2 / 7
プロローグ
しおりを挟む僕には子供の頃から好きな人がいる
身分が違い、遊び相手にしかならないと分かっていても、好きな人。
物心ついた時、僕に親という存在はすでにいなかった
雨を凌ぐことすら出来ない崩れた家には僕と同じような子供が何人かいて、その日生きるのに必要な食べ物を探して彷徨っていた
何日も食べられずに小石や土を口に入れて空腹を紛らし、吐き出す事もあった僕を救い出したのは2つ年上のお嬢様だった
あの日は久々の大雨で空腹が続いていた事もあって泥水だろうと飲み込んだ
大雨は次の日になっても止まず、腹が膨れても雨の中晒され続けた僕の意識は霧がかったようで、寒気と震えが止む事も無かった
——あぁ…このまま死んでしまうのかな……——
諦めにも近いような、そのまま死んだ方が楽なのかと霞む視界で最後かもしれない光景を見た
茶色の泥水が跳ね、川のように流れる。少し先を見れば走り去る大人達と共に分厚い雲に閉ざされたお城
「———っ」
「———、も——く——あ——かしら?」
「—っ、いえ…」
ふと、霞む意識の中浮遊感を覚えた瞬間だった
痛みは無いのに、体からなってはいけないような音と、誰かの声がした
何を言っているのか分からなかったが、綺麗な女の子と、分厚い雲から光が差し込み、兎に角綺麗で、まだ雨は降っていたけど、それだけははっきりと覚えていた
それが僕とお嬢様との出会いだった
0
あなたにおすすめの小説
永久就職しませんか?
氷室龍
恋愛
出会いは五年前。
オープンキャンパスに参加していた女子高生に心奪われた伊達輝臣。
二度と会う事はないだろうと思っていたその少女と半年後に偶然の再会を果たす。
更に二か月後、三度目の再会を果たし、その少女に運命を感じてしまった。
伊達は身近な存在となったその少女・結城薫に手を出すこともできず、悶々とする日々を過ごす。
月日は流れ、四年生となった彼女は就職が決まらず焦っていた。
伊達はその焦りに漬け込み提案した。
「俺のところに永久就職しないか?」
伊達のその言葉に薫の心は揺れ動く。
何故なら、薫も初めて会った時から伊達に好意を寄せていたから…。
二人の思い辿り着く先にあるのは永遠の楽園か?
それとも煉獄の炎か?
一回りも年下の教え子に心奪われた准教授とその彼に心も体も奪われ快楽を植え付けられていく女子大生のお話
最強魔術師の歪んだ初恋
黒瀬るい
恋愛
伯爵家の養子であるアリスは親戚のおじさまが大好きだ。
けれどアリスに妹が産まれ、アリスは虐げれるようになる。そのまま成長したアリスは、男爵家のおじさんの元に嫁ぐことになるが、初夜で破瓜の血が流れず……?
淫紋付きランジェリーパーティーへようこそ~麗人辺境伯、婿殿の逆襲の罠にハメられる
柿崎まつる
恋愛
ローテ辺境伯領から最重要機密を盗んだ男が潜んだ先は、ある紳士社交倶楽部の夜会会場。女辺境伯とその夫は夜会に潜入するが、なんとそこはランジェリーパーティーだった!
※辺境伯は女です ムーンライトノベルズに掲載済みです。
【完結】亡くなった妻の微笑み
彩華(あやはな)
恋愛
僕は妻の妹と関係を持っている。
旅行から帰ってくると妻はいなかった。次の朝、妻カメリアは川の中で浮いているのが発見された。
それから屋敷では妻の姿を見るようになる。僕は妻の影を追うようになっていく。
ホラー的にも感じると思いますが、一応、恋愛です。
腹黒気分時にしたためたため真っ黒の作品です。お気をつけてください。
6話完結です。
愛されないと吹っ切れたら騎士の旦那様が豹変しました
蜂蜜あやね
恋愛
隣国オデッセアから嫁いできたマリーは次期公爵レオンの妻となる。初夜は真っ暗闇の中で。
そしてその初夜以降レオンはマリーを1年半もの長い間抱くこともしなかった。
どんなに求めても無視され続ける日々についにマリーの糸はプツリと切れる。
離縁するならレオンの方から、私の方からは離縁は絶対にしない。負けたくない!
夫を諦めて吹っ切れた妻と妻のもう一つの姿に惹かれていく夫の遠回り恋愛(結婚)ストーリー
※本作には、性的行為やそれに準ずる描写、ならびに一部に性加害的・非合意的と受け取れる表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
※ムーンライトノベルズでも投稿している同一作品です。
王妃そっちのけの王様は二人目の側室を娶る
家紋武範
恋愛
王妃は自分の人生を憂いていた。国王が王子の時代、彼が六歳、自分は五歳で婚約したものの、顔合わせする度に喧嘩。
しかし王妃はひそかに彼を愛していたのだ。
仲が最悪のまま二人は結婚し、結婚生活が始まるが当然国王は王妃の部屋に来ることはない。
そればかりか国王は側室を持ち、さらに二人目の側室を王宮に迎え入れたのだった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる