今日の空

親友

空を見上げた。とっても青い。綺麗な色だなぁと思った僕は、スマホのカメラで写真を撮っていると
｢おっはよ～、ハルキ～｣
背後から聞こえる声。振り向くとそこには親友のソウタがいた。
｢おー｣
僕は適当に返事をした。

僕らは小学生の頃からの親友で、高校に入っても仲良くしていた。ソウタは、クラスでできるだけ目立たないようにしている僕とは正反対で、髪の毛を金髪に染め、ピアスをしていて。いわゆる、｢かっこいい｣という部類なのだろう。そのためモテるので、ソウタには、彼女がいた。彼女さんもソウタのように金髪で、人気はあるようだが、僕は大人しい人が好きなので、彼女さんとは交流を持たないようにしている。まぁ、苦手なのだ。
僕はソウタに言った。
｢彼女さんと学校行けばいいのに。僕は1人でこうやって空の写真撮ってるの好きだし。｣
するとソウタは、
｢いや、あいつも疲れるからさぁ…女ってめんどくせー。確かにあいつのこと好きだよ？可愛いと思うし。でもさぁ、いちいち文句つけてくんだよ？俺疲れたわぁ。｣

ソウタは大きくため息をつくと、別れようかなぁ、などと呟いていた。僕はそれを無視して、黙々と学校を目指した。




その日の放課後。
ソウタを迎えに行くと、なんだかイライラしている様子だった。理由を聞くと、どうやら彼女さんと喧嘩をしたそうだ。そして、別れたらしい。僕が、どんまい、と言いながら肩をぽんっと叩くと、強がったように、
｢別にいいし！あんなやつ。俺はハルキがいれば十分だぁぁ！｣
と言いながら抱きついてきたので、気持ち悪い、離れろ。と言い、振り払った。

帰り道、ソウタはやはりどこか悲しそうにしていたので、アイスを奢ってやった。そうしたらすぐに機嫌を直したので、単純なやつだなぁと思いながらも、慰めてやった。僕っていいやつ。

明日は休日なので、ソウタの家に泊まることにした。今日はやけにソウタがべたべたと小さな子供のようにくっついてくるので振り払いたかったが、流石に彼女と別れた日に冷たくするのは可哀想だと思い、仕方なく僕のお気に入りのポテトチップスをあげた。心なしか、元気になったような気がする。そして夜中までゲームに付き合ってやると、明日はどこかに出かけようと約束をし、二人とも死んだように寝た。