会ったこともない出会い系の女の子に半年かけて失恋する話

どうしようもない男

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されど世界は回ってる

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今日初めて心に喪失感というものが芽生えた。
去年の6月頃から出会い系のアプリでLINEを交換した女の子がいた。ここでは敢えてnちゃんとしよう。nちゃんとはたわいのない話から、相談事や色々な話をする様になった。

nちゃんは蛙化現象という好意を持たれると気持ちが悪くなるという現象で十数人に告白されたことはあるけど男性経験はないという今まであったことのないような女性だった。

正直な話、自分もあまり変わりはなく、女性に特段モテるわけではないし、恋愛経験は少ない。特に『友達』という関係にはすぐになるが、壁を作り一定以上踏み込ませないし、自分からも踏み込まない。そういう男だ。

どちらも出会い系アプリを始めたきっかけも邪な思いというよりは、自分を変えないとと努力した結果のようなものだった。スタート地点を間違えてはいるが、彼女と話せて幸福だったと思う。

nちゃんは自分より2歳年下の少し離れたところに住む女の子だった。お互いのことをよく知ってから会いたいと話していて話始めたのは5月の末頃だったと思う。夏休みの終わりに会おうとか話していたが、今年のあの忌々しいウイルスによって、会うことは延期になり、そこからお互いに土日さえも潰れる用事が多く、会えない時が続いた。LINEは毎日から二日に一回程度会話し、月に一回程度電話などしながらゲームなど一緒にした。自分はほぼ初めてするゲームで、彼女はそのゲームだけをやりこみつづけている、その界隈での一種の上級者で、毎回挑んではボコられて、レベルが違いすぎて楽しくないだろうなと思い、彼女に追いつけるように必死練習を頑張った。

だが、一向に、いや、最後まで勝てなかった。

12月の中旬、急に連絡が途絶えた。こんなことは前にもあったが、流石に五日も経つと心配が勝ち返信を催促した。その時は何事もなかったように返ってきたが、またすぐに返信が途絶え、催促しないと返ってこないという状況になった。正直しつこいのはわかってたけど、彼女について、LINEでしか知らなかった自分はそうするしかなかったのである。そう、自分はnちゃんに惹かれてたのだ。ただ画面越しでしか話したことのない人に恋するような愚者ではないのだが、人柄を知るにつれこの子なら自分は壁を作らずに接して行けるのではないかと思えるようになっていたのである。ゲームをしながら一緒に心から笑っていれる異性なんて初めてで興味を持つなという方が酷な話ではないだろうか。次、電話をするときがくれば絶対遊びに誘おうと思い電話を誘おうとした。だが、彼女は10日程返信をくれず、自分の心が壊れそう、いや、それは言い過ぎたが、ただ全てがどうでも良くなっていくかのように感じてしまっていった。返信が返ってくる頃にはどうでもいい、嬉しい、二つの感情が同じくらいになっているのがわかった。こういうところが恋愛向いてないんだろうな。相手の話を聞いてあげるべきだったのだろうか。でも、急に何があったのっとか聞けないよ。返信も前のように早く返ってくることがないと薄々わかっていたのだから。彼女に些細なことを送りついに返信が15日返ってこなくなったときに悟った。

あ、本当に終わったんだな、、、って。

前にも三日空いたりすることなどはたまにあったから、今回もなんとかなると思ってた。正直10日あたりになるともう『考えてはいけない』というような思考が生まれており、全てを忘れていた。心はそれによって守られていたのかもしれない。15日目の日、はっきり心の整理をするためにLINEを送った。

『多分面倒だろうし、興味は消えたと思うから本当に最後!!
半年近く話して楽しかった!
面倒だったかもだけど、ほんとありがとね
何も言わずにさよならってのはなんか嫌だから!
いつでもまた話しかけて!』

これで精一杯だった。ほんとはもっと喋りたかったし、もっとゲーム一緒にしたかったし、一度会って笑い合ってみたかった。そう思ってしまったが、もう終わった話だと切り替えた。心が弱い僕はそうするしかなかった。こうやって自分の心を守って更に高い壁を積み上げることを決意した。

ついにnちゃんから返信が来てしまった。やっと忘れられそうだったときに。



『返信遅れてごめんね。
本当にごめんなさい。
最近自分が嫌いになって、何かもう恋愛とかできなさそう。。
しかも私は彼氏ができたとしてもゲーマーだったら耐えられないなって…
⬛︎⬛︎くんもそうだったらどうしようって思っちゃった。。
 LINE全然返信しなかったのに最後まで優しくしてくれてありがとう…! 』

あー終わったんだな。。今喪失感が止まらない。気を抜いたら目から涙も溢れそうだし、どうしたらいいのかほんとにわからない。多分世の中の人々は男なのに女々しいだとかいうのだろう。全くその通りだ、、自分がこんなに女々しい男だとは思わなかった。。どうしたらいいのか教えてくれよ。。俺の気持ちはどこに吐き出せばいいのか、、

2時間くらい色々考えていた。そうすると急に、なんかやられっぱなしな気がして仕返しをしてあげないと気が済まないなと感じてきた。言いたいことくらい全て言わせてもらおう。実際深夜であったことも影響したのか、僕は一文字一文字ゆっくりとLINEを打ち始めた 

『nちゃんへ
返信自体しようか迷いました。
多分想像より早い返信でびっくりしてることと思います。かなり長文になると思うから読まなくても大丈夫だよ。』


『僕はあんまり自分の気持ちとか言わないしあんまわかんない人間だけど、nちゃんはほんとに魅力的な人だと思う!
半年間接して、正直結構惹かれてたんだ、、
女性にしつこいことするつもりなくて、でも nちゃんとはまだ話したいって気持ちがありえないくらいあって、LINE少し催促しちゃったし、普通に電話とLINEだけでこんな楽しいって思えたの初めてだった!
ほんと会ったらすぐに好きになれるんじゃないかってくらいに魅力的な人だと思ってた、、
多分もう交わることのない道だとは思うけど、ほんと何かあったら話くらいは聞くから相談してね』

まだまだ言いたいことはあるけどここで終わろう。。涙が溢れて前も見えないから。。

そして彼女からの返信は来ないだろうし、来ないでくれと願った。これはこれで一つの思い出だと思う。今は受け止め切れていないがこの喪失感も時とともに埋まり前に進んでいけるのだろうと思いここに一つ終わりとして示した。

『さよなら』

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