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十二話 『魔法省にて』
しおりを挟む半年ぶりのクラウス様に私は驚きで言葉が出なかった。……まさか、エール様の親戚だったなんて……! 私は驚きすぎて言葉を失ったが、クラウス様の方が私の何倍、何十倍も驚いていた。
「お前のことかよ…せっかく、忘れたのに……」
そう小声で言って、クラウス様はため息を吐かれた。私だって……忘れてたよ。
「私も忘れてましたよ」
私がそう言うと、クラウス様も頷きながら、私たちは揃ってため息を吐いた。
△▼△▼
それから、私たちは少しだけ話してから、別れた。
クラウス様とはあの日――卒業パーティー以来、話してなかったし。
「クラウス様、元気そうでよかった……」
クラウス様……元気そうでよかったわ。私はクラウス様の後ろ姿を見ながら、そんなことを思いながらため息を吐く。
私は気合を入れて魔法省へと向かう。……恋なんてもうしないと、誓ったのに。なのに……
「(どうして、また……)」
あの日から、私はクラウス様のことが頭から離れない。
「(……恋なんて、もうしないって決めたのに)」
でも、また……してしまった。クラウス様を見ると、胸がドキドキと高鳴って……
「(今更、遅いのに)」
だって、クラウス様は私の恋心忘れたって言ってたし。……そもそも、私の何処を好きになったのだろう。そんなこと、詳しく聞いたことなかったし。
だって怖いじゃん?そんなこと聞いて何になるのかよくわからないし……それに、私は……
「(バカみたい)」
今更恋して何になるの?とゆうか、ちょっと話しただけじゃない!私は首を横にぶんぶんと振って、クラウス様のことを忘れようとする。でも、一度考えてしまうと、またクラウス様のことを考えてしまう
「(………この気持ちを……何処に捨てよう)」
私はまた、またクラウス様への恋心を捨てた。もう、恋なんてしないって決めたのに。何で……今さら、恋なんて……
私はまたため息を吐いて、魔法署に足を踏み入れると、
「どう?うちのいとこは!かっこよかったでしょ?」
「わっ!」
いきなり、誰かに声を掛けられた。私は驚いて後ろに振り向くと、そこにはエール様が立っていた。グイグイと私に近づいてきながら。
「あいつさー。カトリーヌちゃんに惚れてたらしいんだけどカトリーヌちゃん振ったらしいじゃん?それで吹っ切れたかと思いきや、やっぱり好きなままみたいでうじうじしていて見てられなかったから、私が会わせてあげたの!ごめんね?カトリーヌちゃんにはいい迷惑だったと思うけど!」
「いえ、そんなことは……」
エール様はいつものようなテンションでそんなことを言っていた。私が否定すると、エール様は嬉しそうな笑みを浮かべた。まぁ、迷惑……というかびっくりしたけど。
「本当にありがとね。カトリーヌちゃん!あいつ、もう諦められたみたいで、また新しい恋を見つけたみたいだから!……あ、でも、もうカトリーヌちゃんには迷惑掛けないから安心してね!」
……エール様が、そんなことを言っていたけど。私は話の半分も聞いてなかった。
だって……エール様の言葉が衝撃的だったから。
諦められた……?新しい恋を見つけた? あの、クラウス様が? もう……迷惑掛けないから安心してって……ことは。
「(やっぱり迷惑だったかも…)」
だって。私は……クラウス様の恋を昨日自覚させたのだ。あんなところにいさせなければ。
エール様に会わせてもらわなければ……
私は、クラウス様への恋心を捨てられるはずなのに。なのに……もう、捨てることは出来なくなっていた。
「……ありがとうございます」
でも、そんなこと、悟られるわけには行かなくて、私は無理矢理笑顔を作って、エール様にお礼を言う。
私がお礼を言うと、エール様はまた嬉しそうに笑った。
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