幸せですか?

月羽ミホ

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プロローグ

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僕には子供の頃から好きな人がいる
身分が違い、遊び相手にしかならないと分かっていても、好きな人。

物心ついた時、僕に親という存在はすでにいなかった
雨を凌ぐことすら出来ない崩れた家には僕と同じような子供が何人かいて、その日生きるのに必要な食べ物を探して彷徨っていた

何日も食べられずに小石や土を口に入れて空腹を紛らし、吐き出す事もあった僕を救い出したのは2つ年上のお嬢様だった

あの日は久々の大雨で空腹が続いていた事もあって泥水だろうと飲み込んだ

大雨は次の日になっても止まず、腹が膨れても雨の中晒され続けた僕の意識は霧がかったようで、寒気と震えが止む事も無かった

——あぁ…このまま死んでしまうのかな……——

諦めにも近いような、そのまま死んだ方が楽なのかと霞む視界で最後かもしれない光景を見た

茶色の泥水が跳ね、川のように流れる。少し先を見れば走り去る大人達と共に分厚い雲に閉ざされたお城

「———っ」
「———、も——く——あ——かしら?」
「—っ、いえ…」

ふと、霞む意識の中浮遊感を覚えた瞬間だった
痛みは無いのに、体からなってはいけないような音と、誰かの声がした

何を言っているのか分からなかったが、綺麗な女の子と、分厚い雲から光が差し込み、兎に角綺麗で、まだ雨は降っていたけど、それだけははっきりと覚えていた

それが僕とお嬢様との出会いだった
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