19 / 30
〜番外編〜
『パーティ③』
しおりを挟む
「ねぇ、光輝。このドレス、可愛くない?」
ヒラリとスカートを持ち上げるカナ。その行動に光輝は心の中でため息を吐き、
「似合ってますよ。お嬢様」
「今適当に言ったでしょ!もう!」
プンスカと怒るカナ。それをため息をつきながら見つめていると、
「もう~~!本当に光輝は奈緒ちゃん以外には綺麗って言わないよね~」
ジト目になるカナを見て、光輝は目を逸らし、
「お嬢様だって透様以外の男性に綺麗とか言われても嬉しくないでしょう?それと一緒です」
「…まぁそうだけどさー、でも、綺麗って言う褒め言葉が欲しいの!!透さんと同じような好意は抱いてないけど光輝のことは普通に好きだし」
面倒くさい要求をしてくるなと思いつつ、助けを求める様に周りを見るも誰も助けてくれない。光輝はため息をつきながら――。
「お嬢様……き……「ごめんね。カナちゃん」
光輝が言いかけたとき、奈緒が光輝の腕に絡み付きながら謝った。
それを見たカナは頬を引きつらせ、
「あー……ごめんね?光輝でからかって遊んでただけだから……」
「ううん。私こそ邪魔してごめんね?でも、カナちゃんなら許すけど他の人にはダメだよ?」
ニッコリ微笑む奈緒。それにカナは冷や汗を流しながらも笑顔を作り、
「もちろん!そんなことするわけないじゃん!冗談じゃ無ければこんな事しないよ!」
「そっか……でも……冗談でも辞めてね?私、本気で怒っちゃうかもだから」
ニコニコしながら話しているが、目が笑っていない。その事に気がついたカナは背筋を伸ばし、
「わっ分かった!約束します!!」
ビシッと敬礼をするカナ。それを確認した奈緒はニコッと笑い、
「ありがとうね?カナちゃん」
そう奈緒が言うと、素早くカナ光輝と奈緒から離れたのを確認した後、光輝は
「奈緒。助けてくれてありがとう」
「……カナちゃんもカナちゃんだけど光輝も光輝よ。カナちゃんに挑発された程度で私以外の女に綺麗なんて言おうとしちゃ駄目なんだから」
少し怒った様子で言う奈緒に光輝は苦笑いを浮かべる。こういうときの奈緒はカナ以上にめっちゃくちゃ面倒だし、怖いのだ。なので素直に従うことにする。
「ごめんって…奈緒」
「なら、私のこと綺麗って言って。それで許したげる」
期待に満ちた瞳を向ける奈緒に対し、光輝はため息を吐いた途端、奈緒は不満そうに頬を膨らませる。そして――。
「何それ!!何でカナちゃんと同じ反応なの!?酷すぎると思うんだけど!!」
「いや……だって……」
光輝は奈緒の耳元でこう囁いた。
「そういうのは二人っきりの時に、な」
実際、嘘じゃない。二人っきりだったら言えるし、そもそもこのドレスはカナの為に着ているドレスであり、光輝の為じゃ無い。それを分かっていながら言ったのだが……。
すると、みるみると顔を赤く染めていく奈緒。そのまま俯いて黙り込んでしまった。
「でも、奈緒がそこまで言うのなら仕方ないか……」
「ま、待って!分かったから!じゃ……二人っきりになったときに言ってね?」
赤く、熱を帯びた顔のまま上目遣いに見てくる奈緒。それに対し、光輝は――
「ああ、勿論」
そう言いながら笑顔を向けた。
△▼△▼
「あいつら恥ずかしくねーのかな……?」
「あはは……」
呆れたように呟く春人だが、その隣にいる春香は苦笑いをしている。側から見たら正にバカップルである。しかし、当人達は全く気にしていないようだ。
「側から見たら私達もあんなのかなぁ?」
ポツリと呟かれた言葉。奈緒と光輝のことをバカにしていたが、自分達も同じことをしているかもしれないと思い始めたらしい。
「違うだろ。……多分。和馬のことが好きなのは確かだけど俺らはバカップルじゃ――」
ないと言いかけた瞬間だった。和馬の顔を見た瞬間、春人の口の動きが止まった。
「氷室くんってさ、可愛いよねー」
カナの関係者達の招待客として来ていた女達がそんな会話をしていた。和馬は満更でもないのか照れ臭そうな笑みを浮かべている。
「………」
「………」
春人と春香は無言になる。あの表情を見れば分かるだろう。満更ではないどころか嫌だ。そんな表情を自分以外の人を見せるな、と。二人は無言のまま歩き出す。向かう先は当然――。
「ごめんね。みなさん!和馬をお借りしまーす」
「ごめん。ちょっと用事を思い出したんだ!」
そう言いながら、二人は和馬を連れ出し、会場の外へと出ていき、行く先は監視カメラの死角になっている場所。そこで春人は壁ドンをして、
「和馬さぁ……なんでお前は満更じゃないの?俺、あの女達に嫉妬したんだけど?ねぇ……?」
「えっ?いや……だって……」
「和馬は私達よりあんな女どもの言葉の方が嬉しいの?……酷いよ。私はこんなにも……こんなにも……!」
涙ぐむ春人と春香。そんな二人の様子に和馬は慌てた様子で、――あっ!これヤバイ! と思ったときにはもう遅い。
次の瞬間――。
「夜。覚悟しろよ」
そう言われた直後、和馬は悟った。……ああ。これ俺に選択肢ないやつだ……と。
ヒラリとスカートを持ち上げるカナ。その行動に光輝は心の中でため息を吐き、
「似合ってますよ。お嬢様」
「今適当に言ったでしょ!もう!」
プンスカと怒るカナ。それをため息をつきながら見つめていると、
「もう~~!本当に光輝は奈緒ちゃん以外には綺麗って言わないよね~」
ジト目になるカナを見て、光輝は目を逸らし、
「お嬢様だって透様以外の男性に綺麗とか言われても嬉しくないでしょう?それと一緒です」
「…まぁそうだけどさー、でも、綺麗って言う褒め言葉が欲しいの!!透さんと同じような好意は抱いてないけど光輝のことは普通に好きだし」
面倒くさい要求をしてくるなと思いつつ、助けを求める様に周りを見るも誰も助けてくれない。光輝はため息をつきながら――。
「お嬢様……き……「ごめんね。カナちゃん」
光輝が言いかけたとき、奈緒が光輝の腕に絡み付きながら謝った。
それを見たカナは頬を引きつらせ、
「あー……ごめんね?光輝でからかって遊んでただけだから……」
「ううん。私こそ邪魔してごめんね?でも、カナちゃんなら許すけど他の人にはダメだよ?」
ニッコリ微笑む奈緒。それにカナは冷や汗を流しながらも笑顔を作り、
「もちろん!そんなことするわけないじゃん!冗談じゃ無ければこんな事しないよ!」
「そっか……でも……冗談でも辞めてね?私、本気で怒っちゃうかもだから」
ニコニコしながら話しているが、目が笑っていない。その事に気がついたカナは背筋を伸ばし、
「わっ分かった!約束します!!」
ビシッと敬礼をするカナ。それを確認した奈緒はニコッと笑い、
「ありがとうね?カナちゃん」
そう奈緒が言うと、素早くカナ光輝と奈緒から離れたのを確認した後、光輝は
「奈緒。助けてくれてありがとう」
「……カナちゃんもカナちゃんだけど光輝も光輝よ。カナちゃんに挑発された程度で私以外の女に綺麗なんて言おうとしちゃ駄目なんだから」
少し怒った様子で言う奈緒に光輝は苦笑いを浮かべる。こういうときの奈緒はカナ以上にめっちゃくちゃ面倒だし、怖いのだ。なので素直に従うことにする。
「ごめんって…奈緒」
「なら、私のこと綺麗って言って。それで許したげる」
期待に満ちた瞳を向ける奈緒に対し、光輝はため息を吐いた途端、奈緒は不満そうに頬を膨らませる。そして――。
「何それ!!何でカナちゃんと同じ反応なの!?酷すぎると思うんだけど!!」
「いや……だって……」
光輝は奈緒の耳元でこう囁いた。
「そういうのは二人っきりの時に、な」
実際、嘘じゃない。二人っきりだったら言えるし、そもそもこのドレスはカナの為に着ているドレスであり、光輝の為じゃ無い。それを分かっていながら言ったのだが……。
すると、みるみると顔を赤く染めていく奈緒。そのまま俯いて黙り込んでしまった。
「でも、奈緒がそこまで言うのなら仕方ないか……」
「ま、待って!分かったから!じゃ……二人っきりになったときに言ってね?」
赤く、熱を帯びた顔のまま上目遣いに見てくる奈緒。それに対し、光輝は――
「ああ、勿論」
そう言いながら笑顔を向けた。
△▼△▼
「あいつら恥ずかしくねーのかな……?」
「あはは……」
呆れたように呟く春人だが、その隣にいる春香は苦笑いをしている。側から見たら正にバカップルである。しかし、当人達は全く気にしていないようだ。
「側から見たら私達もあんなのかなぁ?」
ポツリと呟かれた言葉。奈緒と光輝のことをバカにしていたが、自分達も同じことをしているかもしれないと思い始めたらしい。
「違うだろ。……多分。和馬のことが好きなのは確かだけど俺らはバカップルじゃ――」
ないと言いかけた瞬間だった。和馬の顔を見た瞬間、春人の口の動きが止まった。
「氷室くんってさ、可愛いよねー」
カナの関係者達の招待客として来ていた女達がそんな会話をしていた。和馬は満更でもないのか照れ臭そうな笑みを浮かべている。
「………」
「………」
春人と春香は無言になる。あの表情を見れば分かるだろう。満更ではないどころか嫌だ。そんな表情を自分以外の人を見せるな、と。二人は無言のまま歩き出す。向かう先は当然――。
「ごめんね。みなさん!和馬をお借りしまーす」
「ごめん。ちょっと用事を思い出したんだ!」
そう言いながら、二人は和馬を連れ出し、会場の外へと出ていき、行く先は監視カメラの死角になっている場所。そこで春人は壁ドンをして、
「和馬さぁ……なんでお前は満更じゃないの?俺、あの女達に嫉妬したんだけど?ねぇ……?」
「えっ?いや……だって……」
「和馬は私達よりあんな女どもの言葉の方が嬉しいの?……酷いよ。私はこんなにも……こんなにも……!」
涙ぐむ春人と春香。そんな二人の様子に和馬は慌てた様子で、――あっ!これヤバイ! と思ったときにはもう遅い。
次の瞬間――。
「夜。覚悟しろよ」
そう言われた直後、和馬は悟った。……ああ。これ俺に選択肢ないやつだ……と。
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】大変申し訳ありませんが、うちのお嬢様に貴方は不釣り合いのようです。
リラ
恋愛
婚約破棄から始まる、有能執事の溺愛…いや、過保護?
お嬢様を絶対守るマンが本気を出したらすごいんです。
ミリアス帝国首都の一等地に屋敷を構える資産家のコルチエット伯爵家で執事として勤めているロバートは、あらゆる事を完璧にこなす有能な執事だ。
そんな彼が生涯を捧げてでも大切に守ろうと誓った伯爵家のご令嬢エミリー・コルチエットがある日、婚約者に一方的に婚約破棄を告げられる事件が起こる。
その事実を知ったロバートは……この執事を怒らせたら怖いぞ!
後に後悔しエミリーとの復縁を望む元婚約者や、彼女に恋心を抱く男達を前に、お嬢様の婿に相応しいか見極めるロバートだったが…?
果たして、ロバートに認められるようなエミリーお嬢様のお婿候補は現れるのだろうか!?
【物語補足情報】
世界観:貴族社会はあるものの、財を成した平民が貴族位を買い新興貴族(ブルジョア)として活躍している時代。
由緒正しい貴族の力は弱まりつつあり、借金を抱える高位貴族も増えていった。
コルチエット家:帝国一の大商会を持つ一族。元々平民だが、エミリーの祖父の代に伯爵位を買い貴族となった資産家。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる