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九話 『話し合いの末……』
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ジール様の登場によりマリー様はますます顔色を悪くしているが、ジール様は困った表情になり、マリー様は顔を真っ青にさせていた。しかし、ジール様はすぐに口を開いた。
「ええ。僕たちは愛し合っていたんですよ。ですよね?マリー嬢」
迫真の演技でジール様はそう言った。
この部屋……演技が上手いやつらしかいねーな。私はうまくないけども。
「……そ、それは……」
「まさか、あの夜の出来事が嘘だったとでも?二人で永遠に一緒にいよう……と、そう誓い合ったあの夜が嘘だったと?」
ジール様は悲しそうな表情でそう言った。……演技のクオリティー高すぎないか?マリー様と同様、ジール様も演技が上手すぎるやろ!
「お、おい、う、嘘だよな……?マリー」
レオナルド様は震えた声でそう言った。レオナルド様も中々の演技だ。そう思っているとクラウス様がケラケラと笑いながら、 こう言った。
「レオナルド様もさぁ。下手な演技は辞めてよー。レオナルド様も浮気しているくせにさぁ」
クラウス様はニヤニヤしながら、そう言った言葉と同時に扉が勢いよく開く。
「レオナルド様!酷いですわ!私という婚約者がいながら!」
そう言って、入ってきたのは……
「え、エリー!?」
レオナルド様は驚いた表情でそう言った。エリーと呼ばれた女性は怒りに顔を染めて、レオナルド様に近づく。
……エリー様?え、エリー様って……成績優秀で、淑女の鑑と言われているあのエリー様? 私は思わず口をあんぐりと開けてしまう。そんな私を余所にエリー様は怒りを露わにして、レオナルド様に詰め寄る。
「レオナルド様、言いましたよね!?この婚約者と別れて私と結婚してくれるって!それなのに、この浮気女とまだ付き合っているなんて!」
エリー様は勢いよく私とマリー様を指しながらそう言った。……え、エリー様ってこんな人だったの?見た目と全然違うんだけど。もっとお淑やかで清楚な人だと思ってたんだけど。
「いや、エリー。違うんだ!この女は……」
「言い訳は結構ですわ!私という女がいながら、こんな女に手を出すなんて!こんなビッチと一緒になるなんて!」
地獄絵図、という四文字が頭に浮かぶ。マリー様は青い顔をして、エリー様を見ているし、ジール様は演技を続行中だし、クラウス様は笑いを堪えて、レオナルド様はエリー様に詰め寄られて青い顔をしているし、エリー様は怒ってるし。……カオスだ。この空間カオスすぎる。
私はそう思いながらも、静かに成り行きを見守ることにしたのだった。
△▼△▼
あれから。エリー様は泣き崩れた辺りで私は退場した。後で知ったことだが、エリー様はクラウス様が頼んだものらしい。……エリー様を呼べるとかマジでクラウス様って何者なんだろうか……?
そんなことを思いながら、私は目を閉じながら思いを馳せていた。
ちなみに、あの修羅場の後。レオナルド様とマリー様は破局したのこと。
何でも、お互いにブーメランを投げ合ってたとかなんとか。クラウス様曰く……。
『マリーのあの顔めちゃくちゃ傑作だったぜ!お前も見れば良かったのによ!』
……とのことらしい。因果応報な結末だったし。そして……私は退学を回避出来たしそれで満足だ。そしてついでにあの二人から大量の慰謝料を貰った。
正直こっちが申し訳なくなるぐらいの額だった。だからといって返すつもりは毛頭ないが。
そして――。
「カトリーヌ嬢」
不意に背後から声を掛けられて振り返るとそこにはジール様が立っていた。ジール様は私を見てニコリと微笑みながら、 こう言った。
「ジール様……!」
ジール様も……復讐の協力者だったしクラウス様も金は出すって言っていたのに、
『いや、別にいいです。僕はお金のために協力しているわけじゃないので』
……とのことらしい。良い人すぎやろ。ジール様……と思った。
まぁ、クラウス様は『いい人ぶるな!人誑しが!』とか言いながら無理矢理金を握らせて逃げていったが……因みに、私も納得出来なかったのでジール様にお金を渡そうとしたのだが、ジール様は頑なに受け取ろうとしなかった。だけど、私がしつこく言ったから渋々だったが受け取ってくれた。
「どうかなされましたか?ジール様」
そう思いながら私はジール様にそう問いかける。ジール様は笑みを崩さず、私を見つめ、そして口を開く。
「いや、何。カトリーヌ嬢の姿が見えたもので……それに……あいつもカトリーヌ嬢に挨拶したい様子でしたから」
……あいつ?私は首を傾げていると、ジール様はツカツカと柱の方に歩いていく。……柱?なんで柱の方に……? 私が頭に疑問符を浮かべていると、ジール様は誰かの手を引っ張っていると……
「……ってあれ?クラウス様?」
そこにいたのはクラウス様だった。しかも、何かよくわからないけど顔を真っ赤に染めている。………何で?私は困惑したまま、ジール様とクラウス様を交互に見ていると……
「僕が出来るのはこれだけ。……ったく。自分では会いに行けないなんて……本当、ヘタレだよな」
「な、なんだと!ジールお前!」
クラウス様が顔を真っ赤にしてそう叫ぶが、ジール様はそれを華麗に無視して、私に笑顔を向けてくる。
「……カトリーヌ嬢。じゃあ僕はこれで」
「え?あ……はい?」
そう言って二人は去っていった。私は訳が分からず首を捻るばかりだった。
「ええ。僕たちは愛し合っていたんですよ。ですよね?マリー嬢」
迫真の演技でジール様はそう言った。
この部屋……演技が上手いやつらしかいねーな。私はうまくないけども。
「……そ、それは……」
「まさか、あの夜の出来事が嘘だったとでも?二人で永遠に一緒にいよう……と、そう誓い合ったあの夜が嘘だったと?」
ジール様は悲しそうな表情でそう言った。……演技のクオリティー高すぎないか?マリー様と同様、ジール様も演技が上手すぎるやろ!
「お、おい、う、嘘だよな……?マリー」
レオナルド様は震えた声でそう言った。レオナルド様も中々の演技だ。そう思っているとクラウス様がケラケラと笑いながら、 こう言った。
「レオナルド様もさぁ。下手な演技は辞めてよー。レオナルド様も浮気しているくせにさぁ」
クラウス様はニヤニヤしながら、そう言った言葉と同時に扉が勢いよく開く。
「レオナルド様!酷いですわ!私という婚約者がいながら!」
そう言って、入ってきたのは……
「え、エリー!?」
レオナルド様は驚いた表情でそう言った。エリーと呼ばれた女性は怒りに顔を染めて、レオナルド様に近づく。
……エリー様?え、エリー様って……成績優秀で、淑女の鑑と言われているあのエリー様? 私は思わず口をあんぐりと開けてしまう。そんな私を余所にエリー様は怒りを露わにして、レオナルド様に詰め寄る。
「レオナルド様、言いましたよね!?この婚約者と別れて私と結婚してくれるって!それなのに、この浮気女とまだ付き合っているなんて!」
エリー様は勢いよく私とマリー様を指しながらそう言った。……え、エリー様ってこんな人だったの?見た目と全然違うんだけど。もっとお淑やかで清楚な人だと思ってたんだけど。
「いや、エリー。違うんだ!この女は……」
「言い訳は結構ですわ!私という女がいながら、こんな女に手を出すなんて!こんなビッチと一緒になるなんて!」
地獄絵図、という四文字が頭に浮かぶ。マリー様は青い顔をして、エリー様を見ているし、ジール様は演技を続行中だし、クラウス様は笑いを堪えて、レオナルド様はエリー様に詰め寄られて青い顔をしているし、エリー様は怒ってるし。……カオスだ。この空間カオスすぎる。
私はそう思いながらも、静かに成り行きを見守ることにしたのだった。
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あれから。エリー様は泣き崩れた辺りで私は退場した。後で知ったことだが、エリー様はクラウス様が頼んだものらしい。……エリー様を呼べるとかマジでクラウス様って何者なんだろうか……?
そんなことを思いながら、私は目を閉じながら思いを馳せていた。
ちなみに、あの修羅場の後。レオナルド様とマリー様は破局したのこと。
何でも、お互いにブーメランを投げ合ってたとかなんとか。クラウス様曰く……。
『マリーのあの顔めちゃくちゃ傑作だったぜ!お前も見れば良かったのによ!』
……とのことらしい。因果応報な結末だったし。そして……私は退学を回避出来たしそれで満足だ。そしてついでにあの二人から大量の慰謝料を貰った。
正直こっちが申し訳なくなるぐらいの額だった。だからといって返すつもりは毛頭ないが。
そして――。
「カトリーヌ嬢」
不意に背後から声を掛けられて振り返るとそこにはジール様が立っていた。ジール様は私を見てニコリと微笑みながら、 こう言った。
「ジール様……!」
ジール様も……復讐の協力者だったしクラウス様も金は出すって言っていたのに、
『いや、別にいいです。僕はお金のために協力しているわけじゃないので』
……とのことらしい。良い人すぎやろ。ジール様……と思った。
まぁ、クラウス様は『いい人ぶるな!人誑しが!』とか言いながら無理矢理金を握らせて逃げていったが……因みに、私も納得出来なかったのでジール様にお金を渡そうとしたのだが、ジール様は頑なに受け取ろうとしなかった。だけど、私がしつこく言ったから渋々だったが受け取ってくれた。
「どうかなされましたか?ジール様」
そう思いながら私はジール様にそう問いかける。ジール様は笑みを崩さず、私を見つめ、そして口を開く。
「いや、何。カトリーヌ嬢の姿が見えたもので……それに……あいつもカトリーヌ嬢に挨拶したい様子でしたから」
……あいつ?私は首を傾げていると、ジール様はツカツカと柱の方に歩いていく。……柱?なんで柱の方に……? 私が頭に疑問符を浮かべていると、ジール様は誰かの手を引っ張っていると……
「……ってあれ?クラウス様?」
そこにいたのはクラウス様だった。しかも、何かよくわからないけど顔を真っ赤に染めている。………何で?私は困惑したまま、ジール様とクラウス様を交互に見ていると……
「僕が出来るのはこれだけ。……ったく。自分では会いに行けないなんて……本当、ヘタレだよな」
「な、なんだと!ジールお前!」
クラウス様が顔を真っ赤にしてそう叫ぶが、ジール様はそれを華麗に無視して、私に笑顔を向けてくる。
「……カトリーヌ嬢。じゃあ僕はこれで」
「え?あ……はい?」
そう言って二人は去っていった。私は訳が分からず首を捻るばかりだった。
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