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奴隷炭鉱
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辛い、あまりにも辛い12年の人生だ。
「親方!俺はもうだめだ!死んじまいそうだ」と大声で叫ぶ。
「さっさと死ねクソガキが!おーい、この先の穴は大丈夫だ!掘り方始めろや」と親方は指示を出す。どやどやと穴の中にツルハシを持った男たちが降りてくると、がんがんと岩を叩き始める。
俺は男たちとは反対に穴から這って出ると座り込んだ。手にはカナリヤが入った鳥籠を持っている。新しい穴の底に有毒ガスの溜まりがないか調べる仕事をやらされていた。
ここは【キール炭鉱】だ。
それ以外は何もわからない。
だって生まれた時から奴隷だもん。
俺は12年前にこの炭鉱町の奴隷の母と父の間に産まれた。
俺が産まれた数時間後に【隷属縛】の魔法をかけられ奴隷として登録された。
奴隷の子は親から引き離され奴隷寮で管理される。
人権などなく、すぐに【成長促進】と【奴隷教育】の魔法をかけられて三ヶ月ほどで強制的に6歳児ぐらいの体格と知識を持つまで育てられる。
日本でぬくぬくと生きてきて死んだと思ったらこれである。
激痛の中ひたすら食事をさせられる。
【成長促進】は尋常でないカロリーを消費するため、食事を抜けばすぐに栄養不足で死んでしまうのだ。
つらい三ヶ月を耐えると、カナリヤを持って炭鉱の最奥に潜らされる。
長い棒の先に鳥籠をぶら下げカナリヤに異変があると急いで逃げるのである。
死んでも困らない奴隷の子供として産まれてから12年間、俺は炭坑の中の一番奥で生きてきたのである。
だが、それも今日までの話。
明日からはカナリア班を卒業となり、ツルハシを持った掘り方班になる。
本来なら【成長促進】の魔法は生後三ヶ月の急成長後、ゆるやかに1年程度をかけて12歳頃の身体まで成長させる。
だが俺はなぜか6歳児の身長のまま6年が過ぎ、7歳頃から通常の成長ペースで背が伸びようやく12歳の平均的な身長になったのだった。
ノミ対策で髪型は坊主頭、額には【隷属縛】の印の魔法陣が刻まれている。
炭坑の壁にもたれかかって休憩していると親方が顔を出して叫ぶ。
「『あ3』番さぼってんじゃねえ!掘った岩をさっさと運べ!他の連中も呼んでこい!」
そう、俺の名は『あ』の3番。
悲しいことに名前すら貰えない悲しき奴隷である。
「お前ら!土拾いの時間だぞ!」と坑道の方に声をかけると両手にバケツを持った子供たちがぞろぞろと歩いてくる。
「今日はこの穴だ!順番に行け」と命令すると、俺もバケツを両手に持って列の最後に並んだ。
だいたい四時間働くと飯休憩だ。
地下の坑道を拡げた食堂で飯を食う。
カンカンカンカンと鐘の音が鳴ると作業を切り上げる。
丁度バケツに掘った岩を入れてるところで鐘が鳴り、俺も行こうと腰を上げたところで遠くから爆発音がして地面が揺れた。
(落盤する!やべぇ)
慌てて岩のくぼみに飛び込むが天井から落ちてきた岩が頭にぶつかり気を失った。
ガンガンと頭が痛い。
起き上がろうとすると頬が地面にくっついている。
血だ。
頭から垂れた血が乾いてくっついている。
頭を触ると血が固まりかさぶたが出来ていているが、出血は止まっていて安心する。
坑道を照らす魔石灯がゆらゆらと光っている。
あまりに静かで違和感がある。なんの音もしない。
しーんとした坑道の中を食堂まで歩くと強い血の匂いがする。
300席の椅子とテーブルが並んでいた広い食堂には血溜まりがあちこちにある。
椅子は倒れ、黒い焦げ跡が床にそこかしこに出来ている。
(ただの落盤じゃないのか?流血沙汰だと?なにがあったんだ?)
