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第24話 2人目の人体錬成
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用意してもらった別室で、ケミーニアが食事をできるようにする為の人体改造を行う。
人体錬成、と言っても一から生命を作り出すものではなく人体の改造なわけだが、大掛かりな錬成になる為、きちんとした錬成陣を描かねばいけない。
そして、その錬成陣を描く材料にも指定がある。
改造前と改造後の生物の血液を混ぜたものだ。
人の血とエルフの血を混ぜたもので大掛かりな錬成陣を描いていく。
下着姿になったケミーニアが部屋の中心に移動させたベッドに横になっており、ケミーニアの腹から少し上、人の胃がある辺りを中心にして錬成陣を描いていく。
フォルテは2回目であるし、自分に書いてから寝そべる訳ではないので、自分に施した時よりも難しくなく、部屋中に錬成陣を描いてる。
人体錬成は二重立体式錬成陣と言う特殊な錬成陣を使う。
これはフォルテが生み出した錬成陣の描き方で、ベッドを含めて床側に描いた錬成陣と天井に描いた錬成陣を壁の錬成陣で繋げると言った物だ。
天井の錬成陣には書き換える前のエルフの生体情報が刻まれており、ケミーニアを中心とした錬成陣には人の生体情報が刻まれている。
そもそもこの錬成陣の内容を読み取れるのはこの世界ではフォルテだけだろうが、壮大な錬成陣を部屋に描いているフォルテは鼻歌混じりである。
これから起こる事に楽しみ3割、緊張6割、信頼1割でベッドに寝そべっているケミーニアは、気を紛らわせようと言葉を口にした。
「フォルテ様、この様に複雑な物を研究されていたのですね」
どこか熱っぽさをもった声色でケミーニアは感想を言った。
錬金術とは、知識の積み重ねであり、長い時を生きるエルフにのみ許された学問とされている。
しかし、その研究は一進一退であり、エルフでさえも、根を上げてしまう者は多い。
根を上げると言うよりは、何も錬金術だけが学問ではない為、錬金術を学ぶ中で、それに関連した他の事に興味を持って横道にされていく事が多いと言った方がいい。
そう言う意味では、フォルテは食事と言う横道が果てしない錬金術の道の先にあっただけに過ぎない。
しかし、そうした理由であっても知識欲の強いエルフであるケミーニアには自身の体と部屋中に描かれた知識な結晶をとても美しく思い、それを施される自らの体を恐怖の反面とても愛おしく思えた。
「ふん、これは過程にすぎない。その先に辿り着くものの素晴らしさに感動するがいい。まあ、その前に地獄を味わう事になるのだがな」
「その先に私の求める人の営みの喜びがあるのなら、私は地獄を耐えてみせます」
「そうか。では、始めるぞ」
錬成陣を描き終えたフォルテがケミーニアの体の中心に描かれた錬成陣の核の部分に触れる。
「よろしくお願いします」
ケミーニアの言葉の後、部屋の中は錬成反応によって昼よりも明るい光に包まれ、体の中をいじくり回される苦痛にケミーニアの悲鳴が響く。
ケミーニアの意識は、自らの体を作り変えられる苦痛に耐えきれずに途切れるのであった。
人体錬成、と言っても一から生命を作り出すものではなく人体の改造なわけだが、大掛かりな錬成になる為、きちんとした錬成陣を描かねばいけない。
そして、その錬成陣を描く材料にも指定がある。
改造前と改造後の生物の血液を混ぜたものだ。
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フォルテは2回目であるし、自分に書いてから寝そべる訳ではないので、自分に施した時よりも難しくなく、部屋中に錬成陣を描いてる。
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天井の錬成陣には書き換える前のエルフの生体情報が刻まれており、ケミーニアを中心とした錬成陣には人の生体情報が刻まれている。
そもそもこの錬成陣の内容を読み取れるのはこの世界ではフォルテだけだろうが、壮大な錬成陣を部屋に描いているフォルテは鼻歌混じりである。
これから起こる事に楽しみ3割、緊張6割、信頼1割でベッドに寝そべっているケミーニアは、気を紛らわせようと言葉を口にした。
「フォルテ様、この様に複雑な物を研究されていたのですね」
どこか熱っぽさをもった声色でケミーニアは感想を言った。
錬金術とは、知識の積み重ねであり、長い時を生きるエルフにのみ許された学問とされている。
しかし、その研究は一進一退であり、エルフでさえも、根を上げてしまう者は多い。
根を上げると言うよりは、何も錬金術だけが学問ではない為、錬金術を学ぶ中で、それに関連した他の事に興味を持って横道にされていく事が多いと言った方がいい。
そう言う意味では、フォルテは食事と言う横道が果てしない錬金術の道の先にあっただけに過ぎない。
しかし、そうした理由であっても知識欲の強いエルフであるケミーニアには自身の体と部屋中に描かれた知識な結晶をとても美しく思い、それを施される自らの体を恐怖の反面とても愛おしく思えた。
「ふん、これは過程にすぎない。その先に辿り着くものの素晴らしさに感動するがいい。まあ、その前に地獄を味わう事になるのだがな」
「その先に私の求める人の営みの喜びがあるのなら、私は地獄を耐えてみせます」
「そうか。では、始めるぞ」
錬成陣を描き終えたフォルテがケミーニアの体の中心に描かれた錬成陣の核の部分に触れる。
「よろしくお願いします」
ケミーニアの言葉の後、部屋の中は錬成反応によって昼よりも明るい光に包まれ、体の中をいじくり回される苦痛にケミーニアの悲鳴が響く。
ケミーニアの意識は、自らの体を作り変えられる苦痛に耐えきれずに途切れるのであった。
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