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2.思い
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「鋭一」
ほらっという感じで、晶が手の中にあったものを見せる。
「あ、スマホだ」
晶は中学校に上がり、スマホを買ってもらったのだった。
「あ、いいなぁ」
「写真とってあげようか」
「うん」
遊び感覚でいろいろなポーズで写真を撮った。
最初は晶が鋭一を撮っていたが、鋭一も晶に操作を教えてもらい、撮ってみたりする。
ふざけて一緒に写ったりするのだけど――
「晶、ちょっとやめてよぉ」
「なんでいいだろ」
晶がキスをしようとする。
ふざけてやっているのだろうけども、鋭一はちょっとドキドキする。
頬にキスをされたとこを撮られた。
「なんで脱ぐの」
晶は上着を脱いで上半身裸になった。
いきなりの行動にドギマギしつつ鋭一は言った。
「最近、腹筋鍛えてさ、割れてるだろ?」
「ええ? そうかなぁ」
細身の体はどちらかというと、柔からな印象で筋肉のエッジはほとんど無かった。
中性的な印象の方が強い身体をしていた。
「なあ、撮ってみてよ」
「いいけど」
何枚か撮影する。
すると――
「鋭一も脱いでみろよ。撮ってやるから」
「えぇ?」
晶の言葉に「なんで?」という思いが起きる。
「男同士なんだし、いいだろ」
確かに上半身裸の写真を撮られたからといってどうということもないかもしれない。
ただ晶の前で肌を見せるという行為がなんとなく恥ずかしかった。
「ボクも撮ったんだからさ、記念だよ。記念」
「うーん」
鋭一は上着を脱いだ。ちょっとためらいながら。
「……」
晶はスマホを構えて真剣な表情をしていた。
「ねえ、なんか言ってよ。マジになってちょっと怖いよ」
「ああ、悪い。じゃあ撮るよ」
ふたりは、「悪ふざけ」の延長ということで、写真を撮り合った。
次第にエスカレートしていき、尻が半分見えているような写真まで撮ってしまった。
ただ、それも鋭一にとっては遊びであり、悪ふざけの範疇であると思っていた。
◇◇◇◇◇◇
リビングにスマホが置き忘れてあった。
晶の物だった。
スマホが鳴る。
リビングに居たのは、晶の母だけだった。彼女がスマホを手にとったきにには鳴り止んでいた。
「え?」
母は、手に取ったスマホを凝視していた。
思春期の男の子であるから、待ちうけ画像に「思春期男子らしい物」が設定されているのではと思った。
が、それは母の予想した「物」ではなかった。
「何これ?」
思わず呟いてしまう。
それは恋人のように顔を寄せ合う鋭一君と息子の写真だった。
ふたりは仲が良い友達だ――と、思う。しかし、それにしても、この写真の距離感はちょっと異様なものを感じさせた。男性同士の写真としては、どこか不自然だった。
言葉にできない気持ちのもやもや、引っかかりは、母親を次の行動に移させた。
息子といえどもプライバシーはある。しかし、それでも……
母親はスマホの写真フォルダを確認してしまった。
母親は愕然とする。
そこにはびっしりと鋭一君の写真が記録されていたのだから――
もし、恋人同士であったとしても、これほど相手の写真を溜め込むことはないであろうと思える量だ。
寒気を覚えた。
◇◇◇◇◇◇
「ただの遊び、悪ふざけだよ」
母の問いかけに対し、晶は言った。
「でも、この写真の量は…… なんで鋭一君だけこんなにたくさん」
「それだけ、仲がいいってことで、いいじゃないか」
「……」
そうかもしれないし、そうでもないかもしれない。母は言葉に詰まる。
母は自分の息子の言葉を信じたかったけれども、どうしても疑念が胸の底に残っていた。
晶が明るく言っても、その言葉でわだかまりが消えるわけではなかった。
かといって深く追求するには、あまりに問題が微妙すぎた。
「大丈夫だよ。母さん。問題ないよ。本当に……」
「そうね」
そうあって欲しい。
