12 / 19
第1幕
第十一話
しおりを挟む
気になることといえば、もう一つ気になることがある。とはいっても、今思い出したのだが。
「ルール説明の時さ、タイムアップかGMを倒せばゲームは終わるって言ってたよな」
ルール説明の時から疑問だったこと。それはGMの存在。GMは一体誰なのか。もう関わったことある人なのか、これから会う人なのか。
「鈴香は誰だと思う? GM」
「さあね、わかんない。皆目見当もつかない」
そうか……。そりゃそうよな。
翔太と俺の手札は残り一枚。お互いに手札を裏にして、その後表にする。俺のカードはA、そして翔太の手札はJだった……。ラストの勝負では負けたものの、トータルでは俺の勝ちだ。
「そういや、翔太はなんでこのゲームに参加したんだ?」
俺の問いに翔太は少しふてくされながら答える
「なんでって……金が必要だったから。俺んとこ借金が多いらしくって、それでお母さんが俺の名前書いてエントリーしたら抽選当たった」
それって、親が出るならともかく子どもにこういうの出させるって、親の倫理観‥
「まぁ、お母さんからしたら俺のこと前々から邪魔だったみたいだし、いなくなって清々してるよ。きっと。俺の分食費も浮くだろうし、ずっと邪魔だって言われてきたしさ」
そっか。翔太はそういう家庭で育ったのか。そういう刷り込みをされて育ってきたのか……。
「んで、凛はなんで出ることになったんだ?」
「俺か……。俺は…………」
俺が出ることになったのは、生活費を家に入れるためだ。その点は翔太と似ているな。
俺の家には、母親と、父親と俺と妹がいた。
昔は兄もいたんだが、俺が小学生の頃にどっかいっちまってさ、その後は四人で生活してたんだ。
母親も父親も働いてて、稼ぎは良くなかったけどまぁ、それなりの生活はできたし、俺もそれでよかった。
でもある時父親が倒れちゃってさ、母親一人の稼ぎじゃ足りなくって、んで、たまたま見かけたこの実験に応募したってわけ。
「別に死んでも保険でお金は家に振り込まれるし、それでもいいかなって。あ、母親には友達の家に泊まりに行ってるってことにしてる」
「なるほどねー。家に借金はあったの?」
鈴香が俺に疑問をぶつける。
「いや、わかんないけど。多分あるとは思う」
「あ、そう」
淡白な返事を残した彼女に俺は聞いた。
「鈴香はなんでこのゲームに参加したんだ?」
「なに、二人とそんな変わんないわよ。ほとんど一緒だから割愛させてもらうね」
鈴香はそういった後腕時計を見た。俺も時間を確認する。ただ今二時三十分。
こんな平和な時間がずっと続けばいいのに。
そう思わずにはいられなかった。
「ルール説明の時さ、タイムアップかGMを倒せばゲームは終わるって言ってたよな」
ルール説明の時から疑問だったこと。それはGMの存在。GMは一体誰なのか。もう関わったことある人なのか、これから会う人なのか。
「鈴香は誰だと思う? GM」
「さあね、わかんない。皆目見当もつかない」
そうか……。そりゃそうよな。
翔太と俺の手札は残り一枚。お互いに手札を裏にして、その後表にする。俺のカードはA、そして翔太の手札はJだった……。ラストの勝負では負けたものの、トータルでは俺の勝ちだ。
「そういや、翔太はなんでこのゲームに参加したんだ?」
俺の問いに翔太は少しふてくされながら答える
「なんでって……金が必要だったから。俺んとこ借金が多いらしくって、それでお母さんが俺の名前書いてエントリーしたら抽選当たった」
それって、親が出るならともかく子どもにこういうの出させるって、親の倫理観‥
「まぁ、お母さんからしたら俺のこと前々から邪魔だったみたいだし、いなくなって清々してるよ。きっと。俺の分食費も浮くだろうし、ずっと邪魔だって言われてきたしさ」
そっか。翔太はそういう家庭で育ったのか。そういう刷り込みをされて育ってきたのか……。
「んで、凛はなんで出ることになったんだ?」
「俺か……。俺は…………」
俺が出ることになったのは、生活費を家に入れるためだ。その点は翔太と似ているな。
俺の家には、母親と、父親と俺と妹がいた。
昔は兄もいたんだが、俺が小学生の頃にどっかいっちまってさ、その後は四人で生活してたんだ。
母親も父親も働いてて、稼ぎは良くなかったけどまぁ、それなりの生活はできたし、俺もそれでよかった。
でもある時父親が倒れちゃってさ、母親一人の稼ぎじゃ足りなくって、んで、たまたま見かけたこの実験に応募したってわけ。
「別に死んでも保険でお金は家に振り込まれるし、それでもいいかなって。あ、母親には友達の家に泊まりに行ってるってことにしてる」
「なるほどねー。家に借金はあったの?」
鈴香が俺に疑問をぶつける。
「いや、わかんないけど。多分あるとは思う」
「あ、そう」
淡白な返事を残した彼女に俺は聞いた。
「鈴香はなんでこのゲームに参加したんだ?」
「なに、二人とそんな変わんないわよ。ほとんど一緒だから割愛させてもらうね」
鈴香はそういった後腕時計を見た。俺も時間を確認する。ただ今二時三十分。
こんな平和な時間がずっと続けばいいのに。
そう思わずにはいられなかった。
20
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2026/2/9:『ゆぶね』の章を追加。2026/2/16の朝頃より公開開始予定。
2026/2/8:『ゆき』の章を追加。2026/2/15の朝頃より公開開始予定。
2026/2/7:『かいぎ』の章を追加。2026/2/14の朝頃より公開開始予定。
2026/2/6:『きんようび』の章を追加。2026/2/13の朝頃より公開開始予定。
2026/2/5:『かれー』の章を追加。2026/2/12の朝頃より公開開始予定。
2026/2/4:『あくむ』の章を追加。2026/2/11の朝頃より公開開始予定。
2026/2/3:『つりいと』の章を追加。2026/2/10の朝頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる