サヨナラは桜の樹の下で

序章

俺が暮らしている島、春無島(しゅんむじま)には不思議な木がある。

桜の木なのに桜を咲かせたことがない。

島の言い伝えによると『夏には緑が生い茂り、秋には紅葉を咲かせ、冬には全てが枯れる。』

『しかし桜は咲かせたことがない』

と、

しかもそれはその人にしか見てないと言われている

だから、春無島と呼ばれている

そしてある日、俺にも桜が見えてしまった。

その物語を綴ろう