4 / 19
第1幕
第三話
しおりを挟む
数分後、松尾凛と鏡鈴香は二階のとある部屋にいた。
時計の針を確認すると、一時二十分を指し示していた。とりあえず、鈴香に座るように促すと凛も床に腰を下ろす。
「さて、これからどうする?」
二人はこれからの作戦会議を行う。
「ちなみに、残り人数は30人だけど」
これは、さっきのレーダーの反応の履歴を確認し、地道に数えた結果だ。その大半は一階で固まっているのだろう。あれだけの人数がいたのだから当然だ。
「とりあえず...レーダーが反応した時に、同じ場所にいる人間は同盟関係にあるとみていいと思う」
「もしそうじゃなかったらどうするの?」
「むしろ、そうじゃないほうがありがたいな。人数が減るんだから」
なるほど、と頷く彼女に凛は疑問をぶつけてみる。
「そういえばさ、なんで俺を選んだんだ? 別に、他にもいただろうに」
彼女は、微笑を浮かべながら答える。
「それはね、一番最初に一階のロビーから出た人だからだよ」
「なんで、それが判断材料になるんだ?」
「だって、これからどうなるか、咄嗟に判断して行動できないとそんなことって、できないでしょ?」
なるほど、確かに味方にするなら賢い人物の方がいいのかもしれない。そう考えたとき、彼女の判断は決してまちがっていないだろう。
気づけば、話している間に時間は刻一刻と過ぎていき短針は真下を指していた。
「残り三十分か...」
そうつぶやいた時、腹の虫が鳴く音がした。
鈴香は「ちがう、私じゃない」と顔を赤らめて言う。鳴ったのは俺の腹の虫。よって、彼女は関係ないのだがこの反応だと彼女もお腹が空いているのだろう。
「なっ! そんな目で見るな。ダイエット中で食べる量減らしてるんだからーー」
必死に弁解する彼女のためにも食料は必要だろう。疑わしいとはいえ、一応同盟関係なのだ。
腹が減っては戦はできぬ、とも言うし、いざという時に役に立たないのは困る。
「屋上に行かないか?」
そう誘うと彼女は、自分がしている腕時計の時間を確認し、その後肯定の意を示した。
ーー鈴香は腕時計なのか。ちなみに俺のは首から下げるタイプの懐中時計、屈むと邪魔になるが仕方ないと内心諦めている...。
この建物は六階が屋上となっていて、地下一階と合わせて七階建てとなっている。わざわざこの建物にしたのも「ラッキーセブン」ということだろう。しらんけど。
屋上まで上がるのに、エレベーターを使うか話し合った結果、階段を使うことにした。理由は割愛させてもらうが、少なくとも満場一致でそう決まった。
...にしても、二階から六階まで上がるのは思っていたよりも大変だということを思い知った。前を行く彼女は足音も立てることなく、スイスイと進んでいく。
自分は足音を立てずに歩くので精一杯だというのに。
「早くしないと、置いてっちゃうよー」
彼女の声が階段に響いた。
「馬鹿、静かにしろ」
そう諭す間もなく、後ろから物音が聞こえる。慌てて振り返ると、そこには...
「なんだよ、誰もいないじゃないか…」
スマホのライトを色んなとこに当てて探すが、特に姿は見えない。だとしたらさっきの物音は……
「とりあえず、もうちょっと慎重に進むぞ。さっきみたいな大声は禁止だ」
呼びかける声に返事はない。彼女なりに静かにしようとしているのだろうか。
目的地に向かって足を進めようと、数歩進んだ時、違和感に気づいた。……鈴香の姿はどこだ。
踊り場までそんなに段数はないため、急いで駆け上がる。もちろん、そこにも、鈴音はいない。
上の階に行ってしまったのだろうか。
とにかく六階に行かなければ。そんな思いが足を前に進める。その時……。
「動くな! 両手を上に挙げて、静かに両膝を床につけろ!」
突然の大声に思わず身体が後ずさると、背中に硬いものが当たっていることに気がついた。
「さあ、はやく!」
焦る声に両手をゆっくり上に挙げる。
「そうだ。次は足を床につけるんだ」
指示に従い、できるだけゆっくりと足を曲げる。
声が少し高いからおそらく、少年だろうか。
なんとか起死回生の策を考えなければ……。
時計の針を確認すると、一時二十分を指し示していた。とりあえず、鈴香に座るように促すと凛も床に腰を下ろす。
「さて、これからどうする?」
二人はこれからの作戦会議を行う。
「ちなみに、残り人数は30人だけど」
これは、さっきのレーダーの反応の履歴を確認し、地道に数えた結果だ。その大半は一階で固まっているのだろう。あれだけの人数がいたのだから当然だ。
