無能と言われた召喚者、詐欺スキルにて有能以上へと至る

シュガースプーン。

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異世界転移編

第20話 模擬戦

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 どうやらムツキの発言は、常識外れで頓珍漢な発言だったようだ。

 この世界で、オークと言うのはムツキが想像するよりも、とても強い魔物の様だった。
 ムツキの知らないところではあるが、そもそもオークは魔物ではない、魔者である。
 魔物と魔者。同音異義語であるが故にムツキは区別が出来ていなかった。

 魔物とは、動物の延長であり、魔力溢れる大地の影響で、魔石を有する様になった動物の亜種であり、魔力を扱う器官を持った事で、食物連鎖の上位に位置し、獰猛な性格の物が多い。

 対して、魔者とは、人が猿から進化したと言われる様に、猿以外から人型に進化した生き物。
 オークであれば豚から進化した人と言う事になる。
 人は、他の魔者よりも進化が早かった為に、生活がいち早く豊かになったとされている。
 オークの場合は進化が遅れており、現代日本で言う原始人的な成長しか遂げていない為、野蛮で縄張り意識が強いとされている。
 余談ではあるが、人とエルフの関係は動物と魔物の関係に近いとされており、エルフは魔力溢れる大地で人が進化した亜種な為に寿命や知識などが人に比べて長けている人が多いとされている。

 異世界の要素を含んだモンゴロイド、コーカソイド、ネグロイドの様な分け方に近い。

 軍役のない日本人がアマゾンで先住民族に襲われたらどちらが強いだろうか?
 軍役のある国の人間だとしても、銃火器不可。しかし、先住民族に動物の様な筋肉量や嗅覚等の要素が加わったらどうなるだろうか?

 それが、この世界で魔者が脅威とされる所以であり、その脅威を退ける力がステータスである。

 勿論、魔者もステータスが上がるが、知能が低ければ効率は悪くなる。
 それでも脅威である事は変わりはないし、ステータスの高い個体は騎士ナイト等の称号で呼ぶのはゲームににている。

 そしてその脅威を「誰でも倒せる」様なニュアンスで言ってしまうムツキは異様な存在であろうし、実際、エレノアの発言からオークの群れを瞬く間に倒したと予想できる。

 側から聞けば、ホラ話の様であるし、騎士団長のカインとしては、本当ならば、実力が気になるところでもある。
 勿論カインが戦闘狂と言うのもあるが、実際戦って実力を確認した方が話は早い。

 カインと言うエクリアル帝国の最高戦力で確認するのはやりすぎに思えるが、オークの群れを単独討伐と言うのは、それほどの実力だと仮定されるのだ。

 城には騎士団の訓練所は3箇所あり、近衛騎士専用の訓練所で、人払いをして模擬戦を行う事になった。

 広い訓練所の真ん中で、王族や以下略達ユーリネやウーバーンが観戦する中、ムツキとカインは向かい合った。

 カインは、2本の剣を器用に振り回して、模擬剣の感触を確かめると、ムツキに対して構えを取った。

 それを見て、ムツキは素直にカッコいいと思った。
 模擬剣ではあるが、動きは洗練されており、二刀流と言うのは、男の憧れの一つであるとムツキは思っている。

 自分も、二刀流やって見たいな。

 そう思うも、今からいきなりやった事も無い二刀流を構えるのは相手に失礼だろう。

 ムツキはこの様な模擬戦を経験した事がなかった為、適当に模擬剣を構えるが、くしくも、カインから取得した《スキル:武器の才覚》によって予想以上に様になり、カインにプレッシャーを与えた。

 そして、シュナイゼル王の号令と共に模擬戦は始まる。

 初めに動き出したのはカインだった。
 久々に強者と戦える事に喜び、獰猛な笑みを浮かべて、まずは試しとでも言う様に一足飛びにムツキに近づいて2本の剣を器用に操り連撃を仕掛けた。

 対するムツキは、焦っていた。

 帝国騎士の頂点であるカイン。
 だからこそ、模擬戦もそこそこな物になるのでは?などと考えていた。
 しかし、ねずみ算によって文字通り化け物ステータスに成長したムツキは戦闘体制を取って集中した途端に周りがスローになるのを感じた。
 勿論、常人には目にも止まらぬスピードで動くカインであっても例外では無い。

 あ、このまま剣を振り抜いたら騎士団長殺しちゃうんじゃない?
 感覚的にそう感じた。
 そして、この数日で、色々な人から頂いた剣術スキルが統合、成長していたで、直感的に体が動き、右手で持っていた模擬剣を左手に持ち替え、カインの先手である右の剣に剣を絡めん様にして勢いを殺して受け止め、続く左の剣を右手の人差し指と中指の2本の指で白羽どりの要領で掴んだ。

 気づいた時には、驚いたカインの顔が目の前にあった。

「ダメだ。勝てる気がしない」

 カインの言葉に、反応する人はいない。
 カインが力を抜いたので、ムツキも白羽どりした指から力を抜いて模擬剣を放した。

「カイン、手を抜いたわけでは無いのだな?」

「そう見えたのならお前の目は節穴だよ、シュナイゼル」

 絞り出した様に確認するシュナイゼル王の言葉に、カインは友人と話す様な言葉でそう話した。

 次の瞬間、カインに拳骨が落ちた。グリッドである。

「職務中だ」

 今でこそ、グリッドよりカインの方が役職が上だが、元々カインはグリッドの部下であり、カインはグリッドの弟子であった。
 なので、こう言った職務中の態度には厳しいのである。

「…分かったよ。シュナイゼル陛下に進言します。今すぐに、ムツキ殿と縁を繋ぐべきです。
 私などでは到底敵わぬ実力。友好を結んでしかるべきです」

 シュナイゼルも、同じ考えだった様で、カインの言葉に無言で頷いた。

「ムツキよ、模擬戦ご苦労であった。この後、色々と話せるだろうか?
 その前にこちらの問題を片付けないといけないから予定があるなら後日でも構わないが」

 ムツキは、特に予定がなかったが、リフドンの予定はどうだろうとリフドンの方を見た。
 リフドンが頷いたのを見て、この後に話を聞く事にする。

 模擬戦が終わればこの訓練所にいる事も無いのでまた城内に移動するのだった。
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