状況がわからないので警戒しながら炭坑の出入り口を目指して登り始める。
少し歩くと太い坑道があり、トロッコ用のレールが四車線走っている。
太い道の端をこそこそと歩き、坑道の出入り口に着くがそこにも誰もいなかった。
普段は奴隷逃走防止の警備兵が立っていて、週に一度の風呂の時間以外は炭鉱からは出られない。
生まれてこの方、炭鉱内で働き、炭鉱の外といえば出入り口から五分ほど歩いた場所にある共同浴槽に行くだけである。
思い切って炭鉱の出入り口から外を伺うと、見下ろした夜のキール炭鉱町はあちこちで火が燃えていて赤く照らされているのだった。
俺が気絶している間に、この街は隣国からの侵攻を受けて壊滅的な被害を受けていたのである。
さっきの落盤事故から目が覚めてから、妙に気持ちが軽い。
今までは、ここにいれば自由はないが飯には困らなかった。
奴隷とはいえ与えられた仕事をしていれば寝る場所と飯は貰えた。
これまではそれを不満に思うことはなかったが、今では強烈に不満である。
俺は前世を思い出す。
生きるとは何か。
奴隷のまま炭坑で死ぬだけで良いのか。
否である。俺は、俺の人生を取り戻す。
とりあえず、この炭鉱からの脱出である。
幸いにも季節は夏。時間は夜中で真っ暗。
炭鉱から少し離れた山道から、道を外れて藪の中へと入っていく。
両手で藪をかき分けて山頂を目指して歩く。
ひたすら歩いて山を二つほど越えたところで川を見つけた。
川に沿って上流に登ると滝坪があり十メートルくらいの小さな滝があった。
朝日にあたって滝の水はキラキラ光っている。
夜の山を走破するのは疲れた。
滝の水を飲んで座ってぼーっと滝坪を見る。
そこそこでかい魚がすいすいと泳いでいる。
腹が減った。
腰ぐらいまで川の中に入ってみる。
(手づかみで魚を取れるかな?)
今の身体は前世に比べて圧倒的に鍛えてある。
産まれてからひたすら肉体労働していたのだから当然である。
目の前にすいーと泳いできた魚に素早く手を伸ばす。
手のひらが水についた瞬間、ドッパーン!と水を張り手してしまう。
魚がぷかーと浮かんできた。
(音響爆弾かよ!)
とにかく食料を手に入れた。
指で腹を割って内蔵を取り出す。
水で洗いながら、頭を引きちぎり皮を剥いた。
骨から身を引き剥がすと、きれいなプリッとしたピンクの身が左右で2つとれた。
生でかぶり付く。
脂が乗っていてととろけるように美味い。
あっという間に食べ終わると眠気が襲ってくる。
滝壺の周りを歩き回ると滝側の崖下に窪みがあったので、そこに落ち葉を敷いて寝ることにした。
「親方!俺はもうだめだ!死んじまいそうだ」と大声で叫ぶ。
「さっさと死ねクソガキが!おーい、この先の穴は大丈夫だ!掘り方始めろや」と親方は指示を出す。どやどやと穴の中にツルハシを持った男たちが降りてくると、がんがんと岩を叩き始める。
俺は男たちとは反対に穴から這って出ると座り込んだ。手にはカナリヤが入った鳥籠を持っている。新しい穴の底に有毒ガスの溜まりがないか調べる仕事をやらされていた。
ここは【キール炭鉱】だ。
それ以外は何もわからない。
だって生まれた時から奴隷だもん。
俺は12年前にこの炭鉱町の奴隷の母と父の間に産まれた。
俺が産まれた数時間後に【隷属縛】の魔法をかけられ奴隷として登録された。
奴隷の子は親から引き離され奴隷寮で管理される。
人権などなく、すぐに【成長促進】と【奴隷教育】の魔法をかけられて三ヶ月ほどで強制的に6歳児ぐらいの体格と知識を持つまで育てられる。
日本でぬくぬくと生きてきて死んだと思ったらこれである。
激痛の中ひたすら食事をさせられる。
【成長促進】は尋常でないカロリーを消費するため、食事を抜けばすぐに栄養不足で死んでしまうのだ。
つらい三ヶ月を耐えると、カナリヤを持って炭鉱の最奥に潜らされる。
長い棒の先に鳥籠をぶら下げカナリヤに異変があると急いで逃げるのである。
死んでも困らない奴隷の子供として産まれてから12年間、俺は炭坑の中の一番奥で生きてきたのである。
だが、それも今日までの話。
明日からはカナリア班を卒業となり、ツルハシを持った掘り方班になる。
本来なら【成長促進】の魔法は生後三ヶ月の急成長後、ゆるやかに1年程度をかけて12歳頃の身体まで成長させる。
だが俺はなぜか6歳児の身長のまま6年が過ぎ、7歳頃から通常の成長ペースで背が伸びようやく12歳の平均的な身長になったのだった。
ノミ対策で髪型は坊主頭、額には【隷属縛】の印の魔法陣が刻まれている。
炭坑の壁にもたれかかって休憩していると親方が顔を出して叫ぶ。
「『あ3』番さぼってんじゃねえ!掘った岩をさっさと運べ!他の連中も呼んでこい!」
そう、俺の名は『あ』の3番。
悲しいことに名前すら貰えない悲しき奴隷である。
「お前ら!土拾いの時間だぞ!」と坑道の方に声をかけると両手にバケツを持った子供たちがぞろぞろと歩いてくる。
「今日はこの穴だ!順番に行け」と命令すると、俺もバケツを両手に持って列の最後に並んだ。
だいたい四時間働くと飯休憩だ。
地下の坑道を拡げた食堂で飯を食う。
カンカンカンカンと鐘の音が鳴ると作業を切り上げる。
丁度バケツに掘った岩を入れてるところで鐘が鳴り、俺も行こうと腰を上げたところで遠くから爆発音がして地面が揺れた。
(落盤する!やべぇ)
慌てて岩のくぼみに飛び込むが天井から落ちてきた岩が頭にぶつかり気を失った。
ガンガンと頭が痛い。
起き上がろうとすると頬が地面にくっついている。
血だ。
頭から垂れた血が乾いてくっついている。
頭を触ると血が固まりかさぶたが出来ていているが、出血は止まっていて安心する。
坑道を照らす魔石灯がゆらゆらと光っている。
あまりに静かで違和感がある。なんの音もしない。
しーんとした坑道の中を食堂まで歩くと強い血の匂いがする。
300席の椅子とテーブルが並んでいた広い食堂には血溜まりがあちこちにある。
椅子は倒れ、黒い焦げ跡が床にそこかしこに出来ている。
(ただの落盤じゃないのか?流血沙汰だと?なにがあったんだ?)
状況がわからないので警戒しながら炭坑の出入り口を目指して登り始める。
少し歩くと太い坑道があり、トロッコ用のレールが四車線走っている。
太い道の端をこそこそと歩き、坑道の出入り口に着くがそこにも誰もいなかった。
普段は奴隷逃走防止の警備兵が立っていて、週に一度の風呂の時間以外は炭鉱からは出られない。
生まれてこの方、炭鉱内で働き、炭鉱の外といえば出入り口から五分ほど歩いた場所にある共同浴槽に行くだけである。
思い切って炭鉱の出入り口から外を伺うと、見下ろした夜のキール炭鉱町はあちこちで火が燃えていて赤く照らされているのだった。
俺が気絶している間に、この街は隣国からの侵攻を受けて壊滅的な被害を受けていたのである。
さっきの落盤事故から目が覚めてから、妙に気持ちが軽い。
今までは、ここにいれば自由はないが飯には困らなかった。
奴隷とはいえ与えられた仕事をしていれば寝る場所と飯は貰えた。
これまではそれを不満に思うことはなかったが、今では強烈に不満である。
俺は前世を思い出す。
生きるとは何か。
奴隷のまま炭坑で死ぬだけで良いのか。
否である。俺は、俺の人生を取り戻す。
とりあえず、この炭鉱からの脱出である。
幸いにも季節は夏。時間は夜中で真っ暗。
炭鉱から少し離れた山道から、道を外れて藪の中へと入っていく。
両手で藪をかき分けて山頂を目指して歩く。
ひたすら歩いて山を二つほど越えたところで川を見つけた。
川に沿って上流に登ると滝坪があり十メートルくらいの小さな滝があった。
朝日にあたって滝の水はキラキラ光っている。
夜の山を走破するのは疲れた。
滝の水を飲んで座ってぼーっと滝坪を見る。
そこそこでかい魚がすいすいと泳いでいる。
腹が減った。
腰ぐらいまで川の中に入ってみる。
(手づかみで魚を取れるかな?)
今の身体は前世に比べて圧倒的に鍛えてある。
産まれてからひたすら肉体労働していたのだから当然である。
目の前にすいーと泳いできた魚に素早く手を伸ばす。
手のひらが水についた瞬間、ドッパーン!と水を張り手してしまう。
魚がぷかーと浮かんできた。
(音響爆弾かよ!)
とにかく食料を手に入れた。
指で腹を割って内蔵を取り出す。
水で洗いながら、頭を引きちぎり皮を剥いた。
骨から身を引き剥がすと、きれいなプリッとしたピンクの身が左右で2つとれた。
生でかぶり付く。
脂が乗っていてととろけるように美味い。
あっという間に食べ終わると眠気が襲ってくる。
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