H+ERO=ヒーロー!

千音 兎輝

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23.魔法は習得できますか?{あなた次第ですね↑ テメェには無理だ、けぇんな}

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 異世界に来て三日目に朝、ひさびさにすっきり起きることが出来た。
「んっー、異世界生活もさまになってきたな」
 まあ、まだ三日しかいないけどね! 
「希色ー、ご飯だよー」
「了解ー」
 まずは朝飯からだな。

「ごちそうさま」
 朝からかなりの量を食べてしまった。
「ねぇ希色、今日は何をするつもり?」
 スノウが聞いてきた。
「そうだな・・・・・・もし良かったら魔法を教えてもらえないか?」
 魔法があれば、イドやモモがいなくても戦うことができるからな。
「ん、いいよー」
「よし、よろしく頼むぜ、先生」


「魔法の基礎は、魔力を感じることです」
 丁寧な言葉使いでスノウは話を進める。
 朝飯を食ってから約三十分後、何故かコップを持って森の中にいる。
「魔力は大気中に溶け込んでいます。私たちは大気中の魔力を使って魔法を使えませんが、集めることはできます」
 スノウは自分の持っているコップに何かを注ぐしぐさをした。
「入りました」  
 スノウがコップを見せてくるが、何にも見えない。いや、何かぼんやりと見えるような、見えないような・・・・・・。
「そう、それが魔力です。希色には、大気中の魔力をこのコップに注いでもらいます」
 なるほどね。これが魔力を認知するための特訓なんだ。
「では、どうぞ」
 とりあえず周りをよく見てみる。うっそうと生い茂る枝、風に舞う葉・・・・・・。
 少しずつ、何かをぼんやり感じてきた。水のような、砂のような・・・・・・。
 そう思った瞬間にそれらを知覚できるようになった。
「これが魔力・・・・・・」
「え? もう見えるようになったんですか?」
「おう」
「早いね。普通は毎日続けて、1ヶ月かかるんだよ?」
「へー」
 まあ、できたものはできたんだ。次に行こうぜ。
「えー、じゃあ注いで下さいな」
「わかった」
 大気中の魔力を一カ所に集め、それをコップに注いだ。
「凄い、凄いよ希色! 才能があるよ!」
「そ、そう? ありがとさん」
 なんか無償に照れるな。
「だけど・・・・・・正直魔法の習得は難しいと思う」
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