息子が同性愛、しかも年下の子どもを性愛の対象としていると思うことはあまりにおぞましく、犯罪的であり深く考えることが躊躇われた。だから、母親は息子の言葉を信じるしかなかった。
ほらっという感じで、晶が手の中にあったものを見せる。
「あ、スマホだ」
晶は中学校に上がり、スマホを買ってもらったのだった。
「あ、いいなぁ」
「写真とってあげようか」
「うん」
遊び感覚でいろいろなポーズで写真を撮った。
最初は晶が鋭一を撮っていたが、鋭一も晶に操作を教えてもらい、撮ってみたりする。
ふざけて一緒に写ったりするのだけど――
「晶、ちょっとやめてよぉ」
「なんでいいだろ」
晶がキスをしようとする。
ふざけてやっているのだろうけども、鋭一はちょっとドキドキする。
頬にキスをされたとこを撮られた。
「なんで脱ぐの」
晶は上着を脱いで上半身裸になった。
いきなりの行動にドギマギしつつ鋭一は言った。
「最近、腹筋鍛えてさ、割れてるだろ?」
「ええ? そうかなぁ」
細身の体はどちらかというと、柔からな印象で筋肉のエッジはほとんど無かった。
中性的な印象の方が強い身体をしていた。
「なあ、撮ってみてよ」
「いいけど」
何枚か撮影する。
すると――
「鋭一も脱いでみろよ。撮ってやるから」
「えぇ?」
晶の言葉に「なんで?」という思いが起きる。
「男同士なんだし、いいだろ」
確かに上半身裸の写真を撮られたからといってどうということもないかもしれない。
ただ晶の前で肌を見せるという行為がなんとなく恥ずかしかった。
「ボクも撮ったんだからさ、記念だよ。記念」
「うーん」
鋭一は上着を脱いだ。ちょっとためらいながら。
「……」
晶はスマホを構えて真剣な表情をしていた。
「ねえ、なんか言ってよ。マジになってちょっと怖いよ」
「ああ、悪い。じゃあ撮るよ」
ふたりは、「悪ふざけ」の延長ということで、写真を撮り合った。
次第にエスカレートしていき、尻が半分見えているような写真まで撮ってしまった。
ただ、それも鋭一にとっては遊びであり、悪ふざけの範疇であると思っていた。
◇◇◇◇◇◇
リビングにスマホが置き忘れてあった。
晶の物だった。
スマホが鳴る。
リビングに居たのは、晶の母だけだった。彼女がスマホを手にとったきにには鳴り止んでいた。
「え?」
母は、手に取ったスマホを凝視していた。
思春期の男の子であるから、待ちうけ画像に「思春期男子らしい物」が設定されているのではと思った。
が、それは母の予想した「物」ではなかった。
「何これ?」
思わず呟いてしまう。
それは恋人のように顔を寄せ合う鋭一君と息子の写真だった。
ふたりは仲が良い友達だ――と、思う。しかし、それにしても、この写真の距離感はちょっと異様なものを感じさせた。男性同士の写真としては、どこか不自然だった。
言葉にできない気持ちのもやもや、引っかかりは、母親を次の行動に移させた。
息子といえどもプライバシーはある。しかし、それでも……
母親はスマホの写真フォルダを確認してしまった。
母親は愕然とする。
そこにはびっしりと鋭一君の写真が記録されていたのだから――
もし、恋人同士であったとしても、これほど相手の写真を溜め込むことはないであろうと思える量だ。
寒気を覚えた。
◇◇◇◇◇◇
「ただの遊び、悪ふざけだよ」
母の問いかけに対し、晶は言った。
「でも、この写真の量は…… なんで鋭一君だけこんなにたくさん」
「それだけ、仲がいいってことで、いいじゃないか」
「……」
そうかもしれないし、そうでもないかもしれない。母は言葉に詰まる。
母は自分の息子の言葉を信じたかったけれども、どうしても疑念が胸の底に残っていた。
晶が明るく言っても、その言葉でわだかまりが消えるわけではなかった。
かといって深く追求するには、あまりに問題が微妙すぎた。
「大丈夫だよ。母さん。問題ないよ。本当に……」
「そうね」
そうあって欲しい。
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