追放されたけどスキル「ガチャ&???」が覚醒したので旅に出ます！

25

　自重とはなんなんだろう？と最近よく考えることが多くなってきた。
つい最近、冒険者ギルドのギルドマスターとサブギルドマスターに「自重しろーーーー！！」って怒られたばかりである。


「なんでこうなったんだろう？」


今、俺はギルドマスターの部屋で正座をさせられていた。
　その理由は、少し前に遡る。





エーファさんとゴーウェルさんにマジックバッグを見せてから「自重しろーーーー！！」と言われ、マジックバッグをしまおうとしたらエーファさんに没収されてしまった。ゴーウェルさんが羨ましそうな顔をしていたからもう一つ作ってあげた。ゴーウェルさんがものすごい笑顔だったのがウケた。
　俺は、部屋を出てから新しくなったギルドカードを受け取った。


「ハルトさん、おめでとうございます！これで、Sランクですね！」


「わぁ～、本当にSランクになっちゃった•••••••。」

　ヒナノさんに祝福されてようやくSランクになった事を実感して歓喜するなか冒険者ギルドに奴らが入ってきた。


「クソ！！どいつもこいつもうるせぇーぞ！烈火の剣のヤマト様が帰ってきたぞ！道をかけろよ！」

　俺が、Sランクになった事でギルドの中が騒がしくなっていたのだが、烈火の剣のヤマトがダンジョンから戻ってきた事によって更に騒がしくなった。


「げっ！ヤマトがダンジョンから戻ってきたのか！しかも機嫌も悪い。最悪だな。」

　ダンジョンから戻ってきたヤマトは、何故かボロボロで機嫌も悪い状態だった。ボロボロなのは、ヤマトだけじゃなくカイトもリナもルナも同じぐらいボロボロだった。
　受付にいた俺に気が付いたヤマトが俺の方に近づいてきた。


「あははは！まだ、冒険者ごっこしてたのか～？スキルが使えないゴミハルトがよーー！」


　俺がスキルを使えるようになったことを知らないヤマトは会うなりいきなり俺を詰ってきた。
俺はそれを否定もしないで黙って聞いていると、受付嬢のヒナノさんが話を始めた。


「あらあら？Bランクの烈火の剣のヤマトさんじゃないですか～！ダンジョンから戻ってきたんですね！素晴らしい素材、アイテム持ってきてくれたんですよね？こちらに出して下さい！買い取りしますから！」

　なんだか、やけにBランクを主張するヒナノさんだが、ヤマトもいつもみたいに素材やアイテムを自慢するようなだすのかと思ったらそうでもなかった。


「いや、今回は•••••••まぁ、なんだ、調子が悪くて••••これぐらいだ••••。」


俺は、ヤマトが出した素材を見て驚いた。驚いていたのは、受付にいたヒナノさんと近くにいた冒険者だ。
冒険者がコソコソと話を始める。


「おい、あれって中級ダンジョンの上層で取れるやつだよな？」

「えっ？あいつらってBランクだよな？いつも、もっと下層にもぐってるじゃん。」

「そうだよな？いつも自慢するみたいに出さないのかな？」

「でも、あれって2階層で取れる魔鉱石じゃない？それが、5つ？あれだけ？」


　ヤマトが出した素材は、他の冒険者が言うように2階層で取れる魔鉱石だった。


「•••ヤマトさん、これだけですか？いつものように魔物の素材は無いですか？」


「••••••だから調子が悪かったからこれだけだ！あと、パーティー募集をしたい。マッピングとポーターと料理と雑用する人を探している。」


「素材についてはわかりました。パーティー募集については何人ですか？この内容だと三人ぐらいですかね？」


「は？一人で十分だろ？そこにいるゴミハルトですら出来た事だぞ？」


　あれ？俺ってさっきからディスられてる？
怒っていいところだよな？って思っていたら、ヒナノさんから黒いオーラ？が漏れてきた？


「一人でいい？ゴミ？ゴミって誰の事ですか？まさか、ヤマトさんがクビにしたハルトさんのことですか？まさかですよね？だって、ハルトさんはSランクですもんね！？」


「はぁーー？Sランク？ハルトが？ふざけるなよ？スキルが使えないこいつが？」


「はぁー。ヤマトにクビになってからスキルが使えるようになったんだよ。まぁ、いろいろとあってSランクになった。」

　
「な、な、お前がSランク•••••。ふざけるなーー！ハルト！俺と決闘しろ！」




　俺は、ヤマトと決闘することになったのだが結果は俺の圧勝となった。
闘技場を半分破壊してしまった事によりギルドマスターに怒られてしまったのだった。