ボクが女体化したのは、初恋の最強女教師を倒して恋人にしたいから

中七七三

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31.狂気のボンデージ女

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 紐のようなエナメルのボンデージ姿の痴女。
 奇妙な動きをする女――
 それがボクの今日の敵だった。

(身長は一七〇センチくらいか…… 小さくはないけど珍しくはない)

 普通の女性よりは身長が高いということ意外で大きな特徴はない。
 いや――
 おっぱいが大きい。女体化したボクよりやや大きいんじゃないかと思う。
 ――Jカップ以上……

 乳首はひも状のボンデージで際どくかくされてたが、その盛り上がりが見て取れる。

「うふふ、じっとこっちを見て…… そんなに私が魅力的かしら?」

 いきなり声をかけてきた。
 口は三日月のような笑みを浮かべていたが、瞳の中には怖い光があった。

「いいのよ。アナタさえよければ、ここでギブアップしても――」
「――」
「アナタは可愛いから私の肉奴隷、夜の玩具おもちゃにしてあげる。新しい玩具が欲しかったし…… ふふ」

 ダラリと下げた腕を不規則なリズムでゆらしながら、ボンデージ女は言った。

 ふひゅッ――

 ボクは鋭い呼気を吐き、一気に間合いを詰める。
 予備動作をみせない動き。今まで見たことのある動きをトレースしたものだ。
 間合いに入る。
 ボンデージ女は相変わらず口だけで笑っている。
 妖艶ともいえる笑みだった。
 
 ボクは子宮を狙う。
 一気に子宮を貫くつもりで、手のひらを当てた。
 瞬間だった――

「んあんッ♥ いいわ~」

 女はそう言うとボクをぶん投げた。
 なにがどうなっているのか?
 どうして投げられたのか分らない。
 手をお腹に当てた瞬間、重力が消失していた――
 天地が回転する。

 ドンッ――と、闘技場に叩きつけられる。
 衝撃で、肺の中の空気が全部出て行った。
 辛うじて頭を守った。

 ボクは立ち上がろうと――

 がつんと、凄まじい衝撃が生じる。
 顔面に蹴りがぶち込まれたことが分るのが数瞬遅れるぐらい。
 受けたときは何をされたのかさっぱり分からなかった。
 ボクはそのまま、仰向けに倒れた。無様なことに。
 とにかく、相手の攻撃が「意識の外側」「死角」から吹っ飛んでくる。
 見ることができなければ、ボクにはなにもできない

 ひっくり返ったボクに、ボンデージ女は攻撃を仕掛ける。
 足。
 足裏。
 それが見えた。
 見えたけど、体が痺れて動けなかった。

 ぐじゃぁぁッ!

 もろに攻撃を受けた。
 子宮直撃の踏みつけ攻撃だった。

「げはぁぁぁぁッ」

 一瞬、股間を意識する。
 股の間から子宮が飛びでてしまったのではないか?
 そんな風に思った。
 幸いに、そこまではいかなかったけども。

 どン!
 
 こんどは頭だった。
 意識が下半身にいった瞬間、頭に足が振り下ろされた。
 まるで、鉄塊の一撃だった。
 目の前が真っ赤になった。
 口が鉄臭い―― 血だった。
 口の中にゴロゴロする石のようなものがあった。
 それを血と一緒に吐き出した。
 歯だった。

「うふふ、どうかしら? もう止めておく。ギブアップしてもいいよの」

 まずい。このままでは――
 この相手――
 ボンデージ女と戦い続けるのは危険だ。
 ボクは思う。

「ぎ、ギブ――」

 開きかけた口に拳がめり込んだ。

「うふふ、やっぱり駄目よ。まだまだ、頑張ってもらわないと、だって血まみれのアナタが可愛いすぎるんだもの♥」

 ボンデージ女は、死神の笑みを浮かべ、ボクの髪を掴んだ。
 そして、ぐいと持ち上げる。
 ボクはなんの抵抗も出来ず、体を宙に持ち上げられていた。
 凄まじい碗力だった。

「私、元軍人なの…… それで、とっても拷問が好きなの。うふふ」

 ゾッとするようなことを言った瞬間――
 ボクはそのまま、地面に叩きつけられた。
 頭からだった。
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