまだ午前中だというのにすでに営業している。
大柄の若い男たちがエール片手に楽しそうに談笑しながら呑んでいた。
魔法学院や図書館もエコーズには存在し、そのほかにも教会なんてものもあった。
フェルンに聞いた話によれば、この異世界の宗教は現在ふたつの宗派に分かれているようだ。
グラディウスを唯一神として崇めるグラディウス正教が主流で、その派生としてクロノを英雄神として崇めるクロノ聖公会が生まれたらしい。
2種類の教会が町にそれぞれ存在するのはそんな経緯があってのことなのだろう。
(けど、武器屋、防具屋、鍛冶屋とか・・・。ゲームだと定番の店は見当たらないな)
どうやら剣などの武器は、旧時代の道具というのが人々の認識らしい。
それだけ魔法が今の時代では身近なのだろうとゲントは思った。
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彼らは通称カーヴァント。
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カーヴァントには1から10までのランクがあり、1は最弱、6で強者、7や8は最大戦力で鬼神とも呼ばれる強さだ。
しかし9と10は報告された事がない伝説級だ。
また、カードのランクはそのカードにいるカーヴァントを召喚するのに必要なコストに比例する。
探索者は各自そのラビリンスが持っているカーヴァントの召喚コスト内分しか召喚出来ない。
つまり沢山のカーヴァントを召喚したくてもコスト制限があり、強力なカーヴァントはコストが高い為に少数精鋭となる。
数を選ぶか質を選ぶかになるのだ。
月日が流れ、最初にラビリンスに入った者達の子供達が高校生〜大学生に。
彼らは二世と呼ばれ、例外なく特別な力を持っていた。
そんな中、ラビリンスに入った自衛隊員の息子である斗枡も高校生になり探索者となる。
勿論二世だ。
斗枡が持っている最大の能力はカード合成。
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