「とりあえず...レーダーが反応した時に、同じ場所にいる人間は同盟関係にあるとみていいと思う」
「もしそうじゃなかったらどうするの?」
「むしろ、そうじゃないほうがありがたいな。人数が減るんだから」
なるほど、と頷く彼女に凛は疑問をぶつけてみる。
「そういえばさ、なんで俺を選んだんだ? 別に、他にもいただろうに」
彼女は、微笑を浮かべながら答える。
「それはね、一番最初に一階のロビーから出た人だからだよ」
「なんで、それが判断材料になるんだ?」
「だって、これからどうなるか、咄嗟に判断して行動できないとそんなことって、できないでしょ?」
なるほど、確かに味方にするなら賢い人物の方がいいのかもしれない。そう考えたとき、彼女の判断は決してまちがっていないだろう。
気づけば、話している間に時間は刻一刻と過ぎていき短針は真下を指していた。
「残り三十分か...」
そうつぶやいた時、腹の虫が鳴く音がした。
鈴香は「ちがう、私じゃない」と顔を赤らめて言う。鳴ったのは俺の腹の虫。よって、彼女は関係ないのだがこの反応だと彼女もお腹が空いているのだろう。
「なっ! そんな目で見るな。ダイエット中で食べる量減らしてるんだからーー」
必死に弁解する彼女のためにも食料は必要だろう。疑わしいとはいえ、一応同盟関係なのだ。
腹が減っては戦はできぬ、とも言うし、いざという時に役に立たないのは困る。
「屋上に行かないか?」
そう誘うと彼女は、自分がしている腕時計の時間を確認し、その後肯定の意を示した。
ーー鈴香は腕時計なのか。ちなみに俺のは首から下げるタイプの懐中時計、屈むと邪魔になるが仕方ないと内心諦めている...。
この建物は六階が屋上となっていて、地下一階と合わせて七階建てとなっている。わざわざこの建物にしたのも「ラッキーセブン」ということだろう。しらんけど。
屋上まで上がるのに、エレベーターを使うか話し合った結果、階段を使うことにした。理由は割愛させてもらうが、少なくとも満場一致でそう決まった。
...にしても、二階から六階まで上がるのは思っていたよりも大変だということを思い知った。前を行く彼女は足音も立てることなく、スイスイと進んでいく。
自分は足音を立てずに歩くので精一杯だというのに。
「早くしないと、置いてっちゃうよー」
彼女の声が階段に響いた。
「馬鹿、静かにしろ」
そう諭す間もなく、後ろから物音が聞こえる。慌てて振り返ると、そこには...
「なんだよ、誰もいないじゃないか…」
スマホのライトを色んなとこに当てて探すが、特に姿は見えない。だとしたらさっきの物音は……
「とりあえず、もうちょっと慎重に進むぞ。さっきみたいな大声は禁止だ」
呼びかける声に返事はない。彼女なりに静かにしようとしているのだろうか。
目的地に向かって足を進めようと、数歩進んだ時、違和感に気づいた。……鈴香の姿はどこだ。
踊り場までそんなに段数はないため、急いで駆け上がる。もちろん、そこにも、鈴音はいない。
上の階に行ってしまったのだろうか。
とにかく六階に行かなければ。そんな思いが足を前に進める。その時……。
「動くな! 両手を上に挙げて、静かに両膝を床につけろ!」
突然の大声に思わず身体が後ずさると、背中に硬いものが当たっていることに気がついた。
「さあ、はやく!」
焦る声に両手をゆっくり上に挙げる。
「そうだ。次は足を床につけるんだ」
指示に従い、できるだけゆっくりと足を曲げる。
声が少し高いからおそらく、少年だろうか。
なんとか起死回生の策を考えなければ……。
10
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2026/2/9:『ゆぶね』の章を追加。2026/2/16の朝頃より公開開始予定。
2026/2/8:『ゆき』の章を追加。2026/2/15の朝頃より公開開始予定。
2026/2/7:『かいぎ』の章を追加。2026/2/14の朝頃より公開開始予定。
2026/2/6:『きんようび』の章を追加。2026/2/13の朝頃より公開開始予定。
2026/2/5:『かれー』の章を追加。2026/2/12の朝頃より公開開始予定。
2026/2/4:『あくむ』の章を追加。2026/2/11の朝頃より公開開始予定。
2026/2/3:『つりいと』の章を追加。2026/2/10の朝頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる