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その5:美少女エルフを拾った

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 俺はダンジョンの中をリヤカーを引いて進んでいる。

 「お浄めの儀」が終わるとダンジョンに探索にでる。
 それが、俺たちの日常だ。

 俺は、底辺エロ絵師。36歳童貞。
 金髪ツインテールの幼女賢者のロロリィに拉致され異世界の王子に転生した。
 でもって、今は王子になった。

 ティーバ王国の第九王子・ジーク王子だ。

 しかし、なぜ王子がリヤカーを引くのか?
 釈然としないものを感じつつも、俺はリヤカーを引くのである。

 ダンジョンの中を最後尾。パーティの最後尾をリヤカー引いてついて行く。

 俺の前には、パイォーツと魔王夫人のおっぱい1000万パワーズが歩いている。

 後ろからなので、おっぱいが見えない。クソ。

 先頭を歩いているのがシィーネだ。
 巨大なバトルアックスをハエタタキのように軽々と持っている。
 まさに、美少女打撃兵器である。

 緋色の髪を揺らし、歩く姿も美しい。美少女兵器である。
 皮のビキニスタイル。小麦色の肌がまぶしい。

 そして、その後ろをオニィィターンだ。
 スク水、白ニーソ、ランドセルの超電波!!大宇宙コスモ教の巫女の正装である。

 でもって、俺の隣をロロリィが歩いている。

 『ダンジョン戦争を勝ち抜いて、私は王妃になるのよ! もうね、下克上なのよ!』

 ロロリィの言葉が脳内に響く。

 念話だ。
 思念を言葉にして送り込む魔法。
 俺とロロリィは念話による会話ができた。

 彼女は俺の横をトコトコと歩いている。
 8歳、初潮前の天才賢者。
 金髪で碧眼。長いツインテールが歩みに合わせ揺れている。

 北欧の美の結晶ともいえる美貌の持ち主。
 北欧の妖精であり、北欧の美の女神が造り上げた美の結晶ともいうべき工芸品。
 そのレベルの美貌だ。

 『まあ、頑張って「ダンジョン戦争」に勝しかねーな』

 俺は念話で答えた。

 俺がダンジョンでリヤカーを引いているのも、「ダンジョン戦争」のせいである。

 ダンジョン戦争とはなにか?

 ティーバ王国ってのがある。
 俺はそこの第九王子のジーク・ティーバとなったわけだ。
 ちなみに、末っ子だ。

 でもって、この王国の王子は一番下の王子が成人すると「ダンジョン戦争」を実施する。
 成人年齢は18歳。ちゅーことは俺の体の年齢は18になっているということだ。

 ティーバ王国では次世代の王を「ダンジョン戦争」で決めるのである。

 ・嫁候補のハーレムパーティで参加
 ・1年間ダンジョンにこもる
 ・その1年間でダンジョンから一番「利益」得た者が王位を継ぐ

 「利益」というのがポイントだ。

 金はダンジョン内でモンスターを倒す。
 アイテムを手に入れ換金することで稼ぐことができる。

 パーティは人数制限は無い。
 パーティはいくらでも大きくできる。
 そうすれば、倒せるモンスターも増えるという理屈にはなる。

 しかし、それはパーティの維持費の増大を意味する。 

 「利益」が王位を決めるのである。

 つまり、あまりに大きなパーティを運用するのはリスクがでかい。
 ある程度適正な規模というものがある。

 それでも、支援メンバーまでいれて300人近いハーレムで乗り込んでいる王子もいるらしい。
 ざっとしか情報を目にしていないので、詳しいとこまでは理解してない。

 儀式やら、禁則事項やらルールが膨大過ぎるのである。

 しかし、重要なことがあった。

 この「ダンジョン戦争」の間、ハーレム・パーティのメンバーを孕ませてはいけないのだ。
 孕ませると、王位継承権を失う。ダンジョン戦争から脱落だ。

 ハーレムなのに「孕ませ禁止」という理不尽なルールなのだ。

 これだけの美少女に囲まれ、種付け行為はできない。

 「俺の子種で種付けしてあげるぅ~ 中にぴゅっぴゅッしてあげるからね。ちゃんと孕んでね」

 ということを言いながら、俺の「赤ちゃんできちゃう器」を一気に狭く熱い穴に挿入。
 キュンキュン、グリグリ、カクカク動かして、子宮口を突きまくる。
 子宮口をこじ開け、中に侵入。そこで、ドピュドピュするという行為が厳しい。

 「あああん、くるのぉぉ、熱い子種が子宮の中に来るのぉぉ、パンパンになっちゃうのぉぉ」

 当然、美少女がこのようなことを言うこともない。

 俺は童貞であった。
 俺の初めての体験は、絶対に中出しドピュドピュである。
 これは、ゆずれぬ俺の夢であった。

 「ああん、すごぃぃ、中に熱いのがどんどん出てくるぅぅ、もう溢れちゃうよぉぉ~ 孕んじゃうぅぅ、ああん、こんな濃い子種だと赤ちゃんできちゃうぅぅ」

 美少女にこう言わせたい。

 また、俺の高性能「赤ちゃんできちゃう器」で突きまくれば、当然のことながら、「いいのぉぉ! 中に! 中に出して!!」と言われる。
 自主訓練で鍛えまくった俺の「赤ちゃんできちゃう器」である。

 美少女がヒイヒイ言うに決まっているのである。

 俺は思索を続ける。

 中出しをやめて、外からぶっかけ――

 その考えもないではない。

 途中で挿入を止める。
 美少女のウネウネの肉穴から、俺の「赤ちゃんできちゃう器」を抜く。
 ドピュドピュする前に抜くのだ。

 これは正義なのか?
 そう問う声が俺の胸の内にあった。

 子種をかけて、美少女を白濁液でヌルヌルにするならば、挿入など必要ないのである。

 俺の「赤ちゃんできちゃう器」であれば美少女ハーレムの全員を白濁液の海に沈めることもできる。

 悪くない――
 それも悪くない。

 しかし、それは挿入無でできることなのだ。

 やはり俺の童貞喪失は中出しドピュドピュでなけばならない。
 その結論に行きつくのだ。

 『なあ、ロロリィ』

 俺は念話を送る

 『ん、なによ?』

 念話で返事をするロロリィ。

 『ハーレムのパーティメンバーを孕ませると、脱落なんだよな?』

 『もうね、私なら平気なのよぉ! まだ来てないから! ドピュドピュしても平気なのよ!』

 ロロリィは言った。
 8歳、初潮前にして、その性欲はビッチと言っていいレベルにあった。
 北欧ビッチだ。

 しかしだ――

 俺は脳内情報を検索しているときに、ある情報を見ていたのだ。

 ―王族の子種は初潮前の女子でも強制排卵させて孕ませるパワーがある―

 これだ。

 これが事実だとすると、死んだ王子がロロリィとエロいことしても本番行為をしなかった理由が分かる。

 王子は生粋のド変態で、ロロリィと2人でありとあらゆることをやっている。

 現世であれば、「お巡りさんこいつです!」と通報されるレベル。
 チャイナババァは卒倒だ。

 しかし、挿入だけはしない。
 ロリの1本筋のオマタに「赤ちゃんできちゃう器」をスリスリするにとどめている。

 ロロリィのありとあらゆる場所に子種をぶっかけている。
 しかし、子宮の中にだけは子種をいれていない。

 おそらくは、初潮前であっても孕ます能力が、その子種にあるからである。
 強制排卵というチートだ。
 その能力は俺に引き継がれていると考えるべきだろう。

 ドゴォォォォォーーーン!!

 凄い音がして、俺たちパーティーの前を横切る形で、何かがすっ飛んできた。
 そして壁に激突。

 ビチャァァァ――
 目の前の壁に、人間らしきものが叩きつけられた。
 肉と血の塊のオブジェになっている。

 身に着けていたと思われる鎧がひしゃげて転がる。

 俺の顔に生暖かい物がかかった。
 手で拭う。赤い。血か?

 ダンジョンの分岐道から、大きな影が現れた。
 巨大だ。でかい。身長4メートルはある。

 岩石のような鬼だ。イメージ的には鬼と表現するしかない。

 ゴツゴツとした皮膚。凶悪な顔。角もある。
 唇はなく、亀裂のように開いた口にはびっしり牙が生えている。

 「ぶっ殺す!!! 死ねや!! ド畜生がぁぁ!!」

 シィーネが破裂するようなダッシュ。
 緋色の長い髪を宙に舞わせる。

 「あら、ジャイアントオーガね――」

 パイォーツが言った。

 長いストレートな黒髪。濡れたような艶がある。
 体のラインが露わになるバブル期のお姉ちゃんが来ていたような服。
 ただ、胸の部分が大きく開いて谷間が丸見え。
 スカートも短い。
 腰には長刀をさしている。

 メガネの奥の涼やかな眼が、値踏みするように、モンスターを見ている。

 戦いに参加する気配はない。

 ギャァァァァアアアアアアーーース!!!

 ビリビリとダンジョンを振るわせる咆哮。

 緋色の髪をたなびかせ突っ込んでくるシィーネに向かって右腕を振り回した。
 アンバランスなほどぶっとい腕だ。

 閃光のように動くシィーネ。

 「うすのろがぁぁぁ!!! 死ね! 殺す! ぶっ殺す!!!」

 一気に間合いに入る。
 そして、敵に背中を見せるくらい体をひねる。
 しなやかな肢体が爆発的パワーを生み出す。

 爆発と表現すべき速度でバトルアックスをぶん回した。

 粉々に粉砕されるジャイアントオーガの右腕。

 シィーネのバトルアックスが床に突き立てる。
 彼女は、そのバトルアックスの握り手を起点として、そのまま逆立ちで飛ぶ。
 緋色の長い髪が荒れ狂ったようになびいていた。

 蹴りだ。
 右脚が天に向かって伸びる。
 そして、左脚がそれを追う。

 ジャイアントオーガの頭部を美少女の脚が挟み込む。
 美しく、そして、凄まじい威力をもった咢だ。

 頭が跡形もなく粉砕される。

 頭部を失ったジャイアントオーガは崩れ落ちた。

 ストンとシィーネは地に立った。
 ネコ科の大型肉食獣のような身のこなしだ。

 小麦色の肌に緋色の長い髪。長身。
 細い腰に、美しいラインを描く肢体。
 気の強そうな目元も魅力的。

 美少女ぞろいのハーレムだ。
 しかし、美少女という点では、このシィーネが一番かもしれない。
 とにかく、容姿に関して欠点が無い。

 「なあ、コイツいくらだ? パイォーツ」

 シィーネが訊いた。
 声まで、深夜アニメのヒロイン声である。

 「胃袋が1万5000グオルド。他はクズですね――」
 「なんだ、しけてるな――」

 シィーネはズボッと手刀をジャイアントオーガの腹に突き立てる。
 楽々と腕が体の中に入っていく。

 「ああ、これか? これが胃袋か?」

 メチメチと、内臓を引きずり出すシィーネ。
 ドロドロとした血が、飛び散っていく。

 「ああ、そうですね」
 「ハイよ――」

 シィーネはポイッとジャイアントオーガの胃袋を投げた。
 リヤカーの荷台に、べちゃりと落ちる。

 強いよ……
 俺のハーレムの美少女強い。

 シィーネはジャイアントオーガを瞬殺。
 戦闘に参加していない、パイォーツにしても戦闘力ではシィーネと互角だ。

 「ん? なんだ? あれ?」

 シィーネが言った。

 俺はシィーネが見ている方向を見た。
 なんか、緑色の物体があった。

 「なんだ?」

 俺は言った。

 「ああああ、エルフ? エルフじゃないの?」

 ロロリィが言った。

 エルフ?
 エルフってあのエルフ?
 耳が長くて美しい、幻想世界の住人のエルフ?
 マジ?

 俺は走った。

 いた。
 エルフだ。
 エルフの少女だった。

 緑の長い髪。
 折れてしまいそうな細い肢体。
 信じられないほど長いまつ毛。
 そして、エルフをエルフたる存在としている長い耳。

 生きてる。
 その細く緩やかなラインを描く胸が規則正しく上下していた。

 「え!!!! エッルーーーフ!!! エルフじゃぁぁぁあ!!!!!」

 俺絶叫であった。

 俺はエルフを拾った。
 当然、ハーレム要員にするのである